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10章
5.残酷な頼みごと。
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「そういう意味って‥何?」
ジョザイアが私の手を握って聞いてくる。
暖かくて力強い。
「だから‥その‥男女の関係‥というか‥」
「男女‥?」
ああ‥なんて表現すればいいの?
こういうことを言うは得意じゃないの‥
私が言い淀んでいると、ジョザイアが口を開く。
「要するに、
僕とはセックスしたくないってこと?」
「っ!!!?ちょっ‥ジョザイア!
直接的 過ぎるわ!教育上よろしくないから!!」
小さくて可愛かったジョザイアが
そんな言葉を覚えてるなんて!!
いやいや‥彼ももう‥19歳だもの‥
というか‥彼は私に‥‥今更よね‥
ジョザイアは私の手を握ったまま、
グイッと身体を近づけてくる。
「でも、よくわかんないよ‥
僕のことアイリーンは嫌いなの?
好きって言ってくれたのに‥」
彼はあからさまなくらい悲しそうな顔をする。
「嫌いじゃないわ!好きよ。
大好き。でもね‥あの‥その‥」
でも、『グレンが‥』
そう言おうとすると、
彼は私のほおに触れてきた。
「好きだったら、
色々したくなるものじゃないの?
触れたり‥抱きしめたり‥閉じ込めたり‥
縛ったり‥‥‥キスをしたり‥
僕はアイリーンと
‥沢山‥繋がって‥愛し合いたいのに‥」
ジョザイアは下を向いて、項垂れる。
「そういうのは‥グレンくんが良いんだ‥?
僕じゃダメなんだ‥?」
その一言にズキリと胸が痛む。
そうよね‥彼は本気なのに‥
友人でありたいなんて‥
私のただの願望だ‥酷いエゴなんだわ‥
「本当に‥身勝手よね‥ごめんね‥
本当に‥ごめんなさい‥でも、」
私は後ろめたさと、恐怖から下を向いて
彼に言う。言わなければならない‥。
「やっぱり‥グレンが忘れられない。
私は、彼と掴みかけた幸せを諦めたくない‥」
その為に‥
私は更に身勝手を重ねなければならない。
彼を苦しめる事になる頼みごとをしなければ‥
本当に辛い‥ごめんね‥ごめんね‥ジョザイア‥
私はジョザイアが好きよ。
でも、グレンのことを深く愛していたの。
目が熱い‥声が震える‥。
泣きたいのは彼の方なのに‥。
「ジョザイア‥貴方に頼みごとをしたいの‥
きっと貴方は了承しないと思うし‥
酷いとも‥思う‥」
ずっと私の話を黙って聞いていたジョザイアが
こちらを見ている。
今にも泣き出してしまいそうな表情だった。
でも、彼はゆっくりと薄く微笑みを作る。
「なに‥?アイリーンの頼みごとなら
僕は、なんでも聞くよ。愛してるからね‥」
"愛してる"の一言が
ザクリと胸を引き裂いていく。
痛い‥そんな泣きそうな顔をしないで‥
そんなこと言わないで‥
私のせいよね‥ごめんね‥ごめんね‥
何度も裏切って‥最低よね‥。
でも‥私は決めたの‥。
私は婚約指輪を握りしめて、顔を上げ、
ジョザイアを見据える。
「犯人探しを手伝って欲しい。
そして、貴方があの期間、
私にしたことを彼に話して欲しい‥
きっと‥誤解さえ解ければ
また‥やり直せると思うの‥
また‥愛し合えると思うの‥
グレンと‥」
そう‥言い終えると、暫く沈黙が流れた。
受け入れてくれる訳がない‥
ジョザイアは私を離したりしない。
ましてや、
グレンとやり直す為の手伝いなんて‥
あぁ‥私は最低だわ‥彼を傷つけてばかり‥
そう考えていると、
ジョザイアはソファーから立ち上がり、
口を開く。
「いいよ。やってあげる。」
ジョザイアは、はっきりと言い放った。
迷いもなく。すんなりと。
それがなんだか、私には嬉しい反面、
とても、虚しかった‥。悲しかった‥。
彼がとても簡単に‥
私を手離した気がして‥。
自分で決めたことなのに‥
私が望んだことなのに‥変よね‥。
ジョザイアが私の手を握って聞いてくる。
暖かくて力強い。
「だから‥その‥男女の関係‥というか‥」
「男女‥?」
ああ‥なんて表現すればいいの?
こういうことを言うは得意じゃないの‥
私が言い淀んでいると、ジョザイアが口を開く。
「要するに、
僕とはセックスしたくないってこと?」
「っ!!!?ちょっ‥ジョザイア!
直接的 過ぎるわ!教育上よろしくないから!!」
小さくて可愛かったジョザイアが
そんな言葉を覚えてるなんて!!
いやいや‥彼ももう‥19歳だもの‥
というか‥彼は私に‥‥今更よね‥
ジョザイアは私の手を握ったまま、
グイッと身体を近づけてくる。
「でも、よくわかんないよ‥
僕のことアイリーンは嫌いなの?
好きって言ってくれたのに‥」
彼はあからさまなくらい悲しそうな顔をする。
「嫌いじゃないわ!好きよ。
大好き。でもね‥あの‥その‥」
でも、『グレンが‥』
そう言おうとすると、
彼は私のほおに触れてきた。
「好きだったら、
色々したくなるものじゃないの?
触れたり‥抱きしめたり‥閉じ込めたり‥
縛ったり‥‥‥キスをしたり‥
僕はアイリーンと
‥沢山‥繋がって‥愛し合いたいのに‥」
ジョザイアは下を向いて、項垂れる。
「そういうのは‥グレンくんが良いんだ‥?
僕じゃダメなんだ‥?」
その一言にズキリと胸が痛む。
そうよね‥彼は本気なのに‥
友人でありたいなんて‥
私のただの願望だ‥酷いエゴなんだわ‥
「本当に‥身勝手よね‥ごめんね‥
本当に‥ごめんなさい‥でも、」
私は後ろめたさと、恐怖から下を向いて
彼に言う。言わなければならない‥。
「やっぱり‥グレンが忘れられない。
私は、彼と掴みかけた幸せを諦めたくない‥」
その為に‥
私は更に身勝手を重ねなければならない。
彼を苦しめる事になる頼みごとをしなければ‥
本当に辛い‥ごめんね‥ごめんね‥ジョザイア‥
私はジョザイアが好きよ。
でも、グレンのことを深く愛していたの。
目が熱い‥声が震える‥。
泣きたいのは彼の方なのに‥。
「ジョザイア‥貴方に頼みごとをしたいの‥
きっと貴方は了承しないと思うし‥
酷いとも‥思う‥」
ずっと私の話を黙って聞いていたジョザイアが
こちらを見ている。
今にも泣き出してしまいそうな表情だった。
でも、彼はゆっくりと薄く微笑みを作る。
「なに‥?アイリーンの頼みごとなら
僕は、なんでも聞くよ。愛してるからね‥」
"愛してる"の一言が
ザクリと胸を引き裂いていく。
痛い‥そんな泣きそうな顔をしないで‥
そんなこと言わないで‥
私のせいよね‥ごめんね‥ごめんね‥
何度も裏切って‥最低よね‥。
でも‥私は決めたの‥。
私は婚約指輪を握りしめて、顔を上げ、
ジョザイアを見据える。
「犯人探しを手伝って欲しい。
そして、貴方があの期間、
私にしたことを彼に話して欲しい‥
きっと‥誤解さえ解ければ
また‥やり直せると思うの‥
また‥愛し合えると思うの‥
グレンと‥」
そう‥言い終えると、暫く沈黙が流れた。
受け入れてくれる訳がない‥
ジョザイアは私を離したりしない。
ましてや、
グレンとやり直す為の手伝いなんて‥
あぁ‥私は最低だわ‥彼を傷つけてばかり‥
そう考えていると、
ジョザイアはソファーから立ち上がり、
口を開く。
「いいよ。やってあげる。」
ジョザイアは、はっきりと言い放った。
迷いもなく。すんなりと。
それがなんだか、私には嬉しい反面、
とても、虚しかった‥。悲しかった‥。
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私を手離した気がして‥。
自分で決めたことなのに‥
私が望んだことなのに‥変よね‥。
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