12 / 21
12. 俺が「愛しい女を溺愛する部屋」から一歩も外に出たくない理由(※)
しおりを挟む
ーーー今日こそ、僕は、彼女にプロポーズをする。
彼女にプロポーズをすると決意してから、なんと一年半。
夜景、レストラン、遊園地、旅行など、プロポーズの人気スポットに行っては、彼女に何も言えずに帰る……という失敗を繰り返している僕。
だというのに、新居候補の新築マンションだけは一人で見に行ったという、あまりのヘタレかつ拗らせ具合に、同期の親友には笑われた。
ーーーでも、今日こそ言うんだ。
今日は動物園デート。
数々の失敗から、『いつもの場所で、何気なく言うのが僕に合っているはず』と思って、意気込んで来たのに。
……動物園でも、僕は結局、何も言い出せないでいる。
僕は彼女の方を見た。
彼女は微笑ましそうに2匹で駆け回るオオカミ達を見ている。
展示パネルを見て、彼女が言う。
「悠くん、この二匹、番なんだって!」
「ふぅん、仲良さそうだもんね」
彼女が、更に説明を読み進める。
「オオカミって唯一の番と生涯連れ添うんだ。……いいなぁ」
僕に言った、というよりも、思わず口をついて出た、と言う口振りだった。
だというのに、僕の口からはするりと言葉が出た。
「僕達みたいだね」
言った途端、僕は焦った。
僕は彼女が初恋で、恋愛に関するあらゆる経験は彼女が初めてで、彼女が全てだった。彼女と結婚したいと思っているし、生涯連れ添いたいと思っている。だから『唯一の番と生涯連れ添う』は、僕にも当てはまると思った。
でも、彼女は?彼女の初体験は僕だったけれど、キスや他の経験は違ったのかもしれない。それに、未来も僕と一生連れ添う気持ちがあるかなんてわからない。
『重い男だ』って、引かれてしまったらどうしよう?
内心かなり焦っていた僕。
だけど。
彼女は蕩けるような笑みを浮かべて言った。
「そうだね」
ーーーああ、そうか。彼女も僕と同じ気持ちでいてくれてるんだ。
そう思った瞬間、突如固まる僕の決意。
ーーー今だ。
僕の心臓はバクバク鳴る。
言え、プロポーズするなら今だ。「僕と結婚してください」って言うんだ、僕。
だけど、僕の口から出た言葉は。
「僕、葵の親に挨拶したいと思ってる」という、結婚の『け』の字も入っていない、なんとも曖昧で情けない言葉だった。
だけど、そんな僕の一言にも、彼女は「嬉しい」と言って、僕の大好きな満面の笑みをくれた。
僕は幸せを噛み締めた。
……でも、きっと、同期の親友にこの顛末を話したら、やっぱり笑われるんだろうな。
***
俺の意識はゆっくりと浮上する。
俺は、またソファで居眠りをしていたらしい。
本日2回目である。
……疲れているのか、俺?
いや、外での生活は一日中飛び続けることもあるのだから、疲れているなんてことは無いだろう。
変わったことといえば、今世初の性行為を昨日から5回ほど。
でも、それももっとハイペースでも大丈夫そうだ。アイデシアの体が大丈夫なら、もっとたくさんしたい。
しかし、そうだ。
今日はアイデシアに告白して、今後の展望と共に『俺の番になってください』と伝えるんだったな。
……前世のプロポーズみたいだ。
問題は、どのタイミングで言うか、だな。
前世の知識によると『男の言葉が信用できるタイミング』は吐精後らしい。
男は射精したい気持ちを恋心と勘違いする生き物だから、行為前や吐精前に告白するのは良くないようだ。
ということは……理想は、吐精後のイチャイチャのんびりタイム、か。
……しかし。
うーむ、と俺は考える。
俺は常にしたい訳だから、常に行為前か吐精前のタイミングになってしまわないか?
いつ、イチャイチャのんびりタイムが作れるのか疑問だ。
それに今日は、風呂上がりにメインイベントも待っている。その後は大いにベッドでも盛り上がりたい!
……よし!メインイベントが終わって、ベッドで盛り上がり終わった後の、イチャイチャのんびりタイムに伝えよう!
寝起きの頭でプロポーズ計画を立てたところで、俺はアイデシアがいないことに気付く。
そうだ。アイデシアとは研究室に行く前に分かれたのだった。
周りを見渡すと、アイデシアはまだ帰っていないようだ。
……落ち着かない。
少し離れただけなのに、心に小さな穴が空いたように感じる。
やっぱり俺はアイデシアと絶対に離れてはいけない。
改めて痛感する。
そろそろ戻る頃だろうか?
俺は気持ちを紛らわせるため、キッチンへ向かい、紅茶の準備をしながらアイデシアを待つことにした。
◇
食器棚からポットとティーカップを取り出す。
ポットに茶葉を入れ、魔道具のケトルをセットしたところで、玄関のドアがガチャリと開く音がした。
「ユークリッド様、ただいま戻りました」
「アイデシア、おかえり」
思わず顔が綻んでしまう。
アイデシアの不在による心の穴が、幸福感によって塞がれていくのを感じた。
アイデシアは、俺が紅茶を準備する様子を見て、焦ったようにやって来た。
「ユークリッド様、すみません!私が淹れますよ」
「いいや。俺が淹れるから、ゆっくりしてろ」
「……すみません。ありがとうございます」
ポットにお湯を注ぐ俺に、アイデシアは眉を下げながら礼を言う。
お湯を注ぎ終えた俺は、アイデシアの腰を抱いて引き寄せた。
すると、何故かアイデシアが眉間にシワを寄せていた。
ドライヤーの時にも見せた、何やら複雑そうな顔だ。
俺はその眉間にキスをして、言った。
「どうした?複雑そうな顔をしているが」
「ユークリッド様は、……紅茶を淹れるのも慣れてらっしゃるんですね」
「ああ……昔、よく淹れていたような覚えがある」
これも前世の知識なのだろう。
あまり一人の時は淹れようと思わないが、今みたいに二人の時間を楽しみたい時には良いものだな、と思う。
「アイデシアは、よく紅茶を淹れるのか?」
「ええ。昨日まで住んでいた部屋で、よく淹れておりました」
程よい加減になった紅茶を、カップに注いでいく。
「昨日までは一人で住んでいたのか?」
「ええ。この部屋と同じく人間用の居住スペースに、ワンルームのお部屋を用意していただいておりました。ですが、月に一度の観覧解放日だけは、研究所の生物飼育スペースにあるドラゴン用の居室で、ドラゴン型で過ごしております」
「へぇ。ドラゴン用の居室まであるのか。お前は美しい銀髪だから、……鱗は銀色か?」
「……ええ。ユークリッド様の鱗は赤色でしょうか?」
「ああ、そうだ。ここでドラゴン型になる訳にはいかないと思うが、そのうち、ドラゴン型のお前も見てみたいものだな」
俺がそう言うと、アイデシアが、ふふっと可愛らしい笑みをこぼして言った。
「……ここで巨大なドラゴン型になると、お部屋……というか建物を破壊してしまいますもんね。ドラゴン用の居室に行けば、お見せできますよ。ティータイムの後、一緒に行きますか?」
うーむ、と俺は考える。
ドラゴン型のアイデシアを愛でたい気持ちもあるのだが。
「……いや、今日はいい。
ティータイムが終わったら、さっきまで離れていた分、アイデシアを堪能したいからな」
「!!!」
アイデシアが真っ赤になる。
ティーカップをリビングテーブルに置いた俺は、真っ赤になったままのアイデシアを抱き上げ、ソファに座る。
アイデシアを横抱きするような体勢で膝に乗せた。
紅茶を一口飲んだあと、俺はひと口大に切ったパンケーキに生クリームをたっぷり付けて、アイデシアの口元に運ぶ。
アイデシアは少し照れたように、「いただきます」と言って口を開けた。
パンケーキを頬張るアイデシアも愛らしい。
アイデシアは食事のたび、あまりにも幸せそうに食うので、見ている俺まで幸せな気持ちになる。
「美味しいです……!」
そう言うアイデシアが心底愛しくなった俺は、アイデシアの口元に付いた生クリームを、ペロリと舐めた。
「ああ、美味いな」
「ユークリッド様……!」
アイデシアは真っ赤になって狼狽えた。
うーん、可愛い。
……アイデシアは俺の悪戯心を煽る天才だ。
次に、俺はチョコクリームをたっぷりとパンケーキに付ける。
そして今度は、わざとアイデシアの唇にクリームをべとりと塗りつけてから、パンケーキを口元に運んだ。
「ユークリッドさ……むぅ?!」
驚き声を上げるアイデシアにパンケーキを頬張らせ、その唇を俺の唇で塞いだ。
そして、アイデシアの唇に付いたチョコクリームを舌で舐め取っていく。
「ん……ふぅ」
合わさる唇の隙間から、アイデシアの艶めかしい吐息が漏れる。
ああ、このまま押し倒したい。
唇を離すと、アイデシアに睨まれた。
「……ユークリッド様!」
「すまんすまん、あまりにお前が美味くてな」
「何を言ってるんですか!……もう!」
まずい、このままではアイデシアをまた怒らせてしまう!
唇への悪戯は、そのまま押し倒したくなってしまうからやめておこう。
フルーツソースをたっぷり付けたパンケーキを、今度はアイデシアの頬に付けてから口元に運ぶ。
そして、アイデシアのぷっくりした頬に付いたフルーツソースをペロリと舐める。
「ユークリッド様?!まさかわざと……?!」
俺は答える代わりにニッコリ微笑み、また、アイデシアの口元にパンケーキを運ぶ。
次は鼻に付けようかなと思い、そちらにパンケーキを運ぶと、……たっぷりと付けた蜂蜜がトロリとアイデシアの胸元に落ちた。
「ユークリッド様?!」
「すまんすまん、今のはワザとじゃないんだ。すぐに拭うから」
「……え?!」
落ちてしまったのだから、しょうがないよな。
俺はアイデシアのシャツワンピースのボタンを2つほど外し、胸元に落ちた蜂蜜をペロリと舐めた。
「……んっ」
甘く可愛らしい声を漏らした後、真っ赤になったアイデシアが涙目で俺を睨む。
「先ほど、『ティータイムが終わったら』と仰っていたのに……っ!」
「ああ、もちろん。まだティータイムだ」
そう言って俺は、パンケーキを一切れフォークに刺す。
蜂蜜はなかなか良い働きをするようだ。
……次も蜂蜜にしよう。
俺はパンケーキに蜂蜜をたっぷり付けて、アイデシアの口元に運ぶ。蜂蜜はトロリとアイデシアの胸元に落ちる。既に露わになっている谷間を伝い、ブラジャーに付着しそうになる。
真っ赤になったアイデシアが涙目で言う。
「ユークリッド様、悪戯はもうおやめください!衣類が汚れてしまいます」
「そうだな。このままだと汚れてしまうな」
俺はアイデシアのシャツワンピースのボタンを腹まで外し、腕を引き抜く。
「えっ……何を?!」
「こちらも汚れてしまうな」
ブラジャーのホックを外し、脱がせてしまう。
「アイデシア、これで汚れないぞ」
「ゆ、ユークリッド様……!!!」
アイデシアは更に頬を紅潮させ、涙目で俺を見る。
その顔が俺を煽るというのに。
俺はアイデシアの双丘の谷間の蜜を舐め上げた。
パンケーキをアイデシアの口元に運び、俺は何度も何度も蜜を落とす。
アイデシアの白い首筋に。美しい鎖骨に。むっちりした双丘に。ふわふわの二の腕に。
落とした蜜と、アイデシアの体を堪能する。
「……ぁんっ……」
アイデシアが可愛い声を漏らす。
「……アイデシアは本当に美味いな」
俺がそう言うと、アイデシアは真っ赤になって、涙を滲ませ上目遣いで俺を睨んだ。
そして、か細い声で言った。
「……ユークリッド様の意地悪」
か、可愛い!可愛いすぎるぞ!!アイデシア!!!
アイデシアを脱がせてしまったのはいいが、この状態で我慢するのはかなりキツい。
今度こそ、このまま押し倒したい気持ちになり、俺はパンケーキの最後の一切れをアイデシアの口元に運ぶ。
最後は蜜を落とさず、アイデシアが咀嚼する間にシャツワンピースのボタンを全て外して、剥ぎ取った。
「アイデシア、食べ終えたな。では……」
よーし、押し倒すぞ!
アイデシアを横たえようとしたら、……アイデシアがニッコリ微笑んで言った。
「ユークリッド様、まだ、ティータイムですよ?」
その妖艶な笑みは、アイデシアが今まで見せたことのない類のものだった。
「え?」
「ユークリッド様はまだ、パンケーキを召し上がっていません」
「え、もういいよ。俺はアイデシアを食べたい」
「ダメです。はい、あーん」
えーーー!!!
ショーツ姿のアイデシアを前に、押し倒せないとか、どんな拷問だ!
……と思ったら、アイデシアは俺の唇にわざとクリームを付けた。
「アイデシ……んっ」
アイデシアが俺の唇のクリームを舐める。
俺の唇を覆うぽってりとした唇。俺の唇を拭う小さな舌。俺の胸にむぎゅっと押し当てられる剥き出しの双丘。
ーーーまずい!これは非常にまずい!!!
唇が離れた瞬間、俺はアイデシアに訴えた。
「アイデシア!一刻も早く押し倒したい……!」
「ユークリッド様、ダメですよ?まだティータイムです」
うわあああ仕返しされている!!!
なんて拷問だ!!幸せすぎるけど!!!
アイデシアは俺の胸元にワザと蜂蜜をこぼす。
蜜は、俺の平らな胸をどんどん下へ伝っていった。
すると、アイデシアは俺のシャツのボタンを外していく。
そしてアイデシアは、俺の胸元に伝った蜂蜜を舌でつぅっと舐めとった。
「ーーーっっうぁ」
ゾクゾクする刺激に思わず声が漏れてしまった。
「ユークリッド様……」
アイデシアを見ると、なんとも嬉しそうな妖艶な微笑みを浮かべていた。
おいおいおい!アイデシアは根っからのM属性だと思ってたんだが?!
でも、この一連の仕返しと、この微笑み。
……ま、まさか、アイデシアはS属性も持ってるのか?!
最高だろ!!!!!おい!!!!!
アイデシアは俺のシャツのボタンを全て外し終え、脱がせてしまう。
そして、俺の口元にパンケーキを運ぶ度にわざと蜜を落としては、俺の胸や腹筋を舐める。
アイデシアのぽってりした唇が、小さな可愛い舌が、俺の肌を這う感触が、とんでもない快感を生み出す。
押し倒したい!!!もーほんと無理!!!
幸せだけど、耐えられない!!!
必死な思いで皿を見ると、パンケーキはあと二切れだった。
ーーーあと二切れ。
あと二切れで、この甘美な拷問が終わり、アイデシアをいただける。
アイデシアが、俺の口元にパンケーキを運ぶ。
すると、蜂蜜が、なんと俺の胸の蕾に……落ちた。
「……」
いや、待て。待つんだ。アイデシア。
そこは、俺も流石に、自重したんだぞ?
そんな思いで、アイデシアを見ると。
「ユークリッド様……」
紫水晶の瞳がギラリと光る。アイデシアは今はヒト型なのに。
ーーーその瞳の獰猛さは、ドラゴンのそれだった。
ああ、ダメだ。完全にS属性の顔だ。
アイデシアはうっとりとした表情で、俺の蕾に付いた蜂蜜をつうっと舐め上げた。
「ーーーーーっっっ」
うわぁああああああああああ!!!!!
アイデシアはそのまま俺の蕾全体を唇に含み、尖りを舌で転がす。
「ーーーっ、ーーーっっ、ーーーっっっ」
ちょっと待て!上手い!!上手すぎるだろ!!!
このままじゃ、出る。出る!無理!!無理!!!
俺はアイデシアの両肩を掴んで引き剥がした。
俺、ちょっと涙目になってるかもしれない。
「おい!アイデシア!!!どこで、そんなの、覚えた?!」
アイデシアは妖艶な顔を少しキョトンとさせ、首を傾げて言った。
「……ユークリッド様の真似、ですよ?」
うわーーー!!!おい!!!最高かよ!!!!!
しかもこの顔!!!この角度!!!!可愛いすぎるだろ!!!!!
いや、もうほんと無理!!!1秒たりとも我慢できない!!!!!
俺はパンケーキの最後の一切れをわし掴み、頬張り、紅茶で流し込んだ。
「……アイデシア」
俺はアイデシアを見て、ニッコリ微笑む。
「今度こそ、ティータイムは、終わったぞ?」
「」
アイデシアが口を開く前に、俺はその唇に貪り付いた。
「んんっ……んぅっ……」
そのままアイデシアをソファに横たえ、ショーツを脱がせ、俺はアイデシアに跨る。
ーーー形勢逆転だ。
俺は唇を離し、蜂蜜の皿を手に取った。
「覚悟は出来ているだろうな?アイデシア」
「……っ」
その瞬間、アイデシアの表情が完全なM属性に戻った。
彼女にプロポーズをすると決意してから、なんと一年半。
夜景、レストラン、遊園地、旅行など、プロポーズの人気スポットに行っては、彼女に何も言えずに帰る……という失敗を繰り返している僕。
だというのに、新居候補の新築マンションだけは一人で見に行ったという、あまりのヘタレかつ拗らせ具合に、同期の親友には笑われた。
ーーーでも、今日こそ言うんだ。
今日は動物園デート。
数々の失敗から、『いつもの場所で、何気なく言うのが僕に合っているはず』と思って、意気込んで来たのに。
……動物園でも、僕は結局、何も言い出せないでいる。
僕は彼女の方を見た。
彼女は微笑ましそうに2匹で駆け回るオオカミ達を見ている。
展示パネルを見て、彼女が言う。
「悠くん、この二匹、番なんだって!」
「ふぅん、仲良さそうだもんね」
彼女が、更に説明を読み進める。
「オオカミって唯一の番と生涯連れ添うんだ。……いいなぁ」
僕に言った、というよりも、思わず口をついて出た、と言う口振りだった。
だというのに、僕の口からはするりと言葉が出た。
「僕達みたいだね」
言った途端、僕は焦った。
僕は彼女が初恋で、恋愛に関するあらゆる経験は彼女が初めてで、彼女が全てだった。彼女と結婚したいと思っているし、生涯連れ添いたいと思っている。だから『唯一の番と生涯連れ添う』は、僕にも当てはまると思った。
でも、彼女は?彼女の初体験は僕だったけれど、キスや他の経験は違ったのかもしれない。それに、未来も僕と一生連れ添う気持ちがあるかなんてわからない。
『重い男だ』って、引かれてしまったらどうしよう?
内心かなり焦っていた僕。
だけど。
彼女は蕩けるような笑みを浮かべて言った。
「そうだね」
ーーーああ、そうか。彼女も僕と同じ気持ちでいてくれてるんだ。
そう思った瞬間、突如固まる僕の決意。
ーーー今だ。
僕の心臓はバクバク鳴る。
言え、プロポーズするなら今だ。「僕と結婚してください」って言うんだ、僕。
だけど、僕の口から出た言葉は。
「僕、葵の親に挨拶したいと思ってる」という、結婚の『け』の字も入っていない、なんとも曖昧で情けない言葉だった。
だけど、そんな僕の一言にも、彼女は「嬉しい」と言って、僕の大好きな満面の笑みをくれた。
僕は幸せを噛み締めた。
……でも、きっと、同期の親友にこの顛末を話したら、やっぱり笑われるんだろうな。
***
俺の意識はゆっくりと浮上する。
俺は、またソファで居眠りをしていたらしい。
本日2回目である。
……疲れているのか、俺?
いや、外での生活は一日中飛び続けることもあるのだから、疲れているなんてことは無いだろう。
変わったことといえば、今世初の性行為を昨日から5回ほど。
でも、それももっとハイペースでも大丈夫そうだ。アイデシアの体が大丈夫なら、もっとたくさんしたい。
しかし、そうだ。
今日はアイデシアに告白して、今後の展望と共に『俺の番になってください』と伝えるんだったな。
……前世のプロポーズみたいだ。
問題は、どのタイミングで言うか、だな。
前世の知識によると『男の言葉が信用できるタイミング』は吐精後らしい。
男は射精したい気持ちを恋心と勘違いする生き物だから、行為前や吐精前に告白するのは良くないようだ。
ということは……理想は、吐精後のイチャイチャのんびりタイム、か。
……しかし。
うーむ、と俺は考える。
俺は常にしたい訳だから、常に行為前か吐精前のタイミングになってしまわないか?
いつ、イチャイチャのんびりタイムが作れるのか疑問だ。
それに今日は、風呂上がりにメインイベントも待っている。その後は大いにベッドでも盛り上がりたい!
……よし!メインイベントが終わって、ベッドで盛り上がり終わった後の、イチャイチャのんびりタイムに伝えよう!
寝起きの頭でプロポーズ計画を立てたところで、俺はアイデシアがいないことに気付く。
そうだ。アイデシアとは研究室に行く前に分かれたのだった。
周りを見渡すと、アイデシアはまだ帰っていないようだ。
……落ち着かない。
少し離れただけなのに、心に小さな穴が空いたように感じる。
やっぱり俺はアイデシアと絶対に離れてはいけない。
改めて痛感する。
そろそろ戻る頃だろうか?
俺は気持ちを紛らわせるため、キッチンへ向かい、紅茶の準備をしながらアイデシアを待つことにした。
◇
食器棚からポットとティーカップを取り出す。
ポットに茶葉を入れ、魔道具のケトルをセットしたところで、玄関のドアがガチャリと開く音がした。
「ユークリッド様、ただいま戻りました」
「アイデシア、おかえり」
思わず顔が綻んでしまう。
アイデシアの不在による心の穴が、幸福感によって塞がれていくのを感じた。
アイデシアは、俺が紅茶を準備する様子を見て、焦ったようにやって来た。
「ユークリッド様、すみません!私が淹れますよ」
「いいや。俺が淹れるから、ゆっくりしてろ」
「……すみません。ありがとうございます」
ポットにお湯を注ぐ俺に、アイデシアは眉を下げながら礼を言う。
お湯を注ぎ終えた俺は、アイデシアの腰を抱いて引き寄せた。
すると、何故かアイデシアが眉間にシワを寄せていた。
ドライヤーの時にも見せた、何やら複雑そうな顔だ。
俺はその眉間にキスをして、言った。
「どうした?複雑そうな顔をしているが」
「ユークリッド様は、……紅茶を淹れるのも慣れてらっしゃるんですね」
「ああ……昔、よく淹れていたような覚えがある」
これも前世の知識なのだろう。
あまり一人の時は淹れようと思わないが、今みたいに二人の時間を楽しみたい時には良いものだな、と思う。
「アイデシアは、よく紅茶を淹れるのか?」
「ええ。昨日まで住んでいた部屋で、よく淹れておりました」
程よい加減になった紅茶を、カップに注いでいく。
「昨日までは一人で住んでいたのか?」
「ええ。この部屋と同じく人間用の居住スペースに、ワンルームのお部屋を用意していただいておりました。ですが、月に一度の観覧解放日だけは、研究所の生物飼育スペースにあるドラゴン用の居室で、ドラゴン型で過ごしております」
「へぇ。ドラゴン用の居室まであるのか。お前は美しい銀髪だから、……鱗は銀色か?」
「……ええ。ユークリッド様の鱗は赤色でしょうか?」
「ああ、そうだ。ここでドラゴン型になる訳にはいかないと思うが、そのうち、ドラゴン型のお前も見てみたいものだな」
俺がそう言うと、アイデシアが、ふふっと可愛らしい笑みをこぼして言った。
「……ここで巨大なドラゴン型になると、お部屋……というか建物を破壊してしまいますもんね。ドラゴン用の居室に行けば、お見せできますよ。ティータイムの後、一緒に行きますか?」
うーむ、と俺は考える。
ドラゴン型のアイデシアを愛でたい気持ちもあるのだが。
「……いや、今日はいい。
ティータイムが終わったら、さっきまで離れていた分、アイデシアを堪能したいからな」
「!!!」
アイデシアが真っ赤になる。
ティーカップをリビングテーブルに置いた俺は、真っ赤になったままのアイデシアを抱き上げ、ソファに座る。
アイデシアを横抱きするような体勢で膝に乗せた。
紅茶を一口飲んだあと、俺はひと口大に切ったパンケーキに生クリームをたっぷり付けて、アイデシアの口元に運ぶ。
アイデシアは少し照れたように、「いただきます」と言って口を開けた。
パンケーキを頬張るアイデシアも愛らしい。
アイデシアは食事のたび、あまりにも幸せそうに食うので、見ている俺まで幸せな気持ちになる。
「美味しいです……!」
そう言うアイデシアが心底愛しくなった俺は、アイデシアの口元に付いた生クリームを、ペロリと舐めた。
「ああ、美味いな」
「ユークリッド様……!」
アイデシアは真っ赤になって狼狽えた。
うーん、可愛い。
……アイデシアは俺の悪戯心を煽る天才だ。
次に、俺はチョコクリームをたっぷりとパンケーキに付ける。
そして今度は、わざとアイデシアの唇にクリームをべとりと塗りつけてから、パンケーキを口元に運んだ。
「ユークリッドさ……むぅ?!」
驚き声を上げるアイデシアにパンケーキを頬張らせ、その唇を俺の唇で塞いだ。
そして、アイデシアの唇に付いたチョコクリームを舌で舐め取っていく。
「ん……ふぅ」
合わさる唇の隙間から、アイデシアの艶めかしい吐息が漏れる。
ああ、このまま押し倒したい。
唇を離すと、アイデシアに睨まれた。
「……ユークリッド様!」
「すまんすまん、あまりにお前が美味くてな」
「何を言ってるんですか!……もう!」
まずい、このままではアイデシアをまた怒らせてしまう!
唇への悪戯は、そのまま押し倒したくなってしまうからやめておこう。
フルーツソースをたっぷり付けたパンケーキを、今度はアイデシアの頬に付けてから口元に運ぶ。
そして、アイデシアのぷっくりした頬に付いたフルーツソースをペロリと舐める。
「ユークリッド様?!まさかわざと……?!」
俺は答える代わりにニッコリ微笑み、また、アイデシアの口元にパンケーキを運ぶ。
次は鼻に付けようかなと思い、そちらにパンケーキを運ぶと、……たっぷりと付けた蜂蜜がトロリとアイデシアの胸元に落ちた。
「ユークリッド様?!」
「すまんすまん、今のはワザとじゃないんだ。すぐに拭うから」
「……え?!」
落ちてしまったのだから、しょうがないよな。
俺はアイデシアのシャツワンピースのボタンを2つほど外し、胸元に落ちた蜂蜜をペロリと舐めた。
「……んっ」
甘く可愛らしい声を漏らした後、真っ赤になったアイデシアが涙目で俺を睨む。
「先ほど、『ティータイムが終わったら』と仰っていたのに……っ!」
「ああ、もちろん。まだティータイムだ」
そう言って俺は、パンケーキを一切れフォークに刺す。
蜂蜜はなかなか良い働きをするようだ。
……次も蜂蜜にしよう。
俺はパンケーキに蜂蜜をたっぷり付けて、アイデシアの口元に運ぶ。蜂蜜はトロリとアイデシアの胸元に落ちる。既に露わになっている谷間を伝い、ブラジャーに付着しそうになる。
真っ赤になったアイデシアが涙目で言う。
「ユークリッド様、悪戯はもうおやめください!衣類が汚れてしまいます」
「そうだな。このままだと汚れてしまうな」
俺はアイデシアのシャツワンピースのボタンを腹まで外し、腕を引き抜く。
「えっ……何を?!」
「こちらも汚れてしまうな」
ブラジャーのホックを外し、脱がせてしまう。
「アイデシア、これで汚れないぞ」
「ゆ、ユークリッド様……!!!」
アイデシアは更に頬を紅潮させ、涙目で俺を見る。
その顔が俺を煽るというのに。
俺はアイデシアの双丘の谷間の蜜を舐め上げた。
パンケーキをアイデシアの口元に運び、俺は何度も何度も蜜を落とす。
アイデシアの白い首筋に。美しい鎖骨に。むっちりした双丘に。ふわふわの二の腕に。
落とした蜜と、アイデシアの体を堪能する。
「……ぁんっ……」
アイデシアが可愛い声を漏らす。
「……アイデシアは本当に美味いな」
俺がそう言うと、アイデシアは真っ赤になって、涙を滲ませ上目遣いで俺を睨んだ。
そして、か細い声で言った。
「……ユークリッド様の意地悪」
か、可愛い!可愛いすぎるぞ!!アイデシア!!!
アイデシアを脱がせてしまったのはいいが、この状態で我慢するのはかなりキツい。
今度こそ、このまま押し倒したい気持ちになり、俺はパンケーキの最後の一切れをアイデシアの口元に運ぶ。
最後は蜜を落とさず、アイデシアが咀嚼する間にシャツワンピースのボタンを全て外して、剥ぎ取った。
「アイデシア、食べ終えたな。では……」
よーし、押し倒すぞ!
アイデシアを横たえようとしたら、……アイデシアがニッコリ微笑んで言った。
「ユークリッド様、まだ、ティータイムですよ?」
その妖艶な笑みは、アイデシアが今まで見せたことのない類のものだった。
「え?」
「ユークリッド様はまだ、パンケーキを召し上がっていません」
「え、もういいよ。俺はアイデシアを食べたい」
「ダメです。はい、あーん」
えーーー!!!
ショーツ姿のアイデシアを前に、押し倒せないとか、どんな拷問だ!
……と思ったら、アイデシアは俺の唇にわざとクリームを付けた。
「アイデシ……んっ」
アイデシアが俺の唇のクリームを舐める。
俺の唇を覆うぽってりとした唇。俺の唇を拭う小さな舌。俺の胸にむぎゅっと押し当てられる剥き出しの双丘。
ーーーまずい!これは非常にまずい!!!
唇が離れた瞬間、俺はアイデシアに訴えた。
「アイデシア!一刻も早く押し倒したい……!」
「ユークリッド様、ダメですよ?まだティータイムです」
うわあああ仕返しされている!!!
なんて拷問だ!!幸せすぎるけど!!!
アイデシアは俺の胸元にワザと蜂蜜をこぼす。
蜜は、俺の平らな胸をどんどん下へ伝っていった。
すると、アイデシアは俺のシャツのボタンを外していく。
そしてアイデシアは、俺の胸元に伝った蜂蜜を舌でつぅっと舐めとった。
「ーーーっっうぁ」
ゾクゾクする刺激に思わず声が漏れてしまった。
「ユークリッド様……」
アイデシアを見ると、なんとも嬉しそうな妖艶な微笑みを浮かべていた。
おいおいおい!アイデシアは根っからのM属性だと思ってたんだが?!
でも、この一連の仕返しと、この微笑み。
……ま、まさか、アイデシアはS属性も持ってるのか?!
最高だろ!!!!!おい!!!!!
アイデシアは俺のシャツのボタンを全て外し終え、脱がせてしまう。
そして、俺の口元にパンケーキを運ぶ度にわざと蜜を落としては、俺の胸や腹筋を舐める。
アイデシアのぽってりした唇が、小さな可愛い舌が、俺の肌を這う感触が、とんでもない快感を生み出す。
押し倒したい!!!もーほんと無理!!!
幸せだけど、耐えられない!!!
必死な思いで皿を見ると、パンケーキはあと二切れだった。
ーーーあと二切れ。
あと二切れで、この甘美な拷問が終わり、アイデシアをいただける。
アイデシアが、俺の口元にパンケーキを運ぶ。
すると、蜂蜜が、なんと俺の胸の蕾に……落ちた。
「……」
いや、待て。待つんだ。アイデシア。
そこは、俺も流石に、自重したんだぞ?
そんな思いで、アイデシアを見ると。
「ユークリッド様……」
紫水晶の瞳がギラリと光る。アイデシアは今はヒト型なのに。
ーーーその瞳の獰猛さは、ドラゴンのそれだった。
ああ、ダメだ。完全にS属性の顔だ。
アイデシアはうっとりとした表情で、俺の蕾に付いた蜂蜜をつうっと舐め上げた。
「ーーーーーっっっ」
うわぁああああああああああ!!!!!
アイデシアはそのまま俺の蕾全体を唇に含み、尖りを舌で転がす。
「ーーーっ、ーーーっっ、ーーーっっっ」
ちょっと待て!上手い!!上手すぎるだろ!!!
このままじゃ、出る。出る!無理!!無理!!!
俺はアイデシアの両肩を掴んで引き剥がした。
俺、ちょっと涙目になってるかもしれない。
「おい!アイデシア!!!どこで、そんなの、覚えた?!」
アイデシアは妖艶な顔を少しキョトンとさせ、首を傾げて言った。
「……ユークリッド様の真似、ですよ?」
うわーーー!!!おい!!!最高かよ!!!!!
しかもこの顔!!!この角度!!!!可愛いすぎるだろ!!!!!
いや、もうほんと無理!!!1秒たりとも我慢できない!!!!!
俺はパンケーキの最後の一切れをわし掴み、頬張り、紅茶で流し込んだ。
「……アイデシア」
俺はアイデシアを見て、ニッコリ微笑む。
「今度こそ、ティータイムは、終わったぞ?」
「」
アイデシアが口を開く前に、俺はその唇に貪り付いた。
「んんっ……んぅっ……」
そのままアイデシアをソファに横たえ、ショーツを脱がせ、俺はアイデシアに跨る。
ーーー形勢逆転だ。
俺は唇を離し、蜂蜜の皿を手に取った。
「覚悟は出来ているだろうな?アイデシア」
「……っ」
その瞬間、アイデシアの表情が完全なM属性に戻った。
2
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
王太子殿下の想い人が騎士団長だと知った私は、張り切って王太子殿下と婚約することにしました!
奏音 美都
恋愛
ソリティア男爵令嬢である私、イリアは舞踏会場を離れてバルコニーで涼んでいると、そこに王太子殿下の逢引き現場を目撃してしまいました。
そのお相手は……ロワール騎士団長様でした。
あぁ、なんてことでしょう……
こんな、こんなのって……尊すぎますわ!!
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
竜騎士王子のお嫁さん!
林優子
恋愛
国一番の竜騎士であるグレン王子は二十六歳。
竜が気に入る娘がいないため長く独身だったが、竜騎士の血統を絶やすわけにはいかず、お妃選び大会が催される。
お妃に選ばれた子爵令嬢のエルシーだが、十歳から女性に触れていないグレン王子は当然童貞。もちろんエルシーは処女。
エルシーは無事子作り出来るのか。キスから始まるレッスンの後、エルシーは王子のお嫁さんになる!
【第二章】王家の婚礼にして戴冠の儀式をするため始まりの地、ルルスに向かうエルシーとグレン王子。そこで、ある出会いが?運命の乙女を求め、愛する王家の秘密がちょっと明らかに。
※熱病という病気の話が出てきます。
「ムーンライトノベルズ」にも掲載しています。
初恋をこじらせたやさぐれメイドは、振られたはずの騎士さまに求婚されました。
石河 翠
恋愛
騎士団の寮でメイドとして働いている主人公。彼女にちょっかいをかけてくる騎士がいるものの、彼女は彼をあっさりといなしていた。それというのも、彼女は5年前に彼に振られてしまっていたからだ。ところが、彼女を振ったはずの騎士から突然求婚されてしまう。しかも彼は、「振ったつもりはなかった」のだと言い始めて……。
色気たっぷりのイケメンのくせに、大事な部分がポンコツなダメンズ騎士と、初恋をこじらせたあげくやさぐれてしまったメイドの恋物語。
*この作品のヒーローはダメンズ、ヒロインはダメンズ好きです。苦手な方はご注意ください
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
王太子殿下が好きすぎてつきまとっていたら嫌われてしまったようなので、聖女もいることだし悪役令嬢の私は退散することにしました。
みゅー
恋愛
王太子殿下が好きすぎるキャロライン。好きだけど嫌われたくはない。そんな彼女の日課は、王太子殿下を見つめること。
いつも王太子殿下の行く先々に出没して王太子殿下を見つめていたが、ついにそんな生活が終わるときが来る。
聖女が現れたのだ。そして、さらにショックなことに、自分が乙女ゲームの世界に転生していてそこで悪役令嬢だったことを思い出す。
王太子殿下に嫌われたくはないキャロラインは、王太子殿下の前から姿を消すことにした。そんなお話です。
ちょっと切ないお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる