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ファイルXIII:総力戦
#6
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「なるほど…。では、私は、事務室の方に行ってきます。」
『ここ一か月の間で絞って。』
天木さんの指示が、イヤホン越しに居響いた。
「どうして一か月なの?」
私より先に、柏木さんが天木さんに、聞き返した。
『それは、私の勘よ!』
自信あり気な声が、返って来た…。だが、説得力に欠けてしまう…。調べる事には、変わりないのだが、決定的な判断材料が欲しい…。
「アマキちゃんの勘って…一番信用できないんですけど…。」
柏木さんも、呆れた様にそう言った。
『冗談…。』
「冗談なのはさておき、ここ一か月に絞ってくれって言うのは、根拠があります。」
天木さんの声を遮る様に、京子さんが説明を始めた。
「今回のイベントが、計画されたのは、おそらく去年の話でしょう…。ですが、この会場を抑えたのは、丁度一月から前…。ではないでしょうか?」
「どうして、そう思うんですか?」
今度は、私が訊ねた。
「この建物、一か月前まで、一部改装工事をしていたみたいですよ。」
そう言うと、彼女は、近くにあった、サーバーラックを指さした。
「ITの世界というのは、刻一刻と、進化を続ける世界です。それが、徒となりましたね…。」
彼女はサーバーラックの強化ガラスになっている部分から、一つの機器を指さした。
「これ、3か月前に、法人向けに販売された、海外製の機器です。日本では、1か月から、普及し始めています。
しかも、とある大手IT企業がその代理店として、機能しているみたいですよ?」
彼女は、スマホを確認しながら、そう言った。
「なるほど…。」
つまり、この部屋に業者が入ったのは、少なくとも、一か月以内なのは、間違いなさそうだ…。だが…。
「それだと、一か月以内っていうのは、絞れなくないですか?」
亮太さんが反論した。
幾ら、一か月以内にここに業者の人間が入ったとはいえ、それ以前にも、第三者がここに立ち入っている可能性もある…。それを、言い切るには、まだ、材料が足りない…。
「さっき言ったでしょ?一か月前まで、一部が改装されていたって。ここの部屋は、一か月前まで、違う部屋だった。としたらどう?」
京子さんは、そう言うと、一番近くの壁に手を触れた。
「この壁、真新しいんだよね。だけど、昔の面影が、未だに。残っている部分があるんですよ…。」
京子さんはそう言うと、壁を撫でる様に触りながら、歩き出した。
「この部屋、入った時から、違和感が幾つかあったんですよ…。特にこれ。」
そう言うと、彼女は、歩みを止た。
『ここ一か月の間で絞って。』
天木さんの指示が、イヤホン越しに居響いた。
「どうして一か月なの?」
私より先に、柏木さんが天木さんに、聞き返した。
『それは、私の勘よ!』
自信あり気な声が、返って来た…。だが、説得力に欠けてしまう…。調べる事には、変わりないのだが、決定的な判断材料が欲しい…。
「アマキちゃんの勘って…一番信用できないんですけど…。」
柏木さんも、呆れた様にそう言った。
『冗談…。』
「冗談なのはさておき、ここ一か月に絞ってくれって言うのは、根拠があります。」
天木さんの声を遮る様に、京子さんが説明を始めた。
「今回のイベントが、計画されたのは、おそらく去年の話でしょう…。ですが、この会場を抑えたのは、丁度一月から前…。ではないでしょうか?」
「どうして、そう思うんですか?」
今度は、私が訊ねた。
「この建物、一か月前まで、一部改装工事をしていたみたいですよ。」
そう言うと、彼女は、近くにあった、サーバーラックを指さした。
「ITの世界というのは、刻一刻と、進化を続ける世界です。それが、徒となりましたね…。」
彼女はサーバーラックの強化ガラスになっている部分から、一つの機器を指さした。
「これ、3か月前に、法人向けに販売された、海外製の機器です。日本では、1か月から、普及し始めています。
しかも、とある大手IT企業がその代理店として、機能しているみたいですよ?」
彼女は、スマホを確認しながら、そう言った。
「なるほど…。」
つまり、この部屋に業者が入ったのは、少なくとも、一か月以内なのは、間違いなさそうだ…。だが…。
「それだと、一か月以内っていうのは、絞れなくないですか?」
亮太さんが反論した。
幾ら、一か月以内にここに業者の人間が入ったとはいえ、それ以前にも、第三者がここに立ち入っている可能性もある…。それを、言い切るには、まだ、材料が足りない…。
「さっき言ったでしょ?一か月前まで、一部が改装されていたって。ここの部屋は、一か月前まで、違う部屋だった。としたらどう?」
京子さんは、そう言うと、一番近くの壁に手を触れた。
「この壁、真新しいんだよね。だけど、昔の面影が、未だに。残っている部分があるんですよ…。」
京子さんはそう言うと、壁を撫でる様に触りながら、歩き出した。
「この部屋、入った時から、違和感が幾つかあったんですよ…。特にこれ。」
そう言うと、彼女は、歩みを止た。
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