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ヒロセと、スラちゃん救出作戦5
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「ここが悪役令嬢が住む城か……」
誘拐犯から聞き出した悪役令嬢の城が建つ高台の下に俺たちはやってきた。
高台の上には、城壁で囲ってある立派な城が立っている。
俺の超級マンションに嫉妬していると聞いたけど、悪役令嬢の城も随分と立派なものだ。こんな立派な城に住んでるのに俺の超級マンションに嫉妬するなんてなんてやつなんだ。。
そう思って俺は自分の超級マンションが建っている方を見てみた。……、むむ、むむ、ムムム、俺の超級マンションすごい立派だな。なんか令嬢の城がかすんで見えるぞ。
俺がそんなことを考えていると、、
「ここにスラちゃんがいるのー?」
俺の肩にちゃこんと座ったちみっこ妖精が聞いてくる。ちょっと羽根がくすぐったい。
「そうだな。。どうやら、この城のどこかにスラちゃんがいるようだぞ。しかし、スラちゃんを救出するにはどうやってか侵入する必要があるようだな」
「ふん。そんなことわしの飛行魔法にかかれば、一瞬じゃわい。ほれ、みんないくぞーい」
城に侵入するのどうしようかな?と俺が思っていたら、幼女エルフのタマがみんなに飛行魔法をかけると言ってきた。
まあ、分かってたことだけどな。。
「その必要はありません」
!?
「誰だ?」
タマの飛行魔法で俺たちが城に侵入しようとしていたとき、いつのまにか俺たちの目の前に執事服に身を包んだ白髪交じりの男が立っていた。
「あなた方が侵入しようとしている城の執事ですよ。シツージとお呼びください」
シツージは全く表情を動かすことなくそう言った。
「それでそのシツージがなんの用だ」
「なんの用だはこちらのセリフですが。。まあ、いいでしょう。私がここにいるのはお嬢様の命令なのですよ。お嬢様はあなた方を城にご招待するそうです」
……、どういうことだ? 城へ侵入しようとしている人間を城に招待だと? 牢獄へ招待の間違いではないのか……。
「どういうことですの? 侵入しようとしている賊を城に招き入れるなんておかしいですわ」
シアもまったく同じことを思ったようだ。
「いえね。お嬢様はあなた方に、特にヒロセ様に非常に強い興味を持っておられるのですよ。だから、ご招待申し上げているのです」
「そんなことを信じるはずがないだろう」
「ふむ。それでもいいですがね。ですが、この招待を受けたほうがいいと思いますよ。あなた方のお仲間のためにもね……」
なんだと。。つまり、招待を受けないとスラちゃんをボコると言いたいのか。くそー。
「ヒロセー。スラちゃんが。。。」
今のシツージが言いたいことにちみっこ妖精も気づいたようだ。
「ああ。分かっている」
俺はシアとタマに目を向けた。
こくり。
「シツージ、俺たちを城に案内してくれ」
◇
「オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ。やっと会えたわね。ヒロセ。オー、ホッホっホホホ」
城内のとある部屋に案内された俺たちを待っていたのは、オー、ホッホっホホホと扇子を広げて高笑いするお嬢様だった。
よっぽど俺たちを待っていたのか、座っていたソファーから立ちあがり、テーブルに片足をのせてオー、ホッホっホホホと言っている。
きっとこいつが悪役令嬢にちがいないぞ。金髪縦ロールだしな。
「スラちゃんはどこだ。スラちゃんを返してもらうぞ」
なんか怖かったけど俺は勇気を振り絞って迫った。
「そーだー。スラちゃんを返せー」
「そう、ですわー」
ちみっこ妖精とシアも俺に続く。。
「いいですわよ。あのスライムを返して差し上げても」
ピシッ、と扇子を閉じてから悪役令嬢はそう言った。
あれ? もうちょっと手こずると思ったけど、こんなにあっさりスラちゃんを返してくれるのか?
「ただし……」
そう言った悪役令嬢は俺を扇子で指して、
「あなたが土下座してあの城を私に献上してくれるのならね。オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ」
と、笑いながら大声で要求してきた。
「な、なんだと。。」
くそっ、なんて悪役令嬢だ。スラちゃんを返す代わりに超級マンションを要求してくるとはな。しかも、俺の土下座付きで。
「え~~~い。こうなったらわしの魔法の餌食にするのじゃー。超敏……」
いつの間にかタマが杖を取り出して、あの恐ろしい超敏感魔法を発動しようとしている。
「よしいけー、タマ~~~~~」
誘拐犯から聞き出した悪役令嬢の城が建つ高台の下に俺たちはやってきた。
高台の上には、城壁で囲ってある立派な城が立っている。
俺の超級マンションに嫉妬していると聞いたけど、悪役令嬢の城も随分と立派なものだ。こんな立派な城に住んでるのに俺の超級マンションに嫉妬するなんてなんてやつなんだ。。
そう思って俺は自分の超級マンションが建っている方を見てみた。……、むむ、むむ、ムムム、俺の超級マンションすごい立派だな。なんか令嬢の城がかすんで見えるぞ。
俺がそんなことを考えていると、、
「ここにスラちゃんがいるのー?」
俺の肩にちゃこんと座ったちみっこ妖精が聞いてくる。ちょっと羽根がくすぐったい。
「そうだな。。どうやら、この城のどこかにスラちゃんがいるようだぞ。しかし、スラちゃんを救出するにはどうやってか侵入する必要があるようだな」
「ふん。そんなことわしの飛行魔法にかかれば、一瞬じゃわい。ほれ、みんないくぞーい」
城に侵入するのどうしようかな?と俺が思っていたら、幼女エルフのタマがみんなに飛行魔法をかけると言ってきた。
まあ、分かってたことだけどな。。
「その必要はありません」
!?
「誰だ?」
タマの飛行魔法で俺たちが城に侵入しようとしていたとき、いつのまにか俺たちの目の前に執事服に身を包んだ白髪交じりの男が立っていた。
「あなた方が侵入しようとしている城の執事ですよ。シツージとお呼びください」
シツージは全く表情を動かすことなくそう言った。
「それでそのシツージがなんの用だ」
「なんの用だはこちらのセリフですが。。まあ、いいでしょう。私がここにいるのはお嬢様の命令なのですよ。お嬢様はあなた方を城にご招待するそうです」
……、どういうことだ? 城へ侵入しようとしている人間を城に招待だと? 牢獄へ招待の間違いではないのか……。
「どういうことですの? 侵入しようとしている賊を城に招き入れるなんておかしいですわ」
シアもまったく同じことを思ったようだ。
「いえね。お嬢様はあなた方に、特にヒロセ様に非常に強い興味を持っておられるのですよ。だから、ご招待申し上げているのです」
「そんなことを信じるはずがないだろう」
「ふむ。それでもいいですがね。ですが、この招待を受けたほうがいいと思いますよ。あなた方のお仲間のためにもね……」
なんだと。。つまり、招待を受けないとスラちゃんをボコると言いたいのか。くそー。
「ヒロセー。スラちゃんが。。。」
今のシツージが言いたいことにちみっこ妖精も気づいたようだ。
「ああ。分かっている」
俺はシアとタマに目を向けた。
こくり。
「シツージ、俺たちを城に案内してくれ」
◇
「オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ。やっと会えたわね。ヒロセ。オー、ホッホっホホホ」
城内のとある部屋に案内された俺たちを待っていたのは、オー、ホッホっホホホと扇子を広げて高笑いするお嬢様だった。
よっぽど俺たちを待っていたのか、座っていたソファーから立ちあがり、テーブルに片足をのせてオー、ホッホっホホホと言っている。
きっとこいつが悪役令嬢にちがいないぞ。金髪縦ロールだしな。
「スラちゃんはどこだ。スラちゃんを返してもらうぞ」
なんか怖かったけど俺は勇気を振り絞って迫った。
「そーだー。スラちゃんを返せー」
「そう、ですわー」
ちみっこ妖精とシアも俺に続く。。
「いいですわよ。あのスライムを返して差し上げても」
ピシッ、と扇子を閉じてから悪役令嬢はそう言った。
あれ? もうちょっと手こずると思ったけど、こんなにあっさりスラちゃんを返してくれるのか?
「ただし……」
そう言った悪役令嬢は俺を扇子で指して、
「あなたが土下座してあの城を私に献上してくれるのならね。オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ、オー、ホッホっホホホ」
と、笑いながら大声で要求してきた。
「な、なんだと。。」
くそっ、なんて悪役令嬢だ。スラちゃんを返す代わりに超級マンションを要求してくるとはな。しかも、俺の土下座付きで。
「え~~~い。こうなったらわしの魔法の餌食にするのじゃー。超敏……」
いつの間にかタマが杖を取り出して、あの恐ろしい超敏感魔法を発動しようとしている。
「よしいけー、タマ~~~~~」
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