異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ

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ようこそ、虚無界へ!!編

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 どうしてこうなったのだろうと、その女は一瞬考えたが、その考えは直ぐに露と消えた。
 
 その女は、与えられた力を上手く使ったつもりだった。
 
 好いた相手が、自分以外の女の後を追って飛び出していった時、腹の底から全てを呪った。
 腹いせに、自分につけられたメイドに八つ当たりをして気を晴らした。
 メイドを打つ間は、不思議なことに心が晴れていくのがわかった。
 
 女は、自分の力を理解した上で上手く振る舞っていた。
 しかし、女を呼び出した国の王は無能だったが、それを支えていた人間たちはそこそこ有能だった。
 次第にエスカレートする女の行動に口を出す様になってきたのだ。
 
 女は思った。
 
「邪魔ね……。そうだわ。それなら消せばいいのよ」

 そう考えた女は、クラスメイトたちをいいように丸め込み、邪魔な人間を次々に手に掛けていった。
 言いくるめられたクラスメイトたちは、ゲーム感覚で簡単に命を奪っていったのだ。
 
 しかし、邪魔な人間を次々に消した女は気が付いてしまったのだ。
 
「殺しすぎたわ……。これじゃ、国が回らない……」

 そこで女は、死体に仮の命を吹き込むというスキルを使って、死体たちを自分の都合のいいように動かすことを思いついたのだ。
 そうすると、次に色々と口を出してくる国王が邪魔になってきた女は、今度は死体たちを使って、国王を葬り去ったのだ。
 
 その女の、余りにも残虐な行為に、それまで女のやることに手を貸していたクラスメイトたちも怖じ気付き、異を唱え始めたのだ。
 
「なぁ?ちょっとやり過ぎじゃないのか?」

「まずいって……、こんな事して……、私達……」

「千歌子、これはいくらなんでも……」

 そう言って、怖気づいたように口を揃えてその女の行動を責め始めたのだ。
 
 その頃には、女は狂っていたのかもしれない。
 自分の言うことを否定する人間は邪魔だと思った女は、死体の兵士たちを使って、自分に異を唱えた者たちを殺し始めたのだ。
 
「私の言うことに逆らうやつなんて要らない……」

 そう言って、死体の兵士たちをけしかけたのだ。
 死体の兵士たちは、無限に蘇り、抗うクラスメイトたちをじわじわとなぶり殺したのだった。
 
 気がつけば、王宮にはその女と死体だけが取り残されていた。
 
 牢に閉じ込めていた者たちも、いつの間にか逃げ出していた。
 そんな時、隣国で商売をする商人からの定期報告が届いた。
 女は興味なさそうに紙の束を投げ捨てようとして、ある文章に目が行ったのだ。
 
『―――不思議な品を売る店が開店したため、売上が格段に落ちてしまいました。そのため、規定の金額を払うの厳しい状況です。ですが、なんとしてでもあの少女の商品を我が店で売れるように手を打ちます。成功すれば、前以上に納めることが可能になります。ですから、どうか猶予をいただきたいのです。あの、光の力でお湯を出す、シャワーヘッドなるものを必ずや―――』

 その文面を見た女は、歪んだ表情で気が狂ったように笑ったのだ。
 
 予感がしたのだ。憎い相手がそこにいると。
 
 女は、死体になったクラスメイトに仮の命を吹き込んだ。
 その中でも、気の弱い男を選んで、告げたのだ。
 
「ねぇ、山田くん?今から、フェールズ王国の王都に向かって欲しいの。そこで、もし静弥を見つけたら、これを使ってここに連れて戻ってきて欲しいの。そうしたら、あなたも、あなたの大切な彼女も、親友も、お友達も……、みんな解放してあげる」

 女がそう言うと、仮の命を与えられたことに気が付いていない男は、未だに牢の中にいる者たちを見て決意したように頷いたのだ。
 それを見た女は、懐に忍ばせていたスクロールを取り出し、男に渡した。
 
 それは、女が以前、幼馴染から貰ったスクロールの残りだった。
 幼馴染には、残りの数を1つ少なく言っていたのだ。
 最後の一つとなっていたスクロールを男に渡したのだ。
 
 女は、見つかればラッキー程度に思ってはいたが、自分から愛しい男を奪った幼馴染が生きているような気がしてならなかったのだ。
 ある意味、確信めいた気持ちで男をフェールズ王国に送り出していた。
 
 それから、一ヶ月もせずに男は憎い幼馴染を連れて戻ってきた。
 目の前に現れた幼馴染は、別れたときと違って、とても美しく可憐な姿をしていたことに怒りを覚えた。
 
 どうやって、その美しい姿を手に入れたのかと心が激しい嫉妬に支配されていた。
 
 どんな薬を使ったのか、魔法を使ったのか?
 そんな事を考えていたが、女は理解した。
 
 気を失った幼馴染を檻に閉じ込める時は、美しい姿をしていたが、目が覚めた時には元の醜い獣の姿に戻っていたのだ。
 
(なんだ。やっぱりゴリラじゃない……。きっと、まやかしかなんかで、周囲を偽っていたんだわ)

 そう考えてからは、嫉妬の炎は大人しくなったのだ。
 
 それから、幼馴染を苦しめるだけの日々が続いた。
 しかし、それは突然終わりを告げた。
 国に張った結界が何者かによって破られるのを感じた。
 それを知った女は、急いで王宮の結界をより強固なものにしたが、無駄だった。
 
 数日後には、王宮に張った結界もあっさり壊されていた。
 そして、逃げ込んだ部屋に何重にも張った結界も同様だった。
 
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