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ファイルXIV:追跡調査
#6
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エレベーターが3階に到着し、私たちは廊下に出た。
事件が起きているとはいえ、一部のスタッフを除いては、警察と私たちくらいしか、居ない。そのため、従業員通用口は静かだ…。だが、一角からは、何やら騒がしい声が響いている…。その騒がしい声の中に、聞き馴染みのある声が、幾つかあった。
私たち3人は、その一角にあった広めの部屋の扉を開けた。
「ドタバタしてるね。通信ができないんじゃぁ、無理も無いか…。」
私の声に、全員がこちらの方を見た。
「アマキさん…。すみません…。まさかこんなに早く、呼び出すことになるとは…。」
アミが申し訳なさそうに、そう頭を下げた。
「仕方ないよ。ここまでは私も想定できなかったからね…。取り敢えず、通信の復旧からやろうか。ミカちゃんとタケ、よろしく。」
「はーい。」「了解。」
二人はそう言うと、それぞれ、持って来ていた機器などを準備し始めた。
「天木さん。」
クドーが私の名前を呼んだ。
「大丈夫。直復旧できると思うから。」
「そうじゃなくて、何で今のタイミング何ですか?もっと早く来てくれれば、もう少し早めに状況が進んだんじゃないんですか?」
珍しく、苛ついている様だった。それはそうか…。朝早く人質立籠事件に当たった後、こんな大きな事案に参加している。朝から緊張が張り詰めっぱなしで、相当精神が衰弱しているのだろう…。
だから、この空間に、丁度彼女が居てくれて、良かった。
「工藤さん。」
ミドリンが、クドーに声を掛けた。
「天木ちゃんが、最初から現場に入っていなかったのは、当然、理由があります。
一つは、班長、副班長クラスの人材が、全員揃っていないから。」
「揃っていないならなおさらじゃないですか?」
クドーも食って掛かった。
「揃ってないなら、誰かが誰かを補わなければならないのが、普通じゃないんですか?」
ミドリンがそれに答えた。
「その普通が、私たちには通じないんですよ。工藤さん。
私たちは、特別な技術や能力を持った謂わば、烏合の衆…。誰も真似や、補助が出来ないの。他人によっては、模倣や疑似的な事は出来るかもしれませんが、出来た所で…。っていう所です。こんな、大きな事件に対して、手薄な状況で対応する程、私たち“ホームズ”は強くないんですよ…。
だから、捜査も慎重に成らざるを得ない…。もう…誰も失いたくないですし…。
次に二つ目の理由としては、もしもの時の為に、最小構成のチームを残して置きたかったから。
天木ちゃん、美歌ちゃん、タケ君の3人は、“ホームズ”の土屋班を除く、3班を平均的に補える最小構成…。今の様な状況下では、必ず欲しくなる、オールラウンダーなチーム。このチームは、何が何でも、取っておきたいですから…。」
「じゃ、じゃぁ、その3人を同じチームとしてしまえば…。」
更にクドーが、食い下がる…。他の刑事さんの何人かも、「確かに…。」と頷いた。
だが、それを論破するように、ミドリンが続けた。
「同じチームにしたとしても、誰かが居なくなる可能性は、ゼロじゃないですよね?だから、この3人は隔離したの。」
「この3人はって、他のチームやメンバーは、どうでも良いってことですか?」
「……その言い方は語弊がありましたね…。正確には、その3人以外のチームには、予め“同じ目的を達せよ”と指示を出しています。」
「同じ、目的?」
「傍聴を警戒して、内容は口には、出さないけど皆、多分知ってると思う…。ほら、来ました。」
その言葉の後に、入り口の扉が開いた。
「柏木、浅野、戻りました。」
そこには、柏木さんが立っていた。
事件が起きているとはいえ、一部のスタッフを除いては、警察と私たちくらいしか、居ない。そのため、従業員通用口は静かだ…。だが、一角からは、何やら騒がしい声が響いている…。その騒がしい声の中に、聞き馴染みのある声が、幾つかあった。
私たち3人は、その一角にあった広めの部屋の扉を開けた。
「ドタバタしてるね。通信ができないんじゃぁ、無理も無いか…。」
私の声に、全員がこちらの方を見た。
「アマキさん…。すみません…。まさかこんなに早く、呼び出すことになるとは…。」
アミが申し訳なさそうに、そう頭を下げた。
「仕方ないよ。ここまでは私も想定できなかったからね…。取り敢えず、通信の復旧からやろうか。ミカちゃんとタケ、よろしく。」
「はーい。」「了解。」
二人はそう言うと、それぞれ、持って来ていた機器などを準備し始めた。
「天木さん。」
クドーが私の名前を呼んだ。
「大丈夫。直復旧できると思うから。」
「そうじゃなくて、何で今のタイミング何ですか?もっと早く来てくれれば、もう少し早めに状況が進んだんじゃないんですか?」
珍しく、苛ついている様だった。それはそうか…。朝早く人質立籠事件に当たった後、こんな大きな事案に参加している。朝から緊張が張り詰めっぱなしで、相当精神が衰弱しているのだろう…。
だから、この空間に、丁度彼女が居てくれて、良かった。
「工藤さん。」
ミドリンが、クドーに声を掛けた。
「天木ちゃんが、最初から現場に入っていなかったのは、当然、理由があります。
一つは、班長、副班長クラスの人材が、全員揃っていないから。」
「揃っていないならなおさらじゃないですか?」
クドーも食って掛かった。
「揃ってないなら、誰かが誰かを補わなければならないのが、普通じゃないんですか?」
ミドリンがそれに答えた。
「その普通が、私たちには通じないんですよ。工藤さん。
私たちは、特別な技術や能力を持った謂わば、烏合の衆…。誰も真似や、補助が出来ないの。他人によっては、模倣や疑似的な事は出来るかもしれませんが、出来た所で…。っていう所です。こんな、大きな事件に対して、手薄な状況で対応する程、私たち“ホームズ”は強くないんですよ…。
だから、捜査も慎重に成らざるを得ない…。もう…誰も失いたくないですし…。
次に二つ目の理由としては、もしもの時の為に、最小構成のチームを残して置きたかったから。
天木ちゃん、美歌ちゃん、タケ君の3人は、“ホームズ”の土屋班を除く、3班を平均的に補える最小構成…。今の様な状況下では、必ず欲しくなる、オールラウンダーなチーム。このチームは、何が何でも、取っておきたいですから…。」
「じゃ、じゃぁ、その3人を同じチームとしてしまえば…。」
更にクドーが、食い下がる…。他の刑事さんの何人かも、「確かに…。」と頷いた。
だが、それを論破するように、ミドリンが続けた。
「同じチームにしたとしても、誰かが居なくなる可能性は、ゼロじゃないですよね?だから、この3人は隔離したの。」
「この3人はって、他のチームやメンバーは、どうでも良いってことですか?」
「……その言い方は語弊がありましたね…。正確には、その3人以外のチームには、予め“同じ目的を達せよ”と指示を出しています。」
「同じ、目的?」
「傍聴を警戒して、内容は口には、出さないけど皆、多分知ってると思う…。ほら、来ました。」
その言葉の後に、入り口の扉が開いた。
「柏木、浅野、戻りました。」
そこには、柏木さんが立っていた。
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