首輪 〜性奴隷 律の調教〜

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R side  見舞い ep4

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ドアが閉まって僕と御主人様二人きりになると、御主人様はまたゆっくりと僕に手を伸ばす。

さっきまで桐山様が居た空間。

僕は、戸惑いながらもその手を両手で握り返す。

僕は、僕を信じて、御主人様と二人きりにしてくれた桐山様を裏切った。

凛様のお誕生日会の日に向けられたような気がした桐山様からの優しさは、もう永遠に望めないかもしれないと思った。

僕はじっとしていられなくて、膝を床に着いて祈るように御主人様の手を握り締めたまま自分の顔の側へと持って行く。

何も出来ない僕は、ただ御主人様の状態が少しでも良くなりますようにと神様に願った。
神様は僕の願いをあまり聞いてくれた事はないけれど、そうせずにはいられなかった。

どれだけ御主人様の手の近くに顔を寄せても、以前のような御主人様の匂いはしない。
薄く薄く、嗅ぎ慣れない薬のような消毒液のような匂いが僅かにするだけだ。
二分しかないならその時間の全てを、御主人様の感触を覚えておくために使いたかった。

「…もどってきて、くれないか」

何も言わずに時間だけが過ぎて行くかと思っていた時、御主人様がはっきりとした声で話し始めた。

「…え……?」

余りの事に僕は何も考えられない。

「…分かるだろう、とうぶん…りんは使えない」

心臓が爆発しそうに鼓動を打つ。

「いま…りつが必要なんだ」

ああ。
神様は別の形で僕に応えてくれた。

御主人様が僕を必要だと言葉にして言ってくれている。
この上ない奇跡が起こっている。

「御主人様、御主人様、僕ーーー…」

御主人様に伝えたいことが沢山あり過ぎて僕は言葉を選べない。

僕が御主人様を必要としているように、御主人様も僕が必要なんだろうか。
いや、僕の千分の一の思いだとしても十分だった。

「…つらい思いを、させたね」

御主人様が、僕の世界で一番大切な御主人様が、僕の気持ちを汲んで話をしてくれているんだ。

こんな時に、とても不謹慎だと分かっていながらも僕は高揚感に目眩を覚える。

僕は必死に首を横に振る。

御主人様が用意してくれた道なら、辛くても苦しくても僕はーーー…。


その時、カーテンが揺れて、部屋に指していた光がきらきらと揺れた。

何色とも言えない、淡い光。

何故か一瞬、御主人様の姿さえも見えないような気がした。

胸の奥で何かが音を立てる。

誰かの優しい声が、聞こえないほど遠くで響く。

僕は、ずっとその光を目で追っていたかった。


「…りつ」

御主人様の声で僕は我に返る。

そして、とても優しい、歪んだ笑顔を僕へと向ける。

「…桐山くんを、ころして、はやくもどっておいで」
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