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2章
5.愛はまどろみの中に
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オレンジを基調としたタイル。
真っ白いシンク棚に並べられた
多くの調味料にコーヒーメーカー。
いつも通りの私の家のキッチン。
そのキッチンでジョザイアは
手際よく慣れた様子で調理を進める。
私はリビングのソファから
そんな彼を眺める。見つめている、と
言った方が近いかもしれない。
だって調理中に怪我しないか心配だもの。
すると、彼がこちらをみて笑う。
「先生、もう少しでできるから
我慢しててね」
「ち、違うわよ!お腹空いてたわけじゃ‥」
「じゃあ‥僕のこと見てたの?」
「ええ、まあ、そうよ」
私がそう言うと彼はふふっと小さく笑い
出来上がったシチューを皿に盛り付け、
私のところまで運んでくれた。
なんだか彼はずっと嬉しそうだった。
「ありがとうジョザイア。
じゃあいただくわね」
「うん!どうぞ」
私がスプーンを取ろうとすると
ジョザイアはそれを横からスッと取り上げ、
シチューを掬い私の口の前まで運ぶ。
「えっと…??」
これは、食べろってこと?いや
それしか無いだろうけど流石に恥ずかしい。
それくらいはできるし‥
「あの、自分で食べれr…」
「ほーら早く食べないと冷めちゃうよ?」
‥彼がこうなったら言っても無駄ね。
ジョザイアはよくわから無いところで
頑固だもの‥。
私は羞恥を噛み殺し
差し出されたものを食べる。
「あ、美味しい。」
「ほんとう?よかった!
先生どんな味が好きかなーとか考えながら
作ったんだ!頑張った!偉いでしょ?」
「ええ!偉いわ、ありがとう、ジョザイア。
先生嬉しいわ」
それを聞くとジョザイアはパァとほおを
緩ませた。その様子に胸の辺りが温かくなって顔が綻ぶ。
彼は本当によく笑うし可愛い!
子供のころと本当に何も変わらない!!
「あ~もう!良い子ね!
ジョザイアいいこいいこ!!」
私が子供にするみたいに
わしゃわしゃとジョザイアの頭を撫でると
彼は嬉しそうに頭を寄せる。
そんなふうに戯れながら
彼の作ってくれたものを食べ進めていると‥
‥‥?
急に…本当に急に、
身体に力が入らなくなって
私はジョザイアの胸に倒れる。
すごく身体が重い。
猛烈な眠気が襲ってくる。
どうして‥?
「先生?大丈夫?」
「ああ…ご…ごめんね
急に私なんだか眠くなっちゃって‥
何か眠気覚ましになるものは‥」
「ふふっ‥お昼ご飯食べて
眠くなっちゃったの?
眠い時は寝た方がいいよ。
寝室まで僕が運んであげる」
そう言ってジョザイアは
私を軽々と抱き上げると階段を上る。
「寝室は二階だよね?」
「うん‥」
なんで知ってるの?なんて
言える状態じゃない、
何もできないくらい身体が重い眠い‥
ただ私は彼に抱えられることしかできない。
彼は私にほおを寄せて囁く。
「ほんとうに無防備で可愛いよ‥
アイリーン。
ベットに着いたら‥僕と‥」
囁やかれた艶かしい声は私の頭に
響きわたる。
そして寝室のドアが開く音が聞こえた。
真っ白いシンク棚に並べられた
多くの調味料にコーヒーメーカー。
いつも通りの私の家のキッチン。
そのキッチンでジョザイアは
手際よく慣れた様子で調理を進める。
私はリビングのソファから
そんな彼を眺める。見つめている、と
言った方が近いかもしれない。
だって調理中に怪我しないか心配だもの。
すると、彼がこちらをみて笑う。
「先生、もう少しでできるから
我慢しててね」
「ち、違うわよ!お腹空いてたわけじゃ‥」
「じゃあ‥僕のこと見てたの?」
「ええ、まあ、そうよ」
私がそう言うと彼はふふっと小さく笑い
出来上がったシチューを皿に盛り付け、
私のところまで運んでくれた。
なんだか彼はずっと嬉しそうだった。
「ありがとうジョザイア。
じゃあいただくわね」
「うん!どうぞ」
私がスプーンを取ろうとすると
ジョザイアはそれを横からスッと取り上げ、
シチューを掬い私の口の前まで運ぶ。
「えっと…??」
これは、食べろってこと?いや
それしか無いだろうけど流石に恥ずかしい。
それくらいはできるし‥
「あの、自分で食べれr…」
「ほーら早く食べないと冷めちゃうよ?」
‥彼がこうなったら言っても無駄ね。
ジョザイアはよくわから無いところで
頑固だもの‥。
私は羞恥を噛み殺し
差し出されたものを食べる。
「あ、美味しい。」
「ほんとう?よかった!
先生どんな味が好きかなーとか考えながら
作ったんだ!頑張った!偉いでしょ?」
「ええ!偉いわ、ありがとう、ジョザイア。
先生嬉しいわ」
それを聞くとジョザイアはパァとほおを
緩ませた。その様子に胸の辺りが温かくなって顔が綻ぶ。
彼は本当によく笑うし可愛い!
子供のころと本当に何も変わらない!!
「あ~もう!良い子ね!
ジョザイアいいこいいこ!!」
私が子供にするみたいに
わしゃわしゃとジョザイアの頭を撫でると
彼は嬉しそうに頭を寄せる。
そんなふうに戯れながら
彼の作ってくれたものを食べ進めていると‥
‥‥?
急に…本当に急に、
身体に力が入らなくなって
私はジョザイアの胸に倒れる。
すごく身体が重い。
猛烈な眠気が襲ってくる。
どうして‥?
「先生?大丈夫?」
「ああ…ご…ごめんね
急に私なんだか眠くなっちゃって‥
何か眠気覚ましになるものは‥」
「ふふっ‥お昼ご飯食べて
眠くなっちゃったの?
眠い時は寝た方がいいよ。
寝室まで僕が運んであげる」
そう言ってジョザイアは
私を軽々と抱き上げると階段を上る。
「寝室は二階だよね?」
「うん‥」
なんで知ってるの?なんて
言える状態じゃない、
何もできないくらい身体が重い眠い‥
ただ私は彼に抱えられることしかできない。
彼は私にほおを寄せて囁く。
「ほんとうに無防備で可愛いよ‥
アイリーン。
ベットに着いたら‥僕と‥」
囁やかれた艶かしい声は私の頭に
響きわたる。
そして寝室のドアが開く音が聞こえた。
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