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第一部
第21話 中学二年生
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朝食後、駆君が用意してくれた眼帯を着けてギルドに向かうことにしたのだが、心配した二人が付いて行くと言いだした。
依頼は極秘のものなので、心配してくれる二人には悪いけど、同行を断った。しかし、二人も納得してくれず、ギルドのロビーで待っていることを条件に同行を仕方なく許可をした。
ギルドに着くと、いつもの可愛い受付嬢、サリーさんが私に気が付き手を振ってきた。ギルドマスターを呼んでもらおうと思い、サリーさんの方に向かった。
「こんにちは。ギルドマスターを呼んでもらっていいですか?」
「アレの事ね。分かったわ。ところで小春さん。それ、どうしたの?」
あぁ。急にこれじゃぁ、気になりますよね。良い言い訳も思い浮かばず、私はとっさに……。
「えっと、そう!ウッ、アンコクセカイノナニカノチカラデミギメニヤドル……」
「「イメチェンです」」
誰かが教室で言っていた中学二年生を思い出しつつ頑張ったのに、二人に遮られてしまったわ。
「……イメチェンです」
「そっか、今お城にいるお客様の間で流行ってるものね」
「「…………」」
えっと、クラスメイト達がすみません。でも、流行っているんだ。これなら流行に乗ったということで怪しまれないだろう。ミンナアリガトウ。
そうしていると、ギルドマスターが現れた。ギルドマスターの後を追うため、二人にここで待っているように話していると、二人のことを尋ねられた。
「一緒に暮らしている家族です。今日は、どうしても付いてくるって聞かなくて。勿論、依頼のことは話してませんよ」
「いや、そこを心配した訳じゃないんだが。んーー。よし、そこの二人も付いて来い」
「えっ、いいんですか?」
「どの道、そのうち分かることだ。今説明しても変わらんだろう」
そう言って、二人の同席を許可してくれたので、三人でギルドマスターの後を付いて会議室に向かった。
「早速だが、お前に作ってもらったものだが、協議の結果正式に【幸福のワイン】として認めることになった。でだ、宰相が買い取りたいということで、値段交渉をしたいそうだ。それと、資料を保管するためレシピを教えて欲しいと、城の錬金術師筆頭と、二人の護衛として騎士団長と、副団長がこれから来る予定になっている」
「これからですか?」
「あぁ、もう少しで来ると思うが、茶でも飲みながら待ってくれ」
「分かりました。待つことは構いませんが、二人に説明してもいいですか?」
そういって、お茶をもらいながら二人に宰相が第二王子にする贈り物について、商業ギルドで相談を受けたこと。贈り物には、【幸福のワイン】が選ばれたが、その時点でレシピが不明のため、街の錬金術師に研究と作成を依頼がされたこと。偶然ワインを完成させたといった経緯を説明した。
説明が終わってもまだ、宰相達は到着しなかった。お茶のお代わりをもらい、鞄に入れていたスイートポテトをお茶請けとして提供した。
「旨い!前にもらった菓子も旨かったが、これも旨いな!これは店に置いてなかったな」
「口に合ったようでなによりです。でも、よくうちのお店に出していない商品だと分かりましたね」
「まっ、まあな……」
「ギルマスって、あなたのお菓子のファンなのよ。公私混同だけど、ギルド職員にいつもお使いを頼んでいるのよ」
「サリー!」
「ギルマス、お客様がいらっしゃいましたよ」
そう言って、サリーさんが会議室に入ってきた。サリーさんの後に続いて、4人の男性が入ってきた。入ってきた男性の中に知った顔があった。
「あれ、ファニスさん?」
「こんにちは。小春さん」
「お?副団長殿と知り合いなのか?」
「ファニスさんが副団長!」
知らなかった……。騎士団に所属していることは聞いていたけど、騎士団の副団長……。偉い人だったんだね。でも、気さくで良い人だね。
そんなことを考えていたら、サリーさんが新しいお茶を用意して会議室を出て行った。新しく入れてもらったお茶を飲みつつ改めて自己紹介となった。
ギルドマスターが紹介してくれた。
「宰相、こちらが今回依頼を達成してくれた、いちご商店の小春だ。それと、その家族だ。俺が同席を許した」
「小春です。よろしくお願いします」
駆君とタイガ君は特に名乗ることはしなかったが、軽く会釈をした。
ギルドマスターによると、髭の素敵なおじ様が宰相のジョエル・サーストさん。そして、眼鏡を掛けて痩せた男性が筆頭錬金術師のロジエル・サージさん。マッチョガイで笑顔が素敵な騎士団長のガルド・アームズさん。
全員の紹介が終わったところで、隣に座るタイガ君の様子がおかしいことに気が付いた。
「タイガ君、どうかしたの?」
私が、そう声を掛けると何故か宰相さんと騎士団長さんが顔色を変えた。
「今、その少年をタイガと言いましたか?」
「はい。どうかされましたか?」
「いや、少し聞きたいのですが、その少年の歳は?」
「えっと、そう言えば歳を聞いたことなかったかも」
「…………」
タイガ君は、何かを考えた後に宰相さんと騎士団長さんに向かって話しだした。
「お二人とも、随分と老けましたね。アレからどの位経ったのかわかりませんが……」
「生きて――いたのですね。それにしてもその姿は……」
「何故か分かりませんがね。そうそう、害虫共は一掃できたのですか?」
「あぁ、君のお陰で……」
「そうですか。でも、今はそんなことより、小春さんに話があるんでしょう?」
「そうでしたね。後で改めて話をさせて下さい」
「……」
もしかして、タイガ君が影武者をしていた話と関係していたりして?まさかね?気になる話ではあったけど、今日の本題も大事だよね。まずは、話しを終わらせないと。
依頼は極秘のものなので、心配してくれる二人には悪いけど、同行を断った。しかし、二人も納得してくれず、ギルドのロビーで待っていることを条件に同行を仕方なく許可をした。
ギルドに着くと、いつもの可愛い受付嬢、サリーさんが私に気が付き手を振ってきた。ギルドマスターを呼んでもらおうと思い、サリーさんの方に向かった。
「こんにちは。ギルドマスターを呼んでもらっていいですか?」
「アレの事ね。分かったわ。ところで小春さん。それ、どうしたの?」
あぁ。急にこれじゃぁ、気になりますよね。良い言い訳も思い浮かばず、私はとっさに……。
「えっと、そう!ウッ、アンコクセカイノナニカノチカラデミギメニヤドル……」
「「イメチェンです」」
誰かが教室で言っていた中学二年生を思い出しつつ頑張ったのに、二人に遮られてしまったわ。
「……イメチェンです」
「そっか、今お城にいるお客様の間で流行ってるものね」
「「…………」」
えっと、クラスメイト達がすみません。でも、流行っているんだ。これなら流行に乗ったということで怪しまれないだろう。ミンナアリガトウ。
そうしていると、ギルドマスターが現れた。ギルドマスターの後を追うため、二人にここで待っているように話していると、二人のことを尋ねられた。
「一緒に暮らしている家族です。今日は、どうしても付いてくるって聞かなくて。勿論、依頼のことは話してませんよ」
「いや、そこを心配した訳じゃないんだが。んーー。よし、そこの二人も付いて来い」
「えっ、いいんですか?」
「どの道、そのうち分かることだ。今説明しても変わらんだろう」
そう言って、二人の同席を許可してくれたので、三人でギルドマスターの後を付いて会議室に向かった。
「早速だが、お前に作ってもらったものだが、協議の結果正式に【幸福のワイン】として認めることになった。でだ、宰相が買い取りたいということで、値段交渉をしたいそうだ。それと、資料を保管するためレシピを教えて欲しいと、城の錬金術師筆頭と、二人の護衛として騎士団長と、副団長がこれから来る予定になっている」
「これからですか?」
「あぁ、もう少しで来ると思うが、茶でも飲みながら待ってくれ」
「分かりました。待つことは構いませんが、二人に説明してもいいですか?」
そういって、お茶をもらいながら二人に宰相が第二王子にする贈り物について、商業ギルドで相談を受けたこと。贈り物には、【幸福のワイン】が選ばれたが、その時点でレシピが不明のため、街の錬金術師に研究と作成を依頼がされたこと。偶然ワインを完成させたといった経緯を説明した。
説明が終わってもまだ、宰相達は到着しなかった。お茶のお代わりをもらい、鞄に入れていたスイートポテトをお茶請けとして提供した。
「旨い!前にもらった菓子も旨かったが、これも旨いな!これは店に置いてなかったな」
「口に合ったようでなによりです。でも、よくうちのお店に出していない商品だと分かりましたね」
「まっ、まあな……」
「ギルマスって、あなたのお菓子のファンなのよ。公私混同だけど、ギルド職員にいつもお使いを頼んでいるのよ」
「サリー!」
「ギルマス、お客様がいらっしゃいましたよ」
そう言って、サリーさんが会議室に入ってきた。サリーさんの後に続いて、4人の男性が入ってきた。入ってきた男性の中に知った顔があった。
「あれ、ファニスさん?」
「こんにちは。小春さん」
「お?副団長殿と知り合いなのか?」
「ファニスさんが副団長!」
知らなかった……。騎士団に所属していることは聞いていたけど、騎士団の副団長……。偉い人だったんだね。でも、気さくで良い人だね。
そんなことを考えていたら、サリーさんが新しいお茶を用意して会議室を出て行った。新しく入れてもらったお茶を飲みつつ改めて自己紹介となった。
ギルドマスターが紹介してくれた。
「宰相、こちらが今回依頼を達成してくれた、いちご商店の小春だ。それと、その家族だ。俺が同席を許した」
「小春です。よろしくお願いします」
駆君とタイガ君は特に名乗ることはしなかったが、軽く会釈をした。
ギルドマスターによると、髭の素敵なおじ様が宰相のジョエル・サーストさん。そして、眼鏡を掛けて痩せた男性が筆頭錬金術師のロジエル・サージさん。マッチョガイで笑顔が素敵な騎士団長のガルド・アームズさん。
全員の紹介が終わったところで、隣に座るタイガ君の様子がおかしいことに気が付いた。
「タイガ君、どうかしたの?」
私が、そう声を掛けると何故か宰相さんと騎士団長さんが顔色を変えた。
「今、その少年をタイガと言いましたか?」
「はい。どうかされましたか?」
「いや、少し聞きたいのですが、その少年の歳は?」
「えっと、そう言えば歳を聞いたことなかったかも」
「…………」
タイガ君は、何かを考えた後に宰相さんと騎士団長さんに向かって話しだした。
「お二人とも、随分と老けましたね。アレからどの位経ったのかわかりませんが……」
「生きて――いたのですね。それにしてもその姿は……」
「何故か分かりませんがね。そうそう、害虫共は一掃できたのですか?」
「あぁ、君のお陰で……」
「そうですか。でも、今はそんなことより、小春さんに話があるんでしょう?」
「そうでしたね。後で改めて話をさせて下さい」
「……」
もしかして、タイガ君が影武者をしていた話と関係していたりして?まさかね?気になる話ではあったけど、今日の本題も大事だよね。まずは、話しを終わらせないと。
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