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ボス部屋
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はい。私は何故ここにいるのでしょう……。
それは、ジオラルドの提案を飲んだからです!!
あの後、運がいいのか悪いのか、ボス部屋を見つけてしまったのよ。
それで……。
『チヤ、行こう!! ボスを僕たちで倒すんだ!! でも、危ないからチヤは、後ろの方で僕を応援してくれればいいからね』
「お……おうぅ。任せろ?」
『うん!!』
そんなわけで、三メートルはありそうな、牛? みたいな魔物と対峙しています。
ジオラルドは、牛っぽい魔物にちょっとずつダメージを与える戦法で、相手の体力を少しずつ、でも確実に削って行っていた。
私はと言うと、懸命に応援しています。
「ジオラルドーー!! 頑張れ!! そこよぉ!! いっけーーー!! きゃーー! 危ない! 避けてーー!!」
うん。なんか、テレビの前で格闘番組を見ながら選手を応援している人みたいになってますけど、本気ですからね。
ジオラルドの無事と勝利を祈りつつ、声を限界まで張り上げて応援してますよ!
ジオラルドは、軽いステップで巧みに牛っぽい魔物を翻弄して、確実にダメージを与えていく。
爪や牙、時折、魔法? 火とか出して、戦ってくれてる。
何もできない私は、本当にお荷物だね。
ジオラルドを助けたつもりが、私の方が助けられている。
そんなことを思いながらも、懸命にジオラルドを後ろから応援していると、会心の一撃が入ったみたいで、牛っぽい魔物は大きな雄たけびを上げた後、頭から地面に倒れていた。
ジオラルドが前足で魔物をツンツンってしてみても何の反応もなかった。
「かっ……勝ったぁ……。ジオラルド、怪我はない?!」
『大丈夫だ。でも、勝ててよかった。これで、チヤの加護が本物だって証明できたな』
そう言ったジオラルドは、ちょっと悪そうな顔をしたのよ。
それで私は思い出していた。
ボス部屋を見つけた後のやり取りを。
ジオラルドは、ボス部屋を見つけたとき、私に言ったのよ。
『君の加護が使えないって言ってたけど、それってどんな加護だったんだ?』
「えっと、【応援】って加護だったよ?」
私がそう言うと、ジオラルドは、地面をじっと見た後に顔を上げて言ったのよ。
『それって、多分だけど、すごい加護かも知れない』
「えっ?」
驚く私にジオラルドは仮説を話してくれた。
『チヤの持っている加護は、対象者にバフを掛けるんだと思う。それは、力だったり、運だったり。いろいろな恩恵をくれるんだと思う。僕は、チヤに「頑張れ」って、応援されてから、戦えるようになったし、火も起こせるようになった。そして、言葉も話せるようになった』
「まさか……」
『なら、ボス戦で証明する。だから、チヤは、僕のこと全力で応援して』
「なっ、駄目だよ!! 危ないから駄目!!」
私がジオラルドにそう言うと、ジオラルドは頭を横に振っていた。
『大丈夫。僕はチヤの力を信じてる。だから、チヤも僕を信じて』
「うん……。でも、駄目だと思ったら全力で逃げるからね。それだけは約束して」
『わかった』
なんてやり取りがあったのよね……。
それは、ジオラルドの提案を飲んだからです!!
あの後、運がいいのか悪いのか、ボス部屋を見つけてしまったのよ。
それで……。
『チヤ、行こう!! ボスを僕たちで倒すんだ!! でも、危ないからチヤは、後ろの方で僕を応援してくれればいいからね』
「お……おうぅ。任せろ?」
『うん!!』
そんなわけで、三メートルはありそうな、牛? みたいな魔物と対峙しています。
ジオラルドは、牛っぽい魔物にちょっとずつダメージを与える戦法で、相手の体力を少しずつ、でも確実に削って行っていた。
私はと言うと、懸命に応援しています。
「ジオラルドーー!! 頑張れ!! そこよぉ!! いっけーーー!! きゃーー! 危ない! 避けてーー!!」
うん。なんか、テレビの前で格闘番組を見ながら選手を応援している人みたいになってますけど、本気ですからね。
ジオラルドの無事と勝利を祈りつつ、声を限界まで張り上げて応援してますよ!
ジオラルドは、軽いステップで巧みに牛っぽい魔物を翻弄して、確実にダメージを与えていく。
爪や牙、時折、魔法? 火とか出して、戦ってくれてる。
何もできない私は、本当にお荷物だね。
ジオラルドを助けたつもりが、私の方が助けられている。
そんなことを思いながらも、懸命にジオラルドを後ろから応援していると、会心の一撃が入ったみたいで、牛っぽい魔物は大きな雄たけびを上げた後、頭から地面に倒れていた。
ジオラルドが前足で魔物をツンツンってしてみても何の反応もなかった。
「かっ……勝ったぁ……。ジオラルド、怪我はない?!」
『大丈夫だ。でも、勝ててよかった。これで、チヤの加護が本物だって証明できたな』
そう言ったジオラルドは、ちょっと悪そうな顔をしたのよ。
それで私は思い出していた。
ボス部屋を見つけた後のやり取りを。
ジオラルドは、ボス部屋を見つけたとき、私に言ったのよ。
『君の加護が使えないって言ってたけど、それってどんな加護だったんだ?』
「えっと、【応援】って加護だったよ?」
私がそう言うと、ジオラルドは、地面をじっと見た後に顔を上げて言ったのよ。
『それって、多分だけど、すごい加護かも知れない』
「えっ?」
驚く私にジオラルドは仮説を話してくれた。
『チヤの持っている加護は、対象者にバフを掛けるんだと思う。それは、力だったり、運だったり。いろいろな恩恵をくれるんだと思う。僕は、チヤに「頑張れ」って、応援されてから、戦えるようになったし、火も起こせるようになった。そして、言葉も話せるようになった』
「まさか……」
『なら、ボス戦で証明する。だから、チヤは、僕のこと全力で応援して』
「なっ、駄目だよ!! 危ないから駄目!!」
私がジオラルドにそう言うと、ジオラルドは頭を横に振っていた。
『大丈夫。僕はチヤの力を信じてる。だから、チヤも僕を信じて』
「うん……。でも、駄目だと思ったら全力で逃げるからね。それだけは約束して」
『わかった』
なんてやり取りがあったのよね……。
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