ロードの箱庭

はが

文字の大きさ
上 下
1 / 3
第一章 はじめての共闘、新たな仲間達とともに…

episode1. 記憶

しおりを挟む


──いうなればこの世界とは作られるべくしてできあがった世界なのかもしれない… ※※※※・ホールデイ・リンクス






〝──守ってやれ。〟

「いいか。お前はこの世界で妹を守ってやれるぐらい強くなれればいいんだ……」

 目の前で死んでいった父のさいごの言葉が声となって今でも心に響く。

 血に塗れていたがその大きな手はしっかりと少年の手を握っていた。

 家族を失うのは少年には早すぎた。あまりにも若すぎた。
 

 父には生きていて欲しかった。もっと俺が成長する姿をそばで見守っていて欲しかった。何故?どうして死んでしまったの?と今でも思う。


 しかし悔やんでばかりもいられなかった。きっと父もいつまでも嘆き続けるおれの姿など望むはずがないだろう。

 
──生きるなら精一杯悔いのないよう無我夢中でやりたいことをやれ。


 嗚呼、分かってるよ父さん。その為に俺は。強くなるために旅に出たんだ。

 だけどさ。何を信じたらいい?

 いったい何を信じたらこの世界で強く生きて行けるんだ。

 大切なものなら知っている。仲間達と自らの唯一の家族である最愛の妹だけだ。

 もう一度聞きたいといくら望んでももうこの世界に少年の父はいない。


 少年は仲間達を乗せたジープを走らせながら、ふとそんな事を考え思い出していた。悔しくてその特徴的な白い髪を掻き毟る。
 ふいに空を見上げると少年の緋色の瞳から頬に水のようなものが流れ少し冷たく感じた。

 見わたす限り灰色の空が続いている。

 この世界は呪われている。

 かの王によって支配され退廃した世界は延々とその支配を象徴するかのように歪み沈み瘴気に充ちていた。


〝──「希望ホープ」は必ずある。〟

 忘れるな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妄想のススメ

makotochan
SF
むしゃくしゃした気分を晴らすために放火をしようとした引っ越し作業員、意地悪され続けた取引相手に暴力を振るおうとした営業マン、態度の悪い容疑者を暴行しようとした刑事、美しい女性客にわいせつな行為をしようとしたタクシー運転手、グループの会費を横領しようとした大学教授、不満に感じたレストランをSNSで誹謗中傷しようとした女性弁護士、彼らは皆、妄想保険なるものを手に入れたことで、人生の階段を踏み外すことを避けることができた。 妄想保険とは、一回限り、過激な行動に走り出そうとする寸前に頭の中で自動的に妄想が広がることで感情を抑えることができるという、あの世からの贈り物だった。 一方、国に両親を殺されたと思い込み、国に復讐するための計画を立てていた兄弟がいた。 兄弟は、計画の準備に長年の月日を費やした。 そして、満を持した兄弟が計画の実行をスタートさせた。 そんな兄弟の人生と妄想保険で危機を回避した六人の人生とが交差した。 六人の行動が兄弟の計画の実行を間接的に妨害するアクシデントが次々と発生した。 さらに、兄弟の兄が交通事故に巻き込まれ、意識不明な状態となった。 一人残された弟は、兄との約束を果たすために一人で計画を実行するべきなのかどうかについて葛藤を続けた。 そして、一人で計画を実行する決断をした。 決行当日、またしてもアクシデントが弟を襲った。 そんな中、弟は、死んだ両親が自分たちに宛てて残した思いがあることに気が付いた。 思いとは、兄弟が抱き続けてきた執念を一八〇度転換するものだった。 弟は、復讐が叶ったときの姿を妄想しながら計画の実行を断念することを決断した。 そんな弟に奇跡が起きた。兄の意識が戻ったのだった。 兄のもとに駆け付けた弟は、今後自分たちが歩むべき道について兄を諭した。 その思いは、兄に伝わった。

試験をクリアするまで夜は明けない!!

アカアオ
SF
2060年の地球。世界中は人類の技術の進歩を促進させることに力を入れており教育の分野についての研究や新たな教育方法の実践などの様々な行いをしていた。 世界中が学生たちを全員天才に育てあげるかのような勢いで試行錯誤を繰り返す中、我が国日本ではVR教育システム「極夜の庭」を使った世界初の教育がなされていた。 それは学生たちの欠点をVR世界内で実体化させ、欠点を子供たちに自覚させることであった。 「きっと大丈夫、こんなにたくさん調べたんだから……大丈夫」 極度の心配性である秋乃奏(あきのかなで)は、自信満々で自分の世界に入り込んでしまいがちな天野理夜(あまのりや)を筆頭とする問題児たちと様々な試験に挑む。

3000年後の地球からやって来た未来人

ケイ・ナック
SF
SFショートショート

80日間宇宙一周

田代剛大
SF
――厄介な侵略者は、突然宇宙の果てからやってくる。 高度な知性を持つ異星人が巨大な宇宙船に乗って襲来し、その都市で一番高いビルを狙って、挨拶がわりの一発をお見舞いする。 SF映画でお馴染みのシーンだ。 彼らは冷酷非情かつ残忍で(そして目立ちたがりだ)、強大な科学力を武器に私たちの日常を脅かす。 その所業は悪そのものと言ってもいい。 だが、敵に知性や感情があり、その行為が侵略戦争ならば、場合によっては侵略者と交渉の余地はあるのではないだろうか。 戦争とは外交手段の一つだという人がいる。 これまでの戦争でも、宣戦布告もせずに敵国を奇襲した卑劣な独裁者はたくさんいたのだから、戦況によっては、ひとつのテーブルを囲み、恐るべき侵略者と講和会議をすることだって可能なはずだ。 それは現実離れした希望的観測だろうか? ☆ では現実の話をしよう。 長身で色白の美人だが、彼女はスーパーモデルでもハリウッド女優でもない。 冥王星宇宙軍のミグ・チオルコフスカヤ伍長(31)は、太陽系の果てで半年に4回ほど実際に侵略者と戦っている百戦錬磨の軍人だ。 彼女がエッジワースカイパーベルトという場所で、相手にしている敵のパワーは強烈だ。 彼らには、たった一つで全人類を73回分絶滅させるだけの威力があり、さらにその数は確認されているだけでも2千を超える。 最近の観測では、その百倍は存在するらしい。 現実の敵は絶望的に強く、さらに強すぎて私たちのような小さな存在など、認識すらしていないのだ。 私たちが大地を踏みしめるとき、膨大な数の微生物がその足の下敷きになって死んだと仮定しよう。 果たしてそれは、人類の土壌生物に対する侵略戦争と言えるのだろうか? 攻撃をするものと、されるものとのあいだに、圧倒的なスケールの差が存在する場合、それは戦争とか外交とか、そういった次元の話ではなくなる。 それは不条理な事故であり、理由のない大量虐殺なのだ。 ☆ だから、冥王星の軍人たちは、決まってこうつぶやく。 もしもこれが“戦争”であったらどんなに素晴らしいことか、と。 たとえ侵略者が冷酷非情で残忍だろうと、言葉が通じるならば、終戦の可能性は0ではない。 だが残念ながら、この敵に決して言葉は通じない。 彼らは目的もなく人を殺す。 彼女たちが戦っている相手は、小惑星――ただの石と氷の塊だ。

天改新ゼーベリオン ~願いを叶えるロボで多世界統一~

蒼川照樹
SF
人々から不要の烙印を押されて、蔑まれて生きる少年ホシノ。ナルシストな軍人の魔の手から、恩人の娘である美少女アトリアを助ける為に、軍人に立ち向かうもボッコボコに返り討ちに合う。しかしその時、特殊なロボット《ゼーベリオン》と共に、あそこに毛も生えてない全裸少女スピカが現れて、ホシノの運命は変わる。無限に宇宙が存在する世界で、幻想世界や現実世界、未来世界を渡り歩きながら、やがて全宇宙を統一する神になるための物語。天を改め一新する次世代型セカイ系ロボアクション開幕!! ※運命世界編では主にSF、チート、ハーレム、学園要素があります。今後の予定では異能、魔法、SF、サスペンス、戦争、ミステリ、恋愛、青春等々、物語の全ジャンルをゼーベリオンという作品に統括するつもりです。 ※感想&お気に入りはモチベに繋がるので随時受付中です

Melting Dead 最弱の科学者が紡ぐ世界

tartan321
SF
伊東隆司は最難関の受験を突破して、科学技術の頂点である国立科学院に入学した。 医学を志した隆司の興味、それは、永遠の生命(エターナルライフ)であった。当然、国立科学院でも研究が行われていた。才能を買われた隆司も、研究に参加することになったのだが……。 時間軸、人間の相互関係などの幅を広めた作品になるかと思います。

銀河戦国記ノヴァルナ 第1章:天駆ける風雲児

潮崎 晶
SF
数多の星大名が覇権を目指し、群雄割拠する混迷のシグシーマ銀河系。 その中で、宙域国家オ・ワーリに生まれたノヴァルナ・ダン=ウォーダは、何を思い、何を掴み取る事が出来るのか。 日本の戦国時代をベースにした、架空の銀河が舞台の、宇宙艦隊やら、人型機動兵器やらの宇宙戦記SF、いわゆるスペースオペラです。 主人公は織田信長をモデルにし、その生涯を独自設定でアレンジして、オリジナルストーリーを加えてみました。 史実では男性だったキャラが女性になってたり、世代も改変してたり、そのうえ理系知識が苦手な筆者の書いた適当な作品ですので、歴史的・科学的に真面目なご指摘は勘弁いただいて(笑)、軽い気持ちで読んでやって下さい。 大事なのは勢いとノリ!あと読者さんの脳内補完!(笑) ※本作品は他サイト様にても公開させて頂いております。

♡女子高生と黒ずんだアレ◆ 〜△本小説には、一部刺激の強いシーンがあります(R15♡)〜

大和田大和
SF
◆◇「私まだ女子高生なのに……子育て?」◇◆ ○突然ですが、女子高生を妊娠させる方法を知っていますか? 『知りません』と答えたピュアなあなた! この小説はあなたにはまだ早いかもしれません。 あなたは今すぐブラウザバックして他の小説を読んでください。(おすすめはリゼロです!) ●本小説では、たくさんの女性が妊娠します。女子高生の妊娠に興味がない人は読むことを推奨しません(リゼロの方が面白いのでそちらを読んでください!) ○それでは以下があらすじと本編の妊娠シーンです。(リゼロが見たい方はブラバして、長月達平で検索してください!) ◆◇【あらすじ】◇◆ 世界中に突如、謎の黒い箱が出現した。 それは大きさ三〇立法センチほど。 宛名も差出人もなく、ただ『開けないでね』とだけ書かれている。 ある箱は公園のベンチの上に置かれ、別の箱は浜辺に流れ着き、また別の箱は普通にポストに届いたりした。 箱を開けるとその中には、気持ちがいいことをした時にできるアレが入っていた。 この物語は、一人の女子高生が子作りと子育てをするお話。 ◆◇【妊娠】◇◆ 男は白いシーツがかかったベッドを指差し、私にこう言った。 「いいか? お嬢さんは今から俺にここで妊娠させられるんだ? 何をされるかわかるな?」 私はこくんと力なく頷いた。 「嬢ちゃんはベッドでの経験はあるのか?」 私は首を横にフルフルと振った。 「そっか女子高生だもんな。処女だろうな……へへ。安心してくれ、大人しくしてれば痛くしないから……よ?」 男は、ニヤケ面で私の体に視線を這わせた。太もも、胸の谷間、そして股間のあたりをジロジロと見られた。 彼は私をベッドに座らせると、 「今から俺と何するか言ってみな?」 そして、私はこう答えた。 「…………生で……セック(本編へ続く♡)」 (◎本小説は、カクヨムなどで重複投稿しています。詳しくはプロフで)

処理中です...