首輪 〜性奴隷 律の調教〜

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R side  瀬戸宅にて ep5

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僕の体はまださっきの激しい絶頂感を引きずっていた。
しばらくぼんやりとしていたが着ているものを全て脱いだ桐山様の裸に少しの間釘付けになる。
鍛えられた、大人の男の人の体だった。
桐山様も僕より10歳以上は年上だから、若いと表現して良いのか分からないけれど、僕のお客様は皆、僕の父親にあたる年齢よりもずっと年配の人ばかりだったからこういう健全で頑丈そうな体を目の当たりにするのはとても珍しいことだった。

そしてその下の、勃起した太く大きなペニスが嫌でも目に入る。
さっき指一本でのぼり詰めたアナルが、より強い刺激を欲して疼くのが分かる。
僕は無意識のうちに生唾を飲み込む。
僕はこの人に取り入るという本来の目的を忘れぬよう自分に言い聞かせる。
桐山様は足を広げた僕に覆い被さり、正常位で硬い一物を僕のアナルへ押し付ける。僕のものとは全く違う、雄を感じさせる猛々しく熱いペニスだった。
さっき現実のものとは思えない程の快感を味わったせいで、僕の蕾は熟れきって太い男根が欲しくて仕方なかった。
桐山様は僕の顔の両横に手を置き、眉間に皺を寄せたまま深く息を吐いてその一物の塊を僕の中へと一気に突き込んだ。
「ーーーーッイ、ア…!!アアァァ!!」
僕はそのとんでもない質量感に呼吸をすることも忘れて弓なりになる。そして痛みの後に遅れてやって来た、凄まじい快感の波に襲われ大声で喘ぎ叫ぶ。

これが窒息や暴力や射精制限のない、普通のセックスなんだろうか?僕は気が狂いそうになる。
「まだ突っ込んだだけだろうが」
桐山様は暴れそうになる僕の頰を一発平手で殴って両腕を押さえた。
痛みで僕はようやく僅かに正気を取り戻す。
「…ひっ……ぐ……!ふっ、ふぅぅっ……」
僕は下唇を噛んで声を抑えようとするけれど、突き上げられる度に情けない喘ぎ声が口の端と鼻から漏れる。
太いペニスが熟したアナルの奥を掻き回す感覚に寒気に似た快感が走る。
「…どうしたんだよ」
ゆっくり腰を揺らしながら、桐山様が泣き喘いでいる僕の顔を見下ろす。

僕は死ぬ以外の事は何をしても良いということだけが売りの商品だったから、快感だけにこんなに集中したことがない。僕にとってセックスは暴力と常にセットだった。それを、どうやって今説明すればいいのか分からない。

僕が激しく首を横に振ったのを見て、桐山様は僕の言葉を諦め、行為に没頭し始めた。根元まで入ったかと思っていたがそれは思い違いだったようで、体重を掛けて僕の上へのしかかると更に深い場所まで貫かれる。そして僕の体の一番奥を、壊れるほどの強さで刺激し腰を打ち付ける。
「あっ、あっ、あーーーーー!!!ひ、あ…っ…奥、奥ダメ、死ぬ、死んじゃうう!!」
「…っこんなぐらいで死ぬワケねぇだろ」
僕は出したこともないような声で泣き叫ぶ。桐山様は苦しそうだけれど、まだとても冷静なところにいる声だった。僕だけが取り乱し、快感にわなないていた。
僕は再び自分のペニスへ一度も触れないまま達しようとしていた。
ペニスが脈打ち尻の穴が激しく締まる。さっきの射精など無かったかのように、陰嚢には新たな精液が蓄えられ、はち切れんばかりに膨らんでいた。
今度ばかりは桐山様より先に達するわけにはいかなかった。僕は咄嗟に破裂寸前の自分のペニスの根元を掴む。限界ぎりぎりだった絶頂感がほんの僅かだが後退した。もっと早くこうするべきだったんだ。

恐る恐る桐山様を見上げると、どこか面白く無さげに僕の性器を掴んだ手を見ていた。そして律動が速さを増す。その息遣いから、桐山様も限界が近いと分かった。桐山様は僕の腕を離して腰を掴むと、最後の欲望の猛りをぶつけるように腰を振った。
「う、ぁ…っ……!あ、あぁぁ!」
僕の視界は無茶苦茶に揺れ、尻の中の粘膜が擦られる快感に悲鳴を上げる。余りの激しさに、自分を戒めていた手が離れる。僕はどうにか射精しないように下腹部に思い切り力を込めた。その動きが桐山様にも伝わったのか、桐山様は低い雄叫びのような声を上げて、僕の体を雄牛のように突き上げ、そのまま中へと射精した。
その感覚を受け止めるや否や、限界を遠に超えていた僕も精液を自分の腹の上へ勢いよく放つ。二度目とは思えぬ量の白濁が肌の上へと飛び散った。
気持ち良くて死にそうだった。
それはある程度、桐山様も同じなようで、歯を食いしばり吐精の感覚に耐えているようだった。
言葉で許しを得る余裕など、全く残されていなかったことに僕は怯えていたが、桐山様は特に何も言及せず、僕の中で出し切るまで腰を振ってから呼吸を整えていた。

全てが終わってゆっくり桐山様の萎え始めたペニスが体から出て行くと、僕はその質量感の喪失に小さく身震いする。
僕は緩慢な動きで体を起こして、隣に座った桐山様の足の間に顔をうずめて尿道に残った精液を丁寧に吸い上げ、濡れた陰茎を口に含んできれいに舐めた。そのまま桐山様の腹にまで飛んでしまった自分の精液も舐め取っている途中で桐山様はベッドから立ち上がってしまった。
煙草に火を点けながら、客室用の洗面所に向かい、タオルを片手に帰って来て、僕に投げる。どうすれば良いのか分からず、顔に当たって手元に落ちたタオルを見下ろしていると大きなため息を吐くのが聞こえた。
「拭いてシャワーして来い」
僕は小さく頷いて、ベッドから出ようとするが、下半身に力が入らずそのまま床へと派手な音を立てて落ちてしまった。
僕は慌てて立ち上がろうとするが、うまく力が入らない。早くシャワーに行かないといけないのに、こんなことは初めてで、こわくなって必死で床の上で喘ぐ。その時桐山様が僕の腕を掴んだ。僕は咄嗟に顔面をかばうような体勢になる。桐山様はそんな僕を見て舌打ちしてからベッドへ引き上げた。

僕は小さくなったまま、どうすべきが必死に考えていた。セックスの時以外は、僕はベッドにいるべきじゃないのはよく分かっている。
「しばらくここで休んでろ」
窓辺で煙草を吸いながら、もう僕の方を見ずにそれだけ伝えられた。僕はその言葉を聞いて呆然としていた。

僕は御奉仕の後はどんなに大怪我をしても地下室に戻るのが日課だった。同じ空気を吸うのも汚らわしい、と御主人様に言われてからは、僕は自分の役目が終わったらすぐにその場から消えるように努めていた。

僕の知らない色々な感情が混ざって胸の奥がざわつくのが分かる。

僕は小さな声で「はい」と呟き、ベッドに横になって背中を丸めた。
どのくらい休んだら動けるようになるのか考えていたら、体に毛布が掛けられる。
「世話かけさせんな」
頭まで毛布が被せられ、桐山様がどんな顔をしているのかまでは分からなかった。僕はもう何も言えずにいた。頭の中が色々なことでぐちゃぐちゃになって考えがまとまらない。そのまま桐山様の足音が遠くなり、シャワーを浴びる音が聞こえ始める。

ぼくは何故だか、すごく不安になる。大好きな御主人様。僕の神様。僕の世界の全て。僕は心の中で呟く。
目を閉じて、御主人様の笑顔を思い浮かべる。
僕の波立った感情が徐々に落ち着いていく。

そしてゆっくりと目を開ける。
そこには、桐山様が掛けてくれた毛布越しに、柔らかな朝の陽が差していた。

僕の知らない世界。

僕はまだ、そんなものは見たくなかった。


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