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13章:香織と少年の交換日記
1-3 梟の森
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となると、近所に住んでいる子か、もしくは、迷子か…。
いや、迷子だったら、もっと慌ててる筈か…。
「僕、お家は?この辺りに住んでるの?」
そう訊ねると、今度は大きく頷いた。
「向こうの、郊外の方に住んでるの?そこに、お母さんもいるのかな?」
続けざまにそう訊ねた。しかし、彼は、何も答えることなく、少し怯えた様子で、走り去ってしまった…。
正直、子どもの世話など、余り得意ではない…。彩か寧々、麻由美がいてくれたら、少しは変わったかもしれない…。
少し残念ではあったが、立ち上がり、私は店内に入った。
店内のカウンターには、常連の女性客が一人、手前側の席に座っており、古川マスターと話し込んでいる…。
「ただいま戻りました。」
私は、持っていた紙袋を、レジ横に置いた。
「お帰りなさいませ。」
「言われた物、買ってきましたよ。後、黒田さんから、グッズ制作会社のカタログも貰ってきましたよ。」
袋の中から、先ほど貰った冊子を取り出し、古川マスターに手渡した。
「これは、有難い。こういうの、私は疎くて、非情に困っていた所でした。」
古川マスターは、冊子をパラパラとめくり、興味深そうに、眺めていた。
その間に私は、買ってきたペーパーフィルターや木べら等を、所定の位置に収納させた。
「何か、やられるんですか?」
常連の女性客が、訊ねてきた。
テイクアウトを始めることは、秘密にしている訳では無いが、まだ常連客の誰にも教えていなかった。
実のところ、まだ、計画段階の話の為、余り、公言はしたくないというのが、古川マスターの意向だった。
だから、私は思わず古川マスターの顔を見た。
それを察したのか、古川マスターが話始めた。
「この店も、そろそろオリジナルのグッズでも作ろうかと思いましてね?
それを作ってくれる所を探していたのですよ。」
「出来たら、タンブラーとかも欲しいかも!」
女性客が興奮した様に声を発した。
「タンブラー、ですか?」
「はい!職場とかでも、使いたいです!」
確かに、タンブラーとかなら、他の店や、チェーン店でもグッズ化されている事が多い為、需要は高そうだ。
それなら、私も欲しいかもしれない…。
「なるほど…。それは盲点だったかもしれませんね…。」
「この際、常連さんたちにも意見貰った方が、何かと案が出てくるかもしれませんね。」
「そうだね…。僕らじゃ、決められないこともあるからね…。」
そこに、聞き慣れた声が、店の奥の方から聞こえた。
いや、迷子だったら、もっと慌ててる筈か…。
「僕、お家は?この辺りに住んでるの?」
そう訊ねると、今度は大きく頷いた。
「向こうの、郊外の方に住んでるの?そこに、お母さんもいるのかな?」
続けざまにそう訊ねた。しかし、彼は、何も答えることなく、少し怯えた様子で、走り去ってしまった…。
正直、子どもの世話など、余り得意ではない…。彩か寧々、麻由美がいてくれたら、少しは変わったかもしれない…。
少し残念ではあったが、立ち上がり、私は店内に入った。
店内のカウンターには、常連の女性客が一人、手前側の席に座っており、古川マスターと話し込んでいる…。
「ただいま戻りました。」
私は、持っていた紙袋を、レジ横に置いた。
「お帰りなさいませ。」
「言われた物、買ってきましたよ。後、黒田さんから、グッズ制作会社のカタログも貰ってきましたよ。」
袋の中から、先ほど貰った冊子を取り出し、古川マスターに手渡した。
「これは、有難い。こういうの、私は疎くて、非情に困っていた所でした。」
古川マスターは、冊子をパラパラとめくり、興味深そうに、眺めていた。
その間に私は、買ってきたペーパーフィルターや木べら等を、所定の位置に収納させた。
「何か、やられるんですか?」
常連の女性客が、訊ねてきた。
テイクアウトを始めることは、秘密にしている訳では無いが、まだ常連客の誰にも教えていなかった。
実のところ、まだ、計画段階の話の為、余り、公言はしたくないというのが、古川マスターの意向だった。
だから、私は思わず古川マスターの顔を見た。
それを察したのか、古川マスターが話始めた。
「この店も、そろそろオリジナルのグッズでも作ろうかと思いましてね?
それを作ってくれる所を探していたのですよ。」
「出来たら、タンブラーとかも欲しいかも!」
女性客が興奮した様に声を発した。
「タンブラー、ですか?」
「はい!職場とかでも、使いたいです!」
確かに、タンブラーとかなら、他の店や、チェーン店でもグッズ化されている事が多い為、需要は高そうだ。
それなら、私も欲しいかもしれない…。
「なるほど…。それは盲点だったかもしれませんね…。」
「この際、常連さんたちにも意見貰った方が、何かと案が出てくるかもしれませんね。」
「そうだね…。僕らじゃ、決められないこともあるからね…。」
そこに、聞き慣れた声が、店の奥の方から聞こえた。
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