My Dr -貴女は僕の全てになった、だから貴女から僕以外の全てを奪おう

創作屋 鬼聴

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4章

2.白いスーツ《ジョザイア目線》

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僕は上等な白いスーツを着て
クロードの運転する車の
後部座席で寝転がっていた。

大量のワックスによってオールバックに
された髪がベタベタして気持ち悪い。
するとクロードが僕に指図する。


「ちょっとマクベイン様!
スーツに皺がついたら怪しまれますよ。
今から行くのは格式高いレストランなんですから!」

僕はこれからそのレストランの
オーナーを殺しに行く。早く仕事なんてやめてアイリーンと遊びたい…。


「それよりさ‥なんで白なの?
血がついたら目立っちゃうんだけど。」

「すみません。
それは、個人的に似合うと思って、
うっかり買いました。

まぁ相手は女性ですし、
着飾って、損はありませんよ」


クロードは頭が良いんだか悪いんだか
よくわからない。
実用的なほうにしてほしい。

まあ、血をつけないようにすればいっか。


「え、また女の人‥?ヤダなぁ」

「え?女性相手の仕事、苦手でしたっけ?
可哀想とか思う神経はないと
思ってましたが。」

「そんな神経はないけど。
なんか女の人って、ベタベタ触ってくるし、
‥この前なんて‥‥う、やっぱやめとく‥」

「ああ‥貴方って黙っていれば、
美男子ですからね。まぁボディーガードを
引き剥がすまでの辛抱ですよ。」


クロードはそう言うと
キラキラとした高層ビルの前に車が止まらせる。
どうやらここらしい。

クロードと僕は車を置いて、
そのビルの前に降りる。


ああ、最悪‥いつもだったら
アイリーンを迎えに行く時間なのに。

僕は出所してから、毎日アイリーンの
行きと帰りの迎えをしてたが、
今日はそうはいかない。

僕の最後の仕事だ。

ファミリーの一員としての、
いや、ほとんど雇われの殺し屋みたいなものだけど。


アイリーンと二人で
死ぬまで遊んで暮らせるくらいの金は稼いだ。これでもうおしまい。
さっさと彼女を手に入れて、
結婚して、ずっーとずっーと一緒にいたい。
24時間ずっーと。僕だけと遊んでもらうんだ。

お世話だって僕が全部してあげる。
ご飯を食べさせてあげたり、
お風呂に入れてあげたり、
着替えさせてあげたり、
下のお世話だってしてあげる。

彼女が僕しか見れないように
僕しか愛せないように調教してあげて。
毎日、気絶するまで犯して
可愛がってあげたい。

僕なしじゃ生きられないように
身体も心もグッチャグチャにしてあげるんだ。


だって僕は貴女が大好きだから!

‥‥


‥なのになんでアイリーンは
僕を不安にさせることばかりするんだろう。

その高層ビルの手前に青いドレスを着た
アイリーンがいた。彼女は物凄く綺麗で、
柔らかな表情はなんだか浮き足立っているみたいに見えた。


「は‥?なんで‥」


なんでこんなところにいるのかわからない。
一人でくるようなところじゃないし、
アイリーンが来そうな場所でもない。

僕の横でクロードが呟く。


「うわっ‥最悪だ‥なんでいんだよ‥」


そんなのどうでもいい。
今すぐ彼女を問い詰めなければならない。

誰を待ってる?

誰を思ってそんな顔をしてるの?


許さない。殺してやる。



僕が、彼女に近寄ろうとすると、
クロードが全力で僕の腕を引く。

「気持ちはわかりますから!
仕事を先に済ませましょう!
ここで事を荒げてはいけません!」


そうだ。しっかりと、
誰も見えない場所でやらないと‥
それに今行ったら僕は抑えることが
できないかもしれない。
彼女を失うかもしれない。

そうなったら、僕は‥
ああ、わかってる。わかってる。


「‥クロード‥」

「は、はい。」


僕はバクバクとなる心臓を抑えて、彼女の居る方へと伸ばした、震える手を引っ込めた。
僕はまだ彼女を見ている。
彼女は僕を見ていない‥


「‥僕が、仕事を終えても、
僕に協力してくれる?」

「え、ええ!勿論です!
どこまででもお伴しますから!
仕事に行きましょう!?」

「ああ‥わかっ‥た‥」


僕はクロードに引っ張られながら、
そのビルに入る。

心臓は大きな音で鳴り続ける。
呼吸もままならない。

ビルのガラス越しに
僕の目は彼女を捉えたまま‥釘付けになっている。

すると、


男が彼女の元に駆け寄ってくる。

その男が来ると
彼女はとても嬉しそうに笑って
顔を赤らめる。


怒りだか、

悲しみだか、

憎しみだか、

わからない感情が‥僕の体を支配する。


「‥‥」


心臓はバクバク鳴り続け、息ができない。
苦しい。胸が張り裂けそうだ。


「‥‥アイリーン‥」


僕の目から熱くて、赤いものが流れた。



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