探偵注文所

八雲 銀次郎

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ファイルXV:奪還作戦

#17

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 「第4班、聞こえますか?聞こえたら返事お願いします。」
 地下3階に向かった捜査チームに連絡を試みたが、だが返信はなかった…。
 「反応ありませんね。」
 一緒に捜査していた男性刑事がそう行った。
 「ちょっと心配だから、確認してくる。貴方は、他の班と合流して、引き続きこのフロアの捜査お願いします。」
 「工藤刑事、独りで行くんですか?」
 「人数を割くほどの根拠は今のところありませんからね。私独りで行ってきます。」
 「ですが捜査は基本、2人以上で行わなければ…。」
 「分かっています。」
 それは私にも分かっている。だが、人員を割いても、ただの機器の故障や電波が届いていない可能性も捨てきれない。
 そうなった場合、一刻も争う今の状況なら、なおさら人員を割くのはリスクが高すぎる。
 「確認したら直ぐ戻ります。それまで、内緒にしておいて下さい。」
 私はそれだけ彼に言い残し、地下3階へと向かった。
 流石の男性刑事も彼女独りで活かせるわけにいかず、彼女の後を追うとしたその時だった。
 「待て。私が行こう。君より、何百倍も役に立てると思うから。」
 その男の声に、彼は振り向いた。
 「お、お前…。どうしてここに。」


 地下3階は薄暗く、通路全体が、太いパイプや機器の様な物が設置されており、さながら、ボイラー室といったところだ…。
 通路は、まっすぐ伸びており、部屋のような扉は見当たらない。
 私は五感を研ぎ澄ませ、手にしている拳銃を握り直した。。
 さっきの刑事には、ああは行ったものの、ここに犯人がいないとも、言い切れない。だから、彼を残して、私独りで来た。何かあれば、上と連絡が取れるように…。
 
 暫く通路を進むと、広い部屋の様な開けた場所に出た。
 そこに4班の刑事5名が倒れていた。
 「皆!」
 私は駆け寄り、一人ひとりの呼吸と脈拍を調べた。幸い、意識を失っているだけで、呼吸が無いわけではなかった。
 「うぅ…。」
 私が安堵していると、一人の刑事が目を覚ました。
 「大丈夫ですか?一体、何が?」
 「…3人組の…男が急に現れて…襲われて…。何とか応戦はしたんだが、この有様で…。」
 「直ぐに応援を呼ぶわ。男たちはどこに?」
 「あっちだ…。」
 彼が指をさした方向は、私が来た方向とは真逆の方向だ。
 「分かった。至急、地下3階、応援お願いします。刑事5名、犯人グループと思われる男たちに急襲を受けた模様。幸い、刑事たちには目立った外傷はありませんが、気を失っている者も居るため、至急応援願います。」
 無線でそう伝え、男たちの後を追った。
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