5 / 71
第一部
第5話 私はあなたのおかぁちゃんではない!!
しおりを挟む
これといった荷物はないものの、転移してきたときに鞄も一緒に転移していたのでそれを持ってお城を出た。
それと、いろいろ教えてくれたお城の人にお店兼住居を借りたので今日からそこで暮らすことと、いままでお世話になったことにお礼を言ってお城を出た。
ここでも、問題発生です。
「なんで、ついてくるかな?」
異世界に来ても、東堂駆は私にちょっかいを掛けることをやめてくれない。本当に迷惑すぎる。
「清水と一緒にいたいからついて行きたいだけだよ」
そう言ってついてくるのをやめない。
「どうしてそこまで……」
いつも、一緒にいたいと言うけど、何がしたいのか本当に謎だわ。
決して自分を卑下したいわけじゃないけど、地味眼鏡な私のどこが気に入って一緒にいたいと言うのか本当に分からない。
本当に自慢じゃないけど、やぼったい眼鏡に、顔に掛かる長い前髪。
それに、二つのお下げが更にやぼったさを倍増させていると思う。
まぁ、顔を隠したくてしている格好ではあるんだけどね。
「本当に、ただ一緒にいたいだけなんだ。君が、・・と・の・・・」
ん、何か言った?小声すぎて良く聞こえなかった。
しかし、どうしよう。
このままじゃ、本当に東堂駆とお店をやることになっちゃうよ。
何とかして回避しなければ。
そんなことを考えているうちにお店についてしまった。
お店に入ると、東堂駆も当然のように一緒に入ってきた。
半分諦めつつも、もう一度東堂駆に問いかける。
「はぁ、もう一度聞くけど何が楽しくてついてくるわけ?」
「あぁ~、真面目な話、自由に生きることに憧れてるってところかな?」
「何よ、疑問形なんだけど」
「君だから言うけどさ。俺、昔事故に遭ってさ。それから身内が過剰なくらい過保護になって。心配してくれることは嬉しいんだけど、重いっつうかさ。だから、ただ自由に生きたいってところが本音かな?」
苦しそうな表情で東堂駆はそう話してくれた。
「っていうのもあるけど、本当は、君があ・・・・ひとか・し・・たいだけなんだけどね」
また、小さな声で何か言っていたように思うけど、東堂駆の苦しそうな表情を見ていたら、仕方ないかなって思ってしまった。
そう思ったが最後。もう、一緒にお店をする覚悟が出来上がってしまった。
私って、チョロすぎ?そんなことないよね?
でも、一緒にお店をするにも東堂駆は何をするんだろう?まさか、私に養ってもらう気?ニートなの?私は、あなたのおかぁちゃんではないとだけ言いたい。
この年で子持ち気分だなんて最低よ。
「大丈夫、養ってとか言わないから」
そんなことを考えていると苦笑いの顔で言われてしまった。
私、顔に出てたかしら?これでも、考えてることが分からないとよく言われるんだけど。
「べっ、別にそんなこと考えてないわよ。それで、あなたはどうする気なの?」
「君は、錬金術で使う材料をどうやって揃える気?」
「えっ?お店で買う?」
「買えるものもあるけど、買えないものは?採取や狩りが必要な物もあると思うんだよね」
うっ。たしかに、お城で教えてもらった物の中には、魔物の部位がいるものや、珍しい植物が材料のものもあった。
それらが、街にあるお店で買えるようには到底思えない。
ならば、私がそれを採取ないし、狩りに行くのかと思うと私一人では無理な気がする。
いや、絶対無理だ。
「ねっ、俺が必要じゃない?」
ぐぬぬ。
勝ち誇った顔で言いますね。
確かに、彼の力を借りれば……。
ふとそこで、彼の職業が何だったのか知らないことに気が付いた。
職業によっては、役に立たない可能性もあるしね、別に東堂駆の職業が気になる訳ではないからね。
うん、断じてないから。
「コホン。所で、あなたの職業はなんだったの?」
「あぁ、言ってなかったっけ?」
「別に気にならないから知らなくても困らないけど、材料採取に適していない職業の場合は、材料調達について考えないといけないから、仕方なく聞いてるのよ」
「つまり、俺のことが知りたいってことだよね」
「ちっ、違うから!!」
「またまた~。隠さなくてもいいんだよ。もしかして、俺のこと気になる?えっ、好きになっちゃった?もう、照れ屋だなぁ。いいよ!いつでも、ウエルカムだよ!!」
なんか、一人で盛り上がっている。本当に面倒な男だ。
「はいはい。それで、職業は?」
「適当な返事をされると悲しい。俺泣いちゃうよ!」
「あぁ、はいはい。それで、職業は?」
「……」
なんでそこで無言になるのかな?えっ、人に言えないような職業なの?まさか、本当に職業がニートだったりするの?それとも、恥ずかしいような職業とか?恥ずかしい職業……何も思い浮かばないわ。
「えっと、もしかして俺の職業がヤバい系とか思ってる?」
「そそそそそ、そんなことにゃいわよ!!」
盛大にどもった上に、噛んだ。最悪だ。
「ぷっ、清水は可愛いなぁ。普通の職業だよ。清水のエッチ」
なっ、なんなのよ。顔を赤らめた上に、くねくね動くな!!普通の職業ならもったいぶらずにさっさと吐け!!
「あはは、俺の職業は騎士だったよ」
「騎士?それなら戦力として考えてよさそうね」
「うんうん。頼ってくれて全然良いよ、むしろ全力で頼っていいから!」
騎士か、適性があるとしても平和な日本から来たのに戦力として考えていいのか多少疑問はあるわね。
でも、体格はいいし、確か運動も出来たはず。
なら、簡単な採取とかなら頼ってもいいのかも。
これについては、一度一緒に街の外に採取に行ってみてから考えてもいいわね。
まずは、錬金術の錬度を上げるために何か作ってみよう。
何がいいかな?
それと、いろいろ教えてくれたお城の人にお店兼住居を借りたので今日からそこで暮らすことと、いままでお世話になったことにお礼を言ってお城を出た。
ここでも、問題発生です。
「なんで、ついてくるかな?」
異世界に来ても、東堂駆は私にちょっかいを掛けることをやめてくれない。本当に迷惑すぎる。
「清水と一緒にいたいからついて行きたいだけだよ」
そう言ってついてくるのをやめない。
「どうしてそこまで……」
いつも、一緒にいたいと言うけど、何がしたいのか本当に謎だわ。
決して自分を卑下したいわけじゃないけど、地味眼鏡な私のどこが気に入って一緒にいたいと言うのか本当に分からない。
本当に自慢じゃないけど、やぼったい眼鏡に、顔に掛かる長い前髪。
それに、二つのお下げが更にやぼったさを倍増させていると思う。
まぁ、顔を隠したくてしている格好ではあるんだけどね。
「本当に、ただ一緒にいたいだけなんだ。君が、・・と・の・・・」
ん、何か言った?小声すぎて良く聞こえなかった。
しかし、どうしよう。
このままじゃ、本当に東堂駆とお店をやることになっちゃうよ。
何とかして回避しなければ。
そんなことを考えているうちにお店についてしまった。
お店に入ると、東堂駆も当然のように一緒に入ってきた。
半分諦めつつも、もう一度東堂駆に問いかける。
「はぁ、もう一度聞くけど何が楽しくてついてくるわけ?」
「あぁ~、真面目な話、自由に生きることに憧れてるってところかな?」
「何よ、疑問形なんだけど」
「君だから言うけどさ。俺、昔事故に遭ってさ。それから身内が過剰なくらい過保護になって。心配してくれることは嬉しいんだけど、重いっつうかさ。だから、ただ自由に生きたいってところが本音かな?」
苦しそうな表情で東堂駆はそう話してくれた。
「っていうのもあるけど、本当は、君があ・・・・ひとか・し・・たいだけなんだけどね」
また、小さな声で何か言っていたように思うけど、東堂駆の苦しそうな表情を見ていたら、仕方ないかなって思ってしまった。
そう思ったが最後。もう、一緒にお店をする覚悟が出来上がってしまった。
私って、チョロすぎ?そんなことないよね?
でも、一緒にお店をするにも東堂駆は何をするんだろう?まさか、私に養ってもらう気?ニートなの?私は、あなたのおかぁちゃんではないとだけ言いたい。
この年で子持ち気分だなんて最低よ。
「大丈夫、養ってとか言わないから」
そんなことを考えていると苦笑いの顔で言われてしまった。
私、顔に出てたかしら?これでも、考えてることが分からないとよく言われるんだけど。
「べっ、別にそんなこと考えてないわよ。それで、あなたはどうする気なの?」
「君は、錬金術で使う材料をどうやって揃える気?」
「えっ?お店で買う?」
「買えるものもあるけど、買えないものは?採取や狩りが必要な物もあると思うんだよね」
うっ。たしかに、お城で教えてもらった物の中には、魔物の部位がいるものや、珍しい植物が材料のものもあった。
それらが、街にあるお店で買えるようには到底思えない。
ならば、私がそれを採取ないし、狩りに行くのかと思うと私一人では無理な気がする。
いや、絶対無理だ。
「ねっ、俺が必要じゃない?」
ぐぬぬ。
勝ち誇った顔で言いますね。
確かに、彼の力を借りれば……。
ふとそこで、彼の職業が何だったのか知らないことに気が付いた。
職業によっては、役に立たない可能性もあるしね、別に東堂駆の職業が気になる訳ではないからね。
うん、断じてないから。
「コホン。所で、あなたの職業はなんだったの?」
「あぁ、言ってなかったっけ?」
「別に気にならないから知らなくても困らないけど、材料採取に適していない職業の場合は、材料調達について考えないといけないから、仕方なく聞いてるのよ」
「つまり、俺のことが知りたいってことだよね」
「ちっ、違うから!!」
「またまた~。隠さなくてもいいんだよ。もしかして、俺のこと気になる?えっ、好きになっちゃった?もう、照れ屋だなぁ。いいよ!いつでも、ウエルカムだよ!!」
なんか、一人で盛り上がっている。本当に面倒な男だ。
「はいはい。それで、職業は?」
「適当な返事をされると悲しい。俺泣いちゃうよ!」
「あぁ、はいはい。それで、職業は?」
「……」
なんでそこで無言になるのかな?えっ、人に言えないような職業なの?まさか、本当に職業がニートだったりするの?それとも、恥ずかしいような職業とか?恥ずかしい職業……何も思い浮かばないわ。
「えっと、もしかして俺の職業がヤバい系とか思ってる?」
「そそそそそ、そんなことにゃいわよ!!」
盛大にどもった上に、噛んだ。最悪だ。
「ぷっ、清水は可愛いなぁ。普通の職業だよ。清水のエッチ」
なっ、なんなのよ。顔を赤らめた上に、くねくね動くな!!普通の職業ならもったいぶらずにさっさと吐け!!
「あはは、俺の職業は騎士だったよ」
「騎士?それなら戦力として考えてよさそうね」
「うんうん。頼ってくれて全然良いよ、むしろ全力で頼っていいから!」
騎士か、適性があるとしても平和な日本から来たのに戦力として考えていいのか多少疑問はあるわね。
でも、体格はいいし、確か運動も出来たはず。
なら、簡単な採取とかなら頼ってもいいのかも。
これについては、一度一緒に街の外に採取に行ってみてから考えてもいいわね。
まずは、錬金術の錬度を上げるために何か作ってみよう。
何がいいかな?
6
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■

騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる