My Dr -貴女は僕の全てになった、だから貴女から僕以外の全てを奪おう

創作屋 鬼聴

文字の大きさ
上 下
4 / 84
一章

2,先生に会いたかった

しおりを挟む
「……‥‥‥?」


暗くて…温かい‥?これは何?どうなって‥


「‥‥‥!!?」


驚いたことに
私は彼に抱きしめられているようだった。

彼の熱が私の胸に、背に、頭に、
伝わってくる。
彼の力はとても強くすこし苦しい。

不思議に思って私が顔を上げると
私を抱き締める彼の端正な顔が間近に見えた。…そして、私は気づく。


「‥‥ジョザイア‥?」


それを聞くとジョザイアは、
ぱぁっと花が咲くように笑った。


「先生!!アイリーン先生!」


ジョザイアはもっときつく私を抱き締め、
首元に顔をうずめる。

息が首元にかかってくすぐったい。
まるで子供のときのまま。
ジョザイアはそのまま口を開く。


「先生‥よかった‥会いたかった‥
なんで‥なんで僕の前からいなくなっちゃったの?」


彼はすこし泣いている。
そういえば研修医の頃
彼に刺激を与えないよう黙って研修先の
小児精神病棟を出て行かされたのだった。

懐かしい‥‥


‥じゃないわ

なんで彼がここに?


「あ、あのジョザイア?どうしてここに?」


「僕ね!僕ね!先生にあっ‥!!!?


        《-ゴッッ‥ー》



鈍い音がジョザイアの後頭部から響くと
私を抱きしめていた力がふっと抜けて
彼は床に倒れた。

その背後には警棒を持ったグレンが
息を切らして立っていた。


「アイリーン大丈夫か?!怪我は?!」


グレンは私の婚約者で同僚、

ブラウンヘアーに精悍な顔立ち
青い目が特徴的な好青年といった風貌の
男性だ。

が、走ってきたのかそのブラウンヘアーは
跳ねに跳ね、精悍な顔は必死そのものだ。

彼はいの一番に駆け寄ってきて
くるくると私の身体を回しながら心配そうに
怪我が無いかを確認している。

「大丈夫か?!何もされてない??」

こんなときになんだが、私は彼のこういう所が好きでたまらなかった。


「私は平気!それよりジョザイアが心配よ!
こんなに強く殴ること無いじゃない!
グレンのバカ!」

私はジョザイアの頭を抱え、
後頭部の傷が深くないか確認する。


「何言ってるんだ?!アイリーン!
こうしなかったら君の身が危なかったんだ!
今すぐ、そいつから離れて!
!」

グレンがそう叫ぶと、、
私は絶句した。


「え、人を‥‥?ジョザイアが?」


彼は異常ながらも優しい子だった。
彼が人を殺すなんて信じたくはない。
だけれど、ここにいるのはそういうことだ。

朝流れたニュースの凄惨な事件の犯人…

狂った人殺しは彼のことだった。




暫くすると看守が駆けつけ、
彼を厳重に拘束し運んでいった。
私はそれを複雑な思いで眺める。


「アイリーン先生。どうかね?」


所長の言う『どうかね』とは、
彼のカウンセリングについてだろう。
私の答えは決まった。


「‥彼のカウンセリングは
私が担当させていただきます。」


彼がそんなことするはずない、
彼は人を衝動的に傷つけることはあったが
そのたび泣いて謝るような子だった。

研修で心が折れそうな私を、
慰めようと頑張ってくれる優しい子だった。

表現がすこし変わってるだけ。
彼に何があったか知りたい。


彼は私の大事なだもの。














 

しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...