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第九章 楓と直樹の穏やかな日々
50. 黒い気持ち(※) side. 直樹
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ホワイトデーの時期がやってきた。
ホワイトデーもバレンタインと同様に月命日の翌日だった。
月命日に有休休暇を取って会おうという話を、楓としていた。
その前日に会社に迎えに行って良いだろうか。
楓に会った時に聞いてみることにして、俺は不動産情報サイトを開く。
広いお風呂がある家に引っ越すため、最近は夜な夜な物件探しをしていた。
とはいえ単身者向けの賃貸マンションで、広いお風呂がある物件はなかなかない。
根気強く探すうちに、『分譲賃貸』と呼ばれる賃貸に出されている分譲マンションはお風呂が広いことに気付いた。
だけど、分譲賃貸は圧倒的に数が少なく、楓の家や会社から遠かったり、駐車場に空きがなかったりして、なかなか条件が合わない。
楓に関わるものは、条件を下げたくない。
自分1人ならいくらでも妥協できるのに、楓が絡むと俺は物凄く欲張りになってしまう。
他の分譲マンションが賃貸に出されるのを待つか。
物件探しは難航したまま、次の週末がやってきた。
◇
楓を膝に乗せ、今度の月命日の話をする。
「楓、今度の月命日、前日からうちに来る?」
「あっ、その日は……、予定が、あるんです……」
「……そっか」
楓は俺と目を合わせないようにしながらそう言った。
普段はオープンに予定を教えてくれるのに、何故か今は言葉を濁している。
「じゃあ、仕方ないね。月命日に家に迎えに行くよ」
「ありがとうございます」
俺が深く聞かなかったことに安堵したような表情を、楓は浮かべた。
隠し事をするような態度に、勝手に傷付いたような気持ちになる。
どこに行くんだろうか?
誰と会うんだろうか?
楓のこと、何でも知りたい。
知らないことが、怖い。
俺の知らない場所で、俺の知らない人と会って。
楓がその人に惹かれてしまったら?
俺を置いて、俺のもとから去ったりしない?
すると、楓が焦ったように口を開いた。
「……あ、あの、直樹さん! 今は内緒なんですけど、月命日に会った時にはちゃんと話すので」
「……え?」
「そんな顔、しないで?」
同じ言葉を、一緒にお風呂に入った時にも言われたことを思い出す。
「……俺、そんなにわかりやすい?」
「いえ、わかりにくい方だと思います。でも、少しだけ、わかるようになってきました」
「……そっか。……俺、どんな顔してる?」
「置いてけぼりにされるのを怖がる子犬のような……」
「えっ! そんな情けない顔?!」
「ふふっ、……可愛いです」
楓はそう言って膝立ちになり、座ったままの俺の額に口付けた。
その唇が違う場所に欲しくて、俺は楓の両頬を両手で包み、顔を上げる。
楓と目が合い、口付けた。
「んぅ……」
楓が欲しい。全部。
楓の心も体も時間も全て、俺の所有物になったらいいのに。
楓は、悠斗と葵ちゃんが別れた時も、2人を亡くした時も、俺を喪失感から救ってくれた。
俺の望みを叶えてくれると、我慢しなくていいと言ってくれた。
与える喜びも、与えられる喜びも、教えてくれた。
独占欲すら受け入れてくれて、俺すら自覚していなかった、男の欲への抑圧から救ってくれたのだ。
楓に救われていくと同時に、俺はどんどん欲深くなっていく。
世界中の誰よりも大事にしたいのに。
楓を閉じ込めてしまいたいという真逆の気持ちが込み上げる。
そんな独占欲に任せて、楓の唇を貪り、服の裾から手を忍び込ませる。
このタイミングで少し焦らすと、楓は高まりやすい。
胸と脇の間に指を這わせ、蕾に当たるか当たらないかのところに刺激を与える。
「ゃあ、なおきさん、さわって……?」
「うん、触ってあげる」
楓のおねだり通り、蕾をくいっと摘む。
「ぁあんっ……なおきさ、きもちい……」
楓の体調や状況に合わせて、一番気持ち良くなれるように愛撫をする。
ねぇ、楓。
楓の望みは何でも叶えてあげる。
楓が自覚してない望みも、欲望も、俺が一番良い形で実現してあげる。
だから、俺とずっと一緒にいてよ。
たった一夜の予定一つで狂おしいほどの嫉妬と不安に支配される自分が怖い。
溢れる黒い気持ちが抑えられなかった。
「ぁあっん、ぁあんっ」
楓の上に跨り、俺の先端で楓の秘部を刺激する。
楓の秘芽はすっかり大きく膨らんでいて、こういう時は秘芽より花びらを刺激してやる方が、楓はより激しく達するのだ。
俺の下にいる楓を見て思う。
俺の両腕両脚は、まるで楓を捉える檻のようだった。
この檻の中に、楓をずっと閉じ込められればいいのに。
◇
行為のあと、避妊具の処理をするため俺が体を離すと、楓が俺の腕に抱きついた。
「直樹さん、ちょっとだけ待ってください」
「……え」
俺が何か問う前に楓が伏せ、避妊具を器用に外した楓が、俺のモノを根元から先端まで舐め上げた。
「……かえでっ」
「えへへ、今日の分です。……少しは慣れました?」
「全然慣れないよ……」
俺はそう言って、避妊具を楓の手から取って処理してしまう。
そして、いつも通り、楓の口内を俺の舌で拭った。
「ふふっ、……私、このキスまでセットで好きです」
楓はそう言って、満腹で幸せいっぱいの子供みたいな笑顔を浮かべる。
楓のこの笑顔が見れるなら、俺の抵抗感なんてどうでも良い気持ちになる。
「……俺も」
俺がそう言うのを聞いて、楓はまた嬉しそうに笑った。
その笑顔をみて、想いが込み上げて、俺の本音が口をついて出た。
「楓、行かないで。俺が出来ることなら何でもするから」
俺は思わず口を噤む。
「行かない……? 直樹さんが、何でも……?」
「ごめん、楓、気にしないで。俺、ほんとどうかしてる……」
「じゃあ、直樹さん。私にお菓子作り教えてくれますか?」
「……え? お菓子作り?」
「いえ、あの、月命日の前日は、私、ホワイトデーのためにお菓子作り教室に通う予定だったんです! でも、直樹さんに教えてもらった方が直樹さんの好みの物が作れるなって思って。だから直樹さんにお菓子作りを教えてもらえるなら、お菓子作り教室に行くのはやめようと思います!」
そうか、俺の『行かないで』は『一生俺から離れて行かないで』という意味のつもりだったけど。
楓は『月命日の前日、行かないで』という限定的な意味に取ったらしい。
「もちろんだよ。俺が教えてあげる」
「じゃあ、月命日の前日に、迎えに来てくれますか?」
「うん! もちろんっ」
俺がぎゅうっと楓を抱き締めると、楓は可笑しそうに笑った。
「よかった。やっと直樹さんの黒いオーラが消えました」
「えっ! そんなの出てた?!」
「……はい」
まさか、そんなの、楓を俺の意向に従わせるために態度を悪くしたみたいじゃないか。
「ごめん。本当に無自覚で、楓に行かせないつもりじゃなかったんだ。……俺、こんなに面倒な男じゃなかったはずなのに……。どんどん厄介な男になってる気がする」
俺が項垂れてそう言うと、楓が目を瞬いた。
「全然そんな風に思いませんよ? 直樹さんと一緒に作る方が直樹さんの好きな物が作れるし、きっと2人で過ごした方が楽しそうだってことに気付いて、私が決めたんですよ?」
「……楓」
俺が顔を上げると、楓が気恥ずかしそうに続けた。
「……あと、厄介になってるのは、私の方かもです」
「……え?!」
「お菓子作り教室のこと、直樹さんに言わなかったのはサプライズにしたかったのもあるんですけど。言ったら一緒に行くことになるかなって思って」
「……ええっ?! 俺と行きたくなかったの?」
「……だって、直樹さんが来ちゃったら、背が高い上に物凄くカッコいいから、女性たちの注目を集めちゃうじゃないですか! 注目が集まった状態で、更にお菓子作りが上手いのまで見られちゃったら、女性たちが直樹さんに殺到しちゃうんじゃないかって思って……。言わなかった理由は、そんな厄介な独占欲もあったなって……。反省しました」
「そっかぁ。……全然、厄介なんかじゃない。めちゃくちゃ嬉しい……」
なんだ。楓は俺にサプライズをしたかったのと、俺を独占したかったから、内緒にしようとしてたのか。
安堵と歓喜の気持ちが湧き上がり、俺はぎゅうぎゅうと楓を抱き締めた。
……だけど、大変なことに気付いてしまった。
「……待って! お菓子作り教室なんて、まさにふわふわ系の女の子ばっかり来てそうじゃないか!」
「確かにそうですね。葵先輩も、悠斗さんにバレンタインのチョコを手作りするために、通ったって言ってました」
「そんな危険なとこに、楓が1人で行こうとしてたなんて考えただけで……」
青褪め震える俺を見て、楓が目を瞬いた。
そして、ふふっと吹き出した。
「大丈夫ですよ。私、直樹さん一筋なので! ……それに、ホワイトデー直前だから、男性も多いかもです」
「それはそれで危険すぎるっ!」
俺がそう言うと、楓は可笑しそうに、だけど嬉しそうに笑った。
「ふふっ、じゃあ私は、直樹さんと私だけの、安全なお菓子作り教室にしますね」
「……うん、ごめん。そうしてくれたら嬉しい」
楓の行動を制限してしまったことを申し訳なく思う反面、俺は物凄く安堵した。
だけどまだ俺は知らない。
この黒い気持ちは膨らむ一方で、歯止めが効かなくなっていくことに。
ホワイトデーもバレンタインと同様に月命日の翌日だった。
月命日に有休休暇を取って会おうという話を、楓としていた。
その前日に会社に迎えに行って良いだろうか。
楓に会った時に聞いてみることにして、俺は不動産情報サイトを開く。
広いお風呂がある家に引っ越すため、最近は夜な夜な物件探しをしていた。
とはいえ単身者向けの賃貸マンションで、広いお風呂がある物件はなかなかない。
根気強く探すうちに、『分譲賃貸』と呼ばれる賃貸に出されている分譲マンションはお風呂が広いことに気付いた。
だけど、分譲賃貸は圧倒的に数が少なく、楓の家や会社から遠かったり、駐車場に空きがなかったりして、なかなか条件が合わない。
楓に関わるものは、条件を下げたくない。
自分1人ならいくらでも妥協できるのに、楓が絡むと俺は物凄く欲張りになってしまう。
他の分譲マンションが賃貸に出されるのを待つか。
物件探しは難航したまま、次の週末がやってきた。
◇
楓を膝に乗せ、今度の月命日の話をする。
「楓、今度の月命日、前日からうちに来る?」
「あっ、その日は……、予定が、あるんです……」
「……そっか」
楓は俺と目を合わせないようにしながらそう言った。
普段はオープンに予定を教えてくれるのに、何故か今は言葉を濁している。
「じゃあ、仕方ないね。月命日に家に迎えに行くよ」
「ありがとうございます」
俺が深く聞かなかったことに安堵したような表情を、楓は浮かべた。
隠し事をするような態度に、勝手に傷付いたような気持ちになる。
どこに行くんだろうか?
誰と会うんだろうか?
楓のこと、何でも知りたい。
知らないことが、怖い。
俺の知らない場所で、俺の知らない人と会って。
楓がその人に惹かれてしまったら?
俺を置いて、俺のもとから去ったりしない?
すると、楓が焦ったように口を開いた。
「……あ、あの、直樹さん! 今は内緒なんですけど、月命日に会った時にはちゃんと話すので」
「……え?」
「そんな顔、しないで?」
同じ言葉を、一緒にお風呂に入った時にも言われたことを思い出す。
「……俺、そんなにわかりやすい?」
「いえ、わかりにくい方だと思います。でも、少しだけ、わかるようになってきました」
「……そっか。……俺、どんな顔してる?」
「置いてけぼりにされるのを怖がる子犬のような……」
「えっ! そんな情けない顔?!」
「ふふっ、……可愛いです」
楓はそう言って膝立ちになり、座ったままの俺の額に口付けた。
その唇が違う場所に欲しくて、俺は楓の両頬を両手で包み、顔を上げる。
楓と目が合い、口付けた。
「んぅ……」
楓が欲しい。全部。
楓の心も体も時間も全て、俺の所有物になったらいいのに。
楓は、悠斗と葵ちゃんが別れた時も、2人を亡くした時も、俺を喪失感から救ってくれた。
俺の望みを叶えてくれると、我慢しなくていいと言ってくれた。
与える喜びも、与えられる喜びも、教えてくれた。
独占欲すら受け入れてくれて、俺すら自覚していなかった、男の欲への抑圧から救ってくれたのだ。
楓に救われていくと同時に、俺はどんどん欲深くなっていく。
世界中の誰よりも大事にしたいのに。
楓を閉じ込めてしまいたいという真逆の気持ちが込み上げる。
そんな独占欲に任せて、楓の唇を貪り、服の裾から手を忍び込ませる。
このタイミングで少し焦らすと、楓は高まりやすい。
胸と脇の間に指を這わせ、蕾に当たるか当たらないかのところに刺激を与える。
「ゃあ、なおきさん、さわって……?」
「うん、触ってあげる」
楓のおねだり通り、蕾をくいっと摘む。
「ぁあんっ……なおきさ、きもちい……」
楓の体調や状況に合わせて、一番気持ち良くなれるように愛撫をする。
ねぇ、楓。
楓の望みは何でも叶えてあげる。
楓が自覚してない望みも、欲望も、俺が一番良い形で実現してあげる。
だから、俺とずっと一緒にいてよ。
たった一夜の予定一つで狂おしいほどの嫉妬と不安に支配される自分が怖い。
溢れる黒い気持ちが抑えられなかった。
「ぁあっん、ぁあんっ」
楓の上に跨り、俺の先端で楓の秘部を刺激する。
楓の秘芽はすっかり大きく膨らんでいて、こういう時は秘芽より花びらを刺激してやる方が、楓はより激しく達するのだ。
俺の下にいる楓を見て思う。
俺の両腕両脚は、まるで楓を捉える檻のようだった。
この檻の中に、楓をずっと閉じ込められればいいのに。
◇
行為のあと、避妊具の処理をするため俺が体を離すと、楓が俺の腕に抱きついた。
「直樹さん、ちょっとだけ待ってください」
「……え」
俺が何か問う前に楓が伏せ、避妊具を器用に外した楓が、俺のモノを根元から先端まで舐め上げた。
「……かえでっ」
「えへへ、今日の分です。……少しは慣れました?」
「全然慣れないよ……」
俺はそう言って、避妊具を楓の手から取って処理してしまう。
そして、いつも通り、楓の口内を俺の舌で拭った。
「ふふっ、……私、このキスまでセットで好きです」
楓はそう言って、満腹で幸せいっぱいの子供みたいな笑顔を浮かべる。
楓のこの笑顔が見れるなら、俺の抵抗感なんてどうでも良い気持ちになる。
「……俺も」
俺がそう言うのを聞いて、楓はまた嬉しそうに笑った。
その笑顔をみて、想いが込み上げて、俺の本音が口をついて出た。
「楓、行かないで。俺が出来ることなら何でもするから」
俺は思わず口を噤む。
「行かない……? 直樹さんが、何でも……?」
「ごめん、楓、気にしないで。俺、ほんとどうかしてる……」
「じゃあ、直樹さん。私にお菓子作り教えてくれますか?」
「……え? お菓子作り?」
「いえ、あの、月命日の前日は、私、ホワイトデーのためにお菓子作り教室に通う予定だったんです! でも、直樹さんに教えてもらった方が直樹さんの好みの物が作れるなって思って。だから直樹さんにお菓子作りを教えてもらえるなら、お菓子作り教室に行くのはやめようと思います!」
そうか、俺の『行かないで』は『一生俺から離れて行かないで』という意味のつもりだったけど。
楓は『月命日の前日、行かないで』という限定的な意味に取ったらしい。
「もちろんだよ。俺が教えてあげる」
「じゃあ、月命日の前日に、迎えに来てくれますか?」
「うん! もちろんっ」
俺がぎゅうっと楓を抱き締めると、楓は可笑しそうに笑った。
「よかった。やっと直樹さんの黒いオーラが消えました」
「えっ! そんなの出てた?!」
「……はい」
まさか、そんなの、楓を俺の意向に従わせるために態度を悪くしたみたいじゃないか。
「ごめん。本当に無自覚で、楓に行かせないつもりじゃなかったんだ。……俺、こんなに面倒な男じゃなかったはずなのに……。どんどん厄介な男になってる気がする」
俺が項垂れてそう言うと、楓が目を瞬いた。
「全然そんな風に思いませんよ? 直樹さんと一緒に作る方が直樹さんの好きな物が作れるし、きっと2人で過ごした方が楽しそうだってことに気付いて、私が決めたんですよ?」
「……楓」
俺が顔を上げると、楓が気恥ずかしそうに続けた。
「……あと、厄介になってるのは、私の方かもです」
「……え?!」
「お菓子作り教室のこと、直樹さんに言わなかったのはサプライズにしたかったのもあるんですけど。言ったら一緒に行くことになるかなって思って」
「……ええっ?! 俺と行きたくなかったの?」
「……だって、直樹さんが来ちゃったら、背が高い上に物凄くカッコいいから、女性たちの注目を集めちゃうじゃないですか! 注目が集まった状態で、更にお菓子作りが上手いのまで見られちゃったら、女性たちが直樹さんに殺到しちゃうんじゃないかって思って……。言わなかった理由は、そんな厄介な独占欲もあったなって……。反省しました」
「そっかぁ。……全然、厄介なんかじゃない。めちゃくちゃ嬉しい……」
なんだ。楓は俺にサプライズをしたかったのと、俺を独占したかったから、内緒にしようとしてたのか。
安堵と歓喜の気持ちが湧き上がり、俺はぎゅうぎゅうと楓を抱き締めた。
……だけど、大変なことに気付いてしまった。
「……待って! お菓子作り教室なんて、まさにふわふわ系の女の子ばっかり来てそうじゃないか!」
「確かにそうですね。葵先輩も、悠斗さんにバレンタインのチョコを手作りするために、通ったって言ってました」
「そんな危険なとこに、楓が1人で行こうとしてたなんて考えただけで……」
青褪め震える俺を見て、楓が目を瞬いた。
そして、ふふっと吹き出した。
「大丈夫ですよ。私、直樹さん一筋なので! ……それに、ホワイトデー直前だから、男性も多いかもです」
「それはそれで危険すぎるっ!」
俺がそう言うと、楓は可笑しそうに、だけど嬉しそうに笑った。
「ふふっ、じゃあ私は、直樹さんと私だけの、安全なお菓子作り教室にしますね」
「……うん、ごめん。そうしてくれたら嬉しい」
楓の行動を制限してしまったことを申し訳なく思う反面、俺は物凄く安堵した。
だけどまだ俺は知らない。
この黒い気持ちは膨らむ一方で、歯止めが効かなくなっていくことに。
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