25 / 28
第一部 第六章
4
しおりを挟む
セリナは、ギルベルトの用意したテントの中で服を脱ぐためレイラを連れて行こうとしたが、気が付けばすでに服だけがその場に残されていたのだ。
まさか、その場で服を脱ぎ捨てて、温泉に入ってしまうとは思っていなかったセリナは、驚いてしまう。
「えっ? レイラ様? まさか、もう?」
その声が聞こえたレイラは、温泉の中からのんびりとした声で言うのだ。
「ふわ~。すごく気持ちいいよ。セリナさんも早く!」
子供のようなレイラの様子に、微笑みを浮かべたものの、淑女として、その場で服を脱ぐのに抵抗があったセリナは、テントに入って服を脱いでから温泉に入ったのだ。
その温泉は、濁り湯のようで、お湯が白く、少しぬるっとしていた。
しかし、肌にいいのは本当らしく、入ったとたんに肌が艶々としていたことに、セリナは、嬉しい悲鳴を上げるのだ。
「まぁ! お肌がツヤツヤですわ」
「うん。それに、体が内側からぽかぽかする。とっても気持ちいね」
楽し気にそんなことを話しながら、お湯の中で並んで会話をする。
「レイラ様は、本当にお変わりになられましたわね……」
「え?」
「ふふふ。こんなことを言ってはあれですが、昔のレイラ様と、並んで温泉だなんて考えられませんことよ? なんというか、レイラ様は、孤高の存在でしたから」
「ふーん。そうなんだ。でも、私、全然そのあたり覚えていないんだよね? でも、今はこうして、セリナさんと楽しくお話しできてるし、私は、今の私でいられて嬉しいよ?」
「きゅ~ん。レイラ様は、お可愛らしいですわ!! 私が男だったら、頂いていましたのに」
そう言って、セリナは、レイラに抱き着いてその華奢な体を抱きしめるのだ。
「ふふふ~。レイラ様は、小さくて、スベスベで、モチモチですわ~。でも、もう少しお胸があった方が……? あら? あららら?」
そう言って、レイラに抱き着いていたセリナは、触れていた手を弄るのだ。
思った以上にまっ平らな胸。小さなお尻。
まさかと思ったセリナは、渾身の力でレイラの脇の下に手を入れて、その身を抱き上げたのだ。
お湯から出したレイラの全身を見て、セリナは、呆然とする。
白い肌は、お湯の所為で朱色に染まり、まっ平らな胸と細い腰、小さなお尻。
そして、股間にある小さな陰茎に目が釘付けになってしまうのだ。
「れ…レイラ様? まさか、男の子でしたの?!」
驚きながらもレイラの陰茎から目を逸らさずにそう言うセリナに、レイラは不思議そうに首を傾げるのだ。
「え? 見た通りだけど?」
「ですが! レイラ様は、美少女にしか見えませんわよ! それに、レイラ様の生まれ変わりなのに、男の子?」
「えっと……、男だと問題あるかな? ギルは何も言ってこないけど?」
そう言われたセリナは、今までのギルベルトとレイラのやり取りを可能な限り思い出していた。
―――えっ? ギルベルト様は、レイラ様を男のこと知っていてあのあの扱いでしたの? いやいや、それなら私とお風呂を入らせるはずがございませんわ。でも……。分かりませんわ。そう言うプレイですの? これまでのギルベルト様の、まるで恋人に向けるような甘い声と眼差し、私に向ける嫉妬に燃える瞳……。
ま、まさか、ギルベルト様はレイラ様を愛しておいでなの?
セリナの中でそのように結論が出た瞬間、セリナは、大量の鼻血を吹き上げていたのだ。
「ぶひぃ~~~!! ギルベルト様の弟系鬼畜攻めとかって、最高ですわ~。王都で流行っているという、BがLするあれやこれがこれなのですわね~~」
そう言って、何かに目覚めてしまったセリナは、周辺を血の海に変えながらも嬉しそうに気絶するのだった。
それに驚いたレイラは、悲鳴を上げていた。
「えーーーーー?! セリナさん? た、大変!! ギル、ギルーーーーー!!」
レイラの悲鳴で、駆け付けたギルベルトは、その惨状に眩暈がしていた。
温泉の中のレイラの、薄い胸が濁り湯でギリギリ見えない姿と、鼻血を噴き出すセリナの姿にだ。
結局、ギルベルトによって、セリナはお湯から上げられて、体を拭かれ服を着せられたのだった。
ギルベルトがセリナの世話をしている間に、レイラは自分の身支度を整える。
そして、湯に入る前よりも足が自由に動くことににこりと微笑みを浮かべるものの、気を失っているセリナを見て心配そうに呟くのだ。
「セリナさん、湯あたりしてしまったのかな? あんなに鼻血を出して……、心配だよ」
しかし、そんなレイラの心配をよそに、意識のないセリナの表情はとても幸せそうだったのだ。
まさか、その場で服を脱ぎ捨てて、温泉に入ってしまうとは思っていなかったセリナは、驚いてしまう。
「えっ? レイラ様? まさか、もう?」
その声が聞こえたレイラは、温泉の中からのんびりとした声で言うのだ。
「ふわ~。すごく気持ちいいよ。セリナさんも早く!」
子供のようなレイラの様子に、微笑みを浮かべたものの、淑女として、その場で服を脱ぐのに抵抗があったセリナは、テントに入って服を脱いでから温泉に入ったのだ。
その温泉は、濁り湯のようで、お湯が白く、少しぬるっとしていた。
しかし、肌にいいのは本当らしく、入ったとたんに肌が艶々としていたことに、セリナは、嬉しい悲鳴を上げるのだ。
「まぁ! お肌がツヤツヤですわ」
「うん。それに、体が内側からぽかぽかする。とっても気持ちいね」
楽し気にそんなことを話しながら、お湯の中で並んで会話をする。
「レイラ様は、本当にお変わりになられましたわね……」
「え?」
「ふふふ。こんなことを言ってはあれですが、昔のレイラ様と、並んで温泉だなんて考えられませんことよ? なんというか、レイラ様は、孤高の存在でしたから」
「ふーん。そうなんだ。でも、私、全然そのあたり覚えていないんだよね? でも、今はこうして、セリナさんと楽しくお話しできてるし、私は、今の私でいられて嬉しいよ?」
「きゅ~ん。レイラ様は、お可愛らしいですわ!! 私が男だったら、頂いていましたのに」
そう言って、セリナは、レイラに抱き着いてその華奢な体を抱きしめるのだ。
「ふふふ~。レイラ様は、小さくて、スベスベで、モチモチですわ~。でも、もう少しお胸があった方が……? あら? あららら?」
そう言って、レイラに抱き着いていたセリナは、触れていた手を弄るのだ。
思った以上にまっ平らな胸。小さなお尻。
まさかと思ったセリナは、渾身の力でレイラの脇の下に手を入れて、その身を抱き上げたのだ。
お湯から出したレイラの全身を見て、セリナは、呆然とする。
白い肌は、お湯の所為で朱色に染まり、まっ平らな胸と細い腰、小さなお尻。
そして、股間にある小さな陰茎に目が釘付けになってしまうのだ。
「れ…レイラ様? まさか、男の子でしたの?!」
驚きながらもレイラの陰茎から目を逸らさずにそう言うセリナに、レイラは不思議そうに首を傾げるのだ。
「え? 見た通りだけど?」
「ですが! レイラ様は、美少女にしか見えませんわよ! それに、レイラ様の生まれ変わりなのに、男の子?」
「えっと……、男だと問題あるかな? ギルは何も言ってこないけど?」
そう言われたセリナは、今までのギルベルトとレイラのやり取りを可能な限り思い出していた。
―――えっ? ギルベルト様は、レイラ様を男のこと知っていてあのあの扱いでしたの? いやいや、それなら私とお風呂を入らせるはずがございませんわ。でも……。分かりませんわ。そう言うプレイですの? これまでのギルベルト様の、まるで恋人に向けるような甘い声と眼差し、私に向ける嫉妬に燃える瞳……。
ま、まさか、ギルベルト様はレイラ様を愛しておいでなの?
セリナの中でそのように結論が出た瞬間、セリナは、大量の鼻血を吹き上げていたのだ。
「ぶひぃ~~~!! ギルベルト様の弟系鬼畜攻めとかって、最高ですわ~。王都で流行っているという、BがLするあれやこれがこれなのですわね~~」
そう言って、何かに目覚めてしまったセリナは、周辺を血の海に変えながらも嬉しそうに気絶するのだった。
それに驚いたレイラは、悲鳴を上げていた。
「えーーーーー?! セリナさん? た、大変!! ギル、ギルーーーーー!!」
レイラの悲鳴で、駆け付けたギルベルトは、その惨状に眩暈がしていた。
温泉の中のレイラの、薄い胸が濁り湯でギリギリ見えない姿と、鼻血を噴き出すセリナの姿にだ。
結局、ギルベルトによって、セリナはお湯から上げられて、体を拭かれ服を着せられたのだった。
ギルベルトがセリナの世話をしている間に、レイラは自分の身支度を整える。
そして、湯に入る前よりも足が自由に動くことににこりと微笑みを浮かべるものの、気を失っているセリナを見て心配そうに呟くのだ。
「セリナさん、湯あたりしてしまったのかな? あんなに鼻血を出して……、心配だよ」
しかし、そんなレイラの心配をよそに、意識のないセリナの表情はとても幸せそうだったのだ。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました
及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。
※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
トップアイドルα様は平凡βを運命にする
新羽梅衣
BL
ありきたりなベータらしい人生を送ってきた平凡な大学生・春崎陽は深夜のコンビニでアルバイトをしている。
ある夜、コンビニに訪れた男と目が合った瞬間、まるで炭酸が弾けるような胸の高鳴りを感じてしまう。どこかで見たことのある彼はトップアイドル・sui(深山翠)だった。
翠と陽の距離は急接近するが、ふたりはアルファとベータ。翠が運命の番に憧れて相手を探すために芸能界に入ったと知った陽は、どう足掻いても番にはなれない関係に思い悩む。そんなとき、翠のマネージャーに声をかけられた陽はある決心をする。
運命の番を探すトップアイドルα×自分に自信がない平凡βの切ない恋のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる