100 / 113
番外編
【IF】クリストフルート 1
しおりを挟む
うちの店に素材を売りに来る男がいる。
そいつは、俺と同い年だというのに、討伐が難しい魔物の素材をいつも持ってくる。
しかも、顔面がいいのだ。
いや、俺だってそこそこ見目がいいと周りに言われているが、そいつは段違いで顔面がいい。
だが、そんなことはどうでも良かった。
切っ掛けはよく覚えていないが、気がつくとその男、シエテと俺は親友の間柄となっていた。
最初は、涼しい顔で超難関素材を売りに来るシエテに、メンチを切っていた時期もあったが、あいつの実力が本物だと分かってからは、良い商売相手となっていた。
そんな、シエテは恐ろしい病を持っていた。
そう、シスコンという病だ。
俺にも姉がいるが、シエテのあの溺愛っぷりは理解できない。
姉ちゃんをアレくらい好きになるなんて、俺の中じゃ頭湧いても到底無理だな。
ある時、シエテがそんなに可愛がる妹がどんなものか気になったので軽い気持ちで聞いたんだ。
「なぁ、いつも妹の「シーたん」?のこと、可愛い可愛い、言ってるけど、それって身内の贔屓目ってやつか?」
「贔屓目抜きで可愛い!!俺の天使たん!!」
シエテのマジなつぶやきに、俺はドン引きしたよ。あのシエテが、恥ずかしげもなく「天使たん」って、吐き気がするわ!!
「へー。シエテとは、双子なんだっけ?似てるの?」
俺がそう聞くと、シエテは「シーたん」を思い出したのか、デレデレした表情で言った。
「ああ、シーたんは双子の妹だ。(髪の色が茶色なところが)似てる」
「へぇ、似てるんだ」
シエテ似ということは、美人系?ってやつか……。ちょっと想像できないな。
「そう言えば、妹に剣とか弓を教えてるんだっけ?腕前はどうよ?」
俺がそう聞くと、シエテのやつはニヤニヤ顔で言った。
「シーたんはすごいよ!(あんなに小さくて可愛いのに)強い!」
「へぇ、強いんだ」
マジか。強いんだ……。ってことは、シエテみたいに年の割に筋肉が付いてる女子ってことか?ゴリラ女じゃねえか!!
はぁ、身内の贔屓目って怖いな……。シエテには、ゴリラ女が世界一可愛い妹に見えるんだから、どんなにイイ女が寄ってきても振り向かないのも仕方ないな。
ゴリ専じゃ仕方ない。
しかし、ゴリラでも目に入れても痛くない妹って……。どんなんだろう?
▷a見に行かない
▷b見に行く
そいつは、俺と同い年だというのに、討伐が難しい魔物の素材をいつも持ってくる。
しかも、顔面がいいのだ。
いや、俺だってそこそこ見目がいいと周りに言われているが、そいつは段違いで顔面がいい。
だが、そんなことはどうでも良かった。
切っ掛けはよく覚えていないが、気がつくとその男、シエテと俺は親友の間柄となっていた。
最初は、涼しい顔で超難関素材を売りに来るシエテに、メンチを切っていた時期もあったが、あいつの実力が本物だと分かってからは、良い商売相手となっていた。
そんな、シエテは恐ろしい病を持っていた。
そう、シスコンという病だ。
俺にも姉がいるが、シエテのあの溺愛っぷりは理解できない。
姉ちゃんをアレくらい好きになるなんて、俺の中じゃ頭湧いても到底無理だな。
ある時、シエテがそんなに可愛がる妹がどんなものか気になったので軽い気持ちで聞いたんだ。
「なぁ、いつも妹の「シーたん」?のこと、可愛い可愛い、言ってるけど、それって身内の贔屓目ってやつか?」
「贔屓目抜きで可愛い!!俺の天使たん!!」
シエテのマジなつぶやきに、俺はドン引きしたよ。あのシエテが、恥ずかしげもなく「天使たん」って、吐き気がするわ!!
「へー。シエテとは、双子なんだっけ?似てるの?」
俺がそう聞くと、シエテは「シーたん」を思い出したのか、デレデレした表情で言った。
「ああ、シーたんは双子の妹だ。(髪の色が茶色なところが)似てる」
「へぇ、似てるんだ」
シエテ似ということは、美人系?ってやつか……。ちょっと想像できないな。
「そう言えば、妹に剣とか弓を教えてるんだっけ?腕前はどうよ?」
俺がそう聞くと、シエテのやつはニヤニヤ顔で言った。
「シーたんはすごいよ!(あんなに小さくて可愛いのに)強い!」
「へぇ、強いんだ」
マジか。強いんだ……。ってことは、シエテみたいに年の割に筋肉が付いてる女子ってことか?ゴリラ女じゃねえか!!
はぁ、身内の贔屓目って怖いな……。シエテには、ゴリラ女が世界一可愛い妹に見えるんだから、どんなにイイ女が寄ってきても振り向かないのも仕方ないな。
ゴリ専じゃ仕方ない。
しかし、ゴリラでも目に入れても痛くない妹って……。どんなんだろう?
▷a見に行かない
▷b見に行く
0
お気に入りに追加
2,608
あなたにおすすめの小説
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
悪役令嬢に嵌められてしまったので、破滅に追い込んで平穏に過ごそうと思います!
八代奏多
恋愛
侯爵家の次女の私、レシア・アレオスは初社交界で運悪く悪役令嬢のアーシャ様に目をつけられてしまった。
アーシャ様が一方的に想いを寄せる公爵令息のエルワード様に話しかけられたというだけで。
そして嵌められて、暴力を振るわれる……そんな散々な目に遭わされた。
我儘で知られる公爵令嬢のアーシャ。彼女に目をつけられたら最後、手段を選ばずに害されてしまう。それは社交界に参加していない令嬢でも知っている事だった。
というのも、すでに何人もの令嬢が彼女の手によって体や心をを壊していたから。
そんな運命は辿りたくないわ!
だから、彼女と戦うことに決めました。もちろん元凶のエルワード様にも協力してもらいます!
敵は自分で自分を追い詰めているみたいですけど、そんなのは関係ありません!
不幸にも虐げられてしまった令嬢と、自分の首を絞めてると気付かない悪役令嬢の物語。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
初投稿です。
拙いところがあるかと思いますが、それでも読んでくださる方がいると嬉しいです。
※小説家になろう様にも投稿しております。
白猫は異世界に獣人転生して、番に愛される
メリー
恋愛
何か大きい物体に轢かれたと思った。
『わん、わん、』と言う大きい音にびっくりして道路に思わず飛び込んでしまって…。
それなのにここはどこ?
それに、なんで私は人の手をしているの?
ガサガサ
音が聞こえてその方向を見るととても綺麗な男の人が立っていた。
【ようやく見つけた。俺の番…】
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。
バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。
全123話
※小説家になろう様にも掲載しています。
裏切られ婚約破棄した聖女ですが、騎士団長様に求婚されすぎそれどころではありません!
綺咲 潔
恋愛
クリスタ・ウィルキンスは魔導士として、魔塔で働いている。そんなある日、彼女は8000年前に聖女・オフィーリア様のみが成功した、生贄の試練を受けないかと打診される。
本来なら受けようと思わない。しかし、クリスタは身分差を理由に反対されていた魔導士であり婚約者のレアードとの結婚を認めてもらうため、試練を受けることを決意する。
しかし、この試練の裏で、レアードはクリスタの血の繋がっていない妹のアイラととんでもないことを画策していて……。
試練に出発する直前、クリスタは見送りに来てくれた騎士団長の1人から、とあるお守りをもらう。そして、このお守りと試練が後のクリスタの運命を大きく変えることになる。
◇ ◇ ◇
「ずっとお慕いしておりました。どうか私と結婚してください」
「お断りいたします」
恋愛なんてもう懲り懲り……!
そう思っている私が、なぜプロポーズされているの!?
果たして、クリスタの恋の行方は……!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる