22 / 34
エピローグ
八咫神学園七不思議
しおりを挟む
八咫神学園は怪談の宝庫。
今日も生徒達が噂をしている。
この話を聞いたのは、
放課後に俺が下駄箱の近くで
旧校舎を眺めていた時だった。
何年も前に取り壊されるはずだった校舎は
またもや取り壊しを免れ、
今も不気味に佇み続けている。
「ねぇ、知ってる?
八咫学の七不思議!
旧校舎の大鏡!」
白いリボンを付けたポニーテールの女生徒が
もう一人の少しギャルっぽい女生徒に
問いかけた。
「ああ、知ってるよー
超ゆーめーなヤツじゃんそれ。
いじめられて鏡の裏に埋められた
男子生徒っしょ?えーと大鏡の…何だっけ…?」
「違う違う!もっと新しーのがあんの。
10年くらいの話でぇ
その男子生徒の幽霊に連れてかれて、
鏡に閉じ込められた
女の子がいるんだって!!」
俺は話に興味が湧いて、
彼女らの方に耳を傾けた。
「夜に旧校舎の鏡があった壁を
3回ノックすると女の子が出てきて、
『先輩ですか?』って聞いてくるの。
で、『はい』って答えたら死ぬんだってさ!」
「はは!!それ嘘すぎ!
死ぬんだったら
その話、誰が広めたんだよって感じ!」
「それな!!」
二人は笑いながら
ローファーを取り出し、床に放る。
そして俺の方を見た。
「お!いのりん先生じゃん
おっつー!」
俺は呆れ混じりに笑いながら
ため息をつく。
「おっつーじゃありません、
俺は良いけど他の先生に怒られるぞ?
ほら、"さようなら"」
「はいはい、さよならー」
女生徒は手を振って校舎を後にする。
見慣れた制服の後ろ姿が遠くなっていく。
夕陽の中に
ポニーテールと白いリボンが揺れて
その懐かしさに泣きそうになる。
「3回ノックね…試してみるか……」
俺は今日も旧校舎に向かう事にした。
彼女は俺のせいで
…未だ、あそこに居るのだから。
今日も生徒達が噂をしている。
この話を聞いたのは、
放課後に俺が下駄箱の近くで
旧校舎を眺めていた時だった。
何年も前に取り壊されるはずだった校舎は
またもや取り壊しを免れ、
今も不気味に佇み続けている。
「ねぇ、知ってる?
八咫学の七不思議!
旧校舎の大鏡!」
白いリボンを付けたポニーテールの女生徒が
もう一人の少しギャルっぽい女生徒に
問いかけた。
「ああ、知ってるよー
超ゆーめーなヤツじゃんそれ。
いじめられて鏡の裏に埋められた
男子生徒っしょ?えーと大鏡の…何だっけ…?」
「違う違う!もっと新しーのがあんの。
10年くらいの話でぇ
その男子生徒の幽霊に連れてかれて、
鏡に閉じ込められた
女の子がいるんだって!!」
俺は話に興味が湧いて、
彼女らの方に耳を傾けた。
「夜に旧校舎の鏡があった壁を
3回ノックすると女の子が出てきて、
『先輩ですか?』って聞いてくるの。
で、『はい』って答えたら死ぬんだってさ!」
「はは!!それ嘘すぎ!
死ぬんだったら
その話、誰が広めたんだよって感じ!」
「それな!!」
二人は笑いながら
ローファーを取り出し、床に放る。
そして俺の方を見た。
「お!いのりん先生じゃん
おっつー!」
俺は呆れ混じりに笑いながら
ため息をつく。
「おっつーじゃありません、
俺は良いけど他の先生に怒られるぞ?
ほら、"さようなら"」
「はいはい、さよならー」
女生徒は手を振って校舎を後にする。
見慣れた制服の後ろ姿が遠くなっていく。
夕陽の中に
ポニーテールと白いリボンが揺れて
その懐かしさに泣きそうになる。
「3回ノックね…試してみるか……」
俺は今日も旧校舎に向かう事にした。
彼女は俺のせいで
…未だ、あそこに居るのだから。
41
お気に入りに追加
115
あなたにおすすめの小説
彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した
Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
ヤンデレ義父に執着されている娘の話
アオ
恋愛
美少女に転生した主人公が義父に執着、溺愛されつつ執着させていることに気が付かない話。
色々拗らせてます。
前世の2人という話はメリバ。
バッドエンド苦手な方は閲覧注意です。
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
長いものに巻かれてたら、溺愛されました!?
夕立悠理
恋愛
──だってどうしても、君が、良かった。
西ヶ原菫は、超がつくお嬢様お坊ちゃん学園の新入生。家柄は、学園の中でいうといたって普通。平穏無事に学園生活が過ごせるように、長いものには巻かれろ精神で、適当に暮らしいていると、生徒会執行部役員に任命される。しかし、その生徒会で溺愛され──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる