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第一章 はじめての共闘、新たな仲間達とともに…
episode1. 記憶
しおりを挟む──いうなればこの世界とは作られるべくしてできあがった世界なのかもしれない… ※※※※・ホールデイ・リンクス
〝──守ってやれ。〟
「いいか。お前はこの世界で妹を守ってやれるぐらい強くなれればいいんだ……」
目の前で死んでいった父のさいごの言葉が声となって今でも心に響く。
血に塗れていたがその大きな手はしっかりと少年の手を握っていた。
家族を失うのは少年には早すぎた。あまりにも若すぎた。
父には生きていて欲しかった。もっと俺が成長する姿をそばで見守っていて欲しかった。何故?どうして死んでしまったの?と今でも思う。
しかし悔やんでばかりもいられなかった。きっと父もいつまでも嘆き続けるおれの姿など望むはずがないだろう。
──生きるなら精一杯悔いのないよう無我夢中でやりたいことをやれ。
嗚呼、分かってるよ父さん。その為に俺は。強くなるために旅に出たんだ。
だけどさ。何を信じたらいい?
いったい何を信じたらこの世界で強く生きて行けるんだ。
大切なものなら知っている。仲間達と自らの唯一の家族である最愛の妹だけだ。
もう一度聞きたいといくら望んでももうこの世界に少年の父はいない。
少年は仲間達を乗せたジープを走らせながら、ふとそんな事を考え思い出していた。悔しくてその特徴的な白い髪を掻き毟る。
ふいに空を見上げると少年の緋色の瞳から頬に水のようなものが流れ少し冷たく感じた。
見わたす限り灰色の空が続いている。
この世界は呪われている。
かの王によって支配され退廃した世界は延々とその支配を象徴するかのように歪み沈み瘴気に充ちていた。
〝──「希望」は必ずある。〟
忘れるな。
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