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ファイルXV:奪還作戦
#22
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「…リュー、それ解析して、警察の音声データと照合して、人物の特定お願い。クドーは暫く休んでて。」
工藤刑事の刑事としての執念を垣間見た。自分の身を挺して、確定的な情報をもってきてくれた。これは、かなりの収穫だ…。
『本部!聞こえますか!』
スピーカーから聞こえてきたのは、穂積刑事の声だ。
『今、地下3階で倒れていた、他の刑事たちも確保しました!それと、おそらく、探偵チームのリンさんのものと思われる、スマートウォッチも近くの小部屋で発見しました!今すぐそちらに届けます!』
リンさんのスマートウォッチ。何かしら手がかりを残してくれていれば、一気にチェックに踏み込めるかもしれない…。
ただ、動機が解らない。これだけ、綿密な犯行なのだ…。動機が解らなければ、犯行する意味がわかない…。
「まだ意識がありそうなら、本部に連れてきて!大量にパトカーや救急車が来れば、一般客の目に付くから、なるべくこっちに連れてきて。今なら、無料で応急処置までしてあげるから。」
真紀がそう言った直後、今度は、日下部のパソコンに繋がっているスピーカーから土屋の声が聞こえた。
『アマキ!リュー!カエ!それから他の皆、聞こえるか!』
「ツッチー!何か分かった?」
『おおよそだが、動機の様なものが分かった。今からデータを送る。キューが手に入れてくれた情報と合わせれば、アマキの事だ、チェックまで持ち込めるはずだ。』
その直後、日下部のパソコンに、メールでデータが幾つか送られてきた。
それを、一つひとつ確認した。
「お待たせ、例のスマートウォッチ、持ってきたよ!」
穂積刑事と男性刑事が数名、本部に戻ってきた。男性刑事たちは、ぐったりとした他の刑事たちを運んでいた。
「取り敢えず椅子に座らせて、片っ端から診ていくから。」
真紀が生き生きと仕事しているところを見るのは久々だ。
まぁ、本職は外科もできる医者なのだが、元は法医学。生きている人間よりは、ご遺体を相手にすることが多かったから、病人や怪我人を診る方が、好きなのかもしれない…。
穂積刑事が相沢にスマートウォッチを手渡したとき、石井刑事が声をかけた。
「穂積、ホールの方に行くなら私も行く。そっちの方が、私もやれることがありそうだからな。」
「それは百人力ですね!ありがたいです!」
「よし、じゃぁ、久本も行くよ!」
そう言うと、石井刑事は久本の腕を掴んだ。
「え?俺も行くんですか?」
「当たり前でしょ!良いから行くよ!」
久本は引っ張られるように部屋を出て行った。
工藤刑事の刑事としての執念を垣間見た。自分の身を挺して、確定的な情報をもってきてくれた。これは、かなりの収穫だ…。
『本部!聞こえますか!』
スピーカーから聞こえてきたのは、穂積刑事の声だ。
『今、地下3階で倒れていた、他の刑事たちも確保しました!それと、おそらく、探偵チームのリンさんのものと思われる、スマートウォッチも近くの小部屋で発見しました!今すぐそちらに届けます!』
リンさんのスマートウォッチ。何かしら手がかりを残してくれていれば、一気にチェックに踏み込めるかもしれない…。
ただ、動機が解らない。これだけ、綿密な犯行なのだ…。動機が解らなければ、犯行する意味がわかない…。
「まだ意識がありそうなら、本部に連れてきて!大量にパトカーや救急車が来れば、一般客の目に付くから、なるべくこっちに連れてきて。今なら、無料で応急処置までしてあげるから。」
真紀がそう言った直後、今度は、日下部のパソコンに繋がっているスピーカーから土屋の声が聞こえた。
『アマキ!リュー!カエ!それから他の皆、聞こえるか!』
「ツッチー!何か分かった?」
『おおよそだが、動機の様なものが分かった。今からデータを送る。キューが手に入れてくれた情報と合わせれば、アマキの事だ、チェックまで持ち込めるはずだ。』
その直後、日下部のパソコンに、メールでデータが幾つか送られてきた。
それを、一つひとつ確認した。
「お待たせ、例のスマートウォッチ、持ってきたよ!」
穂積刑事と男性刑事が数名、本部に戻ってきた。男性刑事たちは、ぐったりとした他の刑事たちを運んでいた。
「取り敢えず椅子に座らせて、片っ端から診ていくから。」
真紀が生き生きと仕事しているところを見るのは久々だ。
まぁ、本職は外科もできる医者なのだが、元は法医学。生きている人間よりは、ご遺体を相手にすることが多かったから、病人や怪我人を診る方が、好きなのかもしれない…。
穂積刑事が相沢にスマートウォッチを手渡したとき、石井刑事が声をかけた。
「穂積、ホールの方に行くなら私も行く。そっちの方が、私もやれることがありそうだからな。」
「それは百人力ですね!ありがたいです!」
「よし、じゃぁ、久本も行くよ!」
そう言うと、石井刑事は久本の腕を掴んだ。
「え?俺も行くんですか?」
「当たり前でしょ!良いから行くよ!」
久本は引っ張られるように部屋を出て行った。
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