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第十三話 快適な空間
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十分に周囲の生徒たちに「俺のアズサアピール」ができたウルシュカームは、今度は甘えるように背中からアズサを抱きしめて、その細い腰をぎゅっと抱き寄せたのだ。
そして、鼻先をアズサの首筋に擦り付けるようにしてから、周囲に聞こえるように言ったのだ。
「アズサ、大好き。アズサ、今日は頑張ろうね。俺たちの未来のために」
そう言って、色気の滲む顔面を周囲に見せつけて、その場にいた全員を威圧したのだ。
そして、二人が大人の階段を駆け上った、イチャラブな間柄だと誤解も与えつつ見せつけるように、イチャイチャを繰り返したのだった。
それを見た生徒たちは、ウルシュカームのアズサへ向ける熱い想いと、アズサに何かした時は、自分の中の何かが終わる時だと理解しつつも、あまりのラブラブ全開の桃色空間に盛大な突っ込みを入れたのだった。
((((((リア充爆発しろや!!!!!!))))))
そんな事もありつつも、試験開始の時間になり、生徒たちは各々が指定されている各区に向かって移動を開始したのだった。
そして、森に到着後、各所に散って行った。
かく言うアズサとウルシュカームも安全地帯の確保をするために森の探索を開始していた。
森に放たれた魔物や獣は、アズサとウルシュカームからすれば簡単に倒せるような相手ばかりだった。
森に入って数時間ほどで、水場に近い洞穴を拠点にすることに決めたのだ。
洞穴はそこそこの広さがあり、ウルシュカームは、事前にマジックボックスに収納していた物を広げていた。
最初に、大きめの絨毯を敷いて、その上にキングサイズのベッドを設置した。
その他にも、イスとテーブルに、隅の方に二人で浸かっても問題ないくらいの大きさのバスタブも設置していた。
さらに言うと、バスタブだけではなくお湯を供給するための魔道具と、使ったお湯を洞穴の外に輩出するための溝も魔術で簡単に作ってしまっていた。
これで快適に過ごせると、自分の仕事に満足そうにしていたウルシュカームにアズサが呆れたように言った。
「シュカの魔術は本当にすごいのな?ってか、これ、快適すぎじゃね?試験がこんな快適でいいのか?」
「いいんだよ。だって、試験の規定でも何を持ってきてもいいことになってるしね」
「まぁ、確かに……。それに、毎日風呂に入れるのは正直ありがたい。シュカ、ありがとな」
そう言って、風呂好きのアズサは嬉しそうにウルシュカームに微笑みかけた。
すると、ウルシュカームは、頭一つ分以上下にあるアズサに向かって頭を向けてしゃがんだのだ。
ウルシュカームの意図を察したアズサは、薄く笑ってから、月のようなさらさらの銀の髪を梳くように撫でたのだ。
「くすくす。いい子いい子」
「ア~ズ。もっと撫でて撫でて」
見えない尻尾を全力で振っているかのようなウルシュカームに心が温かくなったアズサは、差し出されていた形のいい頭をそっと胸に抱いてから、前髪を優しく掻き分けて額にちゅっとキスをしたのだ。
まさか、アズサからキスをされると思っていなかったウルシュカームは、アズサからの優しく甘い、砂糖菓子のようなキスに胸がキュンとなっていた。
そんなウルシュカームを知ってか知らずか、アズサは甘やかに言ったのだ。
「シュカ、いつもありがとうな。いい子にはご褒美だぞ?ちゅっ、ちゅっ」
そう言って、左右の瞼に上に柔らかい唇を落としたのだ。
ウルシュカームは、アズサからの甘くとろけるような優しいキスに胸が高鳴り、キュン死にしそうになるほど舞い上がっていた。
アズサは、そんなウルシュカームにゆっくり休んでいるように言った後に、「食料調達に行ってくるな~」と言って、あっという間に洞穴を出て行ってしまったのだ。
もっとイチャイチャしたかったウルシュカームだったが、キュンキュンしている間にアズサが行ってしまってほんの少しの寂しさを感じていた。
そして、マジックボックスに食料を大量に用意していることも伝え忘れてしまい、ガクりと項垂れたのだった。
アズサは、小一時間ほどでイノシシを一頭仕留めて洞穴に戻ってきた。
戻る途中で血抜きと内臓の処理も終わらせていたアズサは、笑顔で言ったのだ。
「ただいまぁ。じゃーん!どうよこれ!見て見て、大物仕留めたよ!へへ、飯にしようぜ」
そう言ってから、大胆に肉を切って焼き始めたのだ。
アズサの可愛い顔に見惚れていたウルシュカームは、慌てて臭み取りの香辛料を肉に塗ってから、ハーブ塩を振りかけていた。
「アズ、大雑把すぎだよ。はい。これでもっと美味しくなるよ」
「シュカ、サンキューな!」
そして、ジューシーに焼きあがった肉を食べながらこれからのことについて相談した。
試験内容について、一週間パートナーと協力して過ごすということしか知らせれていなかったのだ。
ただここで過ごすだけでいいのかと疑問に思った二人は、他に何かあるに違いないと考えた結果、周囲の探索を続けることにした。
生徒たちには知らされていなかったが、用意された罠や魔物、獣にはそれぞれ点数が付いていた。
森に入る前に、試験中は身に着けておくようにと言って渡したメダルで、解除した罠や、討伐した数などを集計し、その合計点で試験の点数を付けることとなっていたのだ。
なので、一週間の過ごし方によっては、落第することもあり得るのだ。
それを知らない生徒たちの中には、一週間無事でいればいいと考え、安全地帯でのんびり過ごした結果落第、もしくはパートナーの組み換え、追試など様々な結果を迎えることとなるのだった。
その日の夜、いつものように二人で風呂に入った後に、キングサイズのベッドの前でアズサは少しだけ悩んでいた。
「アズ、どうしたの?」
「べつに……。てか、なんでこのベッド?」
「え?だって、一緒に寝た方が安心でしょ?それなら、このサイズしかないじゃない?」
「待て、なんで一緒に寝るのが前提なんだ?普通は、交代で見張りして寝るじゃんか」
「えー、でも、俺の張っておいた結界があるからそんなの必要ないし。それに、くっついて寝た方が温かいよ?」
「う~、う~~?そうなのか?」
「うんうん。そうだよ」
何か腑に落ちないような気がしたアズサだったが、見えないしっぽを振ってこちらを見つめるウルシュカームの甘えたような瞳に負けたのが最後、気が付けばウルシュカームに抱き枕よろしく、抱きしめられるような形で眠りにつくこととなっていた。
そして、鼻先をアズサの首筋に擦り付けるようにしてから、周囲に聞こえるように言ったのだ。
「アズサ、大好き。アズサ、今日は頑張ろうね。俺たちの未来のために」
そう言って、色気の滲む顔面を周囲に見せつけて、その場にいた全員を威圧したのだ。
そして、二人が大人の階段を駆け上った、イチャラブな間柄だと誤解も与えつつ見せつけるように、イチャイチャを繰り返したのだった。
それを見た生徒たちは、ウルシュカームのアズサへ向ける熱い想いと、アズサに何かした時は、自分の中の何かが終わる時だと理解しつつも、あまりのラブラブ全開の桃色空間に盛大な突っ込みを入れたのだった。
((((((リア充爆発しろや!!!!!!))))))
そんな事もありつつも、試験開始の時間になり、生徒たちは各々が指定されている各区に向かって移動を開始したのだった。
そして、森に到着後、各所に散って行った。
かく言うアズサとウルシュカームも安全地帯の確保をするために森の探索を開始していた。
森に放たれた魔物や獣は、アズサとウルシュカームからすれば簡単に倒せるような相手ばかりだった。
森に入って数時間ほどで、水場に近い洞穴を拠点にすることに決めたのだ。
洞穴はそこそこの広さがあり、ウルシュカームは、事前にマジックボックスに収納していた物を広げていた。
最初に、大きめの絨毯を敷いて、その上にキングサイズのベッドを設置した。
その他にも、イスとテーブルに、隅の方に二人で浸かっても問題ないくらいの大きさのバスタブも設置していた。
さらに言うと、バスタブだけではなくお湯を供給するための魔道具と、使ったお湯を洞穴の外に輩出するための溝も魔術で簡単に作ってしまっていた。
これで快適に過ごせると、自分の仕事に満足そうにしていたウルシュカームにアズサが呆れたように言った。
「シュカの魔術は本当にすごいのな?ってか、これ、快適すぎじゃね?試験がこんな快適でいいのか?」
「いいんだよ。だって、試験の規定でも何を持ってきてもいいことになってるしね」
「まぁ、確かに……。それに、毎日風呂に入れるのは正直ありがたい。シュカ、ありがとな」
そう言って、風呂好きのアズサは嬉しそうにウルシュカームに微笑みかけた。
すると、ウルシュカームは、頭一つ分以上下にあるアズサに向かって頭を向けてしゃがんだのだ。
ウルシュカームの意図を察したアズサは、薄く笑ってから、月のようなさらさらの銀の髪を梳くように撫でたのだ。
「くすくす。いい子いい子」
「ア~ズ。もっと撫でて撫でて」
見えない尻尾を全力で振っているかのようなウルシュカームに心が温かくなったアズサは、差し出されていた形のいい頭をそっと胸に抱いてから、前髪を優しく掻き分けて額にちゅっとキスをしたのだ。
まさか、アズサからキスをされると思っていなかったウルシュカームは、アズサからの優しく甘い、砂糖菓子のようなキスに胸がキュンとなっていた。
そんなウルシュカームを知ってか知らずか、アズサは甘やかに言ったのだ。
「シュカ、いつもありがとうな。いい子にはご褒美だぞ?ちゅっ、ちゅっ」
そう言って、左右の瞼に上に柔らかい唇を落としたのだ。
ウルシュカームは、アズサからの甘くとろけるような優しいキスに胸が高鳴り、キュン死にしそうになるほど舞い上がっていた。
アズサは、そんなウルシュカームにゆっくり休んでいるように言った後に、「食料調達に行ってくるな~」と言って、あっという間に洞穴を出て行ってしまったのだ。
もっとイチャイチャしたかったウルシュカームだったが、キュンキュンしている間にアズサが行ってしまってほんの少しの寂しさを感じていた。
そして、マジックボックスに食料を大量に用意していることも伝え忘れてしまい、ガクりと項垂れたのだった。
アズサは、小一時間ほどでイノシシを一頭仕留めて洞穴に戻ってきた。
戻る途中で血抜きと内臓の処理も終わらせていたアズサは、笑顔で言ったのだ。
「ただいまぁ。じゃーん!どうよこれ!見て見て、大物仕留めたよ!へへ、飯にしようぜ」
そう言ってから、大胆に肉を切って焼き始めたのだ。
アズサの可愛い顔に見惚れていたウルシュカームは、慌てて臭み取りの香辛料を肉に塗ってから、ハーブ塩を振りかけていた。
「アズ、大雑把すぎだよ。はい。これでもっと美味しくなるよ」
「シュカ、サンキューな!」
そして、ジューシーに焼きあがった肉を食べながらこれからのことについて相談した。
試験内容について、一週間パートナーと協力して過ごすということしか知らせれていなかったのだ。
ただここで過ごすだけでいいのかと疑問に思った二人は、他に何かあるに違いないと考えた結果、周囲の探索を続けることにした。
生徒たちには知らされていなかったが、用意された罠や魔物、獣にはそれぞれ点数が付いていた。
森に入る前に、試験中は身に着けておくようにと言って渡したメダルで、解除した罠や、討伐した数などを集計し、その合計点で試験の点数を付けることとなっていたのだ。
なので、一週間の過ごし方によっては、落第することもあり得るのだ。
それを知らない生徒たちの中には、一週間無事でいればいいと考え、安全地帯でのんびり過ごした結果落第、もしくはパートナーの組み換え、追試など様々な結果を迎えることとなるのだった。
その日の夜、いつものように二人で風呂に入った後に、キングサイズのベッドの前でアズサは少しだけ悩んでいた。
「アズ、どうしたの?」
「べつに……。てか、なんでこのベッド?」
「え?だって、一緒に寝た方が安心でしょ?それなら、このサイズしかないじゃない?」
「待て、なんで一緒に寝るのが前提なんだ?普通は、交代で見張りして寝るじゃんか」
「えー、でも、俺の張っておいた結界があるからそんなの必要ないし。それに、くっついて寝た方が温かいよ?」
「う~、う~~?そうなのか?」
「うんうん。そうだよ」
何か腑に落ちないような気がしたアズサだったが、見えないしっぽを振ってこちらを見つめるウルシュカームの甘えたような瞳に負けたのが最後、気が付けばウルシュカームに抱き枕よろしく、抱きしめられるような形で眠りにつくこととなっていた。
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