205 / 281
ファイルⅫ:見えない爆弾
#5
しおりを挟む
前園本人と話すのは、かなり久しぶりの事だった。何せ、最近は、工藤とか言う刑事としか、警察の人間と、喋る機会など、なかったから…。
「久しぶりですね、前園さん。じゃぁ、その装置か、何か、まだ不明だけど、それは、警察に任せても、良いんですか?」
『むしろ、そうしてくれると、助かる。こちら側が、無理言って、こんな無茶な事案を、依頼しているんだ。人や手間が欲しいなら、好きなだけ、我々を使え。』
「じゃぁ、現場はお願いするね?指示は、カッシーに一任するから、よろしく。」
「ラジャ」と、二人分の返事が聞こえ、私は、久々に、ソファに腰を下ろした。癖が強い、ホームズメンバーより、警察たちの方が、幾らか、扱いが簡単だ。
まぁ、中には、扱いづらい人間も、居るだろうが、それは、前園本人が、把握している居はずだ。だから、私は、次の報告が上がって来るまで、暇なのだ…。
『じゃぁ、工藤、お前現地に行って、柏木と連携取れ、それが一番お互い遣り易いだろ?』
スピーカー越しに、前園のその言葉が木霊した直後だった。
『クドーさん、今日来てるんですか?』
さっきまで、会話に入ってくる気配が無かった、宮間がそう訊ねた。
『はい、一応着いてきました。』
工藤の返事も聞こえた。
『それは、心強いね。』
「じゃぁ、クドーさんの携帯に、現地の見取り図と、設備情報の資料、添付しておきますね?」
柏木と笹井がそれぞれ、そう言った。
『じゃぁ、リョータ君は、細部の小部屋まで、偵察してきて、物は、もしかしたら、カモフラージュされてる可能性あるから。』
『ラジャ。』
『会場内に居るメンバーは、刑事さんたちと連携して、取り敢えず、ロビーに集まる様に、指示してもらって良い?』
さっきまで、やる気が殆ど感じられなかった、柏木が、指示を出し始めた。
工藤の名前が出ただけで、柏木班を始め、急に統率力が、上がった。彼女に関しては、名前と年齢と性格以外は、殆どよく知らない。それでも、何故か、彼女の周りには、人が良く集まる。癖の強い、ホームズのメンバーでさえも…。
だからこそ、ホームズの味方である以上、これ以上心強い人物は、居ない…。だが、少し悔しい…。
事実上、私自身、ホームズに在籍して、かなりの年月が、立っている。所謂、古参メンバーの筈なのだが、メンバーは、私が指示を出しても、統率力が、欠ける…。土屋と連携を取って、何とかなるレベルなのだが…。
「ちょっと妬けるなぁ…。」
「久しぶりですね、前園さん。じゃぁ、その装置か、何か、まだ不明だけど、それは、警察に任せても、良いんですか?」
『むしろ、そうしてくれると、助かる。こちら側が、無理言って、こんな無茶な事案を、依頼しているんだ。人や手間が欲しいなら、好きなだけ、我々を使え。』
「じゃぁ、現場はお願いするね?指示は、カッシーに一任するから、よろしく。」
「ラジャ」と、二人分の返事が聞こえ、私は、久々に、ソファに腰を下ろした。癖が強い、ホームズメンバーより、警察たちの方が、幾らか、扱いが簡単だ。
まぁ、中には、扱いづらい人間も、居るだろうが、それは、前園本人が、把握している居はずだ。だから、私は、次の報告が上がって来るまで、暇なのだ…。
『じゃぁ、工藤、お前現地に行って、柏木と連携取れ、それが一番お互い遣り易いだろ?』
スピーカー越しに、前園のその言葉が木霊した直後だった。
『クドーさん、今日来てるんですか?』
さっきまで、会話に入ってくる気配が無かった、宮間がそう訊ねた。
『はい、一応着いてきました。』
工藤の返事も聞こえた。
『それは、心強いね。』
「じゃぁ、クドーさんの携帯に、現地の見取り図と、設備情報の資料、添付しておきますね?」
柏木と笹井がそれぞれ、そう言った。
『じゃぁ、リョータ君は、細部の小部屋まで、偵察してきて、物は、もしかしたら、カモフラージュされてる可能性あるから。』
『ラジャ。』
『会場内に居るメンバーは、刑事さんたちと連携して、取り敢えず、ロビーに集まる様に、指示してもらって良い?』
さっきまで、やる気が殆ど感じられなかった、柏木が、指示を出し始めた。
工藤の名前が出ただけで、柏木班を始め、急に統率力が、上がった。彼女に関しては、名前と年齢と性格以外は、殆どよく知らない。それでも、何故か、彼女の周りには、人が良く集まる。癖の強い、ホームズのメンバーでさえも…。
だからこそ、ホームズの味方である以上、これ以上心強い人物は、居ない…。だが、少し悔しい…。
事実上、私自身、ホームズに在籍して、かなりの年月が、立っている。所謂、古参メンバーの筈なのだが、メンバーは、私が指示を出しても、統率力が、欠ける…。土屋と連携を取って、何とかなるレベルなのだが…。
「ちょっと妬けるなぁ…。」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

伏線回収の夏
影山姫子
ミステリー
ある年の夏。俺は15年ぶりにT県N市にある古い屋敷を訪れた。某大学の芸術学部でクラスメイトだった岡滝利奈の招きだった。かつての同級生の不審死。消えた犯人。屋敷のアトリエにナイフで刻まれた無数のXの傷。利奈はそのなぞを、ミステリー作家であるこの俺に推理してほしいというのだ。俺、利奈、桐山優也、十文字省吾、新山亜沙美、須藤真利亜の六人は、大学時代にこの屋敷で共に芸術の創作に打ち込んだ仲間だった。グループの中に犯人はいるのか? 脳裏によみがえる青春時代の熱気、裏切り、そして別れ。懐かしくも苦い思い出をたどりながら事件の真相に近づく俺に、衝撃のラストが待ち受けていた。
《あなたはすべての伏線を回収することができますか?》


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる