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My Dr.2(仮)への序章。
フランネル・ハイデッカーの日記
しおりを挟む2015年○月×日
フランネル・ハイデッカーの日記より
『今日は待ちに待った転勤の日だ。
前の病院の引き止めは凄かった。
ワタシが優秀だからって、
やめて欲しいものだ。
ああ…
患者たちの苦痛の顔が待ち遠しい。
普通の病院ではつまらない、
もっと苦痛に満ちた場所…
それが、
アスコット犯罪者専門精神病院。
ああ、楽しみでならない!…」
2015年○月××日
『入ってから思ったのだが、
精神病院とはいえ、
ワタシの仕事は多い。
いや、精神病院だからこそか。
患者の自傷行為や、
揉め事での傷が絶えない。
沢山の苦しみが見れるのは
喜ばしい事だ。
しかも、アイツらは精神異常者、
ワタシが傷を抉ろうが、
誰もあいつらを信じはしない。
治療の時に
バレないように奴らを痛ぶるのが
密かな楽しみなんだ。
けど、ワタシが本当に痛ぶりたいのは
…あのカウンセラーの女だ。』
2015年○月×日
『アイリーン・タウンゼント。
あの人はそんな名前らしい。
部署が違うから、
あまり会う機会がないが、
緑色の瞳を細くして、
幸せそうに笑うあの人を見ると
あの人の苦痛に歪む顔を見てみたくなった。
彼女の事が何故か頭から離れない。」
2017年○月×日
『今日は、いい日だ。
院内であの人とすれ違い
挨拶を交わした。綺麗な声だった。
あの女の悲鳴が聴きたい…。
きっと…綺麗な悲鳴をあげるに違いない…」
2018年○月×日
『ここ数年アイリーン・タウンゼントを見続けてわかったが、
あの男は何だろうか。
精神科医のグレン・マッカーディ。
ずっとあの人のそばに居る。
あいつは婚約者だと噂に聞いた。
…無性に腹が立つ…どうして?
寝ても覚めても、
ずっと、あの人の事を考えてる。』
2019年○月×日
『アイリーン・タウンゼント…
アイリーン・タウンゼント…今日も見ていた。
彼女に近づく男が増えた。
少し前にメガネの男が遠くから
彼女を見張ってた。
その後、患者としてきた金髪の男が。
……クソが。』
2019年○月××日
『今日はとても、
とてもとても、いい日だ!!
最高だった。
アイリーン・タウンゼントの
家族が死んだらしい。
あの人は、
青ざめてフラフラと院内を歩いていた。
その表情は、凄く凄く美しかった。
苦痛と悲しみて溢れて…
堪らなく興奮した…
心臓が高鳴って、にやけた顔を必死で隠した。
廊下で彼女とすれ違った後、
直ぐに便所に行く羽目になった。
ああ…もっと…もっと…
あの人に苦痛を…!!」
2019年○月××日
『アイリーン・タウンゼントは職場に来なくなった。
……つまらない。本当につまらない。
アイリーン・タウンゼント…
アイリーン・タウンゼント…
アイリーン・タウンゼント。
あぁ…どうしたんだ?
あの人のことばかり考えて
仕事が手につかない。
そういえば、あの男も見ない。
グレン・マッカーディ。
…金髪の男が来てから、
何かがおかしい。』
2019年○月××日
『今日は雨だった。最近雨が多い。
雨だろうが何だろうがワタシの頭は
あの人の事で一杯になってる。
あの人への執着でいっぱいだ…
こんな事になるなら、
逮捕も覚悟であの人を
捕まえて×××とか×××してしまえば
良かった。
ああ…きっと楽しかったに違いない。
「どこにいる?…何をしてる…?」
そんなことを呟いていると
帰り道で変なものを見つけたんだ。
血塗れの男。
全身を引きずるようにして
這いずり、道路で倒れていた。
まるで、キリストが磔刑から
脱出してきたみたいな男。
手足に風穴が開き、
拷問にでも遭ったみたいな
ボロボロの身体。
俺は気になって彼の顔を覗いた。
彼はグレン・マッカーディだった。』
雨が傘を叩く音の響く中、彼を見下ろした。
彼は、大量の血と涙を流しながら呟く。
「…アイリーン…アイリーン…行くな…
アイリーン…
ジョザイア…殺してやる…殺してやる…
よくも…彼女を…傷つ…ぅっ」
ワタシはその様子を見て
ついついにやけてしまう。
「いい悲痛だねぇ…
グレン・マッカーディ?
大丈夫?痛いのか?悲しい?苦しい?
あははっ…何があったか、
わからないが
助けてやろうか?
いいものを見せてもらったしなぁ?」
マッカーディの顔を覗くと
彼はワタシの白衣を掴む。
「答えはYES!そんな感じだね。
いいよ!助けてやる。
かなり死にかけだけど、
なんとかなるよ!
ワタクシは優秀だからね!
ただ、白衣を掴むなよ。汚れるだろ?」
ワタシはマッカーディを
軽く蹴り飛ばして、腕を掴む。
このまま引きずって帰ろう。
家にある道具で治療は
どうにかなるといいが…
てか…アイリーンって言ってたな…
コイツはあの人の居所を知ってるのか?
…だとしたら、使える…。
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