GM8 Garden Manage 8 Narrative

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正義のジャン

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 家の事は忘れた。忘れるようにと言われたから。

 誓ったのだ、私は生涯自らが何者であるかは語らない。
 なぜそう誓う事になったのか、その事実に興味は無い。知らない方がいいとも云われた。
 知らない事が、正しい事と諭された。つまり、知ってしまう事は悪しき事だろう。
 すでに誓った事だ。
 私は、正義を世にもたらす為に在る者。全てを『無』とし、自らという事さえ失ってもそれだけは変わらない。誓ったのだ。

 誓いこそが私の『正義』

 真実のあり様など関係ない。それは、正義ではないのだと云う事は知っている。私は……真実など求めない。誓いの元に、自らが正義であるが為に。時に、真実にも目を瞑ろう。
 仮面を。
 私に正義の誓いを思い出させた、同時に正義とは何であるかを迷わせた、その為に負った醜い傷を隠す為に。そして同時に、決して全ての『迷い』を見ない為に。
 正義だけを見る為にあえて、私は片方の目を瞑ろう。

*** *** ***

 のどかな所だ。定期的にやってきては脅かす、魔物達の襲撃を除けば。赴任して来て初め、それさえなければこの町は平和だと説明されその通りだと思った。
 高い城壁が三重になったその町は、西に建国された新興国の属領。
 こういう新しい町は他にも沢山ある。新興国は西を収めていた天空国より領土をもぎ取り、たった50年ほど前に独立を果たした。今は大切な時期だ、天空国とは大規模な戦争にはならなかったものの、国の独立を良く思われているわけではない。裏では、それと分からないようにちょっかいを出され続けているし、何かボロがあれば徹底的に叩かれ、いびられているという。
 まぁ私には関係の無い話だ。政治活動を行え、とは教えられていない。
 多くある親戚の中で極めて末席だった私は、親族たちを力と正義によって支える様にと……そういう生き方がが定められている。

 新興国の領土は何も昔、天空国のものだった土地だけではない。他にもいくつかの土地を謀略や、開拓によって取得している。

 この町は開拓新規の一つだ。町の外は肥沃な土地が広がっているが、今はそれに手を付けられる状況ではない。この高い城壁を見ればよくわかる話だろう。
 土地をめぐり、境界を争っている最前線なのだ。
 人に向けて開けていなかった土地には、人とは共存出来ない者達が先住している、よくある話だ。ここはそうやって、天空国でも長らく放っておかれていた所だという。手に負えないので天空国の方であっさりと新興国に分け与えたらしい。だからこそ、我々は全力でこの未開の地を人の手に馴らそうとしている。

*** ***

「おーい、ジャン、どうした?まだ残党がいるのか?」
「……いや」
 血濡れた剣の露をぬぐい、やや長々とこの町の事を思っていた。

 これさえなければこの町は、平和だという。

「死体の処理は他に任せろ、いやぁ、やって来て早々悪いな……」
「これが私の仕事だ、何を構う事がある」
 へつらうような相手の笑みに、私は少し気分を害した。違う、何かが違うな。
 ……そうだ、私と同い年くらいのこの男、一応私の上司ではなかったか。ともすれば、この会話はおかしいな。まるで私の方が偉そうだ。これはいけない。
「……何か、気分を害したか?」
 何時しか私は厳つい顔をしていたのだろう。上司のレベッカが上目づかいにこちらを見ている。私は、慌て膝を折り彼の視線の下に控えた。
「気分を害するべきは貴方の方だ、私は、貴方の命令に忠実な下部でなければならないというのに」
「おいおい、よしてくれ!」
 レベッカはあわてて私の手を取り私を、立たせようとする。私は頑として腰を落とし続けた。
 ようやくレベッカは私を置きあがらせる事を諦め、何故か息を切らせて苦笑う。
「ハァ、噂に聞きし頑固者だなぁ君は。そう堅苦しくっちゃこっちの息も詰まるよ」
「む、それは、失礼した。……どうすれば?」
「あー……まぁ、とりあえず、立って」
 命令とあらば。私はすぐさま立ち上がって、胸に手を控えわずかに頭を傾ける。
「確かに、私は君の上司に当たるが……肩書や、背負っているものの重さで言えば君の方が『勝って』いるし、立派なものだと思っているよ」
 私は……まだ、その時は両の目をどちらも瞑らず見開き、世界を見ていた。同様に、これより私の行く末を導く者をまっすぐに二つの目で見ていただろう。
「……何を驚く?」
「重さなど、何になりましょう。建前などは関係ありません。私は私として貴方に従う、私は、貴方の剣であるようにと申し使っております。貴方はそうして剣を、私という振るえばいいのです」

 家の事は忘れよう。
 私は、国家の為に物言わぬ剣となり、力となってそれを支える。
 それが私に課せられた道、私の、正義だ。

*** *** 

 かくしては私はその町で、レベッカの指揮の元定期的に襲撃してくる魔物達を撃退し続ける日々を送った。襲撃日時は大凡決まっている。城壁の向こうで相手の進撃を止められればそれでよいのだそうだ。
 私は当然と仕事をこなし、淡々と襲撃してくる魔物達を屠った。
 魔物と言うものは本来、このように必ず群れるものではない。なるほど、あちらにも指揮する者達がいるらしい。その中には人間の姿もあったが、敵であるものを屠るに迷いは無かった。私は敵を斬る為にここにいる。姿形、何にも惑わされる事などない、そんな弱い意思は持ち合わせていない。

 私が赴任してから魔物達が城壁を超える事は無くなったそうだ。
 連中、何をしに来るのかと云うと町の物資の略奪をしにくるのだという。なるほどだから襲撃日時の間隔が決まっているわけだ。つまりそれは同時に……魔物連中にも生活があり、生活するに『奪う』という方法を用いているという事だとレベッカは言っていた。そうだろう、しかし、奪うというのは正しいとは思えない。
 なぜ連中の根本を叩かない?
 差し出がましい事と思ったが、一応と訊ねてみた。
 レベッカ曰く、連中のアジトが我々の国の外にあるからだという。
 あくまで境界を超え、危害を与えようとしたものを防衛する目的でのみ私という剣は振るわれるものだという。もちろん根本を絶ってしまってもいいかもしれない。

 だが……そうすると、レベッカは何時もの苦笑いを浮かべて私に言う。

『君がこの町に居る意味が無くなってしまう、君が私の剣ではなくなってしまうだろう?』

 ふむ?
 なるほど……確かに、魔物の襲撃が無くなればこの町は、平和だ。ともすれば、戦う為の武器でしかない私はここに居ても仕方がない。それが正しいかどうかは問うまい。私には、彼の言う事が間違っているとは思わない。正しいのだろう。

 今だからあえて言うが……
 彼が私と言う剣を持ち続けたいという感情は、私には極めて理解しにくいものだったのだ。何を云われているのか皆目理解出来ていなかったと言える。
 正直頭はあまり良くないと自覚している。だから、政治は無理なのは分かっている。

 その代わり私は、剣としては良く機能していると高い評価を受けている。私は、力として正義を示す。力として、私を必要としてくれる。
 それを私が望んでいるわけではない。
 私は、正義でありたいと願っていて、それ以外の何も望みはしていない。力が正義だというのなら、誰かの剣になる事が正義となるならそれでいいと……思っていた。

*** ***

 何時しかすっかり私は町の、守護神のごとく扱われている。私がいなければこの町の平和は続かない、そのようになっていた。人がそういうのであればそうなのだろう。

 しかしそこに一つの邪悪な影が入り込んでいた事に私は、全く気が付けずにいた。
 そして今だから言おう。

 私は、その邪悪がいかなるものであったのか未だに正体がつかめていないのだ。

 正義である私にとって、これほど口惜しい事があろうか!?
 邪悪な存在がある事を察知していて、その正体をつかめず当然とそれを斬る事が出来ずにいるという事なのだ!

 ……燃える砦の外で叫んでいる、人の声。

 一体何が正しくて、一体何が間違いだったのか。
 それでも私は正義でなければいけないのだ。許しなどは請わない。

「待ってくれ、待つんだ、ジャン!」
 相変わらずレベッカは私を上から見ようとしない。
「いいか、こうしなければこの町は持たないんだ!解るだろう?ここは境界を守る城壁の町。平和になったら城壁など保つ必要がない!外部から来る脅威を知り、それを退ける城壁を築き続けなければこの町は成りゆかないんだ!」

 だから貴方は外部の盗賊達と手を組んで、定期的にこの町に『敵』を送り込むのか。

 それが貴方の正義だと言う。でも、この町に住む者達はその正義を認めていない。人々が求めているのは平和だ、平和を守る……私ではないんだ。
 私は、私の正義で事を測り……剣を振り上げる。

「私はこの町の守護神であるという、そのようにしたのも貴方か」
「君を剣として振るい続ける必要があったんだ!分かってくれ、なんとか、なんとか民衆たちの感情を抑えてこの暴動を、無かった事にしなくては!」
「……無かった事に?」
「当然だろう、上に知れたらどうなるか!」
 レベッカ、貴方は自らの保身に走っている。今は、それが分からない私ではない。

 民衆に真実を暴き、暴動を煽った者達が破壊されゆく砦に入り込んできて、私とレベッカを取り囲む。私も責められるかと思ったが……
「ジャン様、悪いのはそいつです!そいつを斬ってください!」
 悪を倒せと囃す声。
 私は、私は、私の正義を貫きたいのだ。
 私の正義は今、どこに?

 そうして、私はレベッカを斬った。
 その時彼の最後の抵抗を甘んじて受けたのは……私が、その時正義というものに迷っていたからだろう。
 袈裟斬りに、大雑把にレベッカを切り下げた時彼が手に持っていたナイフで、強か顔を叩かれた。避ける事も、払う事も出来たと思う。何故だろうか、私は彼の一撃を受け入れたかった。どちらの一撃が『正しい』のか、まるで量るかの様に……。


「大丈夫ですか、ジャン様が怪我をなされた!救護班を!」
「こちらに、この砦は壊れます、外へ」
 右目をナイフで切られ、赤く血が流れる。傷なんて、久しぶりに負ったな。半分視界の奪われた体で、人々の手に導かれるままに私は、歩いた。
 私は彼らに導かれるままに正義を行ったのか。私の意思は、あったのか?
「痕になりますな」
 何者かにそのように囁かれ、致し方ないと私は……不意に意気消沈して思った。
 迷ったのだ。醜い傷だ。
 だがそれを否定はしまい。背負おう。隠さずに……
 しかし、何者かが私に……ふいと、一つの仮面を渡して言った。
「お使いください、どうぞ、それでも外見は人の在り様を時に、誤って伝えます」
 いや、間違ってなどいないと私は、思うのだが。傷を負った私を多くの民衆が取り囲む。誰が、私にその仮面を渡して来たのか……よくわからなかった。
 迫る手が、手が、ゆるやかに私の前で、白い仮面に見慣れない記号を書き記す。

「……これは?」

 右の眼をかばい塞ぎながら、左の目だけで白い、顔の半分を覆い隠すだけの仮面に穿たれた意味を問う。

「これは、東で使われる記号の一つで『正義』……セイギと読みます」
「東の、イシュタルの方か?」
「左様です、ジャン様。貴方には事、この言葉がよく似合う」

 気が付くと私の手にその仮面はあって、振り返ったが誰が私にこの『正義』と東の記号で穿たれた仮面を渡したのかは分からない。

 何故だか……正義である事を侮蔑されたような気がした。
 その言葉はまるで、私を笑っているように感じて、そうしてそれは私がまるで『正義』を侮蔑しているかのようにも思えて気分が悪くなったものだ。
 しかし不思議とその仮面を手放せない。
 これは、私だという。私を表しているという。人々がそう言う。ならば、そうなのかもしれない。

*** ***

 レベッカが死んだ為、だろう。
 魔物たちの襲撃は無くなった。これで私は用済みだ、城壁の中には平和があるのみ。私は平和を守るものだが平和の象徴にはならない。
 なぜなら私は剣なのだから。

 さて、しかしどうするべきか。レベッカの謀殺を国に報告すればこの町はどうなるのか。
 そして私はどのように評価されるのか。

 それに恐れは無いが、何かしっくりこない。

 私は確かにこの手で、この町にあった邪悪を斬れていたのだろうか?
 勘だ、正義であると信じる自分の勘が、斬るべき邪悪は他に居ると告げている。それを斬って初めて私は、この町の平和を真に守れる、そんな気がした。そうして私はそれが、在ると察していながらどこにその切るべき敵がいるのかわからないでいる。それを歯痒く思う。

 地図を広げる。新興国で作られた、新しい西を中心とする地図。
 その東にインクを落としたようなシミがあった。ここは……旧八国で封じられた触れてはならない禁忌の土地。知ってはならぬ土地だそうだ。私もそのように教わった。ならば知るは良くないと思っていた訳だが……不可抗力だな、今はそこがどんなものか私は知っている。

 レベッカが私に教えたんだ。

 そこはあらゆる『悪』が集う庭があるのだという。
 不用意に触れればこの悪が世界に溢れるが為に、多くの国は触れられずにいるのだという。
 そのように正義であろうとする私を大いに焚きつけながら彼は、いつもの苦笑いを浮かべて言ったのだ。

 いつかこの城壁の町が正しく、平和となったなら。
 どうか私と一緒にこの邪悪を攻めてはみないか?正義たる君ならこの、地図に黒いシミとなっている不穏を晴らして真っ白に出来る、そんな気がするんだ。

*** ***

 剣を認め、私は発つ。
 平和となり、やる事が無くなった城壁の町の守護に当たっていた戦士の多くが今、私の後に続き暗闇の森へと進む。続くように促した訳ではない。
 しかし、私とレベッカの秘密の約束をかぎつけていたように、彼らは私の後に続こうとするのだ。
 レベッカは何時かそうするつもりだったに違いない。その為に、今しばらくあの城壁の街を維持する必要があったのだ。その為に城には、屈強な戦士たちが集められていた。
 そうなのだと真実を知るも、真実など……何になるだろう。

 正義の仮面に傷を隠し、私は斬り損ねた悪を探そう。
 私の正義は揺るがない、その証明がしたいのだとうすうすと心積もりを知りつつも、私は私である為にそうしなければいけない。そう思ったのだから、この正義であろうとする心のままに。
 私は悪と言われるものへと惹きつけられている。

 私の名前はジャン・ジャスティ。
 家の事は忘れた。

 醜い傷を隠すこの仮面の意味を伝え、人がそのように呼ぶから今後はそのように、私は自らを呼ぼうと思う。


   終
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作業の隙間があったので手直し更新少し再開。連休中に二話、あとは一週間一編月曜更新で。話は多少前後する事もありますが、比較的起った順番になっています。
 こちらも『異世界創造NOSYUYOトビラ』後の話(8期後半)なので後日譚の一種ですが、トビラに向けてのネタバレはあまり無い方です。同世界シリーズの一つなので、説話は色々と重複します。
更新が一番早いのはエブリスタになるので気になる方はこちらへどうぞ
https://estar.jp/creator_tool/novels/25065679
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