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第一部 第三章
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レイラの瞳の輝きに敵う訳もなかったギルベルトは、翌日の昼食後に、噂話になっている「呪いの屋敷」にやってきていた。
現場に向かう前に、道すがら聞き取り調査ももちろん行っていた。
女性たちは特に、積極的にギルベルトに「呪いの屋敷」について教えてくれたのだ。
その内容は、よくある怪談噺のようなものだった。
女性たちが嬉々として語った内容はこうだった。
その屋敷は、先代の領主の屋敷だったという。
事件は数十年ほど前に起きたという。領主の一家が一夜にして全員が謎の死を遂げたというのだ。
その死体は無残に引き裂かれ、死に顔はというと、全員が恐怖に顔を歪めていたというのだ。
それから、代わりの貴族が領主としてやってきたが、惨殺事件の起きた屋敷を恐れ、解体しようとしたのだという。
しかし、職人が敷地内に入ると、職人たちは次々と謎の事故に巻き込まれていったのだ。
最初は、傷んだ建物の一部が落下して軽いけが程度で済んでいたが、次第に怪我の度合いがひどくなり、死人が出るほどだったというのだ。
新しい領主は、屋敷が呪われていると言い出して、その屋敷を放置してしまったのだと言う。
自分は、新しい屋敷を建てそこに住むことで、一時は前領主の屋敷の存在を忘れていたのだ。
しかし、何代か後の領主が、屋敷を解体しようとして再び事故が起きたのだという。
そして、つい最近も、屋敷を解体しようとして事故が起きたのだというのだ。
レイラとギルベルトの感想は、どこにでもある怪談のようだと言うものだった。
しかし、現場に着いた後の二人の感想は違ったのだった。
「わー。これって、指がらみっぽいかも……」
「ああ。俺も感じた。以前感じた術式と似ている……、と言うか同じか?」
「うん。でも、こっちの場に使われている怨念……、めっちゃ強力だね……」
レイラが少しだけ表情を青ざめさせているのを見たギルベルトは、眉をピクリとさせて意外そうな表情でレイラを見るのだ。
それに気が付いたレイラは、慌てて言うのだ。
「ち、違うから! お化けが怖いとかじゃないよ!」
思わぬところでレイラの可愛らしい一面を見た気がしたギルベルトは、一見興味なさそうにしながらも、自分にぎゅっと抱き着くレイラに口元が緩みそうになるのを必死に押さえていたのだった。
レイラ的には、本当に魔物も霊的な存在も怨霊も平気なつもりだったのだ。
しかし、この屋敷から流れてくる怨念の気配には何故か背筋が凍る思いがしたのだ。
ギルベルトにぴったりとくっついていたレイラは、さらにギルベルトの胸にぐっと頭を押し付けてしまっていた。
自分たちの周辺に障壁の術を掛けたギルベルトは、レイラを抱えてどんどん奥に進んでいった。
錆びて用をなしていない門をくぐり、本邸を通り過ぎて、財宝があると言われていた別邸へと進む。
別邸は、本邸と比べても酷い荒れようだった。
土は捲れて、木々は薙ぎ倒されているものもあったのだ。
屋敷の壁はボロボロで、今にも崩れてしまいそうだった。
そして、屋敷の中からは、酷く重たく冷たい気配が漂っていたのだ。
その気配に背筋を震わせながらもレイラは、ギルベルトに先に進むようにお願いしたのだ。
しかし、屋敷に入った瞬間、レイラの体は硬直してしまう。
「あっ……。やぁ……、ゆだん…した……」
そう言って、レイラは身を一層震わせた後に、くったりと項垂れて意識を失ってしまったのだ。
突然のことにギルベルトは、慌てるが、今動くことは得策ではないと瞬時に判断する。
それは、レイラがこの別邸そのものに心を連れ去られてしまったからだ。
下手に動けば、レイラの心が体に戻ってこれなくなる可能性があるったのだ。
しかし、レイラは魔操術を使ってはいないのに、何故とギルベルトは、頭を悩ませる。
一方、強制的に別邸に取りついているあるものに意識を連れ去られてしまったレイラは、完全に無防備だった自分を殴りつけたくて仕方なかった。
レイラは、自分の力を過信してしまっていたのだ。
どうせ、ここには自分を取り込めるほどの力はないと。
その油断を突かれて、あっという間に意識を連れ去られていたのだ。
ここを抜けるには、改めて魔操術を使ってこの屋敷の記録を読んで、力の解体するしかなかった。
レイラは、改めて意識を向かうべき場所に向けたのだ。
そこで、レイラが見たものは、心が壊れてしまうような辛い思いが積み重なった過去の出来事だったのだ。
現場に向かう前に、道すがら聞き取り調査ももちろん行っていた。
女性たちは特に、積極的にギルベルトに「呪いの屋敷」について教えてくれたのだ。
その内容は、よくある怪談噺のようなものだった。
女性たちが嬉々として語った内容はこうだった。
その屋敷は、先代の領主の屋敷だったという。
事件は数十年ほど前に起きたという。領主の一家が一夜にして全員が謎の死を遂げたというのだ。
その死体は無残に引き裂かれ、死に顔はというと、全員が恐怖に顔を歪めていたというのだ。
それから、代わりの貴族が領主としてやってきたが、惨殺事件の起きた屋敷を恐れ、解体しようとしたのだという。
しかし、職人が敷地内に入ると、職人たちは次々と謎の事故に巻き込まれていったのだ。
最初は、傷んだ建物の一部が落下して軽いけが程度で済んでいたが、次第に怪我の度合いがひどくなり、死人が出るほどだったというのだ。
新しい領主は、屋敷が呪われていると言い出して、その屋敷を放置してしまったのだと言う。
自分は、新しい屋敷を建てそこに住むことで、一時は前領主の屋敷の存在を忘れていたのだ。
しかし、何代か後の領主が、屋敷を解体しようとして再び事故が起きたのだという。
そして、つい最近も、屋敷を解体しようとして事故が起きたのだというのだ。
レイラとギルベルトの感想は、どこにでもある怪談のようだと言うものだった。
しかし、現場に着いた後の二人の感想は違ったのだった。
「わー。これって、指がらみっぽいかも……」
「ああ。俺も感じた。以前感じた術式と似ている……、と言うか同じか?」
「うん。でも、こっちの場に使われている怨念……、めっちゃ強力だね……」
レイラが少しだけ表情を青ざめさせているのを見たギルベルトは、眉をピクリとさせて意外そうな表情でレイラを見るのだ。
それに気が付いたレイラは、慌てて言うのだ。
「ち、違うから! お化けが怖いとかじゃないよ!」
思わぬところでレイラの可愛らしい一面を見た気がしたギルベルトは、一見興味なさそうにしながらも、自分にぎゅっと抱き着くレイラに口元が緩みそうになるのを必死に押さえていたのだった。
レイラ的には、本当に魔物も霊的な存在も怨霊も平気なつもりだったのだ。
しかし、この屋敷から流れてくる怨念の気配には何故か背筋が凍る思いがしたのだ。
ギルベルトにぴったりとくっついていたレイラは、さらにギルベルトの胸にぐっと頭を押し付けてしまっていた。
自分たちの周辺に障壁の術を掛けたギルベルトは、レイラを抱えてどんどん奥に進んでいった。
錆びて用をなしていない門をくぐり、本邸を通り過ぎて、財宝があると言われていた別邸へと進む。
別邸は、本邸と比べても酷い荒れようだった。
土は捲れて、木々は薙ぎ倒されているものもあったのだ。
屋敷の壁はボロボロで、今にも崩れてしまいそうだった。
そして、屋敷の中からは、酷く重たく冷たい気配が漂っていたのだ。
その気配に背筋を震わせながらもレイラは、ギルベルトに先に進むようにお願いしたのだ。
しかし、屋敷に入った瞬間、レイラの体は硬直してしまう。
「あっ……。やぁ……、ゆだん…した……」
そう言って、レイラは身を一層震わせた後に、くったりと項垂れて意識を失ってしまったのだ。
突然のことにギルベルトは、慌てるが、今動くことは得策ではないと瞬時に判断する。
それは、レイラがこの別邸そのものに心を連れ去られてしまったからだ。
下手に動けば、レイラの心が体に戻ってこれなくなる可能性があるったのだ。
しかし、レイラは魔操術を使ってはいないのに、何故とギルベルトは、頭を悩ませる。
一方、強制的に別邸に取りついているあるものに意識を連れ去られてしまったレイラは、完全に無防備だった自分を殴りつけたくて仕方なかった。
レイラは、自分の力を過信してしまっていたのだ。
どうせ、ここには自分を取り込めるほどの力はないと。
その油断を突かれて、あっという間に意識を連れ去られていたのだ。
ここを抜けるには、改めて魔操術を使ってこの屋敷の記録を読んで、力の解体するしかなかった。
レイラは、改めて意識を向かうべき場所に向けたのだ。
そこで、レイラが見たものは、心が壊れてしまうような辛い思いが積み重なった過去の出来事だったのだ。
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