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ファイルXIV:追跡調査
#8
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「遅れた…。面目ない、私が着いて居ながら…って、彼はどうしたんですか?」
最後に合流した、宮間さんが頭を下げつつ、慰められている浩史さんに目をやった。
「気にしないで…。それより、現場には、スマホだけ置かれてたって事?」
アマキさんが、穂積巡査部長にスマホを受け取った。
「えぇ…。私が戻った時にはテーブルにこれだけポツンと置かれていた。最初はお手洗いかと思ったが、居なかった…。面目ない…私が居ながらこんな事に…。」
穂積巡査部長が、先ほどの宮間さんよりも深々と頭を下げた。
「…いや、手掛かりだけでも持って来てくれて、良かった…。リュー。これ解析して。リンさんが、何もなしに、居なくなる筈がない…。きっと何か残してくれている筈…。」
「分かった…。」
日下部さんがそれを受け取ると、ノート型のパソコンにつなぎ、解析を始めた。
「あれが上がってくるまでは、皆待機ね…。」
目標が定まらない限り、行動はできない…。それは警察でも一緒だ…。ただでさえ、仲間が欠けている以上、むやみに動き出すのは、危険すぎる…。それを加味して、素早く一か所に集合するのは、最良の選択だろう…。だが、もう少し、彼等が全員、この現場に居れば、もっと素早くどうにか出来たのではないのだろうか…。他力本願なのは、重々理解はしているが、こんな場面に行きついている以上、後悔ばかりが湧き出てくる…。そんな事を考えさせられる、自分が情けなかった…。
「クドーはさ…。」
そんな私の表情を読み取ったのか、天木さんが声を掛けてきた。
「自分の身近な誰かを失ったことって、ある?」
身近な人…。親族や友人たちは、未だ健在だ…。それ以外にも、知人や上司にも、そんな人は居ない…。
「居ないですけど…。」
その言葉に、天木さんは更に続けた。
「私たちは、有るんだよ…。一人…いや、正確には二人か…。悔しくもホームズから居なくなってしまった…。私たちは、そんなシーンにもあたった事があるから、全員、一層慎重に成る…。全員が全員、必ずやることには意味がある…。単独で動くにしろ、別地点で待機するにしろ…。それ程、私たちは、自分たちの身は自分たちで護衛するのが絶対になった。
だから、一チームには必ず、戦力と知力をバランスよくなるようにチーム分けをしてる…。クドーには納得いかない所もあるかもしれないけど、私たちは、どうしてもそこは譲れない…。もう二度と、仲間を失いたくない…。」
彼女はそう言いながら、右手の薬指にはめている指輪を触っていた。まるで、何かに祈っているかの様に…。
最後に合流した、宮間さんが頭を下げつつ、慰められている浩史さんに目をやった。
「気にしないで…。それより、現場には、スマホだけ置かれてたって事?」
アマキさんが、穂積巡査部長にスマホを受け取った。
「えぇ…。私が戻った時にはテーブルにこれだけポツンと置かれていた。最初はお手洗いかと思ったが、居なかった…。面目ない…私が居ながらこんな事に…。」
穂積巡査部長が、先ほどの宮間さんよりも深々と頭を下げた。
「…いや、手掛かりだけでも持って来てくれて、良かった…。リュー。これ解析して。リンさんが、何もなしに、居なくなる筈がない…。きっと何か残してくれている筈…。」
「分かった…。」
日下部さんがそれを受け取ると、ノート型のパソコンにつなぎ、解析を始めた。
「あれが上がってくるまでは、皆待機ね…。」
目標が定まらない限り、行動はできない…。それは警察でも一緒だ…。ただでさえ、仲間が欠けている以上、むやみに動き出すのは、危険すぎる…。それを加味して、素早く一か所に集合するのは、最良の選択だろう…。だが、もう少し、彼等が全員、この現場に居れば、もっと素早くどうにか出来たのではないのだろうか…。他力本願なのは、重々理解はしているが、こんな場面に行きついている以上、後悔ばかりが湧き出てくる…。そんな事を考えさせられる、自分が情けなかった…。
「クドーはさ…。」
そんな私の表情を読み取ったのか、天木さんが声を掛けてきた。
「自分の身近な誰かを失ったことって、ある?」
身近な人…。親族や友人たちは、未だ健在だ…。それ以外にも、知人や上司にも、そんな人は居ない…。
「居ないですけど…。」
その言葉に、天木さんは更に続けた。
「私たちは、有るんだよ…。一人…いや、正確には二人か…。悔しくもホームズから居なくなってしまった…。私たちは、そんなシーンにもあたった事があるから、全員、一層慎重に成る…。全員が全員、必ずやることには意味がある…。単独で動くにしろ、別地点で待機するにしろ…。それ程、私たちは、自分たちの身は自分たちで護衛するのが絶対になった。
だから、一チームには必ず、戦力と知力をバランスよくなるようにチーム分けをしてる…。クドーには納得いかない所もあるかもしれないけど、私たちは、どうしてもそこは譲れない…。もう二度と、仲間を失いたくない…。」
彼女はそう言いながら、右手の薬指にはめている指輪を触っていた。まるで、何かに祈っているかの様に…。
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