My Dr -貴女は僕の全てになった、だから貴女から僕以外の全てを奪おう

創作屋 鬼聴

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序章

約束は呪いの様に*

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私は檻のようなベットに両手両脚を拘束され、
彼に抱き締められながら無理矢理に激しく犯されている。

グチュッグチュッと

いやらしい水音が部屋に響く。

彼は恍惚とした笑顔を浮かべて、
熱く滾ったモノで無理矢理
私の中を激しく擦りあげ押し拡げる。

「いやぁっ!!やめて…っ!ジョザイア…っあぁっ!?ひっぐ…お願い…!お願いっ…あっ」

覆い被さるその身体は重くて熱い。
彼の真っ赤に染まる端正な顔が
眼の前に迫り、金色の前髪が揺れている。


「嗚呼‥アイリーン先生‥
…僕だけのアイリーン‥もうどこにも行かせない…」


彼は恍惚の表情で
耳をはみ、舐め上げてそう呟いた。

彼は私を犯しながら、じっとりと眺め
銀色の目を細めると、深く噛み付くようなキスをする。

キスをしたまま彼は更に激しく腰を打ち付けた。蜜壺を何度も擦りあげ敏感なところをグリグリと刺激してくる。中からドプドプと熱い体液が溢れ出ているのを感じた。


「あっ‥ぁぁあ‥んんっ‥あぁあっ!!!
やめて…!!もうやめて…お願いっあぁ!!?」


不意に甘く高い喘ぎが口から漏れる。
彼は満足そうに笑うと私の首に手を伸ばし
真綿のようにゆっくり絞めあげてきた。

大きな手はじわじわと力を増して、
身体は好き勝手に蹂躙される。

「先生…せんせぇ…好き…
逃がさないよ。もう絶対に…
先生はずぅっとずっと…僕だけのもの…」

彼に殺意はない。ただ愉しんでいる。
ただ私を想っている。
その様子に涙がこぼれた。

私は彼を見捨てることが出来ない。

彼のものになるように陥れられたのに‥
色々なものを奪われたのに‥
酷いことも沢山されたのに‥
こんなにも彼が憎いのに…

第一…どうしてこんなことに??
一体どこから狂い始めたの??


そう考えながら目を閉じた。


                    ‥‥



始まりは、15年前。
小児精神病棟で私が研修医をしていた頃。


「アイリーン


私を呼ぶのは、あの子。

"ジョザイア"だ。

ジョザイアは輝くプラチナブロンズの髪を
ふわふわと揺らし、人懐こく駆け寄ってくる。彼専用の拘束着を着て
犬の様な口輪をつけたまま。


「あらどうしたのジョザイア?」

「先生にこれあげる!」


彼が小さな手をひろげると青く光る美しい蝶が惨たらしく潰されていた。

思わず眉を顰め息を飲むが
彼に悪意はないはずだ…

私は諭す様に言う。


「ジョザイア、蝶を潰してはいけないの。
もっと優しく捕まえてあげて?」


そう言った途端、彼の端整な顔が少し歪み
悲しそうに私を見つめる。

「じゃあ先生はこれ…喜んでくれないの?」

「え、あぁっ…そんなことはないわ!
ありがとう」


慌てて頭を撫でると花の咲くように
彼は笑った。そして潰れた蝶を投げ捨て、
私の手を取って幸せそうに頬ずりをしていた。


翌日、彼はまた蝶を私にくれた。
いつもと同じことを言って





彼は手足と羽をもがれた蝶を手に
私に微笑んだ。ビクビクと動く"それ"は
苦しそうにもがいていて寒気がした。

単に無残な蝶が嫌だったわけでは無い。
彼が心配だった。
私はじっと彼を見つめる。

彼は普段、私の前では優しく聡明で
何故この精神病棟にいるのだろうかと
思うほど精神的に健常に見えた。

けれど、
こういうときは異常性を感じざる得無い。

彼はあからさまに私に執着しているようで、私としか話さなかったし、
少しも私のそばを離れない。

離れる事があれば常軌を逸した叫び声をあげ自分の腕の肉を喰い千切ったり、
周りの子供に重傷を負わせることがあった。


人に対する執着、愛着が彼を狂わせていた。


この時、私は"考え過ぎ"だと
それで済ませてしまっていた‥
もっと注意するべきだった…彼の異常性に。

腕や羽をもがないように注意すると、
彼はわかった!と言い
手のひらの蝶を握り潰した。
 

また次の日、彼はまた蝶を持ってきた。
思えば前に蝶が好きだと彼に言った様な気がした。

彼は覚えていたのだろうか。



いつもの一言と共に彼は私の膝に乗る。
そして私に見せてくれた。

それは蝶の標本。
見事に額装された青い蝶は太陽を反射し
様々な色に輝いている。


「まあ!凄いわジョザイア
こんな事ができるなんて」


私がそう褒めると
ジョザイアは誇らしそうに笑って
本当にうれしそうに私に身を寄せてきた。
小さな腕が私を抱きしめる。


「あのねあのね!
僕、アイリーン先生が大好きだからね!
頑張ったんだ!嬉しい?褒めてくれる?」

「もちろん嬉しいわ、ありがとう」


私がジョザイアの柔らかい髪を撫でると
その手をジョザイアは小さな手で取って、
強く握った。


「僕、アイリーン先生が大好き!!
 先生も僕が好き?」

「ええ好きよ」


失言だった。今思えば。
私は彼の危険性について考えていなかった、
本当に…愚かだった。

そして私は交わしてしまう。




ジョザイアは私をしっかりと見つめて
小さな唇を開く。


「じゃあ先生‥僕と結婚してくれる?」


可愛いらしい子供の約束。そう思った。
それが大きな間違い。

「いいわよ!貴方が大きくなったらね」

私がそう返すと彼は顔を林檎のように
真っ赤に染めて瞳を輝かせた。


「うんっ!!絶対だよ!忘れちゃダメだよ。

本当に絶対のぜっーたいだから!!
その時は…僕だけの先生になってね‥。」



本当に私は恐ろしいことを約束してしまった。彼の異常性の鱗片は見えていたというのに。

せめて‥

私がこのことを忘れていなければ‥
あんなことには、ならなかった。















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