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責任者出て来いや!!

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 私は、武蔵野千夜むさしのちや十八歳。突然ですが、今とても怒っています。
 それと言うのも、数日前のことです。
 私が通う女子高での出来事。
 授業が終わって、これからお昼ごはんと言うところで、教室の床が光りだしたんです。
 そう、いわゆる異世界召喚ってやつですね。
 
 そして、クラスに残っていた二十人ほどが異世界に召喚されたわけで。
 まぁ、そこまではいいんです。
 よくある、聖女召喚なるもので、私たちはこの世界に力を持った少女、聖女として召喚されたってことらしいんですけどね。
 それで、異世界に呼ばれてすぐに、頭に浮かんだ言葉が私たちに与えられた加護と呼ばれる力だそうで。
 クラスメイト達は、【癒し】【守り】【強化】と言った聖女っぽい力を得たみたいなんですよ。
 それで、私はと言うと【応援】という、よくわからない力を貰ったんだけど、その加護は使い道のわからないハズレ加護だそうで……。
 はい。私、厄介者扱いですよ。
 
 そうそう、私たちを呼んだ人たちは、オウラル王国って国の人たちね。
 混乱する私たちに、オウラル王国の人が言ったのよ。
 
「隣国は、王位継承問題で荒れている。今こそ隣国に攻め入り、領土を増やす! 君たちには、勇者パーティーに一人ずつ入ってもらう。そして、隣国、ジルニトラ王国の攻略に力を貸してもらう!」

 ってことだった。
 つまり、戦争に私たちを利用しようってことらしい。
 突然そんなこと言われて、普通の女子高生が戦争なんて無理無理。
 だけど、私たちはそれをしないといけない餌を目の前にぶら下げられてしまったのよ。
 もちろん、元の世界への帰還方法っていう、極上の餌をね。
 めっちゃ帰りたいから、渋々ながらも協力することにしたんだけど、ハズレの私はと言うと、勇者パーティーに入れてもらうことは出来なかった。
 っていうか、勇者パーティーって複数あって、私は突っ込まずにはいられなかった。
 勇者って何人いるんだよっ!! ってね。
 まぁ、それはさておき、ハズレで余りものの私は、よくわからないおっさんパーティーに放り込まれることになるんだけど、これがめっちゃ酷い扱いの始まりだったのだ。
 
 おっさんパーティーのメンバーは、酔っ払いアル中リーダー剣士。いつも何か食べている肥満体型タンク。卑屈で闇を抱えてそうな、見た目魔法使いの暗殺者。
 プラス私ね。
 めちゃくちゃバランス悪い寄せ集めパーティーの出来上がりって訳。
 
 だけど、だけどね。
 私が怒っているのは、寄せ集めパーティーに入れられたこともあるけど、それ以外にあるの。
 
 現在私は、何とか迷宮っていう高難易度ダンジョンってところに来ているんだけど……。
 
 うん。おっさんたちに置き去りにされてしまったーーーーー!!
 しかも、計画的に置いて行かれたーーー!!
 
 詰まるところ、ハズレで使い道のない厄介者の私を、人知れず始末したくて、こうしたみたいなんだよね。
 
 ふっざけんな!! ちくちょー!! 責任者出て来いや!! 一発ぶんなぐってやるからな!! いやマジで。

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