143 / 281
ファイルⅨ:人質事件
#9
しおりを挟む
榎本真紀…。嵐の様な人だった…。私の前に現れた時間は、わずか一分程。資料を届けに来ただけでなく、私の眠気と疲労を、取り除いてくれた。
それを感じたのは、私だけではなく、私の近くにいた、他の刑事たちも同様だった。
「な、何なんですか?今の人?まるでゲームの“ヒーラー”みたいな人…。」
「例え方が、的確ですね…。」日下部さんが、感心した様に答えた。
「榎本真紀…。俺の班のメンバーで、ホームズ専属の医者で、『“裏”ラストホームズ』の一角。
元法医学者でもあり、薬品のエキスパート。今は、都内のビルで、内科医やってる…。」
法医学…。法律にかかわる問題で、医学的判断が必要な場合、鑑定や研究、解明をする仕事だ。主に、司法解剖や血液鑑定などが、多いだろう…。
私たち警察も、何かとお世話になる事が多い。
そんな仕事を、彼女は辞め、小さな町医者の様な事をしている…。
それが、謎だ…。法医学者なら、次から次へと仕事が舞い込んでくる。その分、謝礼や、報酬も多い筈だ…。
「どうして、法医学者、辞めちゃったんですか?」
「それは、本人に直接聞いた方が良いよ。」京子さんが、資料に目を通しながら、口を開いた。
「正直私たちもよく知らないの…。何せ、ホームズを設立する、ずっと前から、ザキさんと知り合いだったらしいから…。」
ホームズは、今から8年ほど前に、彼等の言う『ザッキーさん』と宮間さんが二人で設立したと聞いた。そこに、天木さんを含めて、三人からスタートさせたと思っていた。
そのずっと前から、ザッキーさんと真紀さんと接点があり、その繋がりで、ホームズに在籍しているとすれば、何かしら、深い訳がありそうだ…。
「それより、これ。」
京子さんが、真紀さんに受け取った資料を、パンと叩き、話を戻した。
「何か分かったんですか?」
「一つ気になった組織があります。」
そう言うと、資料の一ページ開き、その場に居る、みんなに見せた。
そこには、とあるマフィアの詳細が書かれていた。
組織の名前は…。
「クラブ・ジョーカー。ここ数か月で、勢力が、異様に跳ね上がっている所ですね。」
「流石、リューさん。そう、日本のヤーさんたちも、最近目を光らせてる、裏社会の組織、『クラブ・ジョーカー』。
この人たちのことを、少し調べて貰いたい。」
私は、裏社会の事に関しては、殆ど無知だ。名前くらいは、耳にしたことはあるが、そこがどういう組織なのかは、分からない。
何せ、こういった暴力団関係の捜査は、主に、組織犯罪対策課が行う為、情報が回ってこない…。
まして、一課に異動になってから日が浅い私にとっては、尚更だ…。
それを感じたのは、私だけではなく、私の近くにいた、他の刑事たちも同様だった。
「な、何なんですか?今の人?まるでゲームの“ヒーラー”みたいな人…。」
「例え方が、的確ですね…。」日下部さんが、感心した様に答えた。
「榎本真紀…。俺の班のメンバーで、ホームズ専属の医者で、『“裏”ラストホームズ』の一角。
元法医学者でもあり、薬品のエキスパート。今は、都内のビルで、内科医やってる…。」
法医学…。法律にかかわる問題で、医学的判断が必要な場合、鑑定や研究、解明をする仕事だ。主に、司法解剖や血液鑑定などが、多いだろう…。
私たち警察も、何かとお世話になる事が多い。
そんな仕事を、彼女は辞め、小さな町医者の様な事をしている…。
それが、謎だ…。法医学者なら、次から次へと仕事が舞い込んでくる。その分、謝礼や、報酬も多い筈だ…。
「どうして、法医学者、辞めちゃったんですか?」
「それは、本人に直接聞いた方が良いよ。」京子さんが、資料に目を通しながら、口を開いた。
「正直私たちもよく知らないの…。何せ、ホームズを設立する、ずっと前から、ザキさんと知り合いだったらしいから…。」
ホームズは、今から8年ほど前に、彼等の言う『ザッキーさん』と宮間さんが二人で設立したと聞いた。そこに、天木さんを含めて、三人からスタートさせたと思っていた。
そのずっと前から、ザッキーさんと真紀さんと接点があり、その繋がりで、ホームズに在籍しているとすれば、何かしら、深い訳がありそうだ…。
「それより、これ。」
京子さんが、真紀さんに受け取った資料を、パンと叩き、話を戻した。
「何か分かったんですか?」
「一つ気になった組織があります。」
そう言うと、資料の一ページ開き、その場に居る、みんなに見せた。
そこには、とあるマフィアの詳細が書かれていた。
組織の名前は…。
「クラブ・ジョーカー。ここ数か月で、勢力が、異様に跳ね上がっている所ですね。」
「流石、リューさん。そう、日本のヤーさんたちも、最近目を光らせてる、裏社会の組織、『クラブ・ジョーカー』。
この人たちのことを、少し調べて貰いたい。」
私は、裏社会の事に関しては、殆ど無知だ。名前くらいは、耳にしたことはあるが、そこがどういう組織なのかは、分からない。
何せ、こういった暴力団関係の捜査は、主に、組織犯罪対策課が行う為、情報が回ってこない…。
まして、一課に異動になってから日が浅い私にとっては、尚更だ…。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【毎日20時更新】アンメリー・オデッセイ
ユーレカ書房
ミステリー
からくり職人のドルトン氏が、何者かに殺害された。ドルトン氏の弟子のエドワードは、親方が生前大切にしていた本棚からとある本を見つける。表紙を宝石で飾り立てて中は手書きという、なにやらいわくありげなその本には、著名な作家アンソニー・ティリパットがドルトン氏とエドワードの父に宛てた中書きが記されていた。
【時と歯車の誠実な友、ウィリアム・ドルトンとアルフレッド・コーディに。 A・T】
なぜこんな本が店に置いてあったのか? 不思議に思うエドワードだったが、彼はすでにおかしな本とふたつの時計台を巡る危険な陰謀と冒険に巻き込まれていた……。
【登場人物】
エドワード・コーディ・・・・からくり職人見習い。十五歳。両親はすでに亡く、親方のドルトン氏とともに暮らしていた。ドルトン氏の死と不思議な本との関わりを探るうちに、とある陰謀の渦中に巻き込まれて町を出ることに。
ドルトン氏・・・・・・・・・エドワードの親方。優れた職人だったが、職人組合の会合に出かけた帰りに何者かによって射殺されてしまう。
マードック船長・・・・・・・商船〈アンメリー号〉の船長。町から逃げ出したエドワードを船にかくまい、船員として雇う。
アーシア・リンドローブ・・・マードック船長の親戚の少女。古書店を開くという夢を持っており、謎の本を持て余していたエドワードを助ける。
アンソニー・ティリパット・・著名な作家。エドワードが見つけた『セオとブラン・ダムのおはなし』の作者。実は、地方領主を務めてきたレイクフィールド家の元当主。故人。
クレイハー氏・・・・・・・・ティリパット氏の甥。とある目的のため、『セオとブラン・ダムのおはなし』を探している。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
四次元残響の檻(おり)
葉羽
ミステリー
音響学の権威である変わり者の学者、阿座河燐太郎(あざかわ りんたろう)博士が、古びた洋館を改装した音響研究所の地下実験室で謎の死を遂げた。密室状態の実験室から博士の身体は消失し、物証は一切残されていない。警察は超常現象として捜査を打ち切ろうとするが、事件の報を聞きつけた神藤葉羽は、そこに論理的なトリックが隠されていると確信する。葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、奇妙な音響装置が残された地下実験室を訪れる。そこで葉羽は、博士が四次元空間と共鳴現象を利用した前代未聞の殺人トリックを仕掛けた可能性に気づく。しかし、謎を解き明かそうとする葉羽と彩由美の周囲で、不可解な現象が次々と発生し、二人は見えない恐怖に追い詰められていく。四次元残響が引き起こす恐怖と、天才高校生・葉羽の推理が交錯する中、事件は想像を絶する結末へと向かっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる