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第八話 幼馴染に蕩けさせられる
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そんな、よく考えれば、アイザックにとってのメリットが極端にないように思える契約結婚は、シェリーの思惑通りになされることとなったのだ。
ただし、シェリーを大好きなシャロンがなんだかんだ言って、アイザックの屋敷を訪ねてくるようになったことで、アイザックの機嫌は上昇したのだ。
しかし、一度拗れた仲を改善することは出来ず、ずるずると仲たがいした状態が続いたのだ。
そして、先日、シェリーは、愛する人と一緒になれる準備が整ったと言って、一人で離婚の準備をすべて整えると、アイザックには、書置き一つ置いて屋敷を出て行ってしまったのだ。
しかし、アイザックにとってそれは好機だった。
もう、いろいろと拗れた今、シャロンを手に入れるために、この状況を利用することを考えついたのだ。
しかし、アイザックが行動に起こす前に、アッサム子爵家に忍び込ませていた部下から、シャロンの縁談話を聞いて、慌てて屋敷を飛び出していたのだ。
そして、いろいろ計画していたことをすべて吹っ飛ばしてしまい、今に至るのだった。
いろいろと思い出してしまったアイザックは、シャロンのことを考えて、シェリーの事は多少オブラートに包みつつ説明をしたのだ。
「表向きは、俺は金銭援助で、シェリーは世継ぎを産むとなっていたが、実際にはお互いにどちらかが本命と結婚できるまでの隠れ蓑になると言うものだった。だが、君に苦労を掛けたくなかったから、俺の判断でアッサム子爵家に金は送ったが……」
そこで一度口を噤んだアイザックだったが、シャロンの口から飛び出した不愉快な言葉を思い出し、苛立ちを隠すこともせずに言い放った。
「俺は、したくもない結婚までして君を守ったっていうのに……! 君をあの好色爺に娶らせるだと?! くそが!! あいつらがシャロンの家族じゃなかったらぶち殺してるところだ。それに、君だ! 俺があれほど我慢しているというのに、あの好色で金しかない爺と結婚するだと? ふざけるな! そんなこと許さない」
大好きな姉との結婚をしたくもない結婚だったと口にするアイザックに絶句していたシャロンに構うことなく、アイザックは言葉を吐き出し続ける。
「全部全部、君が悪いんだからな? 俺の欲望に最初に火をつけたのはシャロン、君なんだよ。だから、責任取って、俺を貰うしか君には選択肢なんてないんだよ」
そう言ったアイザックは、戸惑いに瞳を揺らすシャロンを可愛いと思うのと同時に、めちゃくちゃに犯してしまいたいという思いに駆られていた。
「な……何言ってんのよ! バカバカ! そんなの知らない。知らないったら知らないの!! わたしは何も悪くないもん」
そう言って、シャロンはぷいっとそっぽを向いてしまう。
その仕草が可愛くて、憎たらしくて、アイザックはまたしても暴走してしまう。
そっぽを向くシャロンの顎を掬い、自分の方を向かせる。
シャロンの瞳は潤んでいて、アイザックはその可愛い表情に喉を鳴らす。
ゴクリと喉を上下させたアイザックは、欲望を孕んだ瞳でシャロンの瞳を見つめたまま、彼女の小さな唇を食む。
優しく、それでいて貪るように、シャロンの下唇を美味しそうに食べるのだ。
先ほどとは打って変わって、優しいキスにシャロンがうっとりとしてしまっていると、ここぞとばかりにアイザックは、甘い言葉を紡いでいく。
「俺の、可愛いシャロン。好きだよ。ずっと言いたかった。君が好きだって。ちゅぅ。ん……。ああ、シャロンの唇は甘くて、砂糖菓子みたいだ」
そう言って、キスを深くしていく。
ゆっくりとシャロンの唇を割り開き、真珠のような可愛らしいシャロンの歯を丁寧に舌先で愛撫する。
キスの合間を縫うようにアイザックは、シャロンを誘惑するのだ。
「シャロン。お願いだ。俺のこと好きになって? シャロン、好きだよ」
甘い言葉をキスの合間に囁く、そんなアイザックからの甘すぎるキスにシャロンは胸が高鳴ってしまいどうしようもなかった。
元々は、避けられたことがショックで、仕返しのつもりでシャロンも避けだしたのだ。
そして、意地を張りすぎて引き返せないところまで来てしまっていたシャロンは、結局意地を通しきるしかなかったのだ。
だからこそ、アイザックからの甘いキスに固く閉ざしていた心が解れてしまったのだ。
いつしか、シャロンもアイザックからのキスに応えるように舌を絡めて、夢中になってキスをしていたのだ。
ただし、シェリーを大好きなシャロンがなんだかんだ言って、アイザックの屋敷を訪ねてくるようになったことで、アイザックの機嫌は上昇したのだ。
しかし、一度拗れた仲を改善することは出来ず、ずるずると仲たがいした状態が続いたのだ。
そして、先日、シェリーは、愛する人と一緒になれる準備が整ったと言って、一人で離婚の準備をすべて整えると、アイザックには、書置き一つ置いて屋敷を出て行ってしまったのだ。
しかし、アイザックにとってそれは好機だった。
もう、いろいろと拗れた今、シャロンを手に入れるために、この状況を利用することを考えついたのだ。
しかし、アイザックが行動に起こす前に、アッサム子爵家に忍び込ませていた部下から、シャロンの縁談話を聞いて、慌てて屋敷を飛び出していたのだ。
そして、いろいろ計画していたことをすべて吹っ飛ばしてしまい、今に至るのだった。
いろいろと思い出してしまったアイザックは、シャロンのことを考えて、シェリーの事は多少オブラートに包みつつ説明をしたのだ。
「表向きは、俺は金銭援助で、シェリーは世継ぎを産むとなっていたが、実際にはお互いにどちらかが本命と結婚できるまでの隠れ蓑になると言うものだった。だが、君に苦労を掛けたくなかったから、俺の判断でアッサム子爵家に金は送ったが……」
そこで一度口を噤んだアイザックだったが、シャロンの口から飛び出した不愉快な言葉を思い出し、苛立ちを隠すこともせずに言い放った。
「俺は、したくもない結婚までして君を守ったっていうのに……! 君をあの好色爺に娶らせるだと?! くそが!! あいつらがシャロンの家族じゃなかったらぶち殺してるところだ。それに、君だ! 俺があれほど我慢しているというのに、あの好色で金しかない爺と結婚するだと? ふざけるな! そんなこと許さない」
大好きな姉との結婚をしたくもない結婚だったと口にするアイザックに絶句していたシャロンに構うことなく、アイザックは言葉を吐き出し続ける。
「全部全部、君が悪いんだからな? 俺の欲望に最初に火をつけたのはシャロン、君なんだよ。だから、責任取って、俺を貰うしか君には選択肢なんてないんだよ」
そう言ったアイザックは、戸惑いに瞳を揺らすシャロンを可愛いと思うのと同時に、めちゃくちゃに犯してしまいたいという思いに駆られていた。
「な……何言ってんのよ! バカバカ! そんなの知らない。知らないったら知らないの!! わたしは何も悪くないもん」
そう言って、シャロンはぷいっとそっぽを向いてしまう。
その仕草が可愛くて、憎たらしくて、アイザックはまたしても暴走してしまう。
そっぽを向くシャロンの顎を掬い、自分の方を向かせる。
シャロンの瞳は潤んでいて、アイザックはその可愛い表情に喉を鳴らす。
ゴクリと喉を上下させたアイザックは、欲望を孕んだ瞳でシャロンの瞳を見つめたまま、彼女の小さな唇を食む。
優しく、それでいて貪るように、シャロンの下唇を美味しそうに食べるのだ。
先ほどとは打って変わって、優しいキスにシャロンがうっとりとしてしまっていると、ここぞとばかりにアイザックは、甘い言葉を紡いでいく。
「俺の、可愛いシャロン。好きだよ。ずっと言いたかった。君が好きだって。ちゅぅ。ん……。ああ、シャロンの唇は甘くて、砂糖菓子みたいだ」
そう言って、キスを深くしていく。
ゆっくりとシャロンの唇を割り開き、真珠のような可愛らしいシャロンの歯を丁寧に舌先で愛撫する。
キスの合間を縫うようにアイザックは、シャロンを誘惑するのだ。
「シャロン。お願いだ。俺のこと好きになって? シャロン、好きだよ」
甘い言葉をキスの合間に囁く、そんなアイザックからの甘すぎるキスにシャロンは胸が高鳴ってしまいどうしようもなかった。
元々は、避けられたことがショックで、仕返しのつもりでシャロンも避けだしたのだ。
そして、意地を張りすぎて引き返せないところまで来てしまっていたシャロンは、結局意地を通しきるしかなかったのだ。
だからこそ、アイザックからの甘いキスに固く閉ざしていた心が解れてしまったのだ。
いつしか、シャロンもアイザックからのキスに応えるように舌を絡めて、夢中になってキスをしていたのだ。
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