👨❓️二人用声劇台本「再会」

再会

｢再会｣
所要時間5分～10分
主人公：男性
居酒屋店員・同窓会幹事：不問

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主人公ナレーション｢俺は25才のサラリーマン。成人式以来の中学の同窓会を明日に控え、五年ぶりに地元に帰省した｣

主人公：あ～久しぶりだなー。五年もたてば駅前くらいは変わってるかと思ったけど、田舎だからそんなに変わらないか。(時計を見る感じで)あっもうこんな時間か。腹減ったけど、この時間じゃ開いてる店も限られるな。あっ！ここの居酒屋にするか。

居酒屋店員：(威勢良く)へい！いらっしゃい！お一人様ですね！こちらへどうぞ～！新規一名様ご来店でーす！

主人公：えっとじゃあとりあえず生と枝豆ください。

店員：はい、生1つ枝豆1つですね？ありがとうございまーす！生一丁枝豆一丁入りました～(間)お待たせしましたー

主人公：ありがとう。(生ビールを飲む感じで)ゴクゴクゴク。はぁ～ウマイ！すみませーん！生ビールおかわり！

店員：はい、生一丁！ありがとうございまーす！

主人公：はぁ～疲れたなぁ。仕事終わって、最終の新幹線でギリギリだったもんなぁ。それにしても明日は楽しみだなー。誰が来るんだろー

店員：はい、生でーす！

主人公：ありがとう。(生ビールを飲む感じで)ゴクゴクゴク。はぁ～さすがにすきっ腹(ぱら)にビールはきくな～！ちょっと酔ってきたかな？

主人公：あれ？同級生の加藤だよな？久しぶりー！お前も同窓会出るから今日来たのか？じゃあこっち来て一緒に飲もうぜ！あっすみませーん！生二つください！

店員：(不思議そうに)あっはい。生二つでいいですか？生二丁ありがとうございまーす！

主人公：何つったってんだよー。早くこっち来て座れよ。

店員：生ビールお待たせしましたー

主人公：久しぶりだし乾杯しようぜっ！かんぱーい！ん？なんだよ、飲まないのか？なんか顔色も悪いしちょっとやせたみたいだけど大丈夫か？

加藤：…

主人公：なんだよ！緊張してんのか？何にもしゃべんないし。あっ俺の事思い出せない、とか？まっ、しょうがないか。中学の時一緒のクラスになった事なかったもんなぁ。
お前はさっ、野球部のピッチャーでエースだったし、女の子にはモテモテだったもんな～高校には野球の推薦で行けてたしさ、すっげーうらやましかったんだぜ。夏の高校野球、テレビで応援してたっけなぁ、懐かしいなー。高校卒業してからプロ野球で活躍とかスゲーよな！まさか同級生でプロ野球の選手がいるなんてさっ！結構自慢させてもらってたんだぜ！でも最近は先発で出ないし、ケガでもしたんじゃないかって心配してたんだぞ！元気なんだよな？？本当に大丈夫か？？

【携帯のバイブ音が鳴る・ブブーブブー】
主人公：(眠りから覚めた感じで)ん～？あれ、俺いつの間に寝てたんだ？なんかメールが届いたみたいだな。あっ同窓会の幹事から、明日の参加者のリストが送られてきたのか。(リストを読んでる感じで)ふむふむ。あれ？加藤入ってないな。
(加藤に聞く感じで)なぁ？お前も同窓会行くよな？って、あれ？いないや。俺が寝てる間に帰ちゃったのかな？(店員に聞く)あのーすみません。俺の連れって帰っちゃいました？

店員：えっ？お客さんのお連れさんっていましたか？ずっと一人だったと思いますよ？

主人公：え？だって今まで加藤としゃべってたよな？んっ？全部夢だったかのか？あっ、幹事に連絡してみるか。

〈幹事に電話する〉
幹事：はい、もしもし。

主人公：あっ俺だけど久しぶり。なぁ加藤って明日来るよな？

幹事：え？加藤は今病院にいるから参加できないよ(参加できないわよ)。

主人公：まさか。だって、さっきまで一緒に居酒屋で話してたんだぜ？

幹事：それはあり得ないぞ(わよ)。ここ何ヵ月も昏睡(こんすい)状態が続いてて、出歩くなんてできるわけないんだぞ(ないわよ)。

主人公：マジか…病院行ったら面会出来るのか？

幹事：うん。面会はできるらしいぞ(らしいわよ)。同級生の声聞いたら思い出して意識が戻るかもしれないし俺(私)も明日、同窓会始まる前に病院寄るつもりなんだ(つもりなの)。

主人公：そっか。それじゃあ俺も明日、病院寄るわ。うん、じゃあまた明日な。

〈電話を切る〉
主人公：まさかさっきしゃべってた加藤が病院にいるとはな。本当に夢だったのか？

幹事ナレーション｢次の日、病院の病室に到着｣

主人公：ここか。(病室にいた同級生を見て)あっ、みんなも来てたのか、久しぶり！

幹事：おー！久しぶり。加藤に話しかけてやってくれ(話しかけてあげて)。

主人公：うん。昨日見た時、顔色悪くてちょっとやせたと思ってたけど昨日と見たまんまだな。(ベッドにいる加藤に向かって)なぁ加藤、昨日居酒屋で俺と話したよなっ？また一緒にビール飲もうぜ！なあっ！なんか言えよっ！(泣くのを我慢する)っくー、何だよ！お前は俺より、ずっとずぅーっとスゲー奴で、あこがれの存在でさ。また、ちゃんと話せるの楽しみにしてるんだから起きてくれよ！なあっ！

【心電図の効果音・ピッピピッ】
幹事：ん？心電図に変化あったみたいだぞ(みたいよ)

主人公：こ、これって意識戻るのか？

幹事：あれ？今指動かなかった？

主人公：おっおい！加藤！分かるか？

幹事：なぁ(ねぇ)、まぶたも動いてないか？あっ目が開いた！

主人公：加藤！俺だよ！なあ！昨日居酒屋で一緒にしゃべったよな？(間)うなずいてくれてるのか！まだ声は出ないかぁ。でも意識戻って本当良かったっ！幽体離脱って事になるのか？不思議な事ってあるもんだな！積もる話もあるしさ、話聞いてくれよ！昨日の続き話させてくれよ、な！

―END―