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本編
016 運命の女神様との出会い
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二人は、そう言った特殊な事情から風呂、トイレ付きの物件に住む必要があったが、しかしそう言った物件は家賃が高かったのだ。
だからといって、共同の風呂やトイレを使うことは避けたかった。
体と心の性別が逆になってしまった二人は、出来るだけ他人と距離を空けたかったのだ。
しかし、二人の働いていた店での給料では日々の生活を送るのがやっとの状態だったのだ。
そんな時、中々いい仕事が見つからないと悩んでいた二人は、前方を何かを探すように下を向いて歩く女性に気が付いたのだ。
もうすぐ日が暮れる時間だったが、困った様子の女性を放っておけなかったのだ。
心のなかで相談した二人は、女性に声を掛けていた。
すると、女性は涙目で言ったのだ。
「旦那様から頂いた、髪飾りを落としてしまいました……。わたし、大切にするとガウェイン様と約束をしたのに……」
そう言って、紫の瞳を潤ませる女性を見ていられなくなった二人は、時間が無いにも関わらず髪飾りを探すことを自分から言っていたのだ。
ようやく髪飾りを見つけた時には、日が暮れていた。
時間が来て、ローグの意識は眠りについていた。
そして、先程まで少女だった体は少年の物となっていた。
周囲が暗いことから、気が付かれなければいいと思いつつも、髪飾りを見つけて喜ぶ女性と別れようとしたが、その女性は言ったのだ。
「まぁ……。あなた……」
女性に変化を気づかれてしまったと理解したリアムは、その場を駆け出そうとしたが出来なかった。
その女性に、何故か後ろから服を掴まれてしまったからだ。
女性は、慌てるリアムに言ったのだ。
「何かの魔法かしら?う~ん。それってとってもお困りよね?私に何か出来ることはないかしら?大切な髪飾りを探すのを手伝ってくれた優しいあなたの力になりたいの」
そう言って、優しい微笑みを浮かべてリアムを見つめていたのだ。
体が融合してから、この秘密が人に知られれば見世物にされてしまうと危ぶんだ二人は、秘密を知られないようにしようと必死だったのだ。
それなのに、何でもないように、当たり前だと言わんばかりに二人を心配してくれるその女性の言葉に、自然と涙が溢れていた。
女性は、溢れる涙を優しく拭って言ったのだ。
「あらあら。今日は日も暮れてしまったし―――」
女性がそう言ったとところで、男の声が聞こえたのだ。
「エティ!!探したぞ!!日が暮れても帰ってこないから心配した」
そう言って、体の大きな男性が、女性に近づいたかと思うと、強く抱きしめていたのだ。
だからといって、共同の風呂やトイレを使うことは避けたかった。
体と心の性別が逆になってしまった二人は、出来るだけ他人と距離を空けたかったのだ。
しかし、二人の働いていた店での給料では日々の生活を送るのがやっとの状態だったのだ。
そんな時、中々いい仕事が見つからないと悩んでいた二人は、前方を何かを探すように下を向いて歩く女性に気が付いたのだ。
もうすぐ日が暮れる時間だったが、困った様子の女性を放っておけなかったのだ。
心のなかで相談した二人は、女性に声を掛けていた。
すると、女性は涙目で言ったのだ。
「旦那様から頂いた、髪飾りを落としてしまいました……。わたし、大切にするとガウェイン様と約束をしたのに……」
そう言って、紫の瞳を潤ませる女性を見ていられなくなった二人は、時間が無いにも関わらず髪飾りを探すことを自分から言っていたのだ。
ようやく髪飾りを見つけた時には、日が暮れていた。
時間が来て、ローグの意識は眠りについていた。
そして、先程まで少女だった体は少年の物となっていた。
周囲が暗いことから、気が付かれなければいいと思いつつも、髪飾りを見つけて喜ぶ女性と別れようとしたが、その女性は言ったのだ。
「まぁ……。あなた……」
女性に変化を気づかれてしまったと理解したリアムは、その場を駆け出そうとしたが出来なかった。
その女性に、何故か後ろから服を掴まれてしまったからだ。
女性は、慌てるリアムに言ったのだ。
「何かの魔法かしら?う~ん。それってとってもお困りよね?私に何か出来ることはないかしら?大切な髪飾りを探すのを手伝ってくれた優しいあなたの力になりたいの」
そう言って、優しい微笑みを浮かべてリアムを見つめていたのだ。
体が融合してから、この秘密が人に知られれば見世物にされてしまうと危ぶんだ二人は、秘密を知られないようにしようと必死だったのだ。
それなのに、何でもないように、当たり前だと言わんばかりに二人を心配してくれるその女性の言葉に、自然と涙が溢れていた。
女性は、溢れる涙を優しく拭って言ったのだ。
「あらあら。今日は日も暮れてしまったし―――」
女性がそう言ったとところで、男の声が聞こえたのだ。
「エティ!!探したぞ!!日が暮れても帰ってこないから心配した」
そう言って、体の大きな男性が、女性に近づいたかと思うと、強く抱きしめていたのだ。
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