揺れる気持ち

紫花

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第2章【伊吹side】

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涙を流したまま、優羽ちゃんは俺の手を掴んだ。



このまま、俺が彼女を苦しめるモノたちから引っ張ることが出来たら、と考えてしまう。




それくらい、彼女は儚い。







雰囲気もそうだけど、何より体型だ。



細い手首足首に青白い顔·····。






彼女は何か病気を患っているのだろうか?






「·····伊吹くん?」



手を掴んだのはいいが、そのまま動かない俺に不思議そうに話しかける優羽ちゃん。



「あ、ごめん。ボーッとしてた。優羽ちゃん家どこら辺?」



「坂田町の方」



「あ、俺も!じゃあ行きますか!」





そう言って優羽ちゃんの手を引き、崖の上まで階段で向かう。




俺も住んでる坂田町はここから自転車で10分の所。






「しっかり捕まっててね」



そうして優羽ちゃんを自転車の後ろに乗せ進んだ。











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