1 / 17
第一章 旅立ち(1)
しおりを挟む
大陸一の大国、キャバリエ王国の端にあるトライベッカ領は緑豊かでのんびりとした気質の人間が多く住む土地だ。
領民たちは、畑を耕し家畜の世話をしながら、朴訥としてはいるが穏やかな毎日を送っていた。
その土地の領主であるトライベッカ子爵は、人のいいと言うには度が過ぎるほどで、ある意味騙されやすいお人好しと言った方が正しいかもしれない。
お人好しの子爵は、領民たちにとても好かれていた。
貴族にしては珍しい大恋愛の末に結婚し、一人娘を授かったが、愛する妻は娘を産んでしばらくしてこの世を去ってしまったのだ。
もともと体が弱く、病がちだったのだ。
それでも、最後の時まで愛する夫と可愛い娘との暮らしに微笑みを絶やさない人だった。
子爵は、愛する妻の死を心から嘆いた。
そして、愛娘も愛する母親の死に心から悲しんだのだ。
それから数年。愛する妻以外に見向きもしない子爵は、後妻を迎えることはなかった。
娘と二人、領民が微笑ましく見つめる中、仲睦まじく暮らしたのだ。
子爵令嬢は、母親の死を目の当たりにした後、ある一つの決意を持つようになった。
それは、病で苦しむ人を救いたいという思いだった。
子爵邸には、代々受け継がれていた知識の泉ともいえる膨大な書物があったのだ。
子爵令嬢は、その膨大な書物を紐解き、数多くの知識を手に入れたのだった。
その知識は、領民のために振るわれることがほとんどであった。
怪我に苦しむ人がいれば駆けつけ、病に苦しむ人がいれば看病に向かう。
そんな子爵令嬢に領民たちは、心から感謝をしたのだ。
トライベッカ領は、広大な土地を有してはいたが、特産品もなく、ただ自然が美しいだけの場所だったため、財政の面ではあまり豊かとはいえなかった。
それでも、その土地に住む人の温かく穏やかな気質の為か、領民たちは心からトライベッカを愛していたのだ。
そして、子爵と令嬢のことも心から敬愛していたのだ。
子爵家と領民たちの距離は他の領地と比べるととても近く、気やすいものだった。
顔を見れば親し気に挨拶をかわし、笑顔を浮かべる関係は、微笑ましいものだつた。
そんな穏やかな毎日を過ごす中で、子爵はその底抜けのお人好しを利用されてしまう事件が起こったのだ。
学生時代の旧友に騙されて多額の借金を負ってしまったのだ。
子爵を騙した旧友は、「すまない。今月末には必ず金は返す」と言い続けた後、姿をくらませてしまったのだ。
子爵は、借金を押し付けられたのにもかかわらず、苦笑いで令嬢に言ったのだ。
「ははは。お前にはいつも苦労ばかり掛けてしまって申し訳ないよ……」
令嬢は、父親のその眉を寄せて困ったように首を傾げる姿を見て、大きなため息を吐く事しか出来なかった。
「もう……。大丈夫です。家財を売って、仕えてくれるみんなには悪いけど、他の働き口を紹介しましょう」
「うん。アルシオーネ……。頼りない父ですまない」
「もう。お父様が頼りないのは誰よりもわたしが知っていますから。今更ですよ。くすくす。それじゃ、ちゃちゃっと手配してしまいましょう」
捨てられた子犬の様に瞳を潤める子爵の情けない姿を見慣れてしまっている令嬢は、敢えて微笑みを浮かべて励ますように言ったのだ。
そして、華奢な腕を曲げて力こぶを作るようなポーズで片目を瞑って見せたのだ。
それは、令嬢が誰かを励ますときに無意識に取るポーズだった。
それを知る子爵は、喉の奥がきゅっと苦しくなって泣きそうになってしまっていた。だが、泣くことはなく、いや、正確にはさらに瞳を潤めて、やっとのことで震える声を振り絞り「うん」と頷いたのだった。
これは、トライベッカ子爵令嬢である、アルシオーネが十五歳の時の出来事だった。
それからアルシオーネは、屋敷に残ってくれた執事のセバスティアンと料理長のコックォと共に管理することとなったのだ。
広い屋敷は少しでも借金返済の足しにするため、家財の大部分を売ってしまっているため、使っていない部屋は何もない空き部屋となっていた。
それでも、掃除をしなければ屋敷が傷んでしまうため定期的に掃除を行っていた。
そして、色とりどりの花が咲き乱れていた庭園は無くなり、今では沢山の薬草や野菜が育てられていた。
こうして、借金返済のためにもともと慎ましかった生活が更に慎ましくなって二年ほどが経過していた。
その日アルシオーネは、洗い終わったシーツを干し終わった後で手で庇を作りながら空を仰いだ。
風がそよぎ、ロールパンのような白い雲がそよそよと流れていくのを見てある決意をしたのだ。
心地のいい風がアルシオーネのワンピースをふわりと揺らしたのも気にせず、気持ちのいい風を受けていた。
アルシオーネの一本の三つ編みに結んだ桜色の髪の毛が揺れたのと同時に、眉の上あたりで適当に切られて不揃いの前髪がふわりと流れて、彼女の美しい顔が露になった。
まるで宝石のようにキラキラと輝くエメラルドの大きな瞳は、長く繊細な睫毛に縁どられていた。
大きな瞳は、子猫の様にくりっとしていて目尻が少し吊り上がっていたが、父親に似たのか細い眉は困ったような八の字になっていたためかきつい印象はなかった。逆に、子猫を思わす大きく潤んだ瞳は、アルシオーネを守ってあげたくなるような印象を与えていた。
整った鼻と形のいい小さな唇が完璧に配置されたその花の顔は、まさにお人形のように可愛らしいものだった。
アルシオーネを心から可愛がっている子爵は、「可愛いアルシオーネ……。パパをおいてどこにも行かないでおくれ……」と言っては、アルシオーネを困らせたものだった。
しかし、アルシオーネが生まれる前から彼女を見守っていた執事のセバスティアンと料理長のコックォは、子爵の口癖を聞くたびにその言葉の真意である「可愛いアルシオーネ、お嫁にはいかないでおくれ」という叫びを理解し深く頷いていたのだった。
しかし、アルシオーネを可愛がる街の女性陣は違っていた。
アルシオーネが街に行くたびに、「お嬢の花嫁姿を早く見たいもんだねぇ」と言って年頃の男性を進めていたのだ。
アルシオーネは、結婚よりもお金を稼いで借金を返すことしか頭になかったため、奥様連中の言葉を軽く流してただ笑顔を見せるだけだった。
ただし、その笑顔は天上の天使が下界に遊びに舞い降りたが如く、可憐で道行く男たちだけでなく女たちまでもを魅了したのだ。
その笑顔に惚れた男たちは数多くいたが、少しでもアルシオーネに秋波を送ろうものなら、どこからともなくセバスティアンが現れては、秋波を送った男に笑顔でこう言ったのだ。
「ほっほっほ。お嬢様はこの下界に降りた天使です。心を奪われるのも仕方がないことです」
そう言って、朗らかに微笑むも、その目は一切笑ってはおらず、冷たい光を孕んでいたのだ。
セバスチャンと目が合った男どもは、例外なく悟るのだ。
その目が、「大切なお嬢様に手を出したら殺す」と言っていることをだ。
因みにだが、セバスティアンは元王国騎士団の副団長を務めていた男だったが、幼馴染で弟分だった子爵が子爵家を継いだ数年後に騎士団を突然やめて執事になったという経緯がある。
そのため、セバスティアンは、執事でありながらトライベッカの猟犬と恐れられているという一面もあったのだ。
そんなセバスティアンを追いやってでもアルシオーネに告白するような勇者は今のところ現れる気配はなかったが、彼が牽制を怠れば、告白者は後を絶たないことを理解しているセバスティアンは、気を抜くことはなかったのだった。
領民たちは、畑を耕し家畜の世話をしながら、朴訥としてはいるが穏やかな毎日を送っていた。
その土地の領主であるトライベッカ子爵は、人のいいと言うには度が過ぎるほどで、ある意味騙されやすいお人好しと言った方が正しいかもしれない。
お人好しの子爵は、領民たちにとても好かれていた。
貴族にしては珍しい大恋愛の末に結婚し、一人娘を授かったが、愛する妻は娘を産んでしばらくしてこの世を去ってしまったのだ。
もともと体が弱く、病がちだったのだ。
それでも、最後の時まで愛する夫と可愛い娘との暮らしに微笑みを絶やさない人だった。
子爵は、愛する妻の死を心から嘆いた。
そして、愛娘も愛する母親の死に心から悲しんだのだ。
それから数年。愛する妻以外に見向きもしない子爵は、後妻を迎えることはなかった。
娘と二人、領民が微笑ましく見つめる中、仲睦まじく暮らしたのだ。
子爵令嬢は、母親の死を目の当たりにした後、ある一つの決意を持つようになった。
それは、病で苦しむ人を救いたいという思いだった。
子爵邸には、代々受け継がれていた知識の泉ともいえる膨大な書物があったのだ。
子爵令嬢は、その膨大な書物を紐解き、数多くの知識を手に入れたのだった。
その知識は、領民のために振るわれることがほとんどであった。
怪我に苦しむ人がいれば駆けつけ、病に苦しむ人がいれば看病に向かう。
そんな子爵令嬢に領民たちは、心から感謝をしたのだ。
トライベッカ領は、広大な土地を有してはいたが、特産品もなく、ただ自然が美しいだけの場所だったため、財政の面ではあまり豊かとはいえなかった。
それでも、その土地に住む人の温かく穏やかな気質の為か、領民たちは心からトライベッカを愛していたのだ。
そして、子爵と令嬢のことも心から敬愛していたのだ。
子爵家と領民たちの距離は他の領地と比べるととても近く、気やすいものだった。
顔を見れば親し気に挨拶をかわし、笑顔を浮かべる関係は、微笑ましいものだつた。
そんな穏やかな毎日を過ごす中で、子爵はその底抜けのお人好しを利用されてしまう事件が起こったのだ。
学生時代の旧友に騙されて多額の借金を負ってしまったのだ。
子爵を騙した旧友は、「すまない。今月末には必ず金は返す」と言い続けた後、姿をくらませてしまったのだ。
子爵は、借金を押し付けられたのにもかかわらず、苦笑いで令嬢に言ったのだ。
「ははは。お前にはいつも苦労ばかり掛けてしまって申し訳ないよ……」
令嬢は、父親のその眉を寄せて困ったように首を傾げる姿を見て、大きなため息を吐く事しか出来なかった。
「もう……。大丈夫です。家財を売って、仕えてくれるみんなには悪いけど、他の働き口を紹介しましょう」
「うん。アルシオーネ……。頼りない父ですまない」
「もう。お父様が頼りないのは誰よりもわたしが知っていますから。今更ですよ。くすくす。それじゃ、ちゃちゃっと手配してしまいましょう」
捨てられた子犬の様に瞳を潤める子爵の情けない姿を見慣れてしまっている令嬢は、敢えて微笑みを浮かべて励ますように言ったのだ。
そして、華奢な腕を曲げて力こぶを作るようなポーズで片目を瞑って見せたのだ。
それは、令嬢が誰かを励ますときに無意識に取るポーズだった。
それを知る子爵は、喉の奥がきゅっと苦しくなって泣きそうになってしまっていた。だが、泣くことはなく、いや、正確にはさらに瞳を潤めて、やっとのことで震える声を振り絞り「うん」と頷いたのだった。
これは、トライベッカ子爵令嬢である、アルシオーネが十五歳の時の出来事だった。
それからアルシオーネは、屋敷に残ってくれた執事のセバスティアンと料理長のコックォと共に管理することとなったのだ。
広い屋敷は少しでも借金返済の足しにするため、家財の大部分を売ってしまっているため、使っていない部屋は何もない空き部屋となっていた。
それでも、掃除をしなければ屋敷が傷んでしまうため定期的に掃除を行っていた。
そして、色とりどりの花が咲き乱れていた庭園は無くなり、今では沢山の薬草や野菜が育てられていた。
こうして、借金返済のためにもともと慎ましかった生活が更に慎ましくなって二年ほどが経過していた。
その日アルシオーネは、洗い終わったシーツを干し終わった後で手で庇を作りながら空を仰いだ。
風がそよぎ、ロールパンのような白い雲がそよそよと流れていくのを見てある決意をしたのだ。
心地のいい風がアルシオーネのワンピースをふわりと揺らしたのも気にせず、気持ちのいい風を受けていた。
アルシオーネの一本の三つ編みに結んだ桜色の髪の毛が揺れたのと同時に、眉の上あたりで適当に切られて不揃いの前髪がふわりと流れて、彼女の美しい顔が露になった。
まるで宝石のようにキラキラと輝くエメラルドの大きな瞳は、長く繊細な睫毛に縁どられていた。
大きな瞳は、子猫の様にくりっとしていて目尻が少し吊り上がっていたが、父親に似たのか細い眉は困ったような八の字になっていたためかきつい印象はなかった。逆に、子猫を思わす大きく潤んだ瞳は、アルシオーネを守ってあげたくなるような印象を与えていた。
整った鼻と形のいい小さな唇が完璧に配置されたその花の顔は、まさにお人形のように可愛らしいものだった。
アルシオーネを心から可愛がっている子爵は、「可愛いアルシオーネ……。パパをおいてどこにも行かないでおくれ……」と言っては、アルシオーネを困らせたものだった。
しかし、アルシオーネが生まれる前から彼女を見守っていた執事のセバスティアンと料理長のコックォは、子爵の口癖を聞くたびにその言葉の真意である「可愛いアルシオーネ、お嫁にはいかないでおくれ」という叫びを理解し深く頷いていたのだった。
しかし、アルシオーネを可愛がる街の女性陣は違っていた。
アルシオーネが街に行くたびに、「お嬢の花嫁姿を早く見たいもんだねぇ」と言って年頃の男性を進めていたのだ。
アルシオーネは、結婚よりもお金を稼いで借金を返すことしか頭になかったため、奥様連中の言葉を軽く流してただ笑顔を見せるだけだった。
ただし、その笑顔は天上の天使が下界に遊びに舞い降りたが如く、可憐で道行く男たちだけでなく女たちまでもを魅了したのだ。
その笑顔に惚れた男たちは数多くいたが、少しでもアルシオーネに秋波を送ろうものなら、どこからともなくセバスティアンが現れては、秋波を送った男に笑顔でこう言ったのだ。
「ほっほっほ。お嬢様はこの下界に降りた天使です。心を奪われるのも仕方がないことです」
そう言って、朗らかに微笑むも、その目は一切笑ってはおらず、冷たい光を孕んでいたのだ。
セバスチャンと目が合った男どもは、例外なく悟るのだ。
その目が、「大切なお嬢様に手を出したら殺す」と言っていることをだ。
因みにだが、セバスティアンは元王国騎士団の副団長を務めていた男だったが、幼馴染で弟分だった子爵が子爵家を継いだ数年後に騎士団を突然やめて執事になったという経緯がある。
そのため、セバスティアンは、執事でありながらトライベッカの猟犬と恐れられているという一面もあったのだ。
そんなセバスティアンを追いやってでもアルシオーネに告白するような勇者は今のところ現れる気配はなかったが、彼が牽制を怠れば、告白者は後を絶たないことを理解しているセバスティアンは、気を抜くことはなかったのだった。
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
幼馴染に奪われそうな王子と公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
「王子様、本当に愛しているのは誰ですか???」
「私が愛しているのは君だけだ……」
「そんなウソ……これ以上は通用しませんよ???」
背後には幼馴染……どうして???
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
大嫌いな令嬢
緑谷めい
恋愛
ボージェ侯爵家令嬢アンヌはアシャール侯爵家令嬢オレリアが大嫌いである。ほとんど「憎んでいる」と言っていい程に。
同家格の侯爵家に、たまたま同じ年、同じ性別で産まれたアンヌとオレリア。アンヌには5歳年上の兄がいてオレリアには1つ下の弟がいる、という点は少し違うが、ともに実家を継ぐ男兄弟がいて、自らは将来他家に嫁ぐ立場である、という事は同じだ。その為、幼い頃から何かにつけて、二人の令嬢は周囲から比較をされ続けて来た。
アンヌはうんざりしていた。
アンヌは可愛らしい容姿している。だが、オレリアは幼い頃から「可愛い」では表現しきれぬ、特別な美しさに恵まれた令嬢だった。そして、成長するにつれ、ますますその美貌に磨きがかかっている。
そんな二人は今年13歳になり、ともに王立貴族学園に入学した。
最悪なお見合いと、執念の再会
当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。
しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。
それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。
相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。
最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。
【完結】おしどり夫婦と呼ばれる二人
通木遼平
恋愛
アルディモア王国国王の孫娘、隣国の王女でもあるアルティナはアルディモアの騎士で公爵子息であるギディオンと結婚した。政略結婚の多いアルディモアで、二人は仲睦まじく、おしどり夫婦と呼ばれている。
が、二人の心の内はそうでもなく……。
※他サイトでも掲載しています
脳内お花畑から帰還したダメ王子の不器用な愛し方
伊織愁
恋愛
ダメダメな王子がやらかす婚約破棄を前に、真実の愛に浮かれていたお花畑から、そんなお花畑がないと知り、現実の世界に帰還。 本来の婚約者と関係改善を図り、不器用ながら愛を育んで幸せな結婚をするお話。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる