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第九章 楓と直樹の穏やかな日々
51. 変化の兆し 前編 side. 楓
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ーーー安全なお菓子作り教室だったはずなのに。
「楓、こうやって切るように混ぜるんだ」
「……こうですか?
「そうそう。とっても上手だよ」
「は、はい……」
約束通り、直樹さんにホワイトデーのお菓子作りを教えてもらう日がやってきて、昨夜から直樹さんの家に来ている。
今日は、昼食後にスフレを一緒に作ることになった。
直樹さんは私のすぐ後ろに立ち、後ろから手を回して、混ぜ方の指導をしてくれていた。
「楓、残りのメレンゲを加えて混ぜようか」
「はい……」
背後から私の耳元で囁かれた艶めいた声は、いつも通りのはずなのに、何故かいつも以上の色気を孕んでいるように感じる。
耳には吐息がかかり、音は私のお腹の奥深くに響く。
後ろから回された腕と、背中に感じる体温に、私の体はすっかり期待してしまっているようだ。
私の体は熱を持ち、正直、お菓子作りどころではない。
ーーー危険すぎるお菓子作り教室だった……!
このまま直樹さんの方に振り返り、押し倒し、襲ってしまいたい気持ちになる。
……そういえば、初めてマッサージし合った時も同じ状況になったんだっけ。
あの時は「我慢しないですぐに言う」って約束したけど、流石に今は我慢しなくてはならない。
だって、私が直樹さんに『教えてほしい』とお願いしたのだから。
だけど、『せっかくだから作り甲斐のあるレシピにしよう』と直樹さんが選んでくれたスフレは、工程がとても多くてここまで我慢するのも、物凄く大変だった。
「楓、じゃあ、生地をココットに流し込もうか」
「ひゃ、ひゃい……」
直樹さんに襲いかかってしまいそうになるのを必死で抑えていたら、盛大に噛んでしまった。
「……楓?」
直樹さんが私の顔を覗き込む。
「「……」」
……たぶんバレてしまった。
私がお菓子作りどころではないことが。
直樹さんはふっと優しく微笑んで、私の唇に軽くキスをした。
「続きは、ココットをオーブンに入れてからね」
私はこくんと頷き、スフレの生地をココットに流し込む。
オーブンのスタートボタンを押して、直樹さんの方に向き直り、直樹さんと目が合った瞬間、どちらからともなく唇を重ねた。
優しいキスを角度を変えて何度も続けた後、直樹さんが自分の唇で私の唇を挟んだ。
私も大きく口を開け、直樹さんの唇を挟むと直樹さんがクスッと笑ったのを感じた。
その瞬間、直樹さんはもっと大きく口を開けて私の唇を挟んでしまう。
悔しくて何度も挟み返すのに、すぐに挟み返されてしまう。
ちょっと悔しい気持ちになって、でもそんな気持ちになることすらおかしくて、クスクス笑い合いながら何度も何度もお互い挟み合っていたら。
ぴーっ、ぴーっ、ぴーっ。
「「……」」
オーブンが鳴ったことに気付いた瞬間、直樹さんが項垂れた。
「……そうだった。10分焼いた後、温度を下げてもう一度焼かなきゃいけないんだ」
「そうなんですね。次は何分ですか?」
「5~10分で……。焼き色が付いたら完成なんだ」
直樹さんが心底残念そうな表情を浮かべた。
「じゃあ、5分だけ続き、……しましょう?」
「……え」
「……次は負けませんっ」
直樹さんが吹き出した。
「……そういうことか。……俺も、負けないよ」
直樹さんはオーブンとタイマーの設定をして、私の方に向き直る。
私の顎に手を置いて、私の唇を自分の唇で挟んだ。
私が負けじと挟み返そうと口を開けると、直樹さんは私の口内に舌を差し込んだ。
「んぅっ……?!」
私が驚いて目を開けると、直樹さんはイタズラっぽい笑みを浮かべていた。
挟む勝負のはずだったのに、何だか悔しくて、直樹さんの舌を唇で挟んでみた。
「!」
直樹さんがものすごく驚いた顔をしたので、フフンという顔をした。
そんな私を見て直樹さんがまた吹き出したのがわかって、私もふふっと笑ってしまった。
クスクス笑い合いながらも、直樹さんの舌は拘束したままでいると、舌先で私の舌をつつかれた。
それが合図になって、直樹さんの舌に自分の舌を絡める。
夢中で舌を絡め合い、その快感に夢中になっていると。
ぴぴぴぴぴ……。
今度はタイマーが鳴った。
「……。焼き色を見なきゃだね……」
「……どうですか?」
「あと1~2分ぐらいかな」
「……そうなんですね」
あと1~2分ということは、……続きは焼き上がってから、だろうか。
そんな風に思っていた私の予想は外れ、タイマーをセットした直樹さんは、ニッコリ笑って私に深いキスを再開した。
すっかり高まってしまっている私の体は、もっと強い刺激が欲しくなる。
「直樹さん、私……」
ぴぴぴぴぴ……。
再びタイマーが鳴った。
オーブンをチェックした直樹さんは、オーブンを開けて、スフレを取り出した。
ココットからはみ出して膨らんだスフレから、とても良い香りが漂ってくる。
焼き上がったのだから、今度こそ最後まで出来るだろうか。
邪な期待を胸に、直樹さんの方を見ると、直樹さんは残念そうな顔を浮かべていた。
「直樹さん、どうしました……?」
「楓、ごめん……。スフレは冷めるとしぼんじゃうから、焼き立てを食べなきゃなんだ」
「……。……ふふっ」
「楓?」
「こんなに美味しそうなスフレを前に、こんな残念な気持ちになっちゃうなんて、面白いなぁって……」
「……。ははっ、確かに。……スフレ、食べようか」
「はいっ」
「次はもっと工程が少なくて、焼いた後ほったらかしにできるレシピにするね……」
直樹さんが痛恨の表情でそんなことを言うので、私はまた吹き出してしまった。
そして顔を見合わせ、2人でクスクス笑い合った。
◇
そのあと直樹さんがコーヒーを淹れてくれて、2人でスフレを食べた。
「「ごちそうさまでした」」
とっても美味しかったけど、直樹さんの膝の上に座って食べさせ合ったりキスをしたりして、食べ終わる頃には、お菓子作りからずっと焦らされていた私の体は、すっかり高まってしまっていた。
「直樹さん……、もう、我慢しなくていいですか?」
「うん。俺も、……我慢しない」
2人で服を脱がせ合いながら、ふと思う。
そういえば、直樹さんは最近、私が直樹さんのモノに口付けても以前ほど狼狽えなくなっていた。
昨夜は舌を這わせたあと、一瞬だけ先端を口に含んでみたのだけど、困ったように笑って、そのあといつもの『お掃除キス』をしてくれたのだ。
以前から『ダメ』と一蹴されてきたお願いも、今ならOKしてもらえるかもしれない。
「直樹さん、スフレ作りを教えてもらったお礼に、今日は私が口でしてもいいですか?」
「……っ。……うーん……」
直樹さんは、物凄く困っているような、迷っているような素振りを見せたあと、口を開いた。
「……じゃあ、お願いしようかな」
「やったぁ」
「そんなに喜ぶとこ?!」
直樹さんが困ったように笑うのがおかしくて、また、2人でクスクス笑い合った。
そして、直樹さんは口を開いた。
「……でも、俺も一緒に、楓に口でさせてね」
「えっ! それじゃお礼にならないじゃないですか!」
「お礼なんていらないし、……楓も限界でしょ?」
……直樹さんは何でもお見通しだ。
私はこくんと頷いた。
「楓、こうやって切るように混ぜるんだ」
「……こうですか?
「そうそう。とっても上手だよ」
「は、はい……」
約束通り、直樹さんにホワイトデーのお菓子作りを教えてもらう日がやってきて、昨夜から直樹さんの家に来ている。
今日は、昼食後にスフレを一緒に作ることになった。
直樹さんは私のすぐ後ろに立ち、後ろから手を回して、混ぜ方の指導をしてくれていた。
「楓、残りのメレンゲを加えて混ぜようか」
「はい……」
背後から私の耳元で囁かれた艶めいた声は、いつも通りのはずなのに、何故かいつも以上の色気を孕んでいるように感じる。
耳には吐息がかかり、音は私のお腹の奥深くに響く。
後ろから回された腕と、背中に感じる体温に、私の体はすっかり期待してしまっているようだ。
私の体は熱を持ち、正直、お菓子作りどころではない。
ーーー危険すぎるお菓子作り教室だった……!
このまま直樹さんの方に振り返り、押し倒し、襲ってしまいたい気持ちになる。
……そういえば、初めてマッサージし合った時も同じ状況になったんだっけ。
あの時は「我慢しないですぐに言う」って約束したけど、流石に今は我慢しなくてはならない。
だって、私が直樹さんに『教えてほしい』とお願いしたのだから。
だけど、『せっかくだから作り甲斐のあるレシピにしよう』と直樹さんが選んでくれたスフレは、工程がとても多くてここまで我慢するのも、物凄く大変だった。
「楓、じゃあ、生地をココットに流し込もうか」
「ひゃ、ひゃい……」
直樹さんに襲いかかってしまいそうになるのを必死で抑えていたら、盛大に噛んでしまった。
「……楓?」
直樹さんが私の顔を覗き込む。
「「……」」
……たぶんバレてしまった。
私がお菓子作りどころではないことが。
直樹さんはふっと優しく微笑んで、私の唇に軽くキスをした。
「続きは、ココットをオーブンに入れてからね」
私はこくんと頷き、スフレの生地をココットに流し込む。
オーブンのスタートボタンを押して、直樹さんの方に向き直り、直樹さんと目が合った瞬間、どちらからともなく唇を重ねた。
優しいキスを角度を変えて何度も続けた後、直樹さんが自分の唇で私の唇を挟んだ。
私も大きく口を開け、直樹さんの唇を挟むと直樹さんがクスッと笑ったのを感じた。
その瞬間、直樹さんはもっと大きく口を開けて私の唇を挟んでしまう。
悔しくて何度も挟み返すのに、すぐに挟み返されてしまう。
ちょっと悔しい気持ちになって、でもそんな気持ちになることすらおかしくて、クスクス笑い合いながら何度も何度もお互い挟み合っていたら。
ぴーっ、ぴーっ、ぴーっ。
「「……」」
オーブンが鳴ったことに気付いた瞬間、直樹さんが項垂れた。
「……そうだった。10分焼いた後、温度を下げてもう一度焼かなきゃいけないんだ」
「そうなんですね。次は何分ですか?」
「5~10分で……。焼き色が付いたら完成なんだ」
直樹さんが心底残念そうな表情を浮かべた。
「じゃあ、5分だけ続き、……しましょう?」
「……え」
「……次は負けませんっ」
直樹さんが吹き出した。
「……そういうことか。……俺も、負けないよ」
直樹さんはオーブンとタイマーの設定をして、私の方に向き直る。
私の顎に手を置いて、私の唇を自分の唇で挟んだ。
私が負けじと挟み返そうと口を開けると、直樹さんは私の口内に舌を差し込んだ。
「んぅっ……?!」
私が驚いて目を開けると、直樹さんはイタズラっぽい笑みを浮かべていた。
挟む勝負のはずだったのに、何だか悔しくて、直樹さんの舌を唇で挟んでみた。
「!」
直樹さんがものすごく驚いた顔をしたので、フフンという顔をした。
そんな私を見て直樹さんがまた吹き出したのがわかって、私もふふっと笑ってしまった。
クスクス笑い合いながらも、直樹さんの舌は拘束したままでいると、舌先で私の舌をつつかれた。
それが合図になって、直樹さんの舌に自分の舌を絡める。
夢中で舌を絡め合い、その快感に夢中になっていると。
ぴぴぴぴぴ……。
今度はタイマーが鳴った。
「……。焼き色を見なきゃだね……」
「……どうですか?」
「あと1~2分ぐらいかな」
「……そうなんですね」
あと1~2分ということは、……続きは焼き上がってから、だろうか。
そんな風に思っていた私の予想は外れ、タイマーをセットした直樹さんは、ニッコリ笑って私に深いキスを再開した。
すっかり高まってしまっている私の体は、もっと強い刺激が欲しくなる。
「直樹さん、私……」
ぴぴぴぴぴ……。
再びタイマーが鳴った。
オーブンをチェックした直樹さんは、オーブンを開けて、スフレを取り出した。
ココットからはみ出して膨らんだスフレから、とても良い香りが漂ってくる。
焼き上がったのだから、今度こそ最後まで出来るだろうか。
邪な期待を胸に、直樹さんの方を見ると、直樹さんは残念そうな顔を浮かべていた。
「直樹さん、どうしました……?」
「楓、ごめん……。スフレは冷めるとしぼんじゃうから、焼き立てを食べなきゃなんだ」
「……。……ふふっ」
「楓?」
「こんなに美味しそうなスフレを前に、こんな残念な気持ちになっちゃうなんて、面白いなぁって……」
「……。ははっ、確かに。……スフレ、食べようか」
「はいっ」
「次はもっと工程が少なくて、焼いた後ほったらかしにできるレシピにするね……」
直樹さんが痛恨の表情でそんなことを言うので、私はまた吹き出してしまった。
そして顔を見合わせ、2人でクスクス笑い合った。
◇
そのあと直樹さんがコーヒーを淹れてくれて、2人でスフレを食べた。
「「ごちそうさまでした」」
とっても美味しかったけど、直樹さんの膝の上に座って食べさせ合ったりキスをしたりして、食べ終わる頃には、お菓子作りからずっと焦らされていた私の体は、すっかり高まってしまっていた。
「直樹さん……、もう、我慢しなくていいですか?」
「うん。俺も、……我慢しない」
2人で服を脱がせ合いながら、ふと思う。
そういえば、直樹さんは最近、私が直樹さんのモノに口付けても以前ほど狼狽えなくなっていた。
昨夜は舌を這わせたあと、一瞬だけ先端を口に含んでみたのだけど、困ったように笑って、そのあといつもの『お掃除キス』をしてくれたのだ。
以前から『ダメ』と一蹴されてきたお願いも、今ならOKしてもらえるかもしれない。
「直樹さん、スフレ作りを教えてもらったお礼に、今日は私が口でしてもいいですか?」
「……っ。……うーん……」
直樹さんは、物凄く困っているような、迷っているような素振りを見せたあと、口を開いた。
「……じゃあ、お願いしようかな」
「やったぁ」
「そんなに喜ぶとこ?!」
直樹さんが困ったように笑うのがおかしくて、また、2人でクスクス笑い合った。
そして、直樹さんは口を開いた。
「……でも、俺も一緒に、楓に口でさせてね」
「えっ! それじゃお礼にならないじゃないですか!」
「お礼なんていらないし、……楓も限界でしょ?」
……直樹さんは何でもお見通しだ。
私はこくんと頷いた。
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