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第十五話 異世界語の翻訳不良?
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そう言って、白い歯を見せて僕に向かって微笑んで右手を差し出してきた。
それを無視することもなきない僕は、差し出された大きな手を握ろうとしたけどそれは出来なかった。
いつの間にか向かいの席に座っていた一生が僕とレイナードさんの間にいて、レイナードさんの手を握っていたのだ。
「レイナードだな。俺は、一生だ。こいつは、俺の大事な大事な相棒の陽騎だ」
「そうか。ハルキだね。それとイッセイーだな」
硬く手を握り合った一生とレイナードさんはお互いに微笑みあっていたけど何故か空気がピリピリしていた。
謎の空気に僕が首を傾げていると、レイナードさんのお腹が豪快に鳴った。
なんだかそれが面白くて失礼かもしれないけど僕は小さく噴き出してしまった。
「ぷっ。くすくす。ごめんなさい。レイナードさん、一緒に食べましょうか。沢山あるので遠慮なくどうぞ」
「陽騎!」
僕がそう言うと、一生が何故か僕を責めるように名前を呼んだのだ。
料理はまだたくさんあるのに、一生の食いしん坊ときたら。
「一生、こんなにあるんだからいいだろう?」
「こいつはダメだ」
「なんだ? もしかして、自分よりレイナードさんがイケメンだから意地悪してるのか?」
「違う! てか、俺の方がいい男だ。身長は負けてるが、俺の方が陽騎と似合いの……」
よく分からんが、ここは一生がへそを曲げないように僕がフォローしてあげた方がよさそうだな。
「うんうん。一生も格好いいぞ。だから、飯くらいいいだろ?」
「そう言う問題じゃないんだよ! こいつは危険なんだよ。俺の本能がそう警告しているんだ」
またしてもよく分からんことを言い出したので、僕が肩をすくめているとレイナードさんと目が合った。
なんとなくじっとレイナードさんを見つめてしまった。
男の僕から見てもイケメンさんだなぁ。そんな事を思っていると、何故かレイナードさんの頬が赤くなっていった。
それに首を傾げてから、レイナードさんが腹を空かせているということを思い出した僕は、いまだに文句を言っている一生を無視してレイナードさんに食事を勧めた。
「レイナードさん、どうぞ。口に合うといいのですか」
レイナードさんは、綺麗な緑の瞳を瞬かせた後に、明るい笑顔を浮かべてから食事を口にしたのだった。
そして、一口。二口。ハンバーグを口に運んだ後に、石のように硬直してしまった。
それを見た僕は、もしかして口に合わなかったのかと思い、レイナードさんに無理に食べなくてもいいと声をかけようとしたけど出来なかった。
レイナードさんは、口の中の物を飲み込んだ後に、恐ろしく真剣な表情になった後に、僕の方を向いて言ったのだ。
「好きだ。結婚しよう!! あっ、違った。美味い!! 美味すぎる! ハルキ、俺の嫁になってくれ!!」
その言葉に反応できずにいた僕の代わりに一生が盛大に突っ込んでくれた。
「あほか!! 好きも結婚も嫁も同じ意味だ!! てか、出会って早々に俺の陽騎に惚れるなんてやっぱりお前は気にくわないやつだ!!!」
あれ? 一生の突っ込み、突っ込みに見えるけど実はボケなんじゃないかっていう内容だった。
だけど、レイナードさんは、一生を越えるボケをかましてくれた。
無反応の僕の両手を握って、真剣な表情で言ったんだ。
「実は、沐浴場でハルキを見てから、ハルキが気になって気になって仕方が無かったんだ。でも分かったんだ。私は、ハルキに一目惚れしていたんだって。ハルキ、私と結婚してくれ」
えっと、急にレイナードさんの言葉が理解できなくなったよ。もしかして、これが異世界語なのかな?
そんなことを思っていたら、一生に抱き着かれていた。
「お前のそれは違う。餌付けされただけだから安心しろ。お前は、陽騎の手料理に惚れただけだ」
「いや。ハルキの料理も後押しになっただけで、ハルキ自身が好きだ」
「てめぇ……。陽騎は、俺のもんだ! 陽騎は俺の嫁なんだよ!!」
「おや? ハルキは先ほどお前のことは友達だと言っていたが?」
「今は友達かもしれないが、俺たちが結ばれるのも時間の問題なんだよ!! お前はさっき陽騎と会ったばかりだけど、俺は中学のころから陽騎が好きだったんだ!!」
「愛に時間など関係ないね」
「重要だ! 出会って数時間のお前は、陽騎の可愛い姿を毛ほども知らないかなら。俺は、知ってる。が、お前には教えない」
「くすくす。可愛い姿はこれからゆっくり一生を掛けて知っていけばいい」
おや? おやおや? 一生の言葉も理解できなくなってきたんだけど……。あれ? あれれ?
それを無視することもなきない僕は、差し出された大きな手を握ろうとしたけどそれは出来なかった。
いつの間にか向かいの席に座っていた一生が僕とレイナードさんの間にいて、レイナードさんの手を握っていたのだ。
「レイナードだな。俺は、一生だ。こいつは、俺の大事な大事な相棒の陽騎だ」
「そうか。ハルキだね。それとイッセイーだな」
硬く手を握り合った一生とレイナードさんはお互いに微笑みあっていたけど何故か空気がピリピリしていた。
謎の空気に僕が首を傾げていると、レイナードさんのお腹が豪快に鳴った。
なんだかそれが面白くて失礼かもしれないけど僕は小さく噴き出してしまった。
「ぷっ。くすくす。ごめんなさい。レイナードさん、一緒に食べましょうか。沢山あるので遠慮なくどうぞ」
「陽騎!」
僕がそう言うと、一生が何故か僕を責めるように名前を呼んだのだ。
料理はまだたくさんあるのに、一生の食いしん坊ときたら。
「一生、こんなにあるんだからいいだろう?」
「こいつはダメだ」
「なんだ? もしかして、自分よりレイナードさんがイケメンだから意地悪してるのか?」
「違う! てか、俺の方がいい男だ。身長は負けてるが、俺の方が陽騎と似合いの……」
よく分からんが、ここは一生がへそを曲げないように僕がフォローしてあげた方がよさそうだな。
「うんうん。一生も格好いいぞ。だから、飯くらいいいだろ?」
「そう言う問題じゃないんだよ! こいつは危険なんだよ。俺の本能がそう警告しているんだ」
またしてもよく分からんことを言い出したので、僕が肩をすくめているとレイナードさんと目が合った。
なんとなくじっとレイナードさんを見つめてしまった。
男の僕から見てもイケメンさんだなぁ。そんな事を思っていると、何故かレイナードさんの頬が赤くなっていった。
それに首を傾げてから、レイナードさんが腹を空かせているということを思い出した僕は、いまだに文句を言っている一生を無視してレイナードさんに食事を勧めた。
「レイナードさん、どうぞ。口に合うといいのですか」
レイナードさんは、綺麗な緑の瞳を瞬かせた後に、明るい笑顔を浮かべてから食事を口にしたのだった。
そして、一口。二口。ハンバーグを口に運んだ後に、石のように硬直してしまった。
それを見た僕は、もしかして口に合わなかったのかと思い、レイナードさんに無理に食べなくてもいいと声をかけようとしたけど出来なかった。
レイナードさんは、口の中の物を飲み込んだ後に、恐ろしく真剣な表情になった後に、僕の方を向いて言ったのだ。
「好きだ。結婚しよう!! あっ、違った。美味い!! 美味すぎる! ハルキ、俺の嫁になってくれ!!」
その言葉に反応できずにいた僕の代わりに一生が盛大に突っ込んでくれた。
「あほか!! 好きも結婚も嫁も同じ意味だ!! てか、出会って早々に俺の陽騎に惚れるなんてやっぱりお前は気にくわないやつだ!!!」
あれ? 一生の突っ込み、突っ込みに見えるけど実はボケなんじゃないかっていう内容だった。
だけど、レイナードさんは、一生を越えるボケをかましてくれた。
無反応の僕の両手を握って、真剣な表情で言ったんだ。
「実は、沐浴場でハルキを見てから、ハルキが気になって気になって仕方が無かったんだ。でも分かったんだ。私は、ハルキに一目惚れしていたんだって。ハルキ、私と結婚してくれ」
えっと、急にレイナードさんの言葉が理解できなくなったよ。もしかして、これが異世界語なのかな?
そんなことを思っていたら、一生に抱き着かれていた。
「お前のそれは違う。餌付けされただけだから安心しろ。お前は、陽騎の手料理に惚れただけだ」
「いや。ハルキの料理も後押しになっただけで、ハルキ自身が好きだ」
「てめぇ……。陽騎は、俺のもんだ! 陽騎は俺の嫁なんだよ!!」
「おや? ハルキは先ほどお前のことは友達だと言っていたが?」
「今は友達かもしれないが、俺たちが結ばれるのも時間の問題なんだよ!! お前はさっき陽騎と会ったばかりだけど、俺は中学のころから陽騎が好きだったんだ!!」
「愛に時間など関係ないね」
「重要だ! 出会って数時間のお前は、陽騎の可愛い姿を毛ほども知らないかなら。俺は、知ってる。が、お前には教えない」
「くすくす。可愛い姿はこれからゆっくり一生を掛けて知っていけばいい」
おや? おやおや? 一生の言葉も理解できなくなってきたんだけど……。あれ? あれれ?
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