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番外編

【IF】クリストフルート 1

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 うちの店に素材を売りに来る男がいる。
 そいつは、俺と同い年だというのに、討伐が難しい魔物の素材をいつも持ってくる。
 しかも、顔面がいいのだ。
 いや、俺だってそこそこ見目がいいと周りに言われているが、そいつは段違いで顔面がいい。
 だが、そんなことはどうでも良かった。
 切っ掛けはよく覚えていないが、気がつくとその男、シエテと俺は親友の間柄となっていた。
 最初は、涼しい顔で超難関素材を売りに来るシエテに、メンチを切っていた時期もあったが、あいつの実力が本物だと分かってからは、良い商売相手となっていた。
 そんな、シエテは恐ろしい病を持っていた。
 そう、シスコンという病だ。
 俺にも姉がいるが、シエテのあの溺愛っぷりは理解できない。
 姉ちゃんをアレくらい好きになるなんて、俺の中じゃ頭湧いても到底無理だな。
 ある時、シエテがそんなに可愛がる妹がどんなものか気になったので軽い気持ちで聞いたんだ。
 
「なぁ、いつも妹の「シーたん」?のこと、可愛い可愛い、言ってるけど、それって身内の贔屓目ってやつか?」

「贔屓目抜きで可愛い!!俺の天使たん!!」

 シエテのマジなつぶやきに、俺はドン引きしたよ。あのシエテが、恥ずかしげもなく「天使たん」って、吐き気がするわ!!
 
「へー。シエテとは、双子なんだっけ?似てるの?」

 俺がそう聞くと、シエテは「シーたん」を思い出したのか、デレデレした表情で言った。
 
「ああ、シーたんは双子の妹だ。(髪の色が茶色なところが)似てる」

「へぇ、似てるんだ」

 シエテ似ということは、美人系?ってやつか……。ちょっと想像できないな。
 
「そう言えば、妹に剣とか弓を教えてるんだっけ?腕前はどうよ?」

 俺がそう聞くと、シエテのやつはニヤニヤ顔で言った。
 
「シーたんはすごいよ!(あんなに小さくて可愛いのに)強い!」

「へぇ、強いんだ」

 マジか。強いんだ……。ってことは、シエテみたいに年の割に筋肉が付いてる女子ってことか?ゴリラ女じゃねえか!!
 はぁ、身内の贔屓目って怖いな……。シエテには、ゴリラ女が世界一可愛い妹に見えるんだから、どんなにイイ女が寄ってきても振り向かないのも仕方ないな。
 ゴリ専じゃ仕方ない。
 
 しかし、ゴリラでも目に入れても痛くない妹って……。どんなんだろう?



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