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第六話 レッツ冒険者ギルド
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数日お世話になった国教会の聖堂を出た僕と一生は、その足で教えてもらった冒険者ギルドに向かった。
想像したよりも建物は立派だった。二階建ての建物の中に入ってみると中にはガタイのいい、いかにも荒くれものと言った感じの冒険者が沢山いた。
中には、女性の姿もあった。
物珍し気に中に入って行くと、受付カウンターのようなところにいる男性と目が合った。
メガネを掛けたいかにも優男と言った外見で、例にもれずイケメンだ。
この世界に来て思ったのだが、イケメン率がとても高いと変なところで感心してしまった。
そんな事を考えていると、メガネのイケメン受付が優し気な声で僕たちにあいさつをしてきたのだ。
「こんにちは。今日はどうされました? ご依頼ですか?」
声をかけられたのに無視をするわけにもいかず、僕は男性のカウンターに向かった。
「こんにちは。えっと、冒険者登録したいんですけど」
僕がそう言うと、男性は表情を明るくして微笑みながら言った。
「そうですが。私は、キリル・ベンジャミンと言います。どうぞよろしくお願いします」
「あっ、はい。僕は、陽騎です。藍羽陽騎です。こっちは、鳳一生です」
「はい。ハルキ君ですね。可愛らしい方ですね。では、さっそく手続きしますね」
「はい?」
キリルさんの言葉の一部が、ギルド内の喧騒の所為で聞き取れなかったけど、にこにこと微笑むキリルさんは、さっさと手続きを開始してしまっていた。
キリルさんは、名刺サイズで半透明の薄い板を2枚取り出した。
その半透明の板を何かの機会……魔具と思われる物の上に置いた。
「お二人とも、こちらに」
そう言われた僕と一生は、受付に設置されている椅子に座って、キリルさんからの質問に答えていった。
「それでは、改めてお名前と年齢を教えてください。それと、お答えいただく時は、この板に触れた状態でお願いしますね」
そう言われた僕と一生は聞かれたことに大人しく答えていった。
「藍羽陽騎。16歳」
「鳳一生。16歳」
「それでは、ハルキ君。趣味は?」
「えっ? えーっと、料理と裁縫かな?」
「俺は―――」
「イッセイ様はお答えいただかなくても結構です。次に、ハルキ君、好きな食べ物は?」
「えっ? 甘いのとかかな?」
「そうですか。甘いものがお好きなんですね。嫌いな食べ物はありますか?」
「えっ? えっ?? えっと……特にないかな?」
「そうですか。ふむふむ。嫌いな物はなしと。次に好きなタイ―――」
「ちょっと待てコラ!! 職権乱用して何プライベートなことべらべら聞き出してんだよ!!」
そこで一生が怒鳴りだしていた。
一生、お前も食べ物の好き嫌い話したかったんだな。なのに僕だけ聞かれて寂しかったんだな。よしよし、あとで僕が聞いてやるよ。まぁ、知ってるけど。
そんな事を考えていると、掴みかかろうとした一生をひらりと躱したキリルさんが何故かバチンッとウインクをしながら僕に微笑みかけて言ったのだ。
「冗談はさておき、冒険者ギルド登録は完了しましたよ。はい。こちらがお二人の冒険者カードです」
そう言って、さっきまで半透明だったのに今は白くなっている板を差し出して見せてくれた。
そこには、僕の情報がいろいろと書き込まれていた。
名前:ハルキ・アイバ
年齢:16歳
ランク:F
職業:嫁
スキル:アイテムボックス アイテムボックス内複写 愛妻の手料理 パペット
称号:迷い人
想像したよりも建物は立派だった。二階建ての建物の中に入ってみると中にはガタイのいい、いかにも荒くれものと言った感じの冒険者が沢山いた。
中には、女性の姿もあった。
物珍し気に中に入って行くと、受付カウンターのようなところにいる男性と目が合った。
メガネを掛けたいかにも優男と言った外見で、例にもれずイケメンだ。
この世界に来て思ったのだが、イケメン率がとても高いと変なところで感心してしまった。
そんな事を考えていると、メガネのイケメン受付が優し気な声で僕たちにあいさつをしてきたのだ。
「こんにちは。今日はどうされました? ご依頼ですか?」
声をかけられたのに無視をするわけにもいかず、僕は男性のカウンターに向かった。
「こんにちは。えっと、冒険者登録したいんですけど」
僕がそう言うと、男性は表情を明るくして微笑みながら言った。
「そうですが。私は、キリル・ベンジャミンと言います。どうぞよろしくお願いします」
「あっ、はい。僕は、陽騎です。藍羽陽騎です。こっちは、鳳一生です」
「はい。ハルキ君ですね。可愛らしい方ですね。では、さっそく手続きしますね」
「はい?」
キリルさんの言葉の一部が、ギルド内の喧騒の所為で聞き取れなかったけど、にこにこと微笑むキリルさんは、さっさと手続きを開始してしまっていた。
キリルさんは、名刺サイズで半透明の薄い板を2枚取り出した。
その半透明の板を何かの機会……魔具と思われる物の上に置いた。
「お二人とも、こちらに」
そう言われた僕と一生は、受付に設置されている椅子に座って、キリルさんからの質問に答えていった。
「それでは、改めてお名前と年齢を教えてください。それと、お答えいただく時は、この板に触れた状態でお願いしますね」
そう言われた僕と一生は聞かれたことに大人しく答えていった。
「藍羽陽騎。16歳」
「鳳一生。16歳」
「それでは、ハルキ君。趣味は?」
「えっ? えーっと、料理と裁縫かな?」
「俺は―――」
「イッセイ様はお答えいただかなくても結構です。次に、ハルキ君、好きな食べ物は?」
「えっ? 甘いのとかかな?」
「そうですか。甘いものがお好きなんですね。嫌いな食べ物はありますか?」
「えっ? えっ?? えっと……特にないかな?」
「そうですか。ふむふむ。嫌いな物はなしと。次に好きなタイ―――」
「ちょっと待てコラ!! 職権乱用して何プライベートなことべらべら聞き出してんだよ!!」
そこで一生が怒鳴りだしていた。
一生、お前も食べ物の好き嫌い話したかったんだな。なのに僕だけ聞かれて寂しかったんだな。よしよし、あとで僕が聞いてやるよ。まぁ、知ってるけど。
そんな事を考えていると、掴みかかろうとした一生をひらりと躱したキリルさんが何故かバチンッとウインクをしながら僕に微笑みかけて言ったのだ。
「冗談はさておき、冒険者ギルド登録は完了しましたよ。はい。こちらがお二人の冒険者カードです」
そう言って、さっきまで半透明だったのに今は白くなっている板を差し出して見せてくれた。
そこには、僕の情報がいろいろと書き込まれていた。
名前:ハルキ・アイバ
年齢:16歳
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スキル:アイテムボックス アイテムボックス内複写 愛妻の手料理 パペット
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