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ファイルⅫ:見えない爆弾
#3
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部屋全体を密閉というのは、事実上、難しい話ではない。ただそれは、“普通”の部屋だった場合だ。こういった、公共施設の部屋の場合、空調等で、定期的に、空気が入れ替わる様になっている。ましてや、ボイラー室や、機械室などは、発熱や高湿を避けるため、普通の部屋より、強力に設定されているだろう。
そんな、室内を、完全に密閉するのは、容易ではない…。
「じゃぁ、どうすれば…。」
笹井が、そう呟いた。今回ばかりは、化学の力ではどうにもならない…。だが、“物理”の力なら、どうにかなるかもしれない…。
『あんたならどうする?大竹?』
真紀さんが、訊ねた相手は、ウチの電子機器及び、物理に精通している、大竹義信だ。彼なら、なんとかできるかもしれない。
『方法は、幾つかあるが、一番手っ取り早いのは、密閉できる場所に、集める事だな。』
“場所を密閉”ではなく、“密閉できる場所“。違いはそれだけだが、大きく違う。
『どうすればいいんですか?』
最初に食い付いたのは、リンさんだった。
『簡単ですよ。周りの温度を、上げればいいだけですよ。』
この世の万物は、高い所から、低い方へと移動する傾向がある。それは、温度でもそうだ。1リットルの熱湯に、同じ量の氷を入れれば、その分、温度が下がる。気体も一緒だ。高い温度の空気は、低い温度の方へと、移動しようとする。だから、低気圧、高気圧というものがあり、その間に、風が起きる。
それは良いのだが…。
「そんな、温度差、どうやって作りだすんですか?」
『簡単な話ですよ。目には目を歯には歯を。ヘリウムガスには、液体ヘリウムを使えばいいだけですよ。それくらいなら、マキちゃんが準備できるんじゃないの?』
ヘリウムというのは、沸点がマイナス268.9℃という、物質一、冷たいものだ。つまり、ヘリウムを冷やせるものは、ヘリウム自身ということだ…。
『ヘリウムくらいなら、用意できるけど、流石に、自宅までいかないと、用意できない。』
むしろ何で、自宅に、ヘリウムなんて物、置いているんだ…。というツッコミは、さておき。
「用意はできるんですね?」
『まぁね…。』
「じゃぁ、取ってきて下さい。それまでの間、私たちで出来ることをやりましょう。ヨッシー、現場の指揮は頼んで良い?」
『オーケー。とにかく、爆弾の捜索だな。柏木の予想が外れていれば、それに、越したことないのだが…。』
大竹が、そう答えた。
そんな、室内を、完全に密閉するのは、容易ではない…。
「じゃぁ、どうすれば…。」
笹井が、そう呟いた。今回ばかりは、化学の力ではどうにもならない…。だが、“物理”の力なら、どうにかなるかもしれない…。
『あんたならどうする?大竹?』
真紀さんが、訊ねた相手は、ウチの電子機器及び、物理に精通している、大竹義信だ。彼なら、なんとかできるかもしれない。
『方法は、幾つかあるが、一番手っ取り早いのは、密閉できる場所に、集める事だな。』
“場所を密閉”ではなく、“密閉できる場所“。違いはそれだけだが、大きく違う。
『どうすればいいんですか?』
最初に食い付いたのは、リンさんだった。
『簡単ですよ。周りの温度を、上げればいいだけですよ。』
この世の万物は、高い所から、低い方へと移動する傾向がある。それは、温度でもそうだ。1リットルの熱湯に、同じ量の氷を入れれば、その分、温度が下がる。気体も一緒だ。高い温度の空気は、低い温度の方へと、移動しようとする。だから、低気圧、高気圧というものがあり、その間に、風が起きる。
それは良いのだが…。
「そんな、温度差、どうやって作りだすんですか?」
『簡単な話ですよ。目には目を歯には歯を。ヘリウムガスには、液体ヘリウムを使えばいいだけですよ。それくらいなら、マキちゃんが準備できるんじゃないの?』
ヘリウムというのは、沸点がマイナス268.9℃という、物質一、冷たいものだ。つまり、ヘリウムを冷やせるものは、ヘリウム自身ということだ…。
『ヘリウムくらいなら、用意できるけど、流石に、自宅までいかないと、用意できない。』
むしろ何で、自宅に、ヘリウムなんて物、置いているんだ…。というツッコミは、さておき。
「用意はできるんですね?」
『まぁね…。』
「じゃぁ、取ってきて下さい。それまでの間、私たちで出来ることをやりましょう。ヨッシー、現場の指揮は頼んで良い?」
『オーケー。とにかく、爆弾の捜索だな。柏木の予想が外れていれば、それに、越したことないのだが…。』
大竹が、そう答えた。
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