探偵注文所

八雲 銀次郎

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ファイルXV:奪還作戦

#7

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 「で?そいつを何から守ろうってんですか?俺たちも、こう見えて忙しいんですよ。」
 彼はそう言うと、目の前にあった今朝の新聞を手に取り、わざとっぽく読み始めた。
 「っていうか、何者ですか?見たところ警察じゃぁなさそうですが…。」
 奥でパソコンの前に座っていた男性が、訪ねてきた。
 「こいつは、ホームズって探偵事務所の調査員だ。訳あって、都内の暴力団事務所の何件かに話を聞きに行きたいらしい。ただ、こいつ1人だと、危険そうだから、護衛を頼みたい。そういうのは、お前らの方が得意だろ?」
 梅木がそう言うと、柿崎が勢いよく立ち上がった。
 「ホームズ…。日下部と秋山のところのか…。だったら、そんなに心配する必要無いんじゃないか?いざとなったら、あの二人がなんとかするんじゃないか?」
 「それがそうはいかなくて、その2人含めて、他のメンバーも忙しいらしくて、持ち場を離れられないらしい。」
 「…なるほどな…。じゃぁ、暇だし請け負うか…。お前ら、仕事だ!5分後、それぞれ愛車の前に集合!」
 柿崎が号令をかけると、石井さんが呆れた様に聞き返した。
 「本当に行くんですか?」
 「暇だからな…。それに、日下部と秋山には何かと世話になってるからな…。それに…。」
 後半の方な何と行っているか分からなかったが、その言葉の直後、石井さんはこちらをの方に視線を向けた。
 「し、仕方ないですね…。今回だけですよ…。」
 彼女はそう言うと、入り口の近くにあった、キーボックスから、バイクのキーを取り出すと、部屋を出ていった。
 「珍しいね、石井ちゃんが事件以外で乗り気なの…。俺は、河辺光夫。で、向こうが林田勇。で、班長の柿崎雄に、さっき出ていった、石井優月。ウチは、柿崎チームって行って、警視庁一、肉弾戦が得意なチームです。普段はチーム全体で行動することは殆ど無いですが、大型組織の摘発や、大規模捜査に加わることもある。このチームが動くと言ってるんだ。何か、成果を出して下さいね。」
 河辺がそう言うと、柿崎刑事が彼の頭を叩いた。
 「一番下っ端のオメェが偉そうな事言うな。さっさと行くぞ。」
 柿崎刑事たちもそれぞれ鍵を持って部屋を出ていこうとする時、俺も声をかけた。
 「すみません、集合場所、変えて貰っていいですか。俺も、自分の相棒じゃないと、調子出ないと言うか…。」
 柿崎は少し黙りこくった後、「分かった」と言い組織犯罪課の部屋を出ていった。
 「あのチームもお前らと同じで、かなり変人な集まりだ…。まぁ、仲良くやってくれ…。」
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