わたしを嫌う妹の企みで追放されそうになりました。だけど、保護してくれた公爵様から溺愛されて、すごく幸せです。

バナナマヨネーズ

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第三十九話

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 華火が目を覚ました時、側に居たのは会いたかったその人だった。
 
「うぇいんさんだ……」

「ハナビ……、アガドロコチアチキコリオリアフザム、イネアモノス」

 そう言ったウェインは、触れるだけの優しいキスをした後に、華火がまるで食べられているみたいだと思うような激しいキスしたのだ。
 
アンネモグごめんな? アドゥオダヒアウゴナダラク体の具合はどうだ?」

 肩で息をしながら、首元まで朱く染まっていた華火は、恥ずかしさから、ベッドに頭を引っ込めたのは一瞬で、すぐに布団から少しだけ顔を出して言っていた。
 
「大丈夫です……、いえ、嘘です。うぇいんさんが素敵すぎて、だいじょばないです……」

 ぴょこんと布団から顔を出してそう言う華火が可愛くて、こんな時だというのに、華火をもっと可愛がりたいと思ってしまうのだ。
 しかし、ベッドから身を起こした華火を見たウェインは、表情を改めて華火の言葉に耳を傾けていた。
 
「わたし……、うぇいんさんと離れて、ちゃんと考えて、きちんと自分の中で答えを出しました」

 そう言った華火は、しっかりとウェインの瞳を見つめてその答えを口にしていた。
 
「わたしのこの想いは、まやかしなんかじゃなく、心からの気持ちなんです。うぇいんさんにだって、否定なんてさせません。わたしは、わたしが心から愛しているうぇいんさんを選びたいんです。うぇいんさんを選ばせてください! 側に居させてください!」

 強い意志が込められた榛色の瞳に見つめられたウェインは、心臓を射抜かれたような心地だった。
 
(そうか……、覚悟が足りなかったのは俺の方だ……。俺は、怖かったんだ……。ふっ、こんな弱い心を俺が持っていたなんてな……)

 ウェインは、ベッドの横に置いていた椅子から降りて、床に片膝を付いた姿勢で、華火の左手を恭しく握ったのだ。
 そして、懺悔でもするかのように、華火の瞳を見つめて言うのだ。
 
アヘロ俺はアヅンーッタカヲク怖かったんだオターテルケヅンアレオウェロアギミク君が俺を選んでくれた後エッタギシオコウィアケソノトム元の世界を恋しがってオチアネリソマクルカギフルシアクオコヲトカヅンーレオウェロ俺を選んだことを後悔する日が来るかもしれないと……」

「そんなことないです!!」

アアああアナドゥオスそうだなアゴロコキアヲヨネロアッタカネラリズンーソウィミク君を信じられなかった俺の弱い心が……、アッタミセテミスルコウハナビハナビを苦しめてしまったエルケチスルヨウェロイアヲヤンノクこんな弱い俺を許してくれ……。アッタダカバゲロ俺が馬鹿だった……。オメデロスそれでもアヅンーニクサグハナビハナビが好きなんだエルケチーナボソネロ俺の側にいてくれ……、アディアゲノお願いだ……」

「許しません……。わたしの大好きなうぇいんさんを悪く言うのは、例えそれがうぇいんさん本人でも許しません」

 華火の言葉に目を丸くさせたウェインは、弱々しい笑みを浮かべて、華火の手をぎゅっと握っていた。
 
「わたしは、後悔なんてしません! そして、うぇいんさんにもです。わたし、うぇいんさんが後悔なんて微塵もしないくらい、貴方を幸せにしてみせます!! だから……、だから、そんな泣きそうな顔はしないでください……」

 華火の言葉に笑みを浮かべたウェインは、力強く宣言していた。
 
アアああオィアナカハヘナヲユオムもう弱音は吐かないよオユアキツ誓うよイヌオィアナガミフルシアクオカグハナビハナビが後悔する暇がないようにエッタギアワクンオトコツとことん可愛がってエチサカヤマ甘やかしてエチシア愛してオユアキトツルシネサワイス幸せにすると誓うよ

 そう言ったウェインは、華火の白く華奢な手の甲に誓いの口付けをするのだ。
 ウェインからの誓いのキスに華火は、花のような笑顔で「はい」と頷くのだ。
 
「アクセディーオロソロス?」

 話が一段落したタイミングで、部屋の隅でずっと様子を見ていたマリアが右手を挙げて言ったのだ。
 このままイチャイチャしたかったウェインだったが、それを堪えて冷静そのものの声で応えていた。
 ただし、華火が寝ていたベッドに腰掛けて、身を起こしていた華火の体を自分の足の間に移動させた姿勢での応答だったが。
 
アヅンーンなんだ?」

「アーーーフ……。エヌセヅンーヒアトママスオジョハナビ。エテラレモシミナタゴノタヌオソユツカユツンエナンノク……。ゴホン。オロソロス、イニアヅンオフ……」

 初めの方は不満そうな小さな声で言った後、マリアが本題を話そうとした時だった。
 華火が慌てたように両手を振って、マリアの言葉を遮っていたのだ。
 
「まりあ、待って! ストーーーップ!!」

 そう言った華火は、マリアに手を伸ばしてその瞳を見つめたのだ。
 マリアはすぐに華火の考えを理解して、自分に伸ばされた華火の手をぎゅっと指を絡めるようにして握ったのだ。
 それには、華火を独り占めしてしまいたいと思っているウェインが表情を険しくさせていた。
 しかし、ウェインの表情が見えていない華火は、そんな嫉妬丸出しの顔をしていることを知らない。
 
「イアフ。アマスオジョハナビ」
―――くはぁ~~。ハナビお嬢様の可愛いおてて。最高オブ最高!!

「えっと……」

「ウタ! アグセデロマダドリオリ、エドヌセドゥチズンーソニサタウィアニラウチオス。アヒサタウ、アラクセダタキモネカダマスオジョーメチソタチシニケトウィアケス。イアサドゥクンイスンアオグ」
―――あっ! いろいろダダ洩れですが、嘘偽りない私の真実ですので。私は、世界を敵にしたとしてもお嬢様だけの味方ですから。ご安心ください。

「まりあ……。ありがとう。でも大げさだよ?」

「アクセドノマナセゴオ!」
―――大げさなものですか! 全然足りないくらいです!!

エルケタモットユツちょっと待てくれ……。イアッチアヘロクこれは一体……」

 どう考えても、華火とマリアが会話をしているとしか思えないやり取りにウェインは動揺していた。
 しかし、どう見ても自分のように華火とキスをした様子は微塵もないし、させる気もないウェインは、華火を抱きしめて黙り込んでしまったのだ。
 
「ち、違いますから!! わたしがキスをしたいのも、されたいのもうぇいんさんだけです!!」

 ウェインにマリアとキスをしたと誤解されたと勘違いした華火は、動揺からそう言ったのだ。
 しかし、華火からキスをしたいのもされたいのも自分だけだと宣言してもらったウェインは、一転笑顔を取り戻していたのだった。

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