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エピローグ
1.これ以上にない幸福〔ジョザイア目線〕
しおりを挟む僕らはグレンくんの家を後にして、
クロードの運転する車で帰路につく。
その時には雨はもう止んでいて、
朝焼けが空を不思議で美しい色に染め上げていた。
僕はとっても幸せだった。
何もかもが終わって、全ては僕の計画通り。
彼女は僕の腕の中で血まみれのまま、
可愛らしい寝息を立てている。
「帰ったらシャワーを浴びなきゃだね」
僕は小さく微笑んで、彼女の髪を撫でた。
するとアイリーンは僕の腕を強く握った。
シャワー室についても、
アイリーンは僕から離れようとしない。
腕をギュッと握りしめてくっついたまま。
本当に可愛い。大好き。
このままベットに放り込みたいくらいだ。
けどそう言うわけにもいかない。
「ねぇ、アイリーンも血だらけだね。
僕が洗ってあげよっか?」
彼女はちょっと驚くと、小さく頷く。
それを確認して、僕は彼女のシャツの
ボタンを外していく。
「えっあ‥ジョザイア‥それくらいは自分で‥」
アイリーンは少し顔を赤らめて、腕を前に回す。
僕はその腕をとって彼女に笑いかける。
「いいから、ね?じっとして。」
「え‥ええ。」
ああ、可愛い。好き、大っ好き。
アイリーンは僕の方をチラチラ見ながら、
大人しく服を脱がされて、
僕に洗われていく。
髪に背に胸にお腹、
腕に足、全てを。
その間、彼女は僕に対して、何の抵抗もせずに
ただ恥じらう姿は愛おしくてたまらない。
僕はそんなアイリーンをニコニコと見つめてしまう。
けど、いつものアイリーンと少し違う気がした。
少しボーッとしていて、僕を見つめてくる。
シャワー室を出て、廊下に出てもそう。
少し‥ドキドキする。
「‥えっと、その‥アイリーン。
今日はもう疲れたよね?休もっか。」
僕は檻の無い方の寝室に案内するつもりで
彼女の手を引いた。すると、
くいっとシャツを引っ張られた。
「ジョザイア。そっちじゃないわ‥
でしょう?」
そのまま、グイグイと僕は彼女に引っ張られ、
ある寝室に引きずり込まれた。
檻付きベットのある寝室に。
僕が彼女を犯し、閉じ込めていた場所。
アイリーンは自ら、その檻付きのベットに入る。
僕の手を引いたまま。
「???‥アイリーン?」
「ジョザイア。鍵、まだ持ってる?」
「うん、一応持ってるけど。」
僕がポケットから檻の鍵を取り出すと
彼女はその鍵をバッとひったくって、
鍵を閉め、檻の隙間から
鍵を外へと放り投げた。
チャリンっと小気味好い音が遠くから聞こえた。
「えっ!!?ちょっとアイリーン?!
そんな事したら出られなく‥うぁっ!」
アイリーンはそのままの勢いで
僕の胸に抱きついてきた。
半分押し倒されるような形で
ベットに二人で沈み込む。
「ジョザイア‥
檻から出る必要なんてないでしょう?
ずっと一緒にいましょ‥私から離れちゃ嫌。」
アイリーンは目をウルウルさせて
僕にそう言った。それを聞いた瞬間
心臓が高鳴るのを感じた。
「っっ~~!!アイリーン‥!
嬉しい‥嬉しい!!
そんなに僕から離れたくないの!!?
好き!大好き!!アイリーン‥
愛してる‥」
僕は彼女を強く抱きしめて、首元に擦りついた。
嬉しかった。本当に‥アイリーンが僕のもとに
自分の意思で居てくれる。
僕から離れたくないって言ってくれる‥
アイリーンは抱きついた僕の
頭を優しく撫でて
抱き返してくれた。
「‥僕‥凄く幸せ‥これって夢?幻覚?」
「夢でも、幻覚でもないわ、ジョザイア。
‥私は‥あの‥えっと‥ジョザイアのこと‥」
アイリーンは何かを言い淀む。
「なに?アイリーン‥」
「‥えっと‥
『愛してる』って言おうとしたの‥」
アイリーンは顔を真っ赤にしながら、
そう言った。
あまりの幸福に僕は気絶しそうだ。
全てが満ち足りてる。彼女さえいればいい。
彼女の愛が欲しくて、ずっと頑張ってきた‥
僕はアイリーンの胸に埋まるように抱きついたまま
更に強く彼女を抱きしめた。
「あぁ、やっと手に入れた‥
絶対に離さない。永遠に僕だけのもの‥
僕だけのアイリーン‥」
「ええ、そうよ。私は貴方だけのもの。
そして貴方も私だけのものよ。ジョザイア‥
だから、こんなものいらない。」
アイリーンは婚約指輪を外して投げ捨てた。
まるでゴミみたいに。
それが、とっても…とっても嬉しかった…
「ねぇジョザイア‥代わりの指輪をくれる?」
「うん。もちろん、いいよ。
実はもう用意してるんだ。」
そう僕がそう言って、
新しい婚約指輪をはめると
彼女はにっこりと笑った。
その時に
彼女の瞳に恍惚とした光が宿ったのが見えた。
僕への執着。
僕への依存。
僕への愛‥。
それが、彼女に宿ったのが凄く嬉しかった。
僕は彼女の頬に手を触れる。
彼女の小さくて温かい手も僕の頬に触れ、
僕らの唇が触れ合う。
抑えつける必要もなく。
逃げられる事もない。
柔らかく濡れていて求め合うようなキスだった。
「んっ‥ふ‥あぁ‥」
ベットの上に寝転んで、
身体を唇を密着させて求め合う。
彼女の熱を感じられて、凄く心地がいい。
「‥ねぇ‥アイリーン‥僕の事
受け入れてくれる‥?」
「ええ、いいわ‥来て。
愛おしいジョザイア‥」
僕らはこのまま、溶け合う様に求め合う。
ずっと、ずっと、ずっーと一緒。
僕には、これ以上ない幸福だ。
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