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ファイルⅢ:行方不明調査
#21
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パソコンに向かってから、三十時間が経過した。この部屋は、比較的明るいが、窓がない。外の様子が解らない為、時間の感覚は時計でしか、感じることができない。
頭を使うと、どうしても甘い物が欲しくなるが、キーボードが汚れない様、スナック菓子は避けたい…。
だが、食べられないと、逆に食べたくなってしまう…。仕方なく、引き出しから割り箸を取り出し、背後にある棚から、ポテトチップスの袋を開ける。
パリパリと部屋中に響く。味と言うよりは、食感が好きだった。
通信システムは、相沢が復旧させてくれたが、私の調査がまだ完了していなかった。
「お疲れ…って、またこんなに食べて…。」
コンビニに行っていたが柏木が帰って来た様だ。
「太っちゃうよ。」
「幾ら班長でも、怒りますよ。」
「ごめんて、それより、出来そう?」
「もう少しです。」
コンビニ袋には、メロンソーダが五本入っている。
一本手に取り、一口含んだ。
「準備は整った。あとは、待つだけね。」
「はい。」
「随分ヘンタイチックな事件仕込むね。胸糞悪かったよ。」
昔は怖かったイメージが強いが、今はそうでもない…。
「まさか、自分から訪ねてきてくれるとはね。天木涼子。」
「元黒沢金融代表取締役、黒沢陽介。貴方を、殺人未遂及び、殺人教唆の罪で、警察に突き出します。
貴方は、昔、私を軟禁して、ライバル会社のデータが入ったファイルのパスワードを解析させようとした。
だけど、それが失敗に終わって、逆に自分たちが、業界から追い出された。その復讐のために、今回の事件を、時間をかけて計画した。」
昔は、知って得することはないと思った。だが、今は違う。
謎が解けて、助かる人が居る事を初めて知った。それで喜んでくれる人が、沢山いる…。
「証拠もその内届きます。」
「結構勉強してきたつもりなんだけど、崩れたか…。」
黒沢が、そう言うと、周りに居たガタイが良い男どもが、歩み寄って来る。
「日下部と岡本、久本を分散させて、戦力ダウンさせておいて、正解だったかもな。」
戦力ダウン?笑わせてくれる…。
「リューがそれごときで、倒れるはずないよ。」
それが合図だったのか解らない。遠くの方でエンジン音が聞こえる。次第にこちらに近づいてくる…。
大きい音とともに、大型の六輪車が突っ込んできた。コンクリートの壁は、ボロボロと崩れたが、車はフロントガードのお陰で、ほぼ無傷だ。
「それと、黒沢。ホームズのメンバー舐めすぎ。ウチはもれなく、強者揃いだから。」
日下部が車から降りてきた。頭の傷はまだ治っては居ないが、普通に歩けている。
「そちらさんも、懐かしいね…。結構痛め付けたつもりなんだけど。」
口調からして、怖気づいたわけでは無さそうだ。むしろ、想定の範囲内と言わんばかりだ。
だが、切り札は何枚か残しておくもの。
「俺の部下も、可愛がってくれたみたいで…。」
車から更に、久本と岡本が下りて来た。
「反撃開始と行きますか。」
その直後、男が何人か、襲い掛かった。手にはスタンガンを持っている。
多分これで、日下部たちは眠らされたのだろう。
だが、残念だ。この人たちには、同じ技は通用しない…。
この程度は、日下部が動かずとも、二人が、片付けてくれる。
天木はそう思っていたが、甘かった。スタンガンを持っている輩は、片付けたのだが、この秋山程の体格をしている、大男には歯が立たなかった。
それと、日下部の様子も少しおかしい…。
「日下部、君なら知っているんじゃないか?」
「久々だな、リュウ。」
頭を使うと、どうしても甘い物が欲しくなるが、キーボードが汚れない様、スナック菓子は避けたい…。
だが、食べられないと、逆に食べたくなってしまう…。仕方なく、引き出しから割り箸を取り出し、背後にある棚から、ポテトチップスの袋を開ける。
パリパリと部屋中に響く。味と言うよりは、食感が好きだった。
通信システムは、相沢が復旧させてくれたが、私の調査がまだ完了していなかった。
「お疲れ…って、またこんなに食べて…。」
コンビニに行っていたが柏木が帰って来た様だ。
「太っちゃうよ。」
「幾ら班長でも、怒りますよ。」
「ごめんて、それより、出来そう?」
「もう少しです。」
コンビニ袋には、メロンソーダが五本入っている。
一本手に取り、一口含んだ。
「準備は整った。あとは、待つだけね。」
「はい。」
「随分ヘンタイチックな事件仕込むね。胸糞悪かったよ。」
昔は怖かったイメージが強いが、今はそうでもない…。
「まさか、自分から訪ねてきてくれるとはね。天木涼子。」
「元黒沢金融代表取締役、黒沢陽介。貴方を、殺人未遂及び、殺人教唆の罪で、警察に突き出します。
貴方は、昔、私を軟禁して、ライバル会社のデータが入ったファイルのパスワードを解析させようとした。
だけど、それが失敗に終わって、逆に自分たちが、業界から追い出された。その復讐のために、今回の事件を、時間をかけて計画した。」
昔は、知って得することはないと思った。だが、今は違う。
謎が解けて、助かる人が居る事を初めて知った。それで喜んでくれる人が、沢山いる…。
「証拠もその内届きます。」
「結構勉強してきたつもりなんだけど、崩れたか…。」
黒沢が、そう言うと、周りに居たガタイが良い男どもが、歩み寄って来る。
「日下部と岡本、久本を分散させて、戦力ダウンさせておいて、正解だったかもな。」
戦力ダウン?笑わせてくれる…。
「リューがそれごときで、倒れるはずないよ。」
それが合図だったのか解らない。遠くの方でエンジン音が聞こえる。次第にこちらに近づいてくる…。
大きい音とともに、大型の六輪車が突っ込んできた。コンクリートの壁は、ボロボロと崩れたが、車はフロントガードのお陰で、ほぼ無傷だ。
「それと、黒沢。ホームズのメンバー舐めすぎ。ウチはもれなく、強者揃いだから。」
日下部が車から降りてきた。頭の傷はまだ治っては居ないが、普通に歩けている。
「そちらさんも、懐かしいね…。結構痛め付けたつもりなんだけど。」
口調からして、怖気づいたわけでは無さそうだ。むしろ、想定の範囲内と言わんばかりだ。
だが、切り札は何枚か残しておくもの。
「俺の部下も、可愛がってくれたみたいで…。」
車から更に、久本と岡本が下りて来た。
「反撃開始と行きますか。」
その直後、男が何人か、襲い掛かった。手にはスタンガンを持っている。
多分これで、日下部たちは眠らされたのだろう。
だが、残念だ。この人たちには、同じ技は通用しない…。
この程度は、日下部が動かずとも、二人が、片付けてくれる。
天木はそう思っていたが、甘かった。スタンガンを持っている輩は、片付けたのだが、この秋山程の体格をしている、大男には歯が立たなかった。
それと、日下部の様子も少しおかしい…。
「日下部、君なら知っているんじゃないか?」
「久々だな、リュウ。」
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