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ファイルXIV:追跡調査
#5
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現場で散り散りになっている他のメンバーと連絡が取れなくなってから、5分ほどが経過した。丁度トレーラーもホテルの地下にあるトラックヤードに到着した。
コンテナから降りると、蒸し暑さが身体にまとわりついてきた…。換気用通風孔からは、風が出入りはしているが、生温い空気が循環しているだけで、涼しさなどはない…。
流石都会の地下と言った所だ…。
「どう?連絡付きそう?」
ミカが自前のノート型パソコンを必死になって操作していた。
「ダメです。完全に通信の復旧は見込めません…。おそらくルーター系が物理的に破壊されてしまったのでしょう…。」
「そっか…。じゃぁやっぱり中で合流するしかないね…。」
とは言え、他のメンバーやクドーたちと連絡が付かないことには、こんな広いホテルで、彼等と合流するには難しいだろう…。ただそれは、彼じゃなかったらの話だ…。
「タケ。行けそう?」
運転席から降りたタケは、先ほどから壁に耳を当て、聞き耳を立てていた。
「………恐らく上階ですね…。3階か4階くらいの位置に、アミちゃんの声が聞こえる…。」
「オッケー。それだけ分かれば、近くまで行けば、確定的になるでしょ。」
「ですね。」
タケは、戦闘能力と運動神経よりも聴覚の方が優れている。音楽経験がないにも関わらず、絶対音感を有しており、物体や壁を介せば、かなり遠く小さい音も、聞き取れる。だから、こういった、通信手段が絶たれたときに、彼の様な存在は、非情に助かる…。
ちなみに、クサカベ班のメンバー全員は、通信機器なしでも、何らかの手段で、連絡を取り合う
手段を有している為、一チームに一人は、置いておきたいのが、理想だ…。
「しかし、リンさん、どこ行っちゃったんですかね。同じ班として、かなり心配です…。」
まだ現場を見た訳でもないし、断片的な情報しか集まっていないから、想像の範囲でしか分からないが、恐らく、何かしら手がかりを見つけ、それを捜査し始めたといった所だろう…。
「しかし、スマホ忘れて行くなんて、リンさんらしいですね。」
タケが、呆れた様にそう言った。
「あの人スマホを持つ癖がないからね…。いっつも私に“話振られたら教えて”ってメッセージ飛ばすくらいだし…。」
探偵としてそれは、どうなのかとは思うが、彼女の過去を知れば、あまり強く言えなくなってしまう…。
「まぁ兎に角、状況を知る必要があるから、早くクドーたちと合流しよう。」
私たちはエレベーターに乗り込み、3階に向かった…。
コンテナから降りると、蒸し暑さが身体にまとわりついてきた…。換気用通風孔からは、風が出入りはしているが、生温い空気が循環しているだけで、涼しさなどはない…。
流石都会の地下と言った所だ…。
「どう?連絡付きそう?」
ミカが自前のノート型パソコンを必死になって操作していた。
「ダメです。完全に通信の復旧は見込めません…。おそらくルーター系が物理的に破壊されてしまったのでしょう…。」
「そっか…。じゃぁやっぱり中で合流するしかないね…。」
とは言え、他のメンバーやクドーたちと連絡が付かないことには、こんな広いホテルで、彼等と合流するには難しいだろう…。ただそれは、彼じゃなかったらの話だ…。
「タケ。行けそう?」
運転席から降りたタケは、先ほどから壁に耳を当て、聞き耳を立てていた。
「………恐らく上階ですね…。3階か4階くらいの位置に、アミちゃんの声が聞こえる…。」
「オッケー。それだけ分かれば、近くまで行けば、確定的になるでしょ。」
「ですね。」
タケは、戦闘能力と運動神経よりも聴覚の方が優れている。音楽経験がないにも関わらず、絶対音感を有しており、物体や壁を介せば、かなり遠く小さい音も、聞き取れる。だから、こういった、通信手段が絶たれたときに、彼の様な存在は、非情に助かる…。
ちなみに、クサカベ班のメンバー全員は、通信機器なしでも、何らかの手段で、連絡を取り合う
手段を有している為、一チームに一人は、置いておきたいのが、理想だ…。
「しかし、リンさん、どこ行っちゃったんですかね。同じ班として、かなり心配です…。」
まだ現場を見た訳でもないし、断片的な情報しか集まっていないから、想像の範囲でしか分からないが、恐らく、何かしら手がかりを見つけ、それを捜査し始めたといった所だろう…。
「しかし、スマホ忘れて行くなんて、リンさんらしいですね。」
タケが、呆れた様にそう言った。
「あの人スマホを持つ癖がないからね…。いっつも私に“話振られたら教えて”ってメッセージ飛ばすくらいだし…。」
探偵としてそれは、どうなのかとは思うが、彼女の過去を知れば、あまり強く言えなくなってしまう…。
「まぁ兎に角、状況を知る必要があるから、早くクドーたちと合流しよう。」
私たちはエレベーターに乗り込み、3階に向かった…。
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