My Dr -貴女は僕の全てになった、だから貴女から僕以外の全てを奪おう

創作屋 鬼聴

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9章

3.ご両親によろしく⚠︎《ジョザイア目線》

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激しい雨音のする夜の路地裏。
僕は逃げ惑うアイリーンを自分の手に抱え、
匿った。


「いやぁっ!!離して‥!!」


アイリーンは目に涙を浮かべ、狼狽えていた。
実の妹に殺されかけてるんだ、無理もない。

それに、今の彼女にとっては
僕も恐ろしい存在なんだろう。

彼女は、小動物みたいに震えてて、
それが凄く可愛い。


「まだ警察も多い。すこし隠れてなよ。
暫くしてから、グレンくんのところに行って。
いい?」


僕が仕掛けたこととは言え、
アイリーンが捕まる事も、怪我をする事も、
絶対にない様にしないと。

彼女を苦しめていいのは僕だけだ。


「まだ私に何かする気?!!
二度と関わらないでって言ったはずよ‥!!

貴方にかまってる暇はないの!!
グレンの所に行かなきゃ‥!!
彼だったらきっと助けてくれるもの‥!!」


「ちょっと‥アイリーン?僕の話聞いてた?」


アイリーンはひどく動揺して、
僕を拒絶し走り去っていく。
僕も彼女を少し虐め過ぎたみたいだ。


でも、人がいないのは都合がいい。


僕はアイリーンの来た方向の路地
ジェシカ・タウンゼントの正面にでた。


両者の距離は7メートルほど。



「………なっっ!!!?」


ジェシカは僕を見た途端発砲してきたが
避ける必要も、身を守る必要もない。


弾丸は僕の顔の3cm横を通り過ぎる。


ヒュンッと弾丸が通り過ぎて
窓ガラスの割れた音がした。


「やぁ。初めまして、
ジェシカ・タウンゼント。」


ジェシカは、
僕に驚いたようだった。
一歩二歩と後退りしている。


「あんた‥ジョザイア・マクベイン‥?

はっ‥たっぷり可愛がられてんだな‥
あのアバズレ‥」


ジェシカは僕に銃を向ける。

僕は真っ直ぐ、ゆっくりと彼女に向かって歩く。
水が跳ねて、白い革靴を濡らす。


「うん、可愛がってあげてたよ。
ベットの上で拘束して、
気絶するまで毎日犯してあげてたんだ。

彼女は"グレン‥ジェシー‥助けて‥"

っていつも泣き叫んでてさ
僕は正直、イラついてた。

僕だけを見て欲しいのにひどいよね。

だから、




僕は彼女を陥れたんだ。




作った証拠をばら撒いて。」




「‥は?」




ジェシカは眉を顰める。
疑惑と、大きな不安が彼女を覆うのがわかる。

いい気味だ。


「陥れた‥?あんた達は共犯なんでしょ‥?!
二人で‥一人の殺人鬼を演じてて‥!!
あいつが‥両親を‥」


彼女は雨に濡れながら、手に持った銃を震わせる。
僕は一歩また一歩とジェシカに歩み寄る。


「ああ、君はそう思ったらしい。

だから、心優しい姉を
アバズレだと、人殺しだと罵って、
何度も彼女に向かって引き金を引いた。」


彼女の顔が曇っていく。
その血の気の引いた青い顔の上で汗と雨粒が
混じって消える。


「彼女は何度も言ってたよね?
"やってない"って"信じて"って。」


ああ、早くわからせてあげたい。

いや、わかってるんだろ?
君が実の姉にどんなに酷い仕打ちをしたか。


「やっ‥やってないはずない!!
両親を殺したのはあいつなんだっ‥!!
そうじゃないと‥あたし‥
‥お姉ちゃんに‥っ‥」


僕は歩を進め、ジェシカの眼の前に立つ。


「ここまで言ってもまだわからない?」


僕はジェシカの持つ銃を上から握り、
彼女の耳元で言う。



「アイリーンは、誰も殺していない。

なのに‥君は‥」



僕が言い切る前に、ジェシカは銃を乱射し
何かを振り払うかのように叫ぶ。


「…うっぅああああああああぁぁあ!!
黙れっ!黙れっ!黙れ‥!!
あいつは人殺しなんだ‥!!

あたしは間違ってなんかない‥!!!
しっ‥証拠だってあるし‥!!」


「ふふっ証拠?あんなの信じるなんて馬鹿だね。
とてもアイリーンの妹とは思えない。」


僕はジェシカの腕を銃ごと掴んだまま、
背後に回り、彼女の腕をへし折った。

ベキベキと音を立てて、
腕が見た事もないような方向に曲がり、
血が吹き出し、骨が露出する。


「っっ!!‥ぐぎぁああああぁぁあ!!」


汚い叫び声をあげて、ジェシカは激痛に仰け反る。


「煩いなぁ‥」


その声が不愉快で後ろから彼女の首を
絞め、抉り、声帯を壊した。


「ぁっ!!?‥がっ‥ごッ‥が‥だずげ‥」


喉を潰された彼女は、血まみれの喉を抑えて、
血を吐き、よろよろと逃げる。


「アイリーンの叫び声は
あんなに甘美で綺麗なのに‥
姉妹って似ないんだね。」


僕は床に落とされた銃を拾い上げ、
逃げようとする彼女の両脚と残った腕を撃ち抜く。

泥と血にまみれた彼女は撃たれるたびに、
声とも呼べない様な嗚咽を漏らし、
苦悶の表情を浮かべる。


「にしてもさぁ‥僕、怒ってるんだよね。

少し予想はしてたけど
警官のくせに、何度も発砲してさ‥
僕のアイリーンが怪我をする所だった。」


僕はそう言いながら横たわる彼女の腹に
思い切り蹴りを入れた。

あばらが何本か折れて
ボロ切れみたいになった彼女が
その勢いで壁に叩きつけられる。

けれど、その瀕死のボロ切れは口を開く。


「…も‥元は‥どいえば‥ぉま‥えが‥」


「ふぅん‥今になって、僕に責任転嫁?

確かに僕が仕組んだことだけど。
やったのは君じゃないか。


彼女の必死の訴えに耳も貸さず、
散々罵って、殺そうとした。
何度、彼女に向かって撃ったんだ?」


大降りの雨の中、
ジェシカは民家の壁に倒れ掛かり、
顔を歪めて地を見ている。


「…………ぅ‥うぅ‥」


血が石畳みの隙間を通って、
排水溝に流れていく。
彼女の眼から光が消えていく。


「アイリーンは実の妹に殺されかけて
どんな気持ちだったんだろう?

怖かったかな‥哀しかったかな‥?」



僕が笑いかけるとジェシカは虚ろな眼で、
ぶつぶつと呟く。


「…ぉ‥ねぇ‥ん‥」


その声は、土砂降りの雨に、掻き消された。


「‥?なんて?」  


僕が問いかけると、ジェシカは
また口を開く。



「‥ぉねぇ‥ちゃん‥ぁ‥ぉ‥ねぇち‥ゃ‥

が‥ごめ‥‥ね‥ぁ‥ぐ‥ごめ‥ん‥」



ああ、笑みが止まらない。いい気味だ。
今頃気付いたってもう遅い。
アイリーンの中からこいつは消え去る、永遠に。

僕のアイリーンを惑わす奴は全員殺してやる。


「ふふふっ‥でも、まぁ愉しかったよ。
最期に会えてよかった。一応義理の妹だしね。」


「ぇ‥」


「言ってなかった?
僕はアイリーンと結婚するんだ。

絶対幸せにするから安心して死んでね。

ご両親と同じ様に。」


そう言った途端、
死に掛けて、虚ろになっていた
ジェシカの眼が見開かれ、顔は歪み
驚愕と怒りの表情に変わっていく。


「…っっ!!?ぉ‥まえが‥!!
ぉ‥まぇ‥が‥ママ‥と‥ぉゃ‥じを!!?」


潰れた喉から捻り出す様に出された声からは
憎しみと、自身の不甲斐なさへの怒りが
満ちていた。

土砂降りの中、大きな雨粒が
彼女の顔にぶつかっては、流れていく。

両親を殺したからと言って何なんだろう?
僕にはよくわからなかった。


「ああ、そうだよ。

だって、アイリーンが大切な人って言うから。
邪魔だなぁって思ったんだ。
愛ゆえの嫉妬だよ?‥何か変?」


もう、彼女には犯人がわかろうと、
どうすることもできない。
耐え難い痛みの中、後悔を胸に生き絶えるしかない。


「‥許さなぃ‥許さないぞ‥てめええぇぇっ!!!」


ジェシカは潰されたはずの喉で、
思い切り叫んだ。血を吐いて、泥にまみれて。


「ふぅん。そう。
それより僕はアイリーンを
慰めに行かなきゃだから。もう行くよ。」


僕は銃の安全装置を外して、
ジェシカの煩い口に捻じ込む。

それでも、ジェシカは此方を睨んで
ゼーゼーと息を巻いている。
さっさと死んでもらおう。


「じゃ、ジェシカ。ご両親によろしく。」


引き金を引くと彼女の顔が弾け飛んだ。
彼女の上顎からは、全てなくなって

壁や僕のほおに
ベチャリと彼女の脳が叩き付けられた。

静かになった彼女は、
下あごの歯が全て露出して、血が吹き出し、
血まみれの舌が根元からデロリと垂れている。


いい気分だ。邪魔者が減った。
早く愛おしいアイリーンに会いに行こう。


雨の中をスキップして、
僕は歌を唄う。


雨の降る住宅街の街灯はキラキラ輝いて、
僕を祝ってくれているようだった。

光る雨粒が
血を、弾け飛んだ脳みそを、
洗い流してくれる。


きっと、彼女は
グレンに泣かされているに違いない。
そう仕向けたから。

早く慰めに行こう!
僕の腕の中で可愛がってあげる!


早く気付いてアイリーン。
僕の愛は何より深い。
僕は貴女のためならなんだってやる。

貴女は僕に囚われる運命なんだ。


早く僕の元に帰っておいで。





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