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お店編
61 彼女が隠したがっている何か
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「ちょっと待て、俺は変態なんかじゃない!!おい!!そこの兄弟!!いい加減な事を言うな!お前たちだって、俺と同じ状況だったら、全く同じ事をしていたはずだ!!断じて俺は変態なんかじゃない!!」
そう言って、必死に否定しているカツヒトとシズを改めて見た俺は、なんとなく何があったのか理解し始めていた。
明らかにサイズの合っていないブカブカのシャツを袖を通さない状態で、尚且、全てのボタンを留めていることから、カツヒトが自分のシャツをシズに着せたことが理解できた。
カツヒトの顔が赤いことから、恐らくシズが薄着の状態でいた事に気がついての行動だろう。
そう分かった途端、カツヒトに悪いことをしたという気持ちが俺の中で沸き起こっていた。
「カツヒト……、悪かった。俺の勘違いのようだ……。シズのことを考えた結果の行動だったんだろう?」
「ああそうだよ!!しずが無防備な格好でいたから、自分のシャツをとっさに着せたんだよ!!だから俺は変態なんかじゃない!しずもあの兄弟の言ったことは勘違いの早とちりだから!!」
必死な様子でカツヒトがそう言うと、一歩身を引いた状態だったシズが、不安そうな表情ながらも頷いていた。
「うん……。分かった。かっちゃんは、変態さんなんかじゃない……」
「ああ、そうだ。俺は、変態なんかじゃない。分かってくれればいいよ……。はぁ……」
「うん。そうだね。本当の変態さんは、変態的な行動を徹底的に隠そうとするもんね……」
あぁ……。それはちょっと違うな……。変態には、確かに隠れ変態もいるが、オープンな変態もいるからなぁ。
そんな事を考えながら、俺はふとシズの言葉に違和感を感じていた。
何ていうか、こう……、実感めいた発言だったのだ。
そう、身の回りにそういった人間がいたかのような、実感の籠もった口調だったのだ。
カツヒトも同じ事を考えていたようで、俺と同時に口を開いていた。
「シズ?なんだか、そういった人間が身の回りにいたような口振りなのが気になるんだが……」
「おい……、静弥……。変態の知り合いでもいるかのようなその口振り……」
同時に、似たようなことをシズに問い詰めていた俺とカツヒトはお互いの顔を見合っていた。
「やっぱり、カツヒトは変態だったのか?!」
「おい、しず!!こいつが変態なのか?!」
そして、互いを指差して同時に言い合っていた。
互いに睨み合っていると、シズが慌てて俺とカツヒトを止めていた。
「待って、違うの!!」
「何が違うんだ?」
「何が違うんだよ!」
「二人のことじゃないから!別の人のことだから!!」
「別の人?!」
「別のやつだと!!」
俺とカツヒトが、嘗てないほどのシンクロ具合でシズを問い詰めていると、シズはとっさに顔をそらしていた。
「なっ、何でもないよ!!言い間違いだよ!!変態さんの知り合いなんていないもん!!」
そう言って、シズはぷいっと顔を背けてしまった。
俺は、それ以上問い詰めることが出来なかったが、カツヒトは違っていた。
「静弥、それ!!隠してることがあるだろう!!」
「ないもん!!」
そう言って、シズはさらに顔をぷいっとさせてカツヒトの言葉を否定していた。
しかし、カツヒトも引くことはなかった。
「なら、俺の目を見て同じ事が言えるのかよ?言えないよな?」
「言えるもん……」
そう言ったシズは、少しだけ下唇を噛みながら、上目遣いでカツヒトの目を見つめていた。
「はぁ。やっぱりな。怒らないから」
「やっ!!言わないもん!!」
何か確信していることがあるのか、カツヒトは食い下がっていた。
それでも、シズは否定し続けていた。
気安い感じで、二人にだけ分かる会話をされると、正直面白くなかった。
モヤモヤとした気持ちになっていると、カツヒトがシズに着せたシャツの袖をシズに巻きつけて後ろで縛っていた。
「おい、カツヒト!!それはやり過ぎだ!!」
あまりの仕打ちに、俺はカツヒトを非難したが、カツヒトはそれを無視して、シズの鼻を摘んで言ったのだ。
「言え、じゃないと……。コショコショの刑だぞ?」
「言わないもん!!」
「ふ~ん。コショ」
そう言って、カツヒトはシズの耳の後ろをくすぐった。
すると、シズが少しだけ飛び上がったのが分かった。
「みゃっ!!」
「ほらほら、言わないと次はもっとだぞ?」
カツヒトがそう言うと、シズはぷいっと顔を背けていた。その顔は、唇を噛んで何かを耐えるような表情をしていた。
「たく……。その強情なところ変わんないのな……。でも、言うまでやめない。コショコショ」
「みゃぁぁっ!!」
「しず……。そこまで言いたくないってことは……。千江府のことだったり……」
「ちっ、違うもん!!違うったら違うもん!!」
「はぁ。分かった。アイツのことなんだな?」
「違うもん……」
何かに納得したような表情をした後に、カツヒトはシズを解放していた。
俺には全くわからない二人のやり取りに、割って入ることも出来ずただ見ていることしか出来なかった俺は、モヤモヤがムカムカに変わっていたが、それをどうすることも出来なかった。
そう言って、必死に否定しているカツヒトとシズを改めて見た俺は、なんとなく何があったのか理解し始めていた。
明らかにサイズの合っていないブカブカのシャツを袖を通さない状態で、尚且、全てのボタンを留めていることから、カツヒトが自分のシャツをシズに着せたことが理解できた。
カツヒトの顔が赤いことから、恐らくシズが薄着の状態でいた事に気がついての行動だろう。
そう分かった途端、カツヒトに悪いことをしたという気持ちが俺の中で沸き起こっていた。
「カツヒト……、悪かった。俺の勘違いのようだ……。シズのことを考えた結果の行動だったんだろう?」
「ああそうだよ!!しずが無防備な格好でいたから、自分のシャツをとっさに着せたんだよ!!だから俺は変態なんかじゃない!しずもあの兄弟の言ったことは勘違いの早とちりだから!!」
必死な様子でカツヒトがそう言うと、一歩身を引いた状態だったシズが、不安そうな表情ながらも頷いていた。
「うん……。分かった。かっちゃんは、変態さんなんかじゃない……」
「ああ、そうだ。俺は、変態なんかじゃない。分かってくれればいいよ……。はぁ……」
「うん。そうだね。本当の変態さんは、変態的な行動を徹底的に隠そうとするもんね……」
あぁ……。それはちょっと違うな……。変態には、確かに隠れ変態もいるが、オープンな変態もいるからなぁ。
そんな事を考えながら、俺はふとシズの言葉に違和感を感じていた。
何ていうか、こう……、実感めいた発言だったのだ。
そう、身の回りにそういった人間がいたかのような、実感の籠もった口調だったのだ。
カツヒトも同じ事を考えていたようで、俺と同時に口を開いていた。
「シズ?なんだか、そういった人間が身の回りにいたような口振りなのが気になるんだが……」
「おい……、静弥……。変態の知り合いでもいるかのようなその口振り……」
同時に、似たようなことをシズに問い詰めていた俺とカツヒトはお互いの顔を見合っていた。
「やっぱり、カツヒトは変態だったのか?!」
「おい、しず!!こいつが変態なのか?!」
そして、互いを指差して同時に言い合っていた。
互いに睨み合っていると、シズが慌てて俺とカツヒトを止めていた。
「待って、違うの!!」
「何が違うんだ?」
「何が違うんだよ!」
「二人のことじゃないから!別の人のことだから!!」
「別の人?!」
「別のやつだと!!」
俺とカツヒトが、嘗てないほどのシンクロ具合でシズを問い詰めていると、シズはとっさに顔をそらしていた。
「なっ、何でもないよ!!言い間違いだよ!!変態さんの知り合いなんていないもん!!」
そう言って、シズはぷいっと顔を背けてしまった。
俺は、それ以上問い詰めることが出来なかったが、カツヒトは違っていた。
「静弥、それ!!隠してることがあるだろう!!」
「ないもん!!」
そう言って、シズはさらに顔をぷいっとさせてカツヒトの言葉を否定していた。
しかし、カツヒトも引くことはなかった。
「なら、俺の目を見て同じ事が言えるのかよ?言えないよな?」
「言えるもん……」
そう言ったシズは、少しだけ下唇を噛みながら、上目遣いでカツヒトの目を見つめていた。
「はぁ。やっぱりな。怒らないから」
「やっ!!言わないもん!!」
何か確信していることがあるのか、カツヒトは食い下がっていた。
それでも、シズは否定し続けていた。
気安い感じで、二人にだけ分かる会話をされると、正直面白くなかった。
モヤモヤとした気持ちになっていると、カツヒトがシズに着せたシャツの袖をシズに巻きつけて後ろで縛っていた。
「おい、カツヒト!!それはやり過ぎだ!!」
あまりの仕打ちに、俺はカツヒトを非難したが、カツヒトはそれを無視して、シズの鼻を摘んで言ったのだ。
「言え、じゃないと……。コショコショの刑だぞ?」
「言わないもん!!」
「ふ~ん。コショ」
そう言って、カツヒトはシズの耳の後ろをくすぐった。
すると、シズが少しだけ飛び上がったのが分かった。
「みゃっ!!」
「ほらほら、言わないと次はもっとだぞ?」
カツヒトがそう言うと、シズはぷいっと顔を背けていた。その顔は、唇を噛んで何かを耐えるような表情をしていた。
「たく……。その強情なところ変わんないのな……。でも、言うまでやめない。コショコショ」
「みゃぁぁっ!!」
「しず……。そこまで言いたくないってことは……。千江府のことだったり……」
「ちっ、違うもん!!違うったら違うもん!!」
「はぁ。分かった。アイツのことなんだな?」
「違うもん……」
何かに納得したような表情をした後に、カツヒトはシズを解放していた。
俺には全くわからない二人のやり取りに、割って入ることも出来ずただ見ていることしか出来なかった俺は、モヤモヤがムカムカに変わっていたが、それをどうすることも出来なかった。
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