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第二部
第42話 勘違い ※駆視点
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駆は、嫉妬のあまり考えに無しに、感情のまま小春に痕を付けてしまったことを後悔していた。
アルトリアの言葉を最後まで聞かず、勝手に勘違いをした挙句、乱暴な事をして、小春の扇情的な姿を自分以外の男の目に晒してしまったことにだ。
誤解が解けた時に、改めて見た小春の姿はいつもゆるく三つ編みにしているお下げと襟元が乱れ、自分達が付けた鬱血の痕が唾液に濡れているところがなんとも艶めかしく駆の目には映った。
アルトリアが上着を掛けなければ、小春にもっとひどいことをしていたかもしれないと気が付き、渋々ではあるが、アルトリアに微かに感謝の念を抱いた。
だが、元をただせは腹黒王子が含みを持たせるような言い回しをするからだ。簡潔にクッキーを食べたと言えば暴走しなかったと、アルトリアを逆恨みした。
駆は自分の不甲斐無さに落ち込んだ。
14歳の時に、事故にあって気が付いた時は、タイガの中にいた。身体を動かすことはできなかったが、タイガの中からこの不思議な異世界を堪能していた矢先に、死にかけた。
その後、どの位時間が経ったのか分からないが、どこかの家のベッドで目が覚めた。その時に、心配して看病をしてくれたお姉さんに一目ぼれしたのだ。
しかし、目覚めてからはタイガに自分の声は届かなくなっていた。存在は感じてくれているようだったが、前のように話すことはできなかった。
このまま消えてしまうと思うと悲しくて仕方なかった。初めて好きになったお姉さんが、タイガと、もう一人の男と楽しそうに暮らすのをぼんやりと眺めていた。
そんな時に、狂信者の事件が起きた。タイガがアルトリアを庇ったと思ったら、身体というか、魂をどこかに引っ張られるような感覚があった。抗うすべもなく、タイガとほんの少し話しが出来たと思ったら、気が付くと元の身体で目が覚めた。
順調に回復し、すぐに退院することが出来た。
たまに、夢で向こうの世界の事が見えた。あのお姉さんと成長したタイガと、謎の男が仲良く暮らしているところが。
これは、妄想だ。意識を失っている間にみた夢なのだと思うようになった。
でも、高校に入学した時に、あのお姉さんに似た少女に出会った。
しかし、記憶の中のお姉さんとは目の色が違った。でも、初めて人を好きになった気持ちが騒ぎ出した。
あのお姉さんだと確信を持てないものの、気持ちが引かれていた。気が付いたら、その少女、清水小春を好きになっていた。周辺を威嚇し、自分だけに目を向けてもらうように仕向けた。
自分はなんて心が狭い男なんだと心の中で自分を嘲笑った。でも、彼女を振り向かせたい、構って欲しいと思う心を止めることはできなかった。
そんな時、異世界に召喚された。
最初は半信半疑だったが、タイガの中にいた時の記憶を頼りに行動し、実際にタイガを救うことになった。更に、小春の目の秘密を教えてくれた時に、確信に変わった。
だから、あの日、過去の自分と、これからのタイガのために式典会場に向かった。
こうして、準備は整った。タイガと、正々堂々と小春を振り向かせる勝負が出来ると。
その矢先で、やらかしてしまったと駆は猛省した。
永い片思いの末の暴走。最悪だ。
だが、分かったこともある。あれ位ではアピールにならないということが。
もしかすると、本当の恋のライバルはタイガではなく、小春の鈍感なのではないかと深いため息をつく、駆だった。
アルトリアの言葉を最後まで聞かず、勝手に勘違いをした挙句、乱暴な事をして、小春の扇情的な姿を自分以外の男の目に晒してしまったことにだ。
誤解が解けた時に、改めて見た小春の姿はいつもゆるく三つ編みにしているお下げと襟元が乱れ、自分達が付けた鬱血の痕が唾液に濡れているところがなんとも艶めかしく駆の目には映った。
アルトリアが上着を掛けなければ、小春にもっとひどいことをしていたかもしれないと気が付き、渋々ではあるが、アルトリアに微かに感謝の念を抱いた。
だが、元をただせは腹黒王子が含みを持たせるような言い回しをするからだ。簡潔にクッキーを食べたと言えば暴走しなかったと、アルトリアを逆恨みした。
駆は自分の不甲斐無さに落ち込んだ。
14歳の時に、事故にあって気が付いた時は、タイガの中にいた。身体を動かすことはできなかったが、タイガの中からこの不思議な異世界を堪能していた矢先に、死にかけた。
その後、どの位時間が経ったのか分からないが、どこかの家のベッドで目が覚めた。その時に、心配して看病をしてくれたお姉さんに一目ぼれしたのだ。
しかし、目覚めてからはタイガに自分の声は届かなくなっていた。存在は感じてくれているようだったが、前のように話すことはできなかった。
このまま消えてしまうと思うと悲しくて仕方なかった。初めて好きになったお姉さんが、タイガと、もう一人の男と楽しそうに暮らすのをぼんやりと眺めていた。
そんな時に、狂信者の事件が起きた。タイガがアルトリアを庇ったと思ったら、身体というか、魂をどこかに引っ張られるような感覚があった。抗うすべもなく、タイガとほんの少し話しが出来たと思ったら、気が付くと元の身体で目が覚めた。
順調に回復し、すぐに退院することが出来た。
たまに、夢で向こうの世界の事が見えた。あのお姉さんと成長したタイガと、謎の男が仲良く暮らしているところが。
これは、妄想だ。意識を失っている間にみた夢なのだと思うようになった。
でも、高校に入学した時に、あのお姉さんに似た少女に出会った。
しかし、記憶の中のお姉さんとは目の色が違った。でも、初めて人を好きになった気持ちが騒ぎ出した。
あのお姉さんだと確信を持てないものの、気持ちが引かれていた。気が付いたら、その少女、清水小春を好きになっていた。周辺を威嚇し、自分だけに目を向けてもらうように仕向けた。
自分はなんて心が狭い男なんだと心の中で自分を嘲笑った。でも、彼女を振り向かせたい、構って欲しいと思う心を止めることはできなかった。
そんな時、異世界に召喚された。
最初は半信半疑だったが、タイガの中にいた時の記憶を頼りに行動し、実際にタイガを救うことになった。更に、小春の目の秘密を教えてくれた時に、確信に変わった。
だから、あの日、過去の自分と、これからのタイガのために式典会場に向かった。
こうして、準備は整った。タイガと、正々堂々と小春を振り向かせる勝負が出来ると。
その矢先で、やらかしてしまったと駆は猛省した。
永い片思いの末の暴走。最悪だ。
だが、分かったこともある。あれ位ではアピールにならないということが。
もしかすると、本当の恋のライバルはタイガではなく、小春の鈍感なのではないかと深いため息をつく、駆だった。
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