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ファイルXIV:追跡調査
#10
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画像にはリンさんがホテルの裏通路を歩いている姿が映し出された。
「ソウさん!これの少し前の画像とかって、有る?」
アマキさんが、モニターを引っ掴み、そう叫んだ。
『あぁ、そう言うと思って、集めてはみたが、どれも顔までは写っていない…。見事に、このホテルの死角を熟知してやがる…。今全力できなこに追跡させてるが、あまり期待できなさそうだ…。』
「だが、体系や歩行の癖は分かりそうだな…。アマキさん、久々にやってみるか?」
日下部さんが珍しく、指の関節を鳴らした。
「…でも、機材は全部、事務所に置いてきてる…。」
アマキさんが、否定する様にそう言った。
「警察のものを借りるしかない…。ここにある物全部かき集めれば、何とかなると思う…。」
「かき集めるって、何をするんですか?」
私は、二人に訊ねた。もし、警察の機器を使おうとしているのなら、それは頂けない。
「警察のネットワークは使わない。使うのはモニターくらいだ…。」
「モニターくらいなら…。」
“良いか”そう言いかけたときだった。
扉が開いた。
「そんなガラクタより、もっとイイモノを使え。」
扉を押し開ける様に現れたのは、今まで、イヤホン越しに、声しか聞こえてこなかった相沢さんだった。
「俺の機材一式全て貸してやる。やれるだけやれ。」
更に、段ボール箱がいくつも詰まれた台車が5台ほど後に続いていた。その1台を押していたのが、真紀さんだった…。
「ちょ、ちょっと…。普通、女性に荷物持ちを任せる?」
「良いじゃねぇか、暇だったんだろ?」
「暇じゃないわよ!ガスボンベ車に積んでただけでしょ!」
真紀さんは、激怒した。
「俺には暇そうに見えたんだがな…。まぁ良い。竜、秋山、岡本。設置してくれ。そこらにあるガラクタより、1万倍マシだからな。」
相沢さんが嘲笑う様にそう言った。
「アンタねぇ…。さっきから、ガラクタ、ガラクタって、ここに在るマシンは、かなりのスペックを誇るんですよ!」
この中で、一番大きなデスクトップ型のパソコンの前に座っていた女性刑事が声を荒げた。彼女は、刀根榛香。今現場に居る刑事一のオタクだ…。それも、趣味が“自作PC”という、かなりマニアックな部類の…。現に今、彼女の前に置かれているパソコンは、彼女がパーツから選んで、作成させたものだ。それを“ガラクタ”呼ばわりされては、堪った物じゃないだろう…。
「アンタの機材がどんなものか知らないけどね!私の子をバカにされるのは、絶対に許せない!」
そう言いながら、刀根刑事は、ツカツカと相沢さんに詰め寄った。
「ソウさん!これの少し前の画像とかって、有る?」
アマキさんが、モニターを引っ掴み、そう叫んだ。
『あぁ、そう言うと思って、集めてはみたが、どれも顔までは写っていない…。見事に、このホテルの死角を熟知してやがる…。今全力できなこに追跡させてるが、あまり期待できなさそうだ…。』
「だが、体系や歩行の癖は分かりそうだな…。アマキさん、久々にやってみるか?」
日下部さんが珍しく、指の関節を鳴らした。
「…でも、機材は全部、事務所に置いてきてる…。」
アマキさんが、否定する様にそう言った。
「警察のものを借りるしかない…。ここにある物全部かき集めれば、何とかなると思う…。」
「かき集めるって、何をするんですか?」
私は、二人に訊ねた。もし、警察の機器を使おうとしているのなら、それは頂けない。
「警察のネットワークは使わない。使うのはモニターくらいだ…。」
「モニターくらいなら…。」
“良いか”そう言いかけたときだった。
扉が開いた。
「そんなガラクタより、もっとイイモノを使え。」
扉を押し開ける様に現れたのは、今まで、イヤホン越しに、声しか聞こえてこなかった相沢さんだった。
「俺の機材一式全て貸してやる。やれるだけやれ。」
更に、段ボール箱がいくつも詰まれた台車が5台ほど後に続いていた。その1台を押していたのが、真紀さんだった…。
「ちょ、ちょっと…。普通、女性に荷物持ちを任せる?」
「良いじゃねぇか、暇だったんだろ?」
「暇じゃないわよ!ガスボンベ車に積んでただけでしょ!」
真紀さんは、激怒した。
「俺には暇そうに見えたんだがな…。まぁ良い。竜、秋山、岡本。設置してくれ。そこらにあるガラクタより、1万倍マシだからな。」
相沢さんが嘲笑う様にそう言った。
「アンタねぇ…。さっきから、ガラクタ、ガラクタって、ここに在るマシンは、かなりのスペックを誇るんですよ!」
この中で、一番大きなデスクトップ型のパソコンの前に座っていた女性刑事が声を荒げた。彼女は、刀根榛香。今現場に居る刑事一のオタクだ…。それも、趣味が“自作PC”という、かなりマニアックな部類の…。現に今、彼女の前に置かれているパソコンは、彼女がパーツから選んで、作成させたものだ。それを“ガラクタ”呼ばわりされては、堪った物じゃないだろう…。
「アンタの機材がどんなものか知らないけどね!私の子をバカにされるのは、絶対に許せない!」
そう言いながら、刀根刑事は、ツカツカと相沢さんに詰め寄った。
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