24 / 84
4章
2.白いスーツ《ジョザイア目線》
しおりを挟む
僕は上等な白いスーツを着て
クロードの運転する車の
後部座席で寝転がっていた。
大量のワックスによってオールバックに
された髪がベタベタして気持ち悪い。
するとクロードが僕に指図する。
「ちょっとマクベイン様!
スーツに皺がついたら怪しまれますよ。
今から行くのは格式高いレストランなんですから!」
僕はこれからそのレストランの
オーナーを殺しに行く。早く仕事なんてやめてアイリーンと遊びたい…。
「それよりさ‥なんで白なの?
血がついたら目立っちゃうんだけど。」
「すみません。
それは、個人的に似合うと思って、
うっかり買いました。
まぁ相手は女性ですし、
着飾って、損はありませんよ」
クロードは頭が良いんだか悪いんだか
よくわからない。
実用的なほうにしてほしい。
まあ、血をつけないようにすればいっか。
「え、また女の人‥?ヤダなぁ」
「え?女性相手の仕事、苦手でしたっけ?
可哀想とか思う神経はないと
思ってましたが。」
「そんな神経はないけど。
なんか女の人って、ベタベタ触ってくるし、
‥この前なんて‥‥う、やっぱやめとく‥」
「ああ‥貴方って黙っていれば、
美男子ですからね。まぁボディーガードを
引き剥がすまでの辛抱ですよ。」
クロードはそう言うと
キラキラとした高層ビルの前に車が止まらせる。
どうやらここらしい。
クロードと僕は車を置いて、
そのビルの前に降りる。
ああ、最悪‥いつもだったら
アイリーンを迎えに行く時間なのに。
僕は出所してから、毎日アイリーンの
行きと帰りの迎えをしてたが、
今日はそうはいかない。
僕の最後の仕事だ。
ファミリーの一員としての、
いや、ほとんど雇われの殺し屋みたいなものだけど。
アイリーンと二人で
死ぬまで遊んで暮らせるくらいの金は稼いだ。これでもうおしまい。
さっさと彼女を手に入れて、
結婚して、ずっーとずっーと一緒にいたい。
24時間ずっーと。僕だけと遊んでもらうんだ。
お世話だって僕が全部してあげる。
ご飯を食べさせてあげたり、
お風呂に入れてあげたり、
着替えさせてあげたり、
下のお世話だってしてあげる。
彼女が僕しか見れないように
僕しか愛せないように調教してあげて。
毎日、気絶するまで犯して
可愛がってあげたい。
僕なしじゃ生きられないように
身体も心もグッチャグチャにしてあげるんだ。
だって僕は貴女が大好きだから!
‥‥
‥なのになんでアイリーンは
僕を不安にさせることばかりするんだろう。
その高層ビルの手前に青いドレスを着た
アイリーンがいた。彼女は物凄く綺麗で、
柔らかな表情はなんだか浮き足立っているみたいに見えた。
「は‥?なんで‥」
なんでこんなところにいるのかわからない。
一人でくるようなところじゃないし、
アイリーンが来そうな場所でもない。
僕の横でクロードが呟く。
「うわっ‥最悪だ‥なんでいんだよ‥」
そんなのどうでもいい。
今すぐ彼女を問い詰めなければならない。
誰を待ってる?
誰を思ってそんな顔をしてるの?
許さない。殺してやる。
僕が、彼女に近寄ろうとすると、
クロードが全力で僕の腕を引く。
「気持ちはわかりますから!
仕事を先に済ませましょう!
ここで事を荒げてはいけません!」
そうだ。しっかりと、
誰も見えない場所でやらないと‥
それに今行ったら僕は抑えることが
できないかもしれない。
彼女を失うかもしれない。
そうなったら、僕は‥
ああ、わかってる。わかってる。
「‥クロード‥」
「は、はい。」
僕はバクバクとなる心臓を抑えて、彼女の居る方へと伸ばした、震える手を引っ込めた。
僕はまだ彼女を見ている。
彼女は僕を見ていない‥
「‥僕が、仕事を終えても、
僕に協力してくれる?」
「え、ええ!勿論です!
どこまででもお伴しますから!
仕事に行きましょう!?」
「ああ‥わかっ‥た‥」
僕はクロードに引っ張られながら、
そのビルに入る。
心臓は大きな音で鳴り続ける。
呼吸もままならない。
ビルのガラス越しに
僕の目は彼女を捉えたまま‥釘付けになっている。
すると、
男が彼女の元に駆け寄ってくる。
その男が来ると
彼女はとても嬉しそうに笑って
顔を赤らめる。
怒りだか、
悲しみだか、
憎しみだか、
わからない感情が‥僕の体を支配する。
「‥‥」
心臓はバクバク鳴り続け、息ができない。
苦しい。胸が張り裂けそうだ。
「‥‥アイリーン‥」
僕の目から熱くて、赤いものが流れた。
クロードの運転する車の
後部座席で寝転がっていた。
大量のワックスによってオールバックに
された髪がベタベタして気持ち悪い。
するとクロードが僕に指図する。
「ちょっとマクベイン様!
スーツに皺がついたら怪しまれますよ。
今から行くのは格式高いレストランなんですから!」
僕はこれからそのレストランの
オーナーを殺しに行く。早く仕事なんてやめてアイリーンと遊びたい…。
「それよりさ‥なんで白なの?
血がついたら目立っちゃうんだけど。」
「すみません。
それは、個人的に似合うと思って、
うっかり買いました。
まぁ相手は女性ですし、
着飾って、損はありませんよ」
クロードは頭が良いんだか悪いんだか
よくわからない。
実用的なほうにしてほしい。
まあ、血をつけないようにすればいっか。
「え、また女の人‥?ヤダなぁ」
「え?女性相手の仕事、苦手でしたっけ?
可哀想とか思う神経はないと
思ってましたが。」
「そんな神経はないけど。
なんか女の人って、ベタベタ触ってくるし、
‥この前なんて‥‥う、やっぱやめとく‥」
「ああ‥貴方って黙っていれば、
美男子ですからね。まぁボディーガードを
引き剥がすまでの辛抱ですよ。」
クロードはそう言うと
キラキラとした高層ビルの前に車が止まらせる。
どうやらここらしい。
クロードと僕は車を置いて、
そのビルの前に降りる。
ああ、最悪‥いつもだったら
アイリーンを迎えに行く時間なのに。
僕は出所してから、毎日アイリーンの
行きと帰りの迎えをしてたが、
今日はそうはいかない。
僕の最後の仕事だ。
ファミリーの一員としての、
いや、ほとんど雇われの殺し屋みたいなものだけど。
アイリーンと二人で
死ぬまで遊んで暮らせるくらいの金は稼いだ。これでもうおしまい。
さっさと彼女を手に入れて、
結婚して、ずっーとずっーと一緒にいたい。
24時間ずっーと。僕だけと遊んでもらうんだ。
お世話だって僕が全部してあげる。
ご飯を食べさせてあげたり、
お風呂に入れてあげたり、
着替えさせてあげたり、
下のお世話だってしてあげる。
彼女が僕しか見れないように
僕しか愛せないように調教してあげて。
毎日、気絶するまで犯して
可愛がってあげたい。
僕なしじゃ生きられないように
身体も心もグッチャグチャにしてあげるんだ。
だって僕は貴女が大好きだから!
‥‥
‥なのになんでアイリーンは
僕を不安にさせることばかりするんだろう。
その高層ビルの手前に青いドレスを着た
アイリーンがいた。彼女は物凄く綺麗で、
柔らかな表情はなんだか浮き足立っているみたいに見えた。
「は‥?なんで‥」
なんでこんなところにいるのかわからない。
一人でくるようなところじゃないし、
アイリーンが来そうな場所でもない。
僕の横でクロードが呟く。
「うわっ‥最悪だ‥なんでいんだよ‥」
そんなのどうでもいい。
今すぐ彼女を問い詰めなければならない。
誰を待ってる?
誰を思ってそんな顔をしてるの?
許さない。殺してやる。
僕が、彼女に近寄ろうとすると、
クロードが全力で僕の腕を引く。
「気持ちはわかりますから!
仕事を先に済ませましょう!
ここで事を荒げてはいけません!」
そうだ。しっかりと、
誰も見えない場所でやらないと‥
それに今行ったら僕は抑えることが
できないかもしれない。
彼女を失うかもしれない。
そうなったら、僕は‥
ああ、わかってる。わかってる。
「‥クロード‥」
「は、はい。」
僕はバクバクとなる心臓を抑えて、彼女の居る方へと伸ばした、震える手を引っ込めた。
僕はまだ彼女を見ている。
彼女は僕を見ていない‥
「‥僕が、仕事を終えても、
僕に協力してくれる?」
「え、ええ!勿論です!
どこまででもお伴しますから!
仕事に行きましょう!?」
「ああ‥わかっ‥た‥」
僕はクロードに引っ張られながら、
そのビルに入る。
心臓は大きな音で鳴り続ける。
呼吸もままならない。
ビルのガラス越しに
僕の目は彼女を捉えたまま‥釘付けになっている。
すると、
男が彼女の元に駆け寄ってくる。
その男が来ると
彼女はとても嬉しそうに笑って
顔を赤らめる。
怒りだか、
悲しみだか、
憎しみだか、
わからない感情が‥僕の体を支配する。
「‥‥」
心臓はバクバク鳴り続け、息ができない。
苦しい。胸が張り裂けそうだ。
「‥‥アイリーン‥」
僕の目から熱くて、赤いものが流れた。
0
お気に入りに追加
620
あなたにおすすめの小説


久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる