172 / 281
ファイルⅪ:先手必勝
#9
しおりを挟む
地図上に、いくつもの“×”印を書き込んでいった。それも、もの凄い速さで…。傍から見れば、地図に、“適当”にバツ印を落書きしているようにも見える。だが…。
「相変わらず、お見事だな…。」
前園警部が、そういうと、私に、目的地のフラグが、幾つか立っているスマホの地図アプリを見せてきた。それを、その地図と、噛み合う場所に、重ねて見せた。
すると、バツ印の場所と、地図アプリの、フラグの位置が、ぴったりと、当てはまった。
「これって…。」
「そう、東京都内中の、ネットカフェの位置。そこから、“人”が動くであろうと、予測できる場所を、線で結んで、最終的な、あぶり出しを行う。」
「ちょ、ちょっと、待ってください!って事は、京子さんって、東京中のネカフェの位置、把握しているってことですか?」
そんなこと、本当にあり得るのか…。いくら記憶力に優れた、人間だって、建物の位置を、完璧に、しかも正確に、覚えることなど、できるものなのか…。
天木さんだったら…。と考えるが、多分、彼女でも、今の京子さんのやっている、芸当は、できそうにもない…。
『京子は、確かに、知能的にも優秀だが、それは、あくまでも、中の上に過ぎない…。
だが、一点だけ、突出した才能が、ある。それが、空間認識能力だ。』
無線の奥から、相沢さんが、そう話した。
「空間認識能力?」
漫画や、ネットなんかで、よく、見たり聞いたりするから、ある程度は、知っている。
物体の、位置や方向、大きさなどを、素早く把握、認識する力だ。本来なら、どんな人にも、その力は、ある程度は備わっている。特に、女性よりも、男性の方が、その感覚が、優れているらしい…。だから、男性の方が、地図を、覚えやすい。車の運転がうまいなどがある。
「だからと言って、地図の位置を、こんな鮮明に、記憶できるんですか?」
「京子さんは、さっき言った“趣味”のおかげで、視野が少し広いんです。更に、“人”に対しての、予測も得意なんです。
それらを、平行して、街中を歩くと、彼女の頭の中で、地図が作られていく。それを、忘れていないだけです。」
前園警部が、補足する…。もし、仮にそうだとしても、地図を、ここまでの範囲、覚えられるものだろうか…。それと、彼女の“趣味”が、いっそう気になってきた…。
「あれ?ちょっと待ってください。ってことは、京子さんって、東京全土、隈なく散策したって、事ですか?」
「流石に、それは、ないですよ、クドーさん。もちろん行ってないところは、ありますし、そこは、書き込めない…。でも、情報は、多い方が、地図は、正確になる。だから、覚えて居る場所は、全部、埋める。」
「相変わらず、お見事だな…。」
前園警部が、そういうと、私に、目的地のフラグが、幾つか立っているスマホの地図アプリを見せてきた。それを、その地図と、噛み合う場所に、重ねて見せた。
すると、バツ印の場所と、地図アプリの、フラグの位置が、ぴったりと、当てはまった。
「これって…。」
「そう、東京都内中の、ネットカフェの位置。そこから、“人”が動くであろうと、予測できる場所を、線で結んで、最終的な、あぶり出しを行う。」
「ちょ、ちょっと、待ってください!って事は、京子さんって、東京中のネカフェの位置、把握しているってことですか?」
そんなこと、本当にあり得るのか…。いくら記憶力に優れた、人間だって、建物の位置を、完璧に、しかも正確に、覚えることなど、できるものなのか…。
天木さんだったら…。と考えるが、多分、彼女でも、今の京子さんのやっている、芸当は、できそうにもない…。
『京子は、確かに、知能的にも優秀だが、それは、あくまでも、中の上に過ぎない…。
だが、一点だけ、突出した才能が、ある。それが、空間認識能力だ。』
無線の奥から、相沢さんが、そう話した。
「空間認識能力?」
漫画や、ネットなんかで、よく、見たり聞いたりするから、ある程度は、知っている。
物体の、位置や方向、大きさなどを、素早く把握、認識する力だ。本来なら、どんな人にも、その力は、ある程度は備わっている。特に、女性よりも、男性の方が、その感覚が、優れているらしい…。だから、男性の方が、地図を、覚えやすい。車の運転がうまいなどがある。
「だからと言って、地図の位置を、こんな鮮明に、記憶できるんですか?」
「京子さんは、さっき言った“趣味”のおかげで、視野が少し広いんです。更に、“人”に対しての、予測も得意なんです。
それらを、平行して、街中を歩くと、彼女の頭の中で、地図が作られていく。それを、忘れていないだけです。」
前園警部が、補足する…。もし、仮にそうだとしても、地図を、ここまでの範囲、覚えられるものだろうか…。それと、彼女の“趣味”が、いっそう気になってきた…。
「あれ?ちょっと待ってください。ってことは、京子さんって、東京全土、隈なく散策したって、事ですか?」
「流石に、それは、ないですよ、クドーさん。もちろん行ってないところは、ありますし、そこは、書き込めない…。でも、情報は、多い方が、地図は、正確になる。だから、覚えて居る場所は、全部、埋める。」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
茜蛍の約束
松乃木ふくろう
ミステリー
7年前の事故で右手に大けがを負ったオレは、メディアの過剰報道にも晒され、初恋の女性との“約束”を果たせぬまま、故郷を離れ、怠惰な日々を過ごしていた。
そんなオレがお袋に騙され帰郷すると、そこで待っていたのは、その初恋の女性『光木茜音』との再会だった。だが、それは再会と呼ぶには、あまりにも悲しい『彼女の死』と言う結果に終わってしまう。
彼女の死に違和感を覚えたオレは光木茜音の親友である円詩子と行動を共にする事となる。
※全26話・最終話まで毎日更新します。
※完結まで書上げてあります。
※カクヨムでも公開しています。なろうでも公開予定です。
カトレアの香る時3【星の見えない夜に】
Yachiyo
ミステリー
長野県警の小白川蘭子(42歳)と仲村流星(36歳)のコンビ刑事が警視庁に転勤になった
その日に蘭子が越して来たマンションで殺人事件が起きた!蘭子と仲村は事件を解決出来るのか!
ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―
鬼霧宗作
ミステリー
本作品は縁仁【ENZIN】―捜査一課 対異常犯罪交渉係―の続編にあたります。本作からでもお楽しみいただけますが、前作を先にお読みいただいたほうがなおお楽しみいただけるかと思います。
※現在、色々と多忙につき不定期連載 週に3から4日は更新します。
平成。
今や過ぎ去りし過去となる時代。
累計で99人を殺害したとされる男。
名は坂田仁(さかたじん)。
これは、彼の若かりし時代に起きた、とある事件の話。
縁仁【ENZIN】―捜査一課 対異常犯罪交渉係―より10年以上の時を経て、ようやく続編開始。
【第一話 コレクター】《連載中》
全ての始まりは、彼が若き頃につるんでいた不良グループのメンバーが、変死体で見つかるという事件が起きたことだった。
特に殺害されたメンバーの第一発見者となった坂田は、その普段からの素行のせいで、警察や仲間内から犯人ではないかと疑いをかけられ、確証もないままに仲間内から制裁を受けることになってしまう。
そこに身を挺して助けに入ったのが、以前よりの悪友である楠野鐘(くすのしょう)だった。
坂田と楠野は、かつての仲間達をかわしつつ、坂田の身の潔白を証明するために犯人を探し始める。
Oil & Water~サークル合宿の悲劇~
じゅん
ミステリー
大学の奇術愛好会の夏合宿を、龍之介視点、陽菜乃視点で展開する。意外な結末のクローズドサークル愛憎ミステリー。なぜ、悲劇は起こったのか。
序盤は何気ない日常に伏線があります。お見逃しなく。
【登場人物】星英大学・奇術愛好会の同級生
●龍之介……セミプロマジシャン。どことなく影がある。
●陽菜乃……宝塚の男役のように凛々しい容姿。
●桜子………陽菜乃の幼馴染み。美少女。
●クリス……イギリス王子風の美形。生真面目。
●和樹………クリスの幼馴染み。小動物系。ミックス関西弁。
●キャロル…カタコト日本語を使う陽気な才女。
●蒼一………サイコパスな残念イケメン眼鏡。
●奈月………感情豊か。ポッチャリを気にしている。
【完結】真実の行方 悠々自適なマイライフを掴むまで
との
恋愛
結婚記念日に、義妹を連れて夫が帰ってきた。数ヶ月ぶりの帰還だと言うのに、やりたい放題の二人に呆れ顔の主人公アイラ。
近々離婚しようと思っていたのに、夫にとある疑惑が判明。離婚は一時停止する事に。
良い領主になろうと、仕事人間に徹していた主人公が、ちょっとしたキッカケから、猪突猛進。周りのハラハラを他所目に、真相究明に突き進みます。
「嘘じゃありません。あれはハッタリですの」
「俺いつか絶対禿げる」
ーーーーーーーーーー
全89話、完結。
“人気の完結” リストに載せていただいています。
ありがとうございます。
所々、胸糞表現や悪辣な表現があります。
設定他かなりゆるいです。
ご理解いただけますようお願いいたします。
チェイス★ザ★フェイス!
松穂
ライト文芸
他人の顔を瞬間的に記憶できる能力を持つ陽乃子。ある日、彼女が偶然ぶつかったのは派手な夜のお仕事系男女。そのまま記憶の奥にしまわれるはずだった思いがけないこの出会いは、陽乃子の人生を大きく軌道転換させることとなり――……騒がしくて自由奔放、風変わりで自分勝手な仲間たちが営む探偵事務所で、陽乃子が得るものは何か。陽乃子が捜し求める “顔” は、どこにあるのか。
※この作品は完全なフィクションです。
※他サイトにも掲載しております。
※第1部、完結いたしました。
あかね色に染まる校舎に舞い落ちた君は
山井縫
ミステリー
女子高校生、塔子はある放課後。クラスメイト、エリナと教室で二人っきりの会話を交わした。 が、その直後教室を出たエリナは転落死を遂げる。しかも、塔子はその瞬間の目撃者となり心に深い傷を負う。
転落直前、エリナはスマートフォンから遺書らしきメッセージを発していた為自殺の可能性もあるが、
現場には不可解な状況が残されていた。
施錠された屋上入り口に靴が置き去られており、頭には三角巾を被り、手には手袋を嵌めていたのだ。
更に一部の女子生徒とトラブルを起こしてもいたらしい。
事故か、自殺か他殺か……
謎が深まる中そして起きる第二の事件。
茜色に染まる校舎から少女は何故転落したのか。女子校生転落事件の謎を追うミステリ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる